森の休憩箱

■はじめに
森の休憩箱
ナングスク公園を散策すると、まず山の麓にトイレ休憩のためのせせらぎ広場、
山中に子供たちのための公園、地域住民の散歩コース、自然を体感できる吊り橋がある。
更に山頂を目指すと、木々の遮りのない見晴らしの良い東屋があり、そこから200m程上った場所には、
本公園内で一番高い場所になるであろう3F建の天上展望台がある。
さくら展望台は、東屋と天上展望台の丁度中間に位置している。
「トイレ休憩」「遊び」「散歩」「自然を満喫する」「地域交流の場」「見晴らし」「景色」。
これらはすでに公園内に存在している。
では、今のナングスク公園内に足りないものは何か?
散歩終わりや自然を満喫した後の疲れた体を休める休憩場所、または日々の疲れを癒すくつろげる場所、
それをナングスク公園の新しい魅力となるよう、さくら展望台のリニューアル案として提案する。
■コンセプト
来園者がお気に入りの居場所を見つけて、自然を微かに感じながら、ゆっくり出来るような空間を目指した。
ハンモックに揺られながらうたた寝したり、
床にクッションを置いて読書をしたり、
穴の中に籠って外の景色を眺めたり、
カウンターで勉強をしたり、
吹き抜けから足をぶら下げてみたり、
土手の上に寝転んでみたり、
木陰のベンチで涼んでみたり、
etc・・・
パノラマの景色を大小の丸い穴で制限し、そこから覗く事により、切り取られた風景を楽しむ事ができる。
大中小のくりぬかれたいくつかの穴には、人が入れる程の深さがあり、まるで個室にいるようにくつろげる。
そこから籠ってみる外の風景は、まるで自分だけが独り占めしているように感じられる。
ウッドデッキ
学習スペース
吹
抜
展示・販売スペース
飲食スペース
厨房・事務スペース
UP
階段
吹抜
IN
土手
地下平面図 1:150
土手
1F平面図 1:150
2F平面図 1:150
内部の丸い穴を、そのまま外観全体に反映させた。
木箱をくりぬいたように見える大小の穴は、
鳥の巣箱をイメージしている。
地下のウッドデッキから見上げて
広場の入り口から
1F販売・展示スペース
2F飲食スペース
■ランドスケープ
a:モニュメント
c:植物
既存の木々はそのままで、新しく色とりどりの花々や、果実のなる植物を植える。
目で楽しんで、口で味わえる広場となる。
d:ミニチュアさくら展望台
敷地内に点々と、丸をモチーフにした、オブジェのような、
g
b
今回提案のさくら展望台を、そのまま小さくしたような東屋を設置。
腰掛けたり登ったり出来るようなモニュメントを置く。
c
それは、この広場のシンボルとなる。
d
e:土手
f
e
a
b:森の本棚
展望台への入り口の地面を削って、その傾斜を土手として利用する。
寝転んだり、子供たちの遊び場となる。
f:夜の散歩
夜間の利用性を高めるため、木々をライトアップする照明を設置。
g:外部のテーブル
来園者が管理、増やしていく持ち寄り図書館。
自然の中で勉強・仕事がしたいと考えている人のために、テーブルと椅子を設置する。
森の休憩箱