PDF) 『真宗』2014年10月号掲載

飾り組子欄間が地震に対して有効
の 結 果、門 下 層 の 東 西 方 向 に あ る
号 で 既 報 の と お り、耐 震 調 査 研 究
により比較的容易に耐力を確保す
とその下部の板壁を補強すること
て、東 西 方 向 に つ い て は 組 子 欄 間
このため耐震補強工事におい
階段の足元に粘弾性ゴムによるダ
ま す。そ の こ と に 対 応 す る た め、
ぎて壊れてしまうことも考えられ
す。ま た、階 段 自 体 が 力 を 受 け す
形能力による耐力が阻害されま
物のもつしなりやひずみなどの変
た。
方向に引っ張る工夫を施しまし
に 繋 ぐ こ と に よ っ て、階 段 を 鉛 直
イ ヤ ー ロ ー プ を 地 中 に 埋 め 込 む︶
なくなるため、アースアンカー︵ワ
と、せ っ か く の つ っ か い の 効 果 が
てそれ自体がせり上がってしまう
御影堂門の階段を利用した耐震補強工事
的に対応する力を一定程度持つこ
る こ と が で き た の で す が、南 北 方
ン パ ー ※を 設 置 す る こ と に 決 め、
た。
と が 確 認 で き た 一 方、南 北 方 向 に
向についてはさらなる工夫が必要
たる き ばなかざりかなもの
有縁の皆様より尊いご懇念を賜りますよう 何卒ご奨励 ご協力をお願いいた
全国の有縁の皆様より尊いご懇念を賜りますよう、何卒ご奨励、ご協力をお願いいたします。
くみ こ らん ま
関 し て、地 震 に 対 し て 弱 い 構 造 と
力 を 吸 収 し な が ら、揺 れ を 少 し ず
100 万円)
円)
と垂木鼻 錺 金物(1,240口:1口5 万円)を対象とした指定寄付を募集しております。
を対象とした指定寄付を募集してお
ダンパーを設置するため、階段の下部を掘りました
そこで、今回の工事においては、
つ抑えていくことができます。
ただし、階段は建物︵御影堂門︶
御影堂門の南北に配置されている
楼上へ登るための階段を有効活用
向にある組子欄間の上部に木造の
の一階部分に寄りかかっているよ
こ の 工 法 は、御 影 堂 門 の 南 北 に
水平補強梁を新たに設置したうえ
し て、南 北 方 向 の 耐 力 不 足 を 解 消
ある階段が南北方向の揺れに対し
で 階 段 と し っ か り 繋 い で、バ ラ ン
う な 構 造 で し か な い た め、東 西 方
て、い わ ゆ る﹁つ っ か い 棒﹂の よ
スよく建物に補強耐力が伝わるよ
する工法が採用されました。
うな機能になることを期待するも
うにする必要がありました。また、
阿弥陀堂の御修復に伴い、
「工事」並びに「仏具」を対象とした指定寄付(174 口
口:1 口
堂の御修復に伴い、
地震で階段が押されることによっ
※阿弥陀堂・御影堂門御修復懇志につきましても、あわせてご協力をお願いします。
これにより階段が壊れることなく
アースアンカー
工事箇所
はり
の で す。し か し、そ の よ う な 機 能
を強めすぎると、伝統的な木造建
衝撃を弱めたり振動を伝わらな
※ダンパー︵ダンパ︶ ゴムなどで、
用されていくことが期待されます。
多くある重層門の耐震補強にも活
新 た な 仕 組 み は、今 後、全 国 に 数
の設置によってこれをより高める
き る よ う に し つ つ、ダ ン パ ー な ど
地震に対する耐力を十分に発揮で
え ま す。伝 統 的 な 木 造 建 物 が 持 つ
でにない新たな画期的な工法とい
利 用 し た 耐 震 補 強 工 事 は、こ れ ま
このような門に付属する階段を
階段を鉛直方向に引っ張るためのアースアンカーを設置
く す る た め の 装 置。車 で い う サ
スペンションのようなもの。
阿弥陀堂御修復「指定寄付のお願い」
御影堂門飾り組子欄間と板壁
となりました。
N
ダンパー設置箇所
木造水平梁
(新設)
なっていることが判明していまし
御影堂門の耐震性能は本年一月
御
修
復
の
あ
ゆ
み
粘弾性ゴムによるダンパー
修復後の垂木鼻錺金物
修復前の垂木鼻錺金物
階段を利用した耐震補強の概要 ※詳細は左図
ダンパーの設置断面図
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2014年
(平成26年)
10月
真 宗
真 宗
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