開発するロボット技術一覧

提案題目:橋梁桁端部点検診断ロボットの開発
別紙3
ジビル調査設計株式会社 (福井県福井市)
<概要>橋梁点検において桁端部の狭隘部分の点検は、人間の立ち入りが難しく、又、堆積物・付着物等の点検障害
物の存在も多いため近接目視点検が困難となる課題があります。現在、狭隘部の点検を行う小型カメラによる点検カメ
ラシステムが開発されていますが現状のシステムは、一方向の伸縮ロッドによる簡易的なシステムのため、支承背後等
の複雑な形状の見えない部分の点検が難しく、また、堆積物・付着物等の点検障害物を取り除く機能も無いため、ロボ
ット技術による桁端部の効率的かつ高精度な点検支援を困難としています。
そこで、本開発では、①多関節ロボットアームによる狭隘部点検カメラロボット技術と、②噴射清掃メンテナンスロボッ
トの技術を開発することにより、ロボット技術を用いた狭隘分部の障害物を取り除いた高精度な点検支援を可能とし、こ
れまで適用が困難とされていた橋梁桁端部点検診断技術のロボット化を図ります。
開発内容のイメージ
<開発内容①:狭隘部点検カメラロボット技術>
バランスウエイトロボット
多関節ロボットアームと狭隘部点検カメラを組み合わ
せる事で支承背面や主桁背面等の複雑な橋梁桁端部の
狭隘部点検を支援する事で、作業時間を1/2以下に短
縮し、点検精度を1.5倍に向上させる。
<開発内容②:噴射清掃メンテナンスロボット技術>
操作ベースマシーン
姿勢安定化ロボット
高圧噴射による堆積物・付着物等の点検障害物を除
去するメンテナンスロボットを開発する事で橋梁の劣化状
況の正確な点検が可能となり、損傷見落としや診断の誤
診などの発生を無くし、再点検等に係る費用を従来の1/
3程度以下とする効率化を図る。
<期待される効果>
これらの技術開発で、従来ロボット化が困難であった橋
梁桁端狭隘部の点検障害物を取り除いた高精度な点検
作業が可能となる事で点検診断業務が効率化し、橋梁点
検作業におけるロボット活用の拡大が期待されます。
複線化水平アーム
狭隘部点検カメラシステム
噴射清掃メンテナンスロボット
橋梁桁端部の点検診断を可能とするロボット
提案題目:小型無人ヘリを用いた構造物点検技術開発
ルーチェサーチ株式会社(広島県広島市)
<概要>
無人へりによる構造物点検に関して、国土交通省の現場検証に2年連続応募し、「Ⅰ. 試行的導入に向けた検証を推
奨する」との最上位評価を得た。今後は技術的な課題を解決するとともに、効率化を図る必要がある。
そこで、本開発では、①構造物撮影の効率化と、②画像処理の高精度・効率化を実現することにより、ロボットを用い
た構造物点検を効率化させ、従来の近接目視点検の支援ができる技術の確立を図ります。
開発内容のイメージ
<開発内容①:構造物撮影の効率化
GPS信号が到達しない橋梁下面などでの無人ヘリの飛
行は、操縦者の技量に依存することになるが、効率化の
ためにはロボット制御の向上が必要となる。また、撮影枚
数を必要最小限に止めることも、重要となる。これら業務
の改善によって、現場撮影時間を短縮する。
<開発内容②:画像処理の高精度・効率化>
現場で撮影した画像データからクラックなど損傷部分
の幅や長さを抽出する作業を効率化することで、橋梁点
検調書の作成に要する時間を短縮します。
図
<期待される効果>
これらの技術開発により、従来の目視点検業務の支援
に貢献することで、構造物点検におけるロボット活用の拡
大が期待されます。
橋梁下面を撮影するロボット
提案題目:磁石走行式ロボット等を活用した橋梁点検システムの開発
株式会社熊谷組(東京都新宿区)、株式会社移動ロボット研究所(神奈川県鎌倉市)
<概要>
橋梁床版の目視点検作業は、橋梁点検車の利用や吊り足場設置などが効率化の課題となっていました。現在、橋梁
点検を補助する各種ロボット開発が進められていますが、耐風安定性や安全性等の事項が指摘されているだけでなく、
橋梁添架物の背面や桁端部のような狭隘箇所では、十分な調査点検ができないため隠れた損傷箇所が存置する可能
性もあります。今後の橋梁点検では、定期点検時における調査困難箇所での確実な調査の実施が求められています。
そこで、本研究開発では、①磁石式走行ロボットによる迅速なひび割れ等の概査と非健全部の高精細画像の取得を
可能とするロボットシステムの確立、②桁端部等の狭隘箇所における損傷部の写真撮影や打音診断を可能にするアー
ムロボットの開発を行い、点検事業者による目視や打音点検を補助できる橋梁点検システムの開発を図るものです。
<開発内容①:鋼橋を迅速に点検するロボット技術>
磁石車輪の改良によって迅速かつ確実に鋼橋フランジ
を移動するロボットと、ラインセンサや高精細映像の組み
合わせシステムを開発することで、点検員の目視点検作
業を補助することで、調書作成時間を1/2以下に短縮、
トータルの点検業務時間を効率化します。
<開発内容②:狭隘部の点検が可能なアームロボット技術>
橋梁点検車やロボットに搭載可能なアームロボットの開
発およびアームに装備可能な打音機構や高精細カメラ用
の雲台開発により、これまで目視点検が困難であった添
架物背面や桁端部での打音や高精細画像の取得を可能
にし、点検に要する時間を1/2以下に短縮します。
開発内容のイメージ
追従型転落
防止機構
操舵機能
改良型磁石車輪移動ロボット
RC床版のひび割れ展開図
<期待される効果>
移動ロボット搭載のラインセンサによる概査と非健全部の高精
細画像の組み合わせにより、調書作成を迅速化します。さ
らに、アームロボット利用により調査困難箇所での画像診
断・打音も可能になり点検精度向上が期待されます。
操作性に優れたマスターアーム
昇降アーム先端の加振器
提案題目:オートパイロット可能な水中点検ロボットの開発
朝日航洋株式会社(東京都江東区)
<概要>
我が国のインフラは、多くが高度経済成長期に建設されたものであり、老朽化への対策が急務になっている。特に長
大な河川の維持点検においては、ダイバーによる構造物点検、有人船による深浅測量等が行われているが、調査頻度
、調査精度、コストの面等で課題が多い。本技術開発では、上記課題の解決に資するためのロボット研究開発を行う。
<開発内容①:操船のオートパイロット化>
遠隔操作を可能にする操船支援システムの
開発と測距センサーを用いた点検対象物への
正対制御及びサイドスラスター制御を実現する
ことにより、オートパイロットを実現する。
<開発内容②:運用性能向上>
ロボットのパッケージング化を行い、2名での
運用を可能とする。これによりポータビリティの
向上、コスト削減を実現する
開発内容のイメージ
ロボットによる河川点検イメージ
<期待される効果>
これらの技術開発により、従来行われてきた
河川点検を高度化し、長大な河川維持点検の
効率化、低コスト化を実現する。これによって
水害の発生を未然に防ぎ、安心・安全な社会
の構築に貢献する。
測距センサーとサイドスラスター制御
によるオートパイロット実現イメージ
操船支援システムイメージ