lec-ikeda2 - 大気海洋物理学・気候力学コース

生態地球圏システム劇変のメカニズム
将来予測と劇変の回避
生態地球圏システム劇変とは
人為起源の環境変化が
生態系と地球圏の持つ
正のフィードバック(悪循環)を誘引して
環境の自律回復を不可能とするために起こる
100年スケールの劇的な変化
D
B
A
E
C
F
二酸化炭素倍増
(温暖化進行)で植物
プランクトン減少
北西太平洋の生態系
・生物化学・物理モデル
地球温暖化の進行に
よって生物生産が低下
A
B
温暖化が
プランクトン種を変え
二酸化炭素を放出
温暖化により海洋生態系が変化
北太平洋では円石藻が増え、
炭酸アルカリ度が減少し、
二酸化炭素が大気へ放出
温暖化進行は
植物成長を促進する
降水量変化は?
C
温暖化への生態系応答
気温上昇によって成長が加速
D
大気・陸域生態
結合モデル構築により
将来を予測する
大気境界層+植生モデル
気候変動と陸域生態系の
相互作用を解明・予測
植生動態サブモデル
群落微気候サブモデル
MINoSGI
光合成
呼吸
キャノピー
バイオマス
生長
個
体
数
頻
度
枯死
個体サイズ
親潮域プランクトンは
紫外線影響を受け
オゾン層破壊で減少
親潮域
E
光合成効率の紫外線
に対する感度
親潮域のプランクトンは
紫外線に敏感
黒潮域
紫外線Bの照射量増加が陸上の土壌特性と
土壌からの温暖化ガス放出量に与える影響
F
紫外線増加の土壌への影響
極域土壌への紫外線
タイガ帯の林床に厚く堆積する腐葉土層は 大きな炭素貯蓄量を保持している。
オゾンホール 拡大が、その土壌特性とその層からのガス放出量へ及ぼ
す影響
紫外線と温暖化によって
に関して不明な事が多い。カラマツ属などの落葉針葉樹の林床や、森林火災
によってメタン放出?
メタンが大気へ放出
で出現した湿原の試料について、紫外線Bの照射量変化に伴うリグニンなど
の有機物分解速度、土壌特性変化や、ガス代謝量の相違について測定する。
シベリアや
アラスカで
の北方林に
おける冬季
UV-B の増加
UV-B の増加
腐葉土層中での
微生物群集変化
難分解性有機物
組成と量の変化
C/N比の変化
有機物堆積層
永久凍土
基盤岩
落
葉
樹
林
帯
二酸化炭素
とメタンの
放出量変化
常
緑
樹
林
帯
森
林
火
災
跡
気候変動
への影響
二酸化炭素
とメタンの
放出量変化
湿原
何がわかりましたか
• 地球の実態をよく知ることが大事。
• 100年の時間スケールで地球環境の劣化が
進んでいる。
• 個別の人為的環境破壊が複合して、予期せ
ぬ地球環境の劇変をもたらす可能性がある。
• 京都議定書による二酸化炭素削減は第一歩。
• 意識改革とライフスタイルの変化、そして政策
による助けが必要。
• 技術革新は有効なのか、そして間に合うのか。
積極的な解決策はあるのか
概念:自然のしくみを助ける
問題点 効果は? 自然を壊さない?
• 海・陸の植物生産を盛んにする
微量元素の散布によるプランクトン増
• 二酸化炭素の海洋貯留(2000m深)
• 「自然保護と科学技術至上主義の止揚」
環境修復法を地球環境科学に基づいて評価する