クラウドソーシングを用いた冬期路面状態推定

モバ
イルセンシング
を活⽤したスマートシティアプ
リケーション
クラウド
ソーシング
を⽤いた冬期路⾯状態推定システム
朴
斌
相 原
Bin Piao
健 郎
Kenro Aihara
どんな研究?
何がよくなる?
冬期路⾯状態 のモニタ リングに よって,適 切な道路 除排雪を
⾏い,交通の 乱れや冬 期特有の 交通事故を 事前に防 ぐことが
できる.しか し,従来 の道路モ ニタリング ⼿法は, いずれも
作業員や専⽤ 設備の導 ⼊が必要 となり,コ ストが⾼ い.本研
究では,参加 型センシ ングの観 点から,ド ライブレ コーダ機
能を持つスマ ホアプリ を市⺠に 無償で提供 し,アプ リから得
られたGPSや加 速度デー タを⽤い て路⾯状 態の推定 を⾏うシ
ステムを提案する.
1.モニタリングの頻度が⾼くなる
• ⽇常⽣活の中で頻繁に利⽤することが期待できる
2.モニタリングの範囲が広くなる
• 利⽤ 者数 の増 加に よっ て ,都 市規 模の モニ タリ ング
も可能となる
3.モニタリングのコストが低くなる
• 市⺠の⾃発的な参加に基づくクラウドソーシング
• 専⽤設備を導⼊する必要がない
冬期の札幌市の道路状況
吹
雪
凍
結
積
雪
半
溶
け
冬型事故発⽣の路⾯状況
引用:冬期道路における走行支援に関する研究,国総研 資料
札幌市雪対策予算の推移
引⽤:ht t p://www.cit y.sappor o. jp/ ke nset s u/y uk i/jig yo u/ bu d get . ht ml
第 178号
システム構成
Webサイトによる⼀般公開
ドライブレコーダーサービス
(iPhone/iPad⽤無料アプリ)
参加者:⼀般市⺠
メイン画⾯
http://around-the-corner.org
リアルタイム路⾯情報
イベント登録画⾯
解析結果
を提供
映像
加速度/
ジャイロ
参加動機
付与
GPS
物事の
• 集計
• 解析
参加者の
数が増加
よくなる
録画映像管理
スマートフォンの設置イメージ
基本的な考え⽅
解析が
データの
量と多様
性が増加
サービスプラットホーム
路⾯状態推定
推定する路⾯状態の種類・⾛⾏時の振動特徴
路⾯状態
アスファルト・圧雪
(normal)
シャーベット
(sherbet)
凍結
(frozen)
定義
⽬⽴つ凸凹などなく,
⽐較的平坦な状態
雪が溶け始めて,雪と
⽔が混在している状態
タイヤとの接触⾯が
凍っており,かつ細か
い凸凹が⽣成している
状態(ミラーバーンは
対象外)
⾛⾏時の振動特徴
⾓軸の加速度やジャイロ
の分散が少ない
上下⽅向の加速度の変化
が激しい
⾼周波数のローリングが
連続的に発⽣
特徴量選択(時間窓:2秒)
1.上下⽅向加速度値の絶対値の和÷平均 速度
2.横⽅向加速度値の絶対値の和÷平均速 度
3.ローリングの⾼周波数帯の分散
実験
課題
利⽤⾞種:スバル(⼀種のみ)
学習データ:
1.アスファルト・圧雪: 1000個
2.シャーベット:
236個
3.凍結:
124個
結果:
正解
froze
n
normal
sherbet
frozen
116
3
5
124
normal
6
958
36
1000
4
67
165
236
126
1028
206
1360
予測
sherbet
total
分類器:SVM(Support Vector Machine)
連絡先:朴 斌/ 国⽴情報学研究所 コンテンツ科学研究系
Email : [email protected]
1.異なる⾞種の正規化
⾞種の違いやスマートフォン
の設置位置の違いによって振
動パターンは変わる
2.異なる⾞種の信頼性算出
total
本研究は,NICT「ソーシャル・ビック
データ利活⽤・基盤技術の研究開発」に係
るモバイルセンシングを活⽤したスマート
シティアプリケーション研究開発の⼀環と
して⾏われている.