P. ii - 高崎経済大学

戸所隆教授退職記念号に寄せて
高崎経済大学長 石 川 弘 道
戸所隆教授が本年3月をもって定年退職されます。長い間、ご苦労様でした。
戸所先生は、1996年4月の地域政策学部設置時に、教学副部長等の重責を担われてこられた
立命館大学を辞され、ご出身地である群馬県にある本学地域政策学部に教授として赴任されまし
た。爾来、地域政策研究センター長、評議員、学術情報センター長兼図書館長、教育研究審議会
委員の要職を歴任されました。所属学部が異なるため、教授会等で頻繁にお目にかかることはあ
りませんでしたが、評議会や教育研究審議会等でご一緒した際、高い見識の上に、前任校での豊
富な経験に裏打ちされた、
適切かつ的確な発言をされておられたことが印象に深く残っています。
先生とのお別れに、氏名の(とどころたかし)を織り込んだ歌をお贈りいたします。
轟きし
高見満ちる
論究や
高崎発し
四方八方
戸所先生の研究・教育・学会・社会等における活動実績を拝見しますと、おそらく本学開学以
来、トップクラスの質と量であると思われる業績が示されています。それらは皆、高い見識から
導かれたものであり、著書・論文等として広く社会に発表された業績は、各方面から高い評価を
得、高崎経済大学に戸所教授ありとの名声が轟きわたっており、それを象徴するものが日本都市
学会賞と日本地理学会賞であると思われ、先のような歌を詠ませていただきました。
高崎経済大学地域政策学会が発刊する“APPROACH”において、先生は「都市の病気を治すため
の私の都市地理学・都市政策学研究」では、
「誰もが住みたい働きたいまちを創ることを目的に、
それを妨げる都市問題を解決するために、研究・教育・地域貢献に日夜努力しています」と述べ
られ、「私は都市の病気を治すために都市を診断(問題発見)し、処方箋(問題解決法)を作る
都市の医者ともいえます」とも述べておられます。
退職後のご予定は伺っておりませんが、これほどの研究業績をお持ちの先生ですから、悠々自
適のご隠居暮らしとはならないのではないかと、推察しております。引き続き、研究・教育機関
等でご活躍されるのではないでしょうか。さらなる研究成果を期待するとともに、我が国におけ
る都市問題が一つでも多く解決されることを願っております。しかし、いずれは組織人ではなく
なる日が訪れるわけですが、その時でも、都市の町医者として、大病院の医師とは違う視点で、
患者を診ておられることだと思います。
最後になりますが、戸所先生におかれましては、ご健康に留意され、ますますご活躍されます
ようご祈念申し上げます。
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