「 県立図書館の再整備に向けた基本的な考え方(素案)」(概要版) 平成28年6月 神奈川県教育委員会 1 目指すべき県立図書館像 神奈川の文化と産業の発展、社会づくりに寄与するという県立の図書館の基 本理念や、都道府県立図書館の役割、現状と課題を踏まえ、再整備に向けた 「目指すべき県立図書館像」を、次のとおりとする。 ア 専門的図書館 専門的な資料の収集・提供や、利用者の課題解決へ向けたレファレンスサ ービスを行う専門的図書館としての機能の充実を図り、県民の調査・研究を 支えていく。 イ 広域的図書館 県内の市町村立図書館等が相互に図書・資料を貸借できる仕組みの運営や、 市町村立図書館の司書の育成・支援など、広域的図書館としての取組みを継 続し、県内図書館のサービス向上を図っていく。 ウ 魅せる図書館 従来の日本十進分類法に加え、テーマ別に配架したり、課題ごとに資料を 並べるコーナーを設置するなど、蔵書の魅力を引き出す配架を行う。 また、貴重な資料や蔵書を活用した展示なども積極的に行っていく。 エ 2 価値創造の場としての図書館 図書館を「人が集い、賑わう場」、「人と資料、人と人をつなぐ場」、 「来館者を触発する場」として捉え直し、思いがけない情報との出会いや利 用者同士の交流を促進することにより、新しい「価値創造の場としての図書 館」を創っていく。 県立図書館の再整備の方向性 ア 再整備を行う場所 県立図書館の再整備を行う場所については、県の文化行政の核となるエ リアであること、県内全体の図書館サービスを支える中核施設としての役割 から、交通の利便性を考慮すべきであること、経済性・効率性の観点から、 既存施設の活用が有効であることから、現在の紅葉ヶ丘地区で再整備を行う。 イ 全体構想 (ア) 図書館新棟 現収蔵庫を除却し、地上4階を想定した図書館を整備する。 ・ 蔵書の魅力を引き出す配架を行う「開架スペース」 ・ 貴重な資料を目にすることができる「展示スペース」 ・ 飲食や会話を楽しみながら読書を楽しめる「くつろぎスペース」 ・ 利用者同士の交流を促進する「交流スペース」 ・ 利用者が快適に利用できる、ゆったりとした「閲覧スペース」 ・ 様々な利用者ニーズに対応できる「貸出・レファレンスカウンター」 (イ) 現新館 収蔵庫に改修し、概ね20∼30年分の蔵書増加に対応できる収蔵スペース を確保する。(一部は閲覧室等として活用) (ウ) 現本館 開放感のある吹抜けの構造を活かし、紅葉ヶ丘地区の「賑わい」に資す る図書館機能をメインとした施設とするため、建物を改修する。(一部は 収蔵庫として活用) <県立図書館各館配置図と再整備後の構想> 収蔵庫 賑わいの場 (一部は収蔵庫 として活用) (一部は閲覧室等 として活用) 図書館新棟 音楽堂 現本館 現新館 駐車場 現収蔵庫 (野毛方面) 青少年センター 紅 葉 坂 (桜木町方面) ウ 新棟の整備プラン (ア) 敷地状況及び想定する建物規模 ・ 所 在 地 横浜市西区紅葉ヶ丘43番地、44番地 ・ 敷地面積 1,889.38㎡ ・ 建築面積 1,290.00㎡ ・ 延床面積 3,720.00㎡ ・ 構 造 地上4階建 (イ) 想定する各階での配置 階層 3 想 定 す る 配 置 4階 ・開架・閲覧スペース ・作業スペース(製本・図書修理) 3階 ・くつろぎスペース ・交流スペース 2階 ・集密書架スペース(開架集密書架) ・開架・閲覧スペース 1階 ・開架・閲覧スペース ・貸出・レファレンスカウンター ・展示スペース ・エントランス 今後さらに議論を深めるべき事項 次の事項については、今後、県民の御意見を十分に伺いながら、さらに 議論を深めていく必要がある。 ア 整備スケジュール 施設の老朽化や収蔵スペース確保への対応といった早急に解決すべき課題 がある。一方で、サービスの低下を招かないよう、開館しながら工事を行う ことを想定すると、概ね7年程度の期間が見込まれる。 これらのことを踏まえ、整備スケジュールについて、検討していく。 イ 紅葉ヶ丘地区の「賑わい」に資する図書館事業 図書館の所蔵する資料やコレクションを活用したイベント、各種講座、ワ ークショップの開催や、関係機関と連携した事業も視野に入れ、民間活力の 導入も含めて、検討していく。 ウ 整備手法等 「PFI方式を導入する意義は十分にあるものと考えられる」との予備調 査結果を踏まえ、新棟の整備手法や、図書館の運営に関して、民間事業者を 活用する業務の範囲について、検討していく。
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