メートル付近︶の修復工事を進めて 阿弥陀堂の屋根改修工事 阿 弥 陀 堂 で は、屋 根 の 下 地 と 修復にあたっての調査で確認され 箇所の突出部分を削り、減退して ました。そのため、湾曲している 大棟は明治度の再建から約百二 いる箇所には埋木を行うなどし います。 十年もの長い年月を経た中で、全 なる土居葺き板の改修をほぼ終 ます。中でも現在は、その屋根の 加えて、大棟の南北部分の先端 の素屋根の一角で、大棟の原寸大 既報のとおり、これまで阿弥陀堂 おに だい ており、それを支える﹁鬼台﹂の 設置も完了しました。今回の工事 高さの位置の調整を行いました。 雨水は高いところから低いと こ ろ へ 流 れ て い き ま す。屋 根 のほとんどは斜面になってお り、瓦 も 重 な っ て い る た め 雨 水が入り込むことはありませ ん が、屋 根 の 頂 上 の よ う に 風 雨の影響を受け易いところは 雨水が入り込みやすくなりま す。そ こ で、そ の 部 分 に 平 瓦 を半分にした熨斗瓦を何枚も 重 ね て 防 水 性 を 強 化 し、上 に むね 丸瓦を置いて雨水の進入を防 おお むね ぐ も の を﹁棟﹂と い い ま す。 屋 根 の 頂 上 の も の を﹁大 棟﹂ 、 大棟からおりているものを くだりむね ち ご むね た棟があります。 よ こ ざん きます。 熨斗瓦を段上に積み上げてい 分。こ こ に 釘 と 銅 線 を 用 い て を支えるための下地となる部 大 棟 に 取 り 付 け る﹁熨 斗 瓦﹂ 横桟 の し がわら にも﹁隅棟﹂や﹁稚児棟﹂といっ すみむね ﹁降 棟﹂と い い ま す。そ の 他 棟 むね て、棟が適切な曲線となるように 体的に東面に湾曲していることが おお むね 頂上部分である大棟 ︵地上約二十七 間に取り付ける工法を採用し、ま し がわら 地 部 分 に 新 し く 木 材 を 付 け 加 え、 たその上に乗せていく熨斗瓦の勾 の 修復が進められました。また、雨 再建時の反りになるように調整が 配を急にして雨水が内部に侵入し にくくなるよう改良します。そし は本来上にそり上がるように伸び 模型を用いた風雨に対する瓦の葺 ま た 本 誌 ︵二〇一 一 年 十 月 号︶で ていますが、地盤の沈みや葺き上 き方の実験を行ってきました。こ では明治期の鬼台の上に新しく作 の形状に修復しました。 げられた瓦の重みなどにより全体 の実験の結果を受けて、大棟の下 成した鬼台を乗せ、下がっていた て、大棟の先端には﹁獅子口﹂と 的に十五センチほど下がり、棟と 地 と な る 部 分 を 補 修 し た 後 に は、 呼ばれる非常に大きな瓦が葺かれ しては起った︵上方に凸形に反っ ﹁ル ー フ ィ ン グ﹂と い う 透 湿 防 水 大棟の模型を用いた瓦の葺き方の実験 むく て い る︶状 態 に な っ て い ま し た。 素材の特殊シートを 下地と横桟の よこ ざん そのため修復では元々の大棟の下 下地が修復された大棟 え、順 次 瓦 が 葺 き 上 げ ら れ て い 鬼台(大棟の先端にある 「獅子口」を支える台) を取り付けています 水で腐食している部分を取り除 修復前の大棟 施されました。 ← 阿弥陀堂大棟位置 き、新しい木材で埋め木を行い元 大棟の下地部分 御 修 復 の あ ゆ み ルーフィング (透湿防水素材の特殊シート) の大棟下地への取り付け作業 36 2014年 (平成26年)2 月 真 宗 真 宗 37 2014年(平成26年)2 月
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