国立大学法人化は正しかったか?

「国公立大学法人化」は正しかったのか?
~そのひずみが持つ構造と修正に向けた
提言~
権丈善一研究会11期
赤荻俊樹
目次
はじめに
 問題意識
 国公立大学とは?
 国公立大学の財政
 「独立行政法人化」とは?
 独法化後に生じていること
 教育は「予算獲得競争」に弱い?

0.はじめに
教育に興味があった(私立に通っていた頃の“格差”へ
の意識)
 政策について勉強するうち、数年前に国大の独法化が
施行されたことを知る
 タイムリーではないにしろ、“寝耳に水”だった
 教育を“薄く”することは国家を根底から崩していくことで
はないかと感じた

1.問題意識
日本の国公立大学
政府財政悪化による公財政抑制
→1960年代、高等教育の大衆化
あ

国公立大学の財政

「国立大学:国財政、公立大学:地方財政」と法律上定
められていた
→現在では法改正などを経て区分けがなくなっている
2.「独立行政法人化」とは?
省庁の下部機関
 英サッチャー政権時に生まれた“エージェンシー”を日
本に導入したもの
 資金調達に国の保証が得られない(≒民間企業)
 納税の義務を負う(法人所得税、固定資産税)

法人化後に起きていること
「大学基金」の設立、資金獲得競争
 大学版「官製ワーキングプア」の発生
→非正規教員
 学費の上昇
→1990年頃~2002年にかけて約1.3倍に(1990年頃~
2009年の消費者物価指数は横ばい)
※それ以前は物価上昇の影響を受けるため、未計算
あ

大学の存在意義、多様な形態
日本型:“親方日の丸”
 アメリカ型:私大が高い水準の教育を提供、州立大は大
衆的な存在
 ボローニャ型(?):“学生による自治”

教育から見た「予算獲得競争」
便益を計ることが難しい
 文教族の議員は特定の利益集団に属しているわけで
はない?
①産学官連携を通じて財界からの支援
②アメリカ型教育制度を導入するインセンティブ
