豪州主要経済指標 今週の注目点 金融市場・原油・為替 お客様用

お客様用
2016 年 6 月 20 日
豪州主要経済指標
経済指標・イベント
5 月 失業率
今週の注目点
直近
前回
日付
経済指標・イベント
5.7%
5.7%
6 月 21 日
豪州 1-3 月期
住宅価格指数(前年比)
前回
市場予測
8.7%
7.5%
金融市場・原油・為替
指数等
2016年6月17日
2016年6月10日
前週比
2015年6月17日
前年比
S&P/ASX200 指数
5,162.66
5,312.60
-2.8%
5,595.43
-7.7%
S&P/ASX200 不動産投信
1,449.00
1,454.90
-0.4%
1,256.20
+15.3%
豪州 90 日バンクビル利回り
2.00
2.01
-1bps
2.16
-16bps
豪州債券 10 年物利回り
2.08
2.10
-3bps
2.99
-92bps
76.98
78.89
-1.91
95.64
-18.66
0.74
0.74
+0.00
0.77
-0.04
62.10
62.30
-0.2
64.10
-2.0
豪ドル円
豪ドル米ドル(セント)
豪ドル TWI
先週の主な話題
先週は Brexit(英国の EU 離脱問題)懸念が市場に広がり、大半の株式市場が下落したことに加え、米連邦準備制度理事会(FRB)がハト派
に傾いていることが明らかになったことから債券利回りも低下しました。米国株式市場は 1.2%下落し、欧州株式市場も 2.4%下落しました。ま
た、日本株式市場は日銀(BoJ)による追加金融緩和の次の一手が見えないことが下落要因となり 6%下落、中国株式市場が 1.7%下落、また
豪州株式市場も 3.7%下落となりました。ドイツ 10 年債利回りが初めて 0%を僅かに下回り、豪州 10 年債利回りも僅かではあるものの、2%を
下回り過去最低となりました。コモディティ価格はまちまちとなり、原油価格が下落した一方、金属価格は小幅に上昇しました。豪ドルはほぼ横ば
いで推移しました。
豪州国債利回りは過去最低水準
豪州10年債利回り、%
豪州
出所:Global Financial Data、AMPキャピタル
1/3
Brexit がそれほど大問題となっている、その理由はなんでしょうか?Brexit を問う国民投票(今週木曜日)が刻一刻と近づくにつれ、特にここ数
週間、離脱派による移民に対する感情的なキャンペーンが展開され、離脱派が残留派を上回りつつあることで、金融市場では緊張が高まってい
ます。金融市場の動揺は、以下の 2 つの懸念を反映しています。まず考えられるのは、EU との貿易取引が減少することによる英国経済に対す
る Brexit の影響についての懸念です。つまり、金融セクターへの影響に加え、労働移動の制限(英国 GDP に対する影響は-2%と想定されて
います)であり、これは英国の資産とりわけ英国ポンドの重石となっています。より深刻なグローバルな問題としては、Brexit によってユーロの存
続性に対する懸念が再燃し、ユーロ圏諸国が EU やユーロ圏を離脱しようとする動きを引き起こすのではないかという懸念が考えられます。そ
れにより欧州周縁国が発行する債券への信用不安が再発し、ユーロから米ドルへといった安全資産への逃避が起こり、ひいては人民元などの
新興国通貨やコモディティ価格への下押し圧力を高める可能性があります。我々が年始早々経験した混乱に戻ってしまう可能性があります!
しかしながら、欧州株式市場でここ数週間で 8%下落しており、行き過ぎの感がありました。もし残留派が勝利を収めれば、最近の金融市場の
動きが反転し、英国ポンドと欧州株式市場が大きく反発する可能性があります。一方で、もし離脱派が勝利を収めれば、短期的にはさらに混乱
が進展してしまう場合があります(すなわち株式市場の下落や債券利回りの低下、英国ポンドやユーロの下落に対し、米ドル、日本円、金の上
昇が考えられます)。但し、欧州は欧州金融危機を乗り切った経験があり今回も切り抜けると見られることから、欧州及びグローバル市場におけ
る買いポジションのチャンスとなるでしょう。スペイン、イタリアあるいはフランスにとってユーロ圏離脱のハードルは英国の EU 離脱に比べかなり
高いと思われます。なぜなら、これらの国にとって、通貨の下落や、さらに高い債務コストを招くことになるからです。様々な苦難があるにもかか
わらず、一貫してユーロ圏に残留することを望むギリシャが良い例です。実際、ユーロ圏に留まる限り、支援体制は概して手厚いものとなってい
ます。欧州の経済統合上、足かせとなっている英国を排除することで、最終的に好転するケースも想定されます。
Brexit は起きるでしょうか?世論調査によると、離脱派が徐々に優勢となっているようですが、私はまだ残留派が勝利を収める結果を期待して
います: まだどちらかを決めかねている有権者は現状維持を支持すると見られ、昨年の英国選挙の際、非常に正確な予想をした電話による世
論調査では残留が優勢となっていることや、狂信的な離脱派による EU 残留派の下院議員殺害によって残留への支持が高まった可能性があり
ます。
一方、FRB では、中立もしくはハト派が優勢となっています。FRB は今年及び来年の GDP 成長率予測を僅かに引き下げ 2%とするとともに、
インフレ予想を若干引き上げましたが、雇用市場についてはややポジティブ度合いを引き下げました。注目すべきは、17 人の FRB の金融政策
会合参加者のフェデラル・ファンド・レート(FF 金利)の予想を表している、いわゆる「ドットプロット」においては、今年まだ 2 回の引き上げを想定
していますが、そのうち 6 人のメンバーは今年はあと 1 回のみ(3 月の引き上げ以降)の引き上げを想定しています。「ドットプロット」では今後数
年間の政策金利の予想を引き下げており、すでに低下している市場予想に再び近づいています。次の図をご参照ください。最近、6 月の雇用者
数が大きな反発を見せたものの、私は早くとも 9 月より前に FRB が引き上げに動くとは思えません。 カギとなるのは FRB が慎重な姿勢を崩さ
ず、グローバルリスクを考慮に入れているということです。今年の FRB の利上げに対する市場予想は、ややハト派的過ぎるように見えます(12
月までの引き上げの可能性は 38%と予想)。しかし重要なのは FRB は十分に考慮しており、米国及びグローバルの成長見通しを脅かすリスク
は起こさないであろうということです。
FRBのドット・プロットと市場予想
FF金利、%
FRBドット・プロット-3月
FRBドット・プロット-6月
市場予想
出所:米連邦準備制度理事会(FRB)、AMPキャピタル
あたかもテロを警戒しても、まだ十分でないかのように、米国オーランドで起こった恐ろしい事件でテロの脅威が再び浮かび上がってきました。こ
れは 1 人の狂人によって、シドニーのカフェで引き起こされた事件と共通している部分が多くあるように思われます。だからと言って貴重な命が
失われたことを帳消しされるわけではありません。ただ、経済インフラに損害がなければ、金融市場への影響がほとんどないことから、金融市場
はテロ攻撃に関して鈍感になっているように思われます。一方で、オーランドの事件は、ドナルド・トランプ氏の選挙活動に都合よく利用されるこ
ととなりました。
世界経済指標
米国経済指標は、4-6 月期に GDP 成長率が小幅反発する傾向を示しています。5 月の鉱工業生産は低調でしたが、ニューヨーク連銀及びフ
ィラデルフィア連銀の製造業景況感は反発しました。NAHB(全米住宅建設業者協会)住宅市場指数は上昇し、5 月の米国小売売上高は上昇し、
2 ヵ月連続上昇となりました。失業保険申請件数は引き続き低水準で推移しています。アトランタ連銀の GDPNow の GDP トラッカーによると、4
-6 月期 GDP は年率 2.8%の GDP の伸びを示しています。また 5 月のコア消費者物価指数(CPI)は前年比 2.2%となっており、FRB の望む
2%ターゲットに次第に戻ってきていることを示しています。
日本銀行は再び、失望とまではいかないものの、ターゲットを下回るインフレ率、脆弱な成長率や、円が 1 年ぶりの高値に迫っていること等から、
追加的な量的緩和を迫られると思われ、おそらく 7 月に実施されると見ています。
5 月の中国経済指標は強弱まちまちとなり、固定資産投資が軟調となる中、小売売上高と鉱工業生産は安定した伸びを見せました。より強い
輸出の伸びに加えて購買担当者景気指数(PMI)が安定していることから、GDP 成長率は 6.5-7%でのボックス圏での推移が見込まれます。
しかし金融政策については、緩和策を続ける必要があるように見受けられます。
豪州経済指標
豪州の経済指標は、経済成長を反映して、まずまずの結果となりました。5 月の NAB 企業景況感は引き続き堅調となり、消費者センチメントも
5 月の政策金利引き下げを受けて良好となり、5 月の雇用市場も大きく伸び、失業率は 5.7%で横ばいとなりました。しかしながら、5 月の企業
2/3
信頼感指数が下落、フルタイム雇用の伸びも軟調となるなど懸念が残りました。また未活用労働力(失業率+不完全雇用率)は 14.2%と高水準
で推移しており、これが引き続き賃金成長率の伸びを下押しする要因となっています。
今週の注目点
今週の焦点は間違いなく(6 月 23 日)Brexit 国民投票でしょう。投票所が木曜日の夜ロンドン時間午後 10 時まで開場しているでしょうから、
我々は次の日の午前 7 時(シドニーでは金曜日の午後 4 時)ごろまで結果について明らかな方向性は分からないかもしれません。もしそれが非
常に僅差となるなら、開票結果がわかるのはもっと時間がかかるでしょう。
今度のスペインの選挙(6 月 26 日)も同様に十分注意が必要です。世論調査では、極左政党との連立を仮合意した左翼政党のポデモスが優勢
となってきており、中道左派、中道右派のどちらの連立政権も過半数を握る可能性が小さくなっていることを示唆しています。最終的には、近年
行われた経済改革を堅持する少数の中道右派政府が継続するかもしれませんが、出来ることはかなり限られるでしょう。幸いにも、スペインの
経済改革のうち、もっとも困難で手間がかかる改革の大半がすでに終わっています。
ドイツの連邦憲法裁判所が、ユーロを維持するために「必要とあればいかなる手段でも行う」とするドラギ ECB 総裁の 2012 年のコミットメントを
部分的に支えている欧州中央銀行(ECB)のアウトライト・マネタリー・トランザクション(OMT、南欧諸国の国債を直接買い入れるプログラム)の
合法性について、最終判断を公表する予定です。
米国では、注目を集めるのはイエレン FRB 議長の議会証言で、政策金利引き上げにおいて FRB はハト派的であり、慎重な姿勢を崩さないと
繰り返されると見られます。経済指標に関しては、住宅価格指数の上昇及び中古住宅販売件数が増加すると見られ、その一方で新築住宅販売
件数は減少すると思われます。
欧州では、マークイットユーロ圏製造業 PMI が公表の予定です。
豪州では、豪州準備銀行(RBA)の前回の金融政策会合の議事録が今後の政策金利に対する見通しに関するガイダンスとして注目されるでしょ
う。今後の発表される指標としては、オーストラリア統計局(ABS)の 1-3 月期の住宅価格指数が 1%上昇すると見られます。
相場見通し
短期的なイベントリスク - Brexit 国民投票、スペインの総選挙、豪州連邦選挙、米国の共和党および民主党の(大統領候補を指名する)党大
会- が引き続き株式市場のボラティリティを高めることになるでしょう。とはいえ、今年は年末に向けて株式市場はさらに上昇すると見ています。
その理由としては、株式のバリュエーションが債券と比べて割安であること、世界的に超低金利環境が継続していること、緩やかな経済成長が
続いていることなどが挙げられます。
現在、債券利回りが極めて低い水準にあることから、国債投資のリターンが中期的に低調になる可能性が考えられます。ただし、世界的に低成
長、余剰生産能力や低インフレが見込まれることから、過度に債券投資に対して弱気になることは難しいと思われます。とはいえ、最近の債券
利回りの上昇は、債券利回りが急騰するリスクをはらむほど、非常に低い水準となっています。
商業用不動産やインフラ資産は、今後も投資家による利回り追求の動きから恩恵を享受する見通しです。
今後 1 年間の主要都市の住宅価格の上昇率については、融資基準の厳格化と供給増加によってシドニー、メルボルンでの過熱感が沈静化に
向かうと想定されるため、3%程度に鈍化することが見込まれます。また、パースやダーウィンでは値下がりが続く一方、ブリスベンでは上昇する
と見られます。
現金および銀行預金からのリターンは低迷するでしょう。
売られ過ぎの水準からの反発と、米国の金利引き上げが後ずれしていることは明らかに短期的に豪ドルにとってサポート材料となっています。
とはいえ、長期的には引き続き下落基調となるでしょう。というのも、RBA が政策金利の引き下げを行っている一方で、FRB はいずれ利上げを
再開すると見られており、今後、金利差の縮小が見込まれることや、コモディティ価格が依然低迷していること、豪ドルがフェアバリュー(適正価
値)を下回るのも珍しいことではないためです。豪ドルは今後 1 年間で、1 豪ドル 0.60 米ドル近辺まで下落する可能性があると見ています。
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当資料は、投資の参考となる情報の提供を目的として、AMP キャピタル・インベスターズ・リミテッド(オーストラリアにおける登録番号:
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