酸素触媒、酵素燃料電池 農学研究科 加納健司教授

酸素触媒、酵素燃料電池
農学研究科 加納健司教授
<概要>
• グルコース、ギ酸など有機物を酸化する酵素を用いれば、グルコース・ギ酸を燃料とする酵素電池が実現で
きる。現在の出力は10mW/cm2で太陽電池と同程度。また、CO2をギ酸に戻す酵素も有しており、組み合
わせると充電池も実現可能。
•
酸化・還元は、一方は精密な機構で、他方はあいまいさが許される機構であることが多い。体内も、生体の
根本に関わるようなところを除いて、同様。そこで体内の特定の代謝を観測したい場合、精密な方の機構に
作用する酵素を用いれば、生理現象に反応するセンサーが実現できる。
<用途の検証>
• 体内のグルコースを使って発電する人工心臓
⇒グルコースを完全に酸化してCO2まで持っていけるわけではない。中間物質を貯めて排出しないと体内
に残ってしまう。
• 充電池としての使用
⇒酵素の寿命(2週間程度?)が問題。酵素は形状が一定でなく、酵素を一様に延命する方法は見つかって
いない。
• 汚水処理⇒微生物のほうが効率的。ほっておけばできるので世界中に研究者は多い。
• ガン診断⇒ガンは代謝物質でないので、ガンにスペシフィックな酵素は無理。もっと単純な有機物が対象。