国際経済論

渡邉
今日の内容
• 国際分業について
比較生産費説
• 保護貿易について
• GATTについて
GATTはどのような組織なのか
GATTの原則
• WTOについて
WTOとはどのような組織なのか
• GATTとWTOの違い
• WTOの日本にかかわる最近の話題(半導体の関税)
国際分業とは?
• すべての国でまったく同じ物を同じように同じだけ生
産していたとすれば,価格に差はつきにくい。
• しかし.国によって生産できる農作物は異なる。
• 得意 とする生産品は異なるのである。そこで考え出
されたのが.自国の得意な生産物を多く生産し.不
得意なものについては他国から輸入することでお互
いに安く製品 を仕入れることを考え出したのである。
国際分業
• 垂直的分業
主に途上国と先進国との分業
• 水平的分業
主に途上国同士、先進国同士の分業
比較生産費説
• リカードが提唱
• 自由貿易論の立場を取る
• 各国で比較的生産効率のいい財に特化し貿
易で交換するという国際分業理論
比較生産費説の説明
毛織物1単位の生産
に必要な労働者数
イギリス
ポルトガル
ぶどう酒1単位の生産に
必要な労働者数
50
100
240
120
特化後
毛織物1単位の生産者 ぶどう酒1単位の生産者数
数
イギリス
ポルトガル
150
(150÷50=3単位) 0
0
360
(360÷120=3単位)
保護貿易論
• リストが提唱
• 自国より生産性が優位な国から、自国の産
業を守る。
• 関税・数量制限を設定
GATT
• 1944年成立(本部はジュネーブ)
• 関税や輸入制限の撤廃を目的
• 国際貿易問題の交渉は、各ラウンドごとにあった。
• ラウンドとは、加盟国が集まって貿易問題の討論を
行なう場でGATTでは8回行なわれた。
GATTの3大原則
• 自由貿易主義を原則
• 無差別原則
最恵国待遇
• 他角間交渉
最恵国待遇とは
GATT(WTO)加盟国は、同種の産品について
は、他のすべての加盟国に対して、他の国の
産品に与えている最も有利な待遇と同等の
待遇を与えなくてはならないという原則。
B国
自国
同条件の関税など
A国
GATT・WTO参加国の推移
WTO
• 1995年成立(本部はジュネーブ)
• GATTの機能を強化した組織
• 知的所有権やサービスに関する貿易も対象
とされる。
(GATTは物に関する貿易が対象)
WTOの成立により紛争案件数が増加
GATTとWTOの相違点
相違点
GATT
WTO
形態
一般協定
(弱い)
国際機関(強い)
貿易の対象
物品のみ
知的所有権やサービスも加わる
ルール違反の罰則
コンセンサス方式
ネガティブ・コンセンサス方式
日本が申し立てた紛争件数
終わり
最近のWTOに関連するニュース
• 日本の韓国製半導体への関税撤廃期限を9月に設
定
[ジュネーブ 5日 ロイター] 世界貿易機関(WTO)は5日、日本が韓国製
半導体製品に対する関税を2008年9月1日までに撤廃しなければなら
ないとの判断を示した。
日本が、事実上政府の補助を受けているとしてハイニックス<
000660.KS>製DRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出し
メモリー)に相殺関税を課したことを受け、韓国は2006年、WTOに 申し
立てを行った。WTOの上級委員会は07年11月、韓国製DRAMに対す
る日本の27.2%の相殺関税を違法とする裁定を下していた。
WTOの調停担当者は報告書のなかで、日本による裁定実施に必要な期
間は、WTOが委員会の裁定を採択した前年12月17日から8カ月と2週
間が妥当とした。
日本は、法的手続きを理由に裁定実施には報告書の採択から15カ月が
必要とし、撤廃期限を2009年3月17日とするよう主張していた。一方、
韓国は5カ月で十分との立場を示していた。