カワモズクニュース№33

カワモズクニュース№33
2015.1.5
〔ミョウテンジカワモズク・妙典寺〕
12月、水桶のカワモズクは極端に減少していましたが、塩ビ管の先に
新たな藻体が観察できました。採取し検鏡しました。
大きいものでも7㎜程度と小さい藻体でしたが精子嚢、造果器をたくさ
ん持っていました。造果器の形はぷっくりしています。受精が確認でき
ましたが、果胞子体は観察できませんでした。また、シャントランシア体
では盛んに変態を起こしていました。
一方、市場峡公園でも12月、突然、石枠に2.5㎝ほどのミョウテンジカ
ワモズクが観察されており、そちらでは果胞子体もたくさん観察できまし
た。
↑水桶と塩ビ管 ↓藻体とシャントランシア体
受精前は電球
の形をしている。
12月2日 9:30 晴
気温13.8℃ 水温15.1℃ PH6.64
水量 40cc/秒
水桶の中に藻体の盛んな生育が
見られず、塩ビ管の先に発育する
のはどういう理由なのでしょうか。
シャントランシア体から
藻体に変態
受精後の造果器
〔大泉井頭公園のカワモズク〕
この区間に生育
「白子川散策マップ」白子川流域環境協議会より
10月26日〔日)“白子川まつり”が開催さ
れました。今年は例年になく早くカワモズ
クが発生したので見に来ない?とお誘い
を受け出かけました。
10年ほど前から白子川にはこの源流部
と八の釜いこいの森にニホンカワモズク
が生育していると聞いていました。ところ
が活動団体に聞いてみると八の釜に生
育する種が「ニホンカワモズク」なので同
水中にゆれるカワモズク
護岸から染み出す湧水 シャントラ
ンシア体を確認
様だろうと同定はしていないとのことでした。
河床にはびっしりとカワモズクが生育しています。採
取してみるとBatrachospermum gelatinosum カワモズ
ク とBatrachospermum japonicum Moriニホンカワ
モズク が混生していること分かりました。
ニホンカワモズクはカワモズクのシノニムに統合さ
れていた時期があり、未だ混沌としていて今後の分
子解析結果を待たねばなりません。
下図は観察されたニホンカワモズクの各部位と果
胞子体形成の過程を記しました。
藻体(100倍)
精子嚢
輪生枝の
先端に付
く
造果器
1次輪生枝は周心細胞から3本、稀に4本
果胞子は放出され発芽し
シャントランシア体を形成
している。
(種は未定)
12月4日(木)
気温9.8℃
川水温11.6℃
湧水温16.7℃
PH6.84
受精毛の大きさ
受精して分裂
が始まる。
果胞子嚢
造果器の枝は拡張し成長した果胞子体を
ささえる。
造胞糸
(ニュースに対するお問合せ)
白子・大坂湧水林保全の会
会長 友国 洋
文責 須貝 郁子
白子3-35-6-307
(464-5545)
Email:[email protected]
分裂が進み造胞糸を放
射状に突き出し果胞子体
を形成する。