5 廃棄物の処理 1)一般廃棄物

14 廃棄物と環境保全
廃棄物の処理
1)一般廃棄物
家庭から生じるゴミ等。市町村(長)が処理。
◎ごみ(可燃物、不燃物)
◎し尿(し尿、浄化槽汚泥)
◎特別管理一般廃棄物(コンデンサー部品、
焼却施設のばいじん、医療機関からの廃棄
物)
処分場の確保、焼却時のダイオキシン類の発
生が問題となっている。
2)産業廃棄物
事業所等から生じるプラスチック等。排出事業
者が処理。
◎廃棄物処理法第二条規定物(燃え殻、汚泥、
廃油、廃酸/アルカリ、廃プラスチック類)
◎廃棄物処理法施行令第一条規定物(紙/木/
繊維/ゴム/金属/ガラスくず、建築廃材等)
◎特別管理産業廃棄物(爆発性、毒性、感染
性がある産業廃棄物)
産業廃棄物(建築廃棄物、有害廃棄物、感染
症廃棄物等)は、処分業者に委託する場合、マ
ニフェストシステム( 1990年:廃棄物の内容等
を記載した申告書を管理保存する)で処理
3)医療廃棄物
医療行為によって生じる廃棄物の総称。
◎感染性廃棄物
○特別管理一般廃棄物(血液付着ガーゼ、
病理組織、検査使用培地等)
○特別管理産業廃棄物(血液、血液付着注
射針、プラスチック、ガラス、ゴム手袋等)
原則として、施設内で滅菌消毒処理後、一般
または産業廃棄物として処理。
2004年「廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物
処理マニュアル」
◎非感染性廃棄物
○損傷性廃棄物(鋭利で損傷の危険性があ
る廃棄物)
○有害性廃棄物(有害な無機/有機成分を含
む廃棄物)
1970年「廃棄物の処理および清掃に関する法
律(廃棄物処理法)」
1992年「再資源の利用と促進に関する法律(リ
サイクル法)」
1997年「ごみ処理に係わるダイオキシン類発生
防止等ガイドライン」
PRTR(Pollutant Release and Transfer Register)
「環境汚染物質移動登録制度」:特定(指定)有
害性化学物質の発生源、排出量、事業所間の
移動などの把握、集計、公表を行う仕組み
(1999年)
MSDS(Material Safety Data Sheet)
「製品安全データシート」:化学物質の安全性
に係わる情報提供制度。製品に含まれる物質、
ヒトや環境に与える影響、取り扱い上の注意が
記載(2001年)
公害防止対策
1)イタイイタイ病
場所:富山県神通川流域
原因物質:カドミウム
症状:腎障害、骨軟化症
亜鉛鉱から亜鉛を精錬する過程でカドミウムを
川に流したのが原因
2)水俣病
場所:熊本県水俣湾沿岸、新潟県阿賀野川流域
原因物質:メチル水銀
症状:中枢神経障害、ハンターラッセル症候群
C2H2+H20→CH3CHO(アセトアルデヒド)
C2H2+HCl→CHCl=CH2(塩化ビニール)
水銀が触媒で使用され、メチル水銀が排水
3)四日市ぜん息
場所:三重県四日市市
原因物質:SOx(硫黄酸化物)
症状:気管支炎、ぜん息
石油→ナフサ→エチレン・プロピレン・ブチレン
などの石油化学製品の原料が大量に生産。そ
の過程で大量にばい煙が排出されたのが原因。
典型七公害:大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、
騒音、振動、地盤沈下、悪臭
(地震、火山噴火などの自然災害は公害とみな
されない)
四大公害病:イタイイタイ病、熊本水俣病、新潟
水俣病、四日市ぜん息
考えてみよう(廃棄物と環境保全)
1 一般廃棄物には、ごみ、及び、し尿があり、
市町村はその処理の責任を負う(82回)
○
2 合併浄化槽は、し尿と生活排水の両方を処
理できる(86回)
○
3 産業廃棄物の排出業者は、排出後の廃棄
物にも責任を持つことになっている(86回)
○
4 産業廃棄物の処理を処理業者に委託する場
合の移動過程は、文書(マニフェスト)により管
理されている(86回)
○
5 医療廃棄物の処理にあたっては、排出事業
者の責任が明確にされている(82回)
○
6 収集し尿は、現在海洋投棄されていない(82
回)
○
7 感染性廃棄物の運搬には、密閉容器が用い
られている(86回)
○
8 海底火山の噴火による海洋汚染は、公害と
して扱われる(81回)
× 天災は公害として扱われない
9 環境基準で用いられている騒音の単位はヘ
ルツである(既出なし)
× デシベル
10 暗騒音とは、対象とする音がない時のその
場所の騒音をいう(既出なし)
○
11 悪臭防止法では、アンモニアや硫化水素
等の悪臭物質の敷地境界線における規制基準
値を定めている(81回)
○
12 石油コンビナートによる大気汚染でイタイイ
タイ病が発生した(81回)
× ぜん息が発生