チョコッと知っとこ ロスは何処に?? Noー10

チョコッと知っとこ
ロスは何処に??
Noー10
アマチュア無線を楽しむ上で、気を付けたい一つが電波のエネルギーの「ロス」です。 これは、アマチュア無線に限った事では有りません。
通信媒体全てに於いて言える事です。無線機から発射されたエネルギーが、全てアンテナから発射される訳では有りません。
無線機から、アンテナまでの途中には、付属された機器や、給電線、いわゆる同軸ケーブルが有ります。 又それらを繋ぐ為のコネクター類が必要と
なりますね。 無線機から出されたエネルギーは、それらを経由してアンテナへと伝導される訳ですが、経由された物が「ロス」と成ります。
例外ですが、「ロス」の発生した補いに途中にリニアーアンプ(増幅器)を挿入して、パワーを持ち上げる場合も有りますが、無線機からリニアーアン
プ迄の経路には、やはり「ロス」が発生します。 同じ様に途中に、受信アンプも然り、送信する場合は、内部に有るリレーでスルーしますが、このリ
レーだって「ロス」に関わって来ます。 同軸ケーブルについて言えることあ、電波は高周波で同軸ケーブルの内部導体(芯線)の中を伝わるのでは
無く、芯線の表面を伝わります、 これを表皮効果と言います。 ですから、芯線の太い、表面積の大きい方が効率を良くします。
周波数の波長にも依りますが、周波数が高く成る程、波長は短く成り、波長が短い程「ロス」が多く成ります。 同軸ケーブルの長さ分、波長の繰り
返しが有ってアンテナまで伝導され、繰り返す度に僅かですが「ロス」が発生します。 この関係は、又、機会を改めて説明しましょう。
今回は、何が「ロス」なのか? どうすれば「ロス」が無くなるか、ですが、決して「ロス」を完全に無くする事は不可能です。 如何に少なくするかです。
では、どうするか、先述の説明から、同軸ケーブルですが、表面積の大きい太い同軸ケーブルを使用して、出来る限り短く、と言う事に成ります。
同軸ケーブルも種類が有り、高性能のロスの少ない同軸ケーブルも有るので、性能の良い同軸ケーブルを使いましょう、又、出来る限り必要の無
い物を取り付け無い、と言う事です。 例えばアンテナのV.SWRを測定する為、パワーを見る為、取り付けたまま運用されて居る局を見かけます。
測定した後は、余程の事が無い限り変化は有りません、運用の際は外した方が、良いでしょう。これらは全て「ロス」に成ります。
特にVHF、UHF、更にSHFと高い周波数で運用されて居る局はアンテナ周りの同軸やアンテナを組み合わせたスタック部分です。 組み合わせる
為には、分配器も必要に成ります、75Ω系を使ってのQマッチセクションは同軸ケーブルを組み合わせインピーダンスを合わせて居ます。
その為、当然コネクターの数が多く成って来ます、アンテナが2枚(スタック)程度ならともかく、スタック2段、又は4パラ、、4パラ2段、とも成れば同軸
やコネクターの数が多く成り、その一つ一つが「ロス」と成って来ます。折角アンテナの枚数を増やしてゲインを上げても「ロス」を差し引かねば成りま
せん。 当然「ロス」は枚数を増やした分から比べれば僅かなもので、アンテナを増やす事は良い事に違いは有りません。
そろそろ、まとめましょう、 同軸ケーブルは性能の良い物、そして太い物を出来るだけ短くして、使用しましょう、分配方法は、一括で、アンテナ枚数
を分配出来る、分配器を使用しましょう、コネクターや変換コネクターは出来るだけ少なくしましょう。
ケーブルの種類によっての「ロス」、コネクターの「ロス」、分配器の「ロス」、については、又の機会に書くことにしましょう。