中国の会計・開示・監査制度

中国の会計・開示・監査制度
上海財経大学会計学院―長崎大学経済学部
短期留学プログラム
2005年8月22日―26日
講師:謝 少敏
予 定
 8月22日 中国の会計制度
 8月23日 中国の監査制度
 8月24日 中国の資本市場における開示制度
 8月25日
午前:中国の会計ソフトを利用したコンピュータ会計の演習
午後:上海精華日本語学院見学
 8月26日
午前:質疑応答、小論文の提出と議論
午後:Ernst & Young Shanghai office
岡崎隆造先生より講習
講義内容目次
まえがき
第一編 中国の会計制度
第一章 歴史の流れから見た中国会計制度の特徴
第一節 管理責任会計としての特徴
第二節 コーポレートガバナンスの影響ー会計担当者制度
第三節 税務制度の影響
--月次申告
--納税控除
--領収書管理
第四節 財務規制の影響ー指導的な財務規制
第五節 決済方法による規制ー銀行振替と現金管理制度
第二章 法律的な枠組みの特徴
第一節 会計法の改正経緯から見た会計制度の変化
第二節 会計規則の役割
第三節 会計基準の役割
第二編 中国の資本市場における開示制度
第一章 証券市場の発展と現状
第一節 現代証券市場の歴史
第二節 証券市場の役割と目的
第三節 証券市場規制管理機構の構成
第二章 開示制度の制度的枠組み
第三編 中国の監査制度
第一章 公認会計士監査制度の発展と現状
第一節 監査制度の導入理由
第二節 監査制度の現状
第三節 監査の保険的役割
ー 商工検査における監査の役割
ー 会社設立における監査の役割ー資本金監査制度
ー 税務検査における監査の役割
第二章 監査役監査
第一節 株式会社における監査役制度
第二節 国有資産管理局による監査役監査
第三章 国家監査の事情
第一節 李金華現象
第二節 任期受託責任監査
第四章 内部監査
第一章 歴史の流れから見た中国会計制度の特徴
中国の会計制度の3つの発展段階における経済体制の特徴:
 1949年から経済改革が提起した1978年まで
計画経済体制
 1979年から『企業会計基準』が公開した1992年まで
的市場経済体制
 1993年から現在
社会主義市場経済体制
計画
計画経済体制
生産手段の単一公有制を基盤とし、国民経済のす
べてを経済計画によって中央行政権威中心に集中し、
管理するという経済体制である。そこで国民経済は、
市場経済の場合の個別企業が行う生産・投資・販売
などの自主的決定権がすべて政府に集中され、政府
は決定の内容を鉄何トン、綿布何メートルのような物
量指標で個別企業に対して指令するように運営されて
いる。
計画的市場経済体制
物動的計画による経済の部分と市場原理に
従う経済の部分が併存している混合経済体制
である。この経済体制の時期では、様々な経済
改革が行われた。
社会主義市場経済体制
「社会主義公有制を主体としながら、国がマク
ロ規制を行い、資源配置に関して市場が基礎
的役割を果たす」という経済体制である。この
経済体制においては、ミクロ経済のレベルでは
資本主義の企業経営方式が取り入れられてい
る。
図1-1 会計の形態
会計の形態
会計の役割
ステージⅠ
所有主
∥
経営者
∥
管理者
ステージⅡ
所有主
∥
経営者
∧
管理者 管理者
ステージⅢ
所有主 所有主
∨
経営者
∧
管理者 管理者
従業員
従業員 従業員
従業員 従業員
簿記
記憶の補助
簿記
管理責任会計
+業績評価
コントロール
簿記
管理責任会計
受託責任会計
+会計責任報告
図1-2 「一国一企業」と管理責任会計
ステージⅡ
所有主
∥
経営者
∧
管理者 管理者
従業員 従業員
会計の形態
会計の役割
簿記
管理責任会計
業績評価
コントロール
「一国一企業」
国 家
∥
政 府
∧
工場管理者 工場管理者
従業員
従業員
簿記
管理責任会計
過程の統制
観念的総括
図1-3 経営システムの仕組み
国務院
国家計画委員会
計画
監察部
監査
中国人民銀行
現金管理
企業主管部門
生産マネジメント
財政部
資金マネジメント
物資総局
物流マネジメント
労働人事部
人的資源マネジメ
ント
図1-4 会計担当者職責規定
国営企業統一登記会計簿籍填制会計憑証弁法(財政部、1952年12月1日)
会計部門がまず証憑を検査し、その内容が完全で合法であるものだけに基づいて
伝票または証憑集計表を作成しなければならない。
会計人員職権試行条例(国務院、1963年1月3日)
会計担当者の職責:会計規則を遵守し、経済活動の状況を真実に明らかにすること
によって企業に経済採算性を強化させ、…、国家の財政・金融規律を厳守させる。
国営企業会計工作規則(試行草案)(財政部、1973年12月22日)
企業財務会計部門および会計担当者は、国家計画および財政規定を執行し、財政
経済規律を守り、財務監督を実施すべきである。
会計人員職権条例(国務院、1978年9月12日)
会計職責:…、国家の財政制度と財政経済規律を遵守・宣伝・維持すること。
技術職名:会計担当者には、条件によって次の技術職名を与える。総会計師、会計
師、会計師補佐、会計員。
会計法(主席令、1985年1月25日制定、1993年12月29日修正)
会計機関および会計担当者は、職場の会計を監督するものとする。監督の内容:原
始証憑の真実性、合法性、正確性および完全性;…、国家の統一的な財政・財務規
制の執行。
図1-5 会計担当者資格制度の経過--1
会計人員職権条例(国務院、1978年9月12日)
技術職名:会計担当者には、条件によって次の技術職名を与える。総会計師、会計
師、会計師補佐、会計員。
会計幹部技術職称暫行規定(国務院、1981年3月2日)
技術職名:高級会計師、会計師、会計師補佐、会計員。
審査根拠:学識、業務能力および実績を主として、適当に学歴と会計職歴を考慮
会計専業職務試行条例(中央職称改革工作領導小組、1986年2月18日)
それぞれの会計職名の資格要件について規定
会計証管理弁法(試行)(財政部、1990年3月23日)
会計証を取得していない者を会計担当者として任用してはならない。
会計証管理弁法(財政部、1996年7月19日)
第2条 会計証を取得していない者を会計担当者として任用してはならない。
第10条 会計証について検証制度を実施する。財政・税務部門は会計担当者に対
して会計証の有無を検査する権利がある。
図1-5 会計担当者資格制度の経過--2
会計法(主席令、1999年10月31日修正)
第32条 財政部門は、次の状況について監督を実施する。
…
会計業務に従事する者は、会計就業資格を有するかどうか。
第38条 会計業務に従事する者は、会計就業資格証書を取得しなけれ
ばならない。
会計従業資格管理弁法(財政部、2000年5月8日)
第2条 会計業務に従事する者は、会計就業資格を取得し、会計就業資
格証書を有しなくてはならない。
第19条 会計就業資格のない者を会計担当者として採用した企業につい
て会計就業資格管理部門により会計法第42条に基づいて処罰する。
会計従業資格管理弁法(財政部、2005年1月22日)
会計就業資格のない者は、会計職業に就くことをしてはならない。
図1-6 会計就業資格制度
管理部門
財政部門
適用範囲
国家機関、社会団体、会社、企業、事業体およびその他の組織における次の会計職
務:
㈠会計部門責任者
㈡出納係
㈢審査
㈣資本、基金の会計処理
㈤収入・支出、債権・債務の会計処理
㈥賃金、原価費用、財務成果の会計処理
㈦財産物資の収入と払出、増減の会計処理
㈧総勘定元帳の記帳
㈨財務会計報告の作成
㈩会計機構内部の会計文書の管理
資格要件
会計およびその他の財政経済法規を遵守すること
良好な倫理品質を有すること
会計専門の基礎知識と技能を有すること
試験内容
財政経済法規および会計職業倫理、会計基礎、初級コンピュータ会計(または珠算5級)
継続教育
年24時間以上
管理方法
登録:会計職務に就いた日から90日以内に就職届け、辞任した日から6ヶ月以内に離職
届け、移動した日から90日以内に移動届けを提出する。
罰則
会計就業資格のない者を会計担当者として雇用した単位には、会計法第42条により罰す
る(会計法第42条-組織:罰金3000元以上50000元以下;個人:罰金2000元以上20000元
以下;国家公務員の場合、罰金以外に行政処分)。
管理責任
① 政府から受託した経済的資源を保全すること
② 政府から受託した資金を使って、経済計画に基づい
て生産を行い、計画を達成し、生じた利潤を財政に上
納する。
③ 政府が提供した資金を計画どおりに使用し、その使
用から生じた利潤を計画どおりに上納したかどうかに
ついて、証拠をもって報告し説明すること
受託責任
① 株主から受託した経済的資源を保全すること
② 株主から受託した資本を使って、株主に代わって効
率的に経営を行い、利益を獲得して株主に配分するこ
と
③ 上記内容のスチュワードシップを果たしたかどうかに
ついて、証拠をもって報告し説明すること
1.月次申告
『中華人民共和国税収徴収管理法』[1]第25条によると、「納税義務者は、法律、行政法規の
規定または税務機関が法律、行政法規の規定により確定した申告期限内に納税申告を行い、
納税申告表、財務諸表および税務機関が実情に照らして必要と指定したその他の納税資料を
提出しなければならない」。『中華人民共和国税収徴収管理法実施細則』[2]第32条は、「納税義
務者は納税期間内に未納税額がなくても規定により納税申告を行わなければならない」と規定
している。第32条が規定した状況はゼロ申告という。
納税申告期限は、税目によって異なるが、重要な税目は次のとおりである。
①増値税、消費税:月次申告または1、3、5、10、15日間のいずれを期間とする期間申告。月
次申告の場合は月終了後10日以内、期間申告の場合は期間満了後5日以内に予定税額を納
付し、翌月の1日から10日以内に確定申告する。
②企業所得税:月次申告または四半期申告、期間終了後15日以内予定税額を申告し、年度
終了後45日以内に確定申告する。
③営業税:地方税で月次、四半期申告または5、10、15日間のいずれを期間とする期間申告。
月次、四半期申告の場合は期間終了後10日以内、期間申告の場合は期間満了後5日以内に
予定税額を納付し、翌月の1日から10日以内に確定申告する。
[1] 1992年9月4日制定、1995年2月28日に第一回修正、2001年4月28日第二回修正。
[2] 1993年8月4日設定、2002年9月7日に改定。
2.
納税控除
中国企業の課税所得に関する基本構造は、『中華人民共和国企業所得税暫行条例』(国務
院、1993年12月13日)[1]第4条において、「納税義務者の各事業年度の所得の金額は、当該事
業年度の収入総額から当該事業年度の控除許可項目の額を控除した金額とする。」と規定され
ている。そのなかで、収入総額とは、次の収入の合計額を指す。
㈠ 生産、経営収入
㈡ 財産譲渡収入
㈢ 利息収入
㈣ 賃貸収入
㈤ 特許権使用費収入
㈥ 配当収入
㈦ その他の収入
控除許可項目は、所得金額を計算するうえで控除できる項目を指し、収入の取得にかかる
原価・費用・損失の額の全部の合計としての総称の意味を持つ。
上記の収入総額と控除許可項目の意味からみると、それぞれ日本の法人税法における益
金と損金に相当する。また、所得金額を計算する手順として、日本と同様に、企業会計における
企業利益に対して、税法によって加算減算による調整がなされて、その結果として企業の課税
所得が求められる。ただし、加算減算の調整において、次の項目から見られるように、計画経済
時代の統制影響が強い。
㈠ 金融機関から借り入れにより生じた利息は、損金の額に算入されるが非金融機関から
借り入れにより生じた利息について、金融機関の同等利息を超えた額を損金の額に算入(課税
所得にプラスする。)しないこととされている。
㈡ 賃金について、財政部の規定した範囲以内、地方人民政府が限度額を規定するというよ
うな規制がある。会計上は全額費用とされるとしても、税務上は、限度額をオーバーする金額は
損金の額に算入されない(課税所得にプラスする。)こととされる。
㈢ 財務規制により企業は、賃金総額の2%、14%および1.5%の率で労働組合経費、従業
員福利費、従業員教育経費を積み立てることができる。これについて会計上は全額費用とされ
るとしても、税務上は、賃金の限度額をベースに計算した額をオーバーする金額は損金の額に
算入されない(課税所得にプラスする。)こととされる。
㈣ 経営自主権を拡大する経済改革の時期、国有企業の長は、企業の財産、つまり国有財
産を使用して寄付をし、個人的な名声を高める現象がよくあった。それを牽制する目的から、税
務上は、当該事業年度の課税所得の3%を超えた額を損金の額に算入しないこととされる。
㈤ 広告費は、純売上高の2%以内は実費で損金の額に算入とするが、それを超えた額は
原則として損金の額に算入しないこととされた。ただし、次期に繰り越しすることができる。
㈥ 業務招待費は、純売上高が1,500万元以下である場合5‰、1,500万元以上である場合
3‰の額を損金の額に算入とするが、それを超えた額は損金の額に算入しないこととされた。
以上のような課税所得の調整については、『企業所得税税前扣除弁法』(国家税務総局、
2000年5月16日)において具体的に規定されている[2]。
[1] http://www.e521.com/cjfg/shuiwu/0114141316.htm

[2]http://www.cas.ac.cn/html/Dir/2002/04/25/6214.htm
図1-7 領収書管理制度
税務登記
税務登記証
領収書購入申請
申請書、担当者
身分証明書領収書購
入申請
税務登記
証、財務印鑑または
領収書専用印鑑
領収書購入簿
領収書購入許可書
購入
購入するたび領収書
購入簿に記録した領
収書の種類、購入量
の限度、購入方式に
基づいて税務担当官
に許可申請
使い終わった領収
書の控えを提示
圖1-8 会計制度の二重規制構造
財務規制
会計規制
財務規定
主管部門の日常的指導
測定・評価
業種別会計規則
勘定科目規定
記録・分類
経済事象
財務諸表規定
編成・提出
財務規制
財務規制とは、企業が財務活動を行う際に準拠し
なければならない規範である。それは、国務院および
財政部門が経済原理及びそのときの政治・経済の任
務に基づき設定し、企業の、財務計画及び財務決算
書類の編成、固定資金の管理、流動資金の管理、原
価管理、利潤分配の管理、専用基金の管理などに関
する規則や規程からなる。その内容は、常に国家の
財政政策及び方針の変動に影響され、マクロ財政活
動に左右されている。
会計規制
会計規制は、企業会計制度という業種別会計規則を中心と
する会計規範である。業種別会計規則は、次のような構成であ
る。
一 総説明
二 勘定科目
㈠ 勘定科目表
㈡ 勘定科目使用説明
三 財務諸表
㈠ 財務諸表種類および様式
㈡ 財務諸表編成説明
付録 主要取引の仕訳例
勘定科目使用説明
第101号科目 現 金
一 この科目は企業の手許現金を処理する。
企業内部で運転し使用する小口現金は、この科目でなく、「その他の未
収金」科目、或いは単独に「小口現金」科目を設置して処理する。
二 企業が現金を受け取ったときは、この科目の借方と関係科目の貸方に
記入し、現金を支払ったときは、関係科目の借方とこの科目の貸方に記入
する。
三 企業は「現金出納帳」を設置すべきである。「現金出納帳」は、出納係が
入金伝票と出金伝票に基づいて、取引の発生順に逐次に記入する。毎日終
了のときは、当日の現金収入の合計額、現金支出の合計額及び残高を計
算し、かつ、残高と実際の有高とを照合し、帳簿有高と実際有高とを一致さ
せなければならない。
外貨現金を持つ企業は、人民幣、各種の外貨ごとに「現金出納帳」を設
置し、明細処理を行う。
図1-9 会計規制の構造
財務規制
会計規制
企業財務通則
会計法
企業会計基準
業種別会計規則
業種別財務規則
測定・評価
勘定科目規定
財務諸表規定
記録・分類
編成・提出
経済事象
企業財務通則と企業会計基準比較
企業財務通則
第一章 総則
第二章 資金調達
第三章 流動資産
第四章 固定資産
第五章 無形資産、繰延資産及び繰延資産
第六章 対外投資
第七章 原価および費用
第八章 営業収益、利潤及びその配分
第九章 外貨取引
第十章 企業清算
第十一章 財務報告及び財務評価
第十二章 附則
企業会計基準
第一章 総則
第二章 一般原則
第三章 資産
第四章 負債
第五章 所有者持分
第六章 収益
第七章 費用
第八章 利潤
第九章 財務報告
第十章 附則
図1-10 現金管理制度の展開-1
国家財政経済活動の統一に関する規定(政務院、1950年3月3日):
①全国の財政収支管理を統一する。許可された地方税以外に、すべての農
業税、関税などの一切の収入を財政部によって差配する。
②全国の物資調達を統一する。「全国倉庫物資整理配分委員会」を設立し、
すべての倉庫物資を政務院財政経済委員会によって差配する。
③全国の現金管理を統一する。中国人民銀行を国家の現金支配総機構と
して指定し、軍隊、政府機関及び公営企業の現金を、近日に使用するもの
を除き、すべて国家銀行に預け入れる。
国家機関の現金管理の実施に関する決定(政務院、1950年4月7日):
①人民銀行機構を設けているところでは、一般に1ヵ月の経常収支を超える
現金を持つことができない。各公営企業、機関、軍隊及び合作社の所有し
ている現金及び小切手は、すべて現地の中国人民銀行又はその委託代理
機構に預け入れる。
②各公営企業、機関、軍隊及び協同組合の間の相互の取引には振替小切
手を用い、他の都市との取引には人民銀行が為替送金する。
③賃金の支払、農村からの買付け及び都市の小口支出を除き、現金で支払
うことができない。
図1-10 現金管理制度の展開-2
貨幣管理実施方法(政務院、1950年12月25日):
①所持している現金と手形は、その日に、銀行或いは銀行の委託代理機
関に預け入れるが、特別な事情により、銀行の同意を得たものは、翌日の
午前中に預けいれることができる。
②現金により購入は次の範囲に限られる。
(ア) 私営企業との取引
(イ) 都市住民或いは農民との取引
(ウ) 旅費の支払
(オ) 各単位の一定制限金額内での小額の支払
③生産計画・経営計画に基づいて月次、四半期の貨幣収支計画を作成し、
貨幣収支を計画に納入する。
④国営企業などの経営主体は、現地の銀行に決済口座を開設し、現金使
用範囲以外の決済を口座開設銀行によって振替決済する。
図1-10 現金管理制度の展開-3
関于実行現金管理的決定(国務院、1977年11月28日):
⑴ 現金支出の範囲
① 賃金、手当、福利補助金、奨励金、医療費及び出張旅費などの従業
員個人に対する支払
② 国家の市場管理及び計画管理の範囲内での、振替決済ができない取
引先への代金・報酬支払
③ 振替決済の最低限金額である30元以下の小口支払
⑵ 企業の手元現金は、3~5日間の日常の小口支出に必要な現金を超
えてはならない。この制限を超えた現金は、その日のうちに、遅くとも翌
日の正午までに銀行に預け入れなければならない。
⑶ 企業は、その現金収入から現金支出をしてはならない。
⑷ 遠隔地への仕入代金は、銀行を通じて決済し、現金持参、或いは郵
便送金で支払ってはならない。
現金管理暫定条例(国務院、1988年9月8日):
振替決済の最低限金額は、1,000元以下と修正
図1-11 内部会計統制規範
2001年6月22日
内部会計統制規範—基本規範(試行)
内部会計統制規範—貨幣資金(試行)
2002年12月23日 内部会計統制規範—仕入と支払(試行)
内部会計統制規範—売上と受取(試行)
2003年10月22日 内部会計統制規範—建設工事(試行)
2004年8月19日
内部会計統制規範—担保(試行)
内部会計統制規範—対外投資(試行)
図2-1 中国企業会計制度の法律的な枠組み
会社法
企業財務基準
会計法規
会計
会計基礎工作規範
証券法
内部会計統制規範