日本のバイヤーがルーマニアの最後の古代の原生林での違法伐採に

プレスリリース
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2016 年6月 22 日
お問い合わせ先:
Maggie Dewane, EIA プレス担当, +1 202-483-6621, [email protected]
日本のバイヤーがルーマニアの最後の古代の原生林での違法伐採に拍車を
かけている
ワシントン D.C. - 日本の大手商社がヨーロッパに残る最後の広大な原生林での違法伐採に拍車
をかけていることがワシントン D.C.を本拠地とする環境調査エージェンシー(EIA)の新しい報
告書で明らかになった。「偽上の住宅:日本の新築住宅の犠牲になる欧州の原生林/Built on
Lies: New Homes in Japan Destroy Old Forests in Europe」と題する報告書では、オーストリア企業
シュバイクホファー社(Holzindustrie Schweighofer)のルーマニア国内の製材所からの輸出の
50%近くが主に住宅用建材として日本向けに出荷されており、2015 年には合計 200 億円(1 億
6500 万米ドル)に相当したことを示す、新たに入手された貿易データを公開している。EIA が
2015 年 10 月に発表した報告書「Stealing the Last Forest」で詳述したように、シュバイクホファ
ー社の調達は、長年にわたり、ルーマニアにおける違法伐採の誘引となってきた。
違法伐採が広範囲にわたる問題であることは、10 年以上前からルーマニアのメディア、政府お
よび市民社会によって広く認められてきた。ルーマニア政府は同国で伐採される木材の半分近
くが違法に伐られていると推定しており、2016 年 1 月にルーマニアの大統領は、違法伐採が国
家安全保障上の脅威であると公式に宣言した。ルーマニアの木材市場に参入して僅か十年後の
2013 年にシュバイクホファー社は同国で最も多くの丸太を購入する企業となり、同国のオウシ
ュウトウヒの全伐採量の 40%近くを調達するようになった。
「この新しい証拠資料は、日本のバイヤーが欧州の最も手付かずの原生林での違法な森林減少
に大きな影響を及ぼしていることを示している」と EIA 事務局長のアレクサンダー・フォン・
ビスマルク(Alexander von Bismarck)氏は語る。
シュバイクホファー社がルーマニアの森林部門で市場シェアを伸ばし、独占的な支配力を持つ
ようになったことが衆目の的になると、同社は隣国ウクライナからの丸太調達の割合を増やす
ようになったが、同国は欧州で最も汚職が蔓延し、直近では隣国ロシアとの本格的な武力紛争
に苦しんでいる。2015 年にシュバイクホファー社はウクライナからオウシュウトウヒ(ホワイ
トウッド)とオウシュウアカマツ(レッドウッド)の丸太を合わせて 100 万立米近く輸入し、
それが同社のルーマニアの製材所で使われる木材の 33%を占めるようになった。このウクライ
ナ材も多くは日本市場向けである。
EIA の 2015 年の報告書では、幾つかのケーススタディーで、シュバイクホファー社が違法伐採
木材を調達した具体例について詳述し、ルーマニアの森林、国立公園、住民に対する影響につ
いて説明した。EIA が隠し撮りしたビデオで、シュバイクホファー社の調達責任者が二つの
別々の会議で、違法に伐採された木材を、そうであると知りつつ積極的に受け入れ、報奨制度
により更なる伐採を奨励する様子が捉えられた。
2015 年にルーマニア環境省が実施した調査でシュバイクホファー社の 1 つの製材所だけでも
10 万立米以上の違法木材に関する資料が見つかり、同社の職員が違法木材を入手する目的で組
織犯罪ネットワークに関与していた証拠が発覚した。この調査は、組織犯罪を管轄する中央政
府の検察当局に引き継がれ、現在も続いている。2016 年 6 月には、別の事件で偽造書類と贈賄
により正当な所有者から広大な森林を盗んだことで有罪となった 2 人のビジネスマンに対する
有罪判決がルーマニアの控訴審により支持された。その裁判の資料から、この盗難事件が起こ
る 6 ヶ月前にシュバイクホファー社の役員がこのビジネスマンたちと行った取引で、この森林
の 1000 ヘクタールを同社が直接購入し、盗まれた土地の他のところから少なくとも 2 万 2 千
立米の木材を購入していたことが判明した。
シュバイクホファー社への森林管理協議会(FSC)による最新の加工・流通(CoC)認証発行の
責任を負う Quality Austria 社は、シュバイクホファー社への認証発行における規則違反に関
して苦情申し立てが行われた後、2016 年 6 月 3 日から新しい FSC 認証発行を行うことを禁じら
れた。それとは別に、違法伐採の「重大な嫌疑」にまつわる FSC の「組織と FSC との関係に関
する指針(Policy of Association)」に違反に関するシュバイクホファー社の調査も現在 FSC によ
って実施されている。
EIA の新しい報告書は、日本の企業や顧客がルーマニアでの違法伐採に拍車をかける大きな役
割に焦点を当てている。日本とヨーロッパへの高リスク木材の大量輸出は、日本とヨーロッパ
の企業が違法伐採リスクの高い地域から木材を調達する際、しっかりしたデュー・ディリジェ
ンスを行う必要があることを示している。今回の報告書では、シュバイクホファー社から木材
製品を購入する日本企業、上位十社の名前を挙げている:1)阪和興業、2)住友林業、3)ラム
セル(銘建工業)、4)伊藤忠建材、5)双日建材、6)ジャパン建材、7)丸紅建材、8)ナイ
ス、9)篠原商店、10)吉銘。
この事例は、日本の自主的な違法木材輸入対策が違法調達木材製品の大規模な国際貿易に対処
するには不十分であることをさらに裏付けている。ルーマニアから日本への違法木材の輸出
は、輸入木材製品の合法な調達を積極的に保証することを全ての企業に義務付けるために日本
政府が行動を取る必要があること示している。
EIA はシュバイクホファー社に対して木材の供給元の伐採許可区域のデータを公開するよう要
求している。ルーマニアの法律では、この情報は森から木材が運ばれる際にすでに提供されて
いることになっている。
「シュバイクホファー社は、長年にわたり、同社のシステムにより違法木材が排除されている
ことを顧客に対して保証してきた。今や、これが真実でないことが多くの情報源によって証明
されている」とフォン・ビスマルク(von Bismarck)氏は語る。「今日も同社は木材がどこから
来たのかについて公表することを拒んでいる。本当に合法なら、なぜ、由来を隠すのか。」