文 教 委 員 会 開 会 午後3時13分 (「なし」と呼ぶ者あり) ―――――――――――――― ●小竹ともこ委員長 ●小竹ともこ委員長 ただいまから、文教委員 なければ、質疑を終了い たします。 会を開会いたします。 次に、討論を行います。 報告事項は、特にございません。 討論はございませんか。 それでは、議事に入ります。 (「なし」と呼ぶ者あり) 最初に、議案第42号 札幌市婦人保護施設の設 備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する ●小竹ともこ委員長 たします。 条例案を議題といたします。 それでは、採決を行います。 質疑を行います。 議案第51号中関係分を可決すべきものと決定す 質疑はございませんか。 ることにご異議ございませんか。 (「なし」と呼ぶ者あり) ●小竹ともこ委員長 なければ、討論を終了い (「異議なし」と呼ぶ者あり) なければ、質疑を終了い たします。 ●小竹ともこ委員長 異議なしと認め、議案第 51号中関係分は、可決すべきものと決定いたしま 次に、討論を行います。 した。 討論はございませんか。 ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩 (「なし」と呼ぶ者あり) ●小竹ともこ委員長 いたします。 なければ、討論を終了い ―――――――――――――― たします。 休 憩 午後3時16分 それでは、採決を行います。 再 開 午後3時17分 議案第42号を可決すべきものと決定することに ご異議ございませんか。 ●小竹ともこ委員長 (「異議なし」と呼ぶ者あり) ●小竹ともこ委員長 ―――――――――――――― す。 異議なしと認め、議案第 42号は、可決すべきものと決定いたしました。 次に、札幌市いじめの防止等のための基本的な 方針(案)についてを議題とし、資料に基づき、 ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩 いたします。 理事者から説明を受けます。 ●松田児童生徒担当部長 ―――――――――――――― 私から、資料をもと に、札幌市いじめの防止等のための基本的な方針 休 憩 午後3時14分 についてご説明いたします。 再 開 午後3時15分 初めに、本基本方針の策定に向けた背景とこれ ―――――――――――――― ●小竹ともこ委員長 委員会を再開いたしま までの経緯についてご説明いたします。 委員会を再開いたしま す。 平成25年にいじめ防止対策推進法が制定され、 国は、いじめの防止等のための基本方針を定め、 次に、議案第51号 平成27年度札幌市一般会計 対策を強化してまいりました。本市におきまして 補正予算(第5号)中関係分を議題といたしま は、全ての子どもがいじめに向かうことがないよ す。 う、地域全体で防止等を図る基本的な考え方を示 質疑を行います。 すため、本基本方針を策定することといたしまし 質疑はございませんか。 た。 - 65 - 文 教 委 員 会 それでは、概要版をもとに内容のご説明をいた します。 しては、専門業者によるネットパトロールを継続 して実施し、いじめの早期発見、適切な対処に努 A4判の概要版の資料をごらんください。 めてまいります。 本基本方針の章の構成や内容は、おおむね国の 基本方針に沿っており、本市においては、特に重 次に、第3章 いじめの防止等のために学校が 実施する取組でございます。 点化したい対応や本市独自の施策等を特徴として 位置づけ、下線部でお示ししております。 1の学校いじめ防止基本方針の策定ですが、全 市立学校においては、各学校の実情や地域の特性 それでは、第1章 いじめの防止等のための対 策の基本的な考え方についてでございますが、本 を考慮し、定期的に評価し、見直しを図ることと しております。 市のいじめの現状について、二つ目の四角にあり 2のいじめの防止等の対策のための組織の設置 ますとおり、毎年、全児童生徒を対象に実施して については、各学校が常設の組織を設置し、担任 いる悩みやいじめに関するアンケート調査におい がひとりで問題を抱え込まず、必ず教職員が情報 て、10%強の児童生徒が今の学年になってからい を共有し、組織として対応しなければなりませ じめられたことがあると回答しており、各学校で ん。 は、個別に状況を把握し、対応を進めているとこ ろです。 3のいじめの防止について、児童会や生徒会に よるいじめ撲滅宣言など、自主的な取り組みを大 次に、第2章 いじめの防止等のために札幌市 切にしております。 が実施する取組についてでございます。 4のいじめの早期発見のためには、教職員によ 1のいじめの防止に関することでは、まず、一 る積極的なかかわりにより、小さなサインや変容 つ目に、子どもの権利に関するパンフレットを授 を把握し、組織で共有することが大切と考えてお 業において活用していじめの未然防止に努めるこ ります。 とができるよう、市内の学校に啓発しておりま 5の家庭・地域との連携では、PTAや地域の す。四つ目にございます学校教育以外の場におけ 方が集まる機会において協力を促すなど、学校と る取り組みの推進といたしましては、地域での交 家庭、地域が一体となって取り組みを推進してま 流や動物との触れ合いを通して、思いやりや命を いりたいと考えています。 大切にする心を育むことや、他者理解や助け合い 資料の3枚目をごらんください。 の心を育む取り組みを推進しております。 第4章 市立学校におけるいじめへの対処の流 また、資料2枚目の冒頭ですが、北海道大学と れについてです。 協働で、ストレスへの対処や命を大切にする教育 いじめへの対処は、学校の組織体制で事実を確 を普及し、いじめの防止等の取り組みに活用して 実に把握し、いじめられた児童生徒の安全と安心 まいりたいと考えております。 を確保します。そして、保護者の理解を得なが 2のいじめの早期発見・いじめへの対処に関す ら、いじめた児童生徒や周囲の児童生徒を指導す ることでは、スクールカウンセラーやスクール るとともに、再発防止等を行うこととなります。 ソーシャルワーカーを含めた相談体制の整備を 第5章では、市立学校における重大事態への対 図っております。また、苦しみを抱え込まずに誰 処について記載しております。 かに相談するよう、相談窓口の周知徹底を今後も 調査では、学校または教育委員会の附属機関に 継続してまいります。近年、課題となっておりま おいて事実関係を明らかにするとともに、再発防 すインターネット上によるいじめの対応につきま 止を目的とする調査を行うことになります。 - 66 - 文 教 委 員 会 以上が本基本方針の概要の説明となりますが、 いじめの問題を解決することが困難であると考え 本書には、方針の本文とあわせて、参考資料とし ております。 ていじめ防止対策推進法と札幌市子どもの最善の ●村山拓司委員 利益を実現するための権利条例を掲載してござい のいじめの特徴については理解しました。 ます。 教育委員会から見たネット上 複数の友人が自宅を訪ねてくる際に、例えば、 これまで、関係部局との各種会議を経まして、 移動手段を確認するために、何で来るのと書き込 1月27日の市長・副市長会議にて承認をいただい んだことが、相手にとっては来ないでほしいと受 ております。今後、パブリックコメントを実施 け取られるなど、誤解が発端となっていじめに発 し、市民の皆様からのご意見を募り、年度をまた 展する場合も考えられます。ネット上のいじめに ぐことになりますが、4月中に策定、公表する予 ついては、掲示板やブログなどで誹謗中傷や成り 定となっております。 済ましによる集団の中での信用をおとしめる行 ●小竹ともこ委員長 それでは、質疑を行いま す。 ●村山拓司委員 為、無料通話アプリにおける仲間外しなど、さま ざまな形があると聞いております。このようない 私から、ネット上のいじめに じめや誤解を生みやすいやりとりの中には、子ど 関する問題についてご質問させていただきます。 もたちのグループの中で行われ、発見がなかなか 近年、携帯電話やスマートフォンなどの普及に 難しいものもあるのではないかと考えます。 伴い、中学生や小学生においても所持率が上がっ そこで、質問ですが、教育委員会及び学校は、 ていると聞いております。また、携帯型のゲーム 現在、ネット上のいじめにどのように対応してい 機や音楽プレーヤーなど、インターネットに接続 るのか、お伺いします。 できる機器が多様化している状況でございます。 ●松田児童生徒担当部長 このような状況の中、インターネットを通じて行 のネット上のいじめへの対応についてお答えいた われる新しい形のいじめであるネット上のいじめ します。 が大きな問題となっております。 教育委員会及び学校 教育委員会は、これまで、専門業者によるネッ そこで、質問ですが、教育委員会は、これまで トパトロールを実施しており、学校とともにいじ のいじめと違うネット上のいじめの特徴について めの早期発見・早期対応に努めてきたところでご どのように捉えているか、お伺いいたします。 ざいます。近年、全国的な傾向として、ネット上 ●松田児童生徒担当部長 に閉ざされたグループの中において悪口が書き込 ネット上のいじめの 特徴についてお答えいたします。 まれるなどのいじめが発生しております。本市に 子ども同士のメールにおいては、文字だけのや りとりでは意図が伝わらず、誤解を招いていじめ おいても、同様の懸念があるところでございま す。 のきっかけとなることが多く見られております。 教育委員会といたしましては、警察や民間の通 また、ネット上では、匿名で安易な書き込みがで 信業者と連携して教員や保護者を対象とした研修 きることから、子どもが簡単に加害者や被害者に を実施し、個人を攻撃する書き込みや画像の拡散 なり得る状況があるほか、誹謗中傷が集中的に行 など、ネット上のいじめの実態とその危険性につ われ、深刻ないじめに発展するおそれがあると認 いて周知しているところでございます。各学校に 識しております。さらに、ネット上に掲載された おいては、ネット上の書き込みによる心のすれ違 個人情報や画像等は、一度広がると情報を完全に いを題材とした道徳の授業を実施するなど、情報 削除することができず、悪用されることがあり、 モラルに関する指導の充実を図っているところで - 67 - 文 教 委 員 会 ございます。 止等に向けた組織を設置し、適切な対応を進めて あわせて、保護者に対しまして、子どもに携帯 いるところでございます。学校は、全ての子ども 電話等を持たせる際に、ネット上に人の悪口は書 がいじめをしないよう、思いやりの心や互いを認 かない、悪口を見たら親に必ず伝えるなど、親子 め合う人間性を育む教育活動を家庭と連携して実 で約束事を決めるように促し、ネット上のいじめ 施しているところでございます。また、グループ 防止に向けた学校と家庭との連携を一層推進して 内のいじめなどは見過ごしやすいことから、いじ まいりたいと考えております。 めと疑われる行為や子どもからの相談、子どもの ●村山拓司委員 やはり、ネット上のいじめと 発する小さなサインを教職員全体で必ず共有する いうのは、ゼロにするのは非常に難しい問題で、 ことにあわせて、アンケート調査や教育相談を計 学校や教育委員会だけではなくて、今おっしゃっ 画的に実施し、いじめの早期発見に努めていると ていただいたように、保護者のご協力は必須だと ころでございます。 僕も思っております。今後、各学校の管理職及び さらに、いじめの解決に当たっては、校長、教 教職員に対し、基本方針の内容をしっかりと周知 頭、担任、養護教諭、関係する教員、スクールカ 徹底し、ネット上のいじめの防止等の取り組みを ウンセラー等による対策会議を迅速に開き、対応 進めることを要望させていただいて、私の質問を 方針を決め、役割分担を明確にして、いじめられ 終わります。 た子どもの心のケアやいじめた側の子どもの背景 ●平岡大介委員 私からは、学校内での情報共 を把握するなど、組織的に対応することが重要で 有について、また、学校内での連携体制につい あると考えております。 て、何点か質問させていただきます。 ●平岡大介委員 さらにお聞きしたいと思いま いじめは、子どもの心と体を傷つけるだけでは すが、今回の方針を策定するに当たって、当然、 なく、命にもかかわる重大な問題です。子どもた 教員のご意見を集められたと思うのですけれど ちが健やかに学び、成長できる学校環境や社会を も、今回の方針に現場の教員の意見をどのように つくっていくことが強く求められています。いじ 反映されてきたのか、その点を伺いたいと思いま めをエスカレートさせない、最悪の事態を招かな す。 いためには、子どもの細やかな変化を察知し、い ●松田児童生徒担当部長 じめを早期に発見することが重要です。また、過 どのように反映してきたかということについてお 去のいじめ自殺事件では、生活ノートで生徒がS 答えいたします。 現場の教員の意見を OSを発信していても、担任だけが確認、自己判 各学校の基本方針をつくる際は、必ず、学校の 断し、学校内でその情報が共有されていなかった 教職員はもとより、子どもの意見も反映して基本 ことが大きな問題となりました。 方針を策定しているところです。各学校において そこで、質問ですが、担任の教員だけではな は、基本方針をより実効性のあるものにするため く、学校全体で生徒を見守り、各生徒の情報を共 に、子ども、保護者、地域の意見を聞き、さらに 有する必要があると思います。先ほどの説明にも 先生方の意見を取り入れながら、より改善された ありましたけれども、改めて伺います。 基本方針にしていくことが必要と考えておりま ●松田児童生徒担当部長 す。 組織的にどのように 進めていくかということに対してお答えいたしま ●平岡大介委員 す。 の方針の中でも、スクールカウンセラー等の活用 本市においては、現在、全ての学校でいじめ防 先ほども出ていましたが、こ でいじめ相談に対応していくようなお話もありま - 68 - 文 教 委 員 会 した。しかし、かなめになってくるのは、日々の か、その点を伺いたいと思います。 生徒の成長に携わっている担任の先生なのだとい ●松田児童生徒担当部長 うふうに思います。 ンセラーの連携を深める具体的な取り組みといじ 本市のいじめ調査において、いじめられたとき に相談する相手として学校の先生と答える児童が 教員とスクールカウ め問題に対応する資料の活用についてのご質問 だったと思いますので、お答えいたします。 家族に次いで多く、特に小学生は56.3%にもなっ まず、教員とスクールカウンセラーの連携を深 ております。反対に、スクールカウンセラーは める具体的な取り組みでございますが、両者の連 小・中・高の平均で3.2%と、ふだん、学級全体 携を深めるためには、スクールカウンセラーは子 の人間関係を見ている担任の先生に相談をしたい どもや学校の状況をよく把握し、一方、学校はス という児童が多いあらわれだと思います。 クールカウンセラーと信頼関係を構築することが しかし、教職員の労働実態は、例えば、小・中 重要であると考えております。教員とスクールカ 学校の教員は月平均66.8時間もの時間外業務を ウンセラーは、子どもの支援のために、対応方針 行っていますし、あわせて、40人学級などの規模 を一緒に検討したり、相談等における子どもの情 では生徒一人一人の変化に気づくのは難しいとい 報を共有したりするほか、職員室において子ども う問題があります。また、教育現場からは、午後 の支援について日常的に話し合うなど、相互の信 から出勤するなど、毎日いるわけではないカウン 頼関係を築いているところでございます。 セラーと生徒の日々の変化について話せる時間が 教育委員会といたしましても、今後とも、教員 ないという声も出されておりますし、そもそも職 とスクールカウンセラーの連携によっていじめを 員室での朝のミーティングすらもなくなってし 解消した事例を周知するなど、両者の連携が一層 まった学校もあるようです。 深まるように取り組んでまいりたいと思います。 昨年行われた本市の教員の労働実態調査から また、2点目の生徒指導資料第14集の「いじめ も、スクールカウンセラーなどの職員の導入に 問題への対応」については、今までもそうです よって負担が減ったという回答は58.5%だったの が、さまざまな研修会等において活用するととも ですが、一方で、変わらないという回答は37%、 に、校内の研修会においても活用し、内容の周知 そして、4.4%は逆に負担がふえてしまったと答 を図って取り組んでまいりたいと思っておりま えております。 す。 そこで、質問ですが、教員とカウンセラーの連 ●平岡大介委員 今回、いじめ防止等のための 携など、学校内全体で情報を共有できる体制を具 基本的な方針ですが、方針をつくっただけでいじ 体的にどうやってつくっていくのか。特に、教員 めがなくなるというわけではありません。やは 用に「いじめ問題への対応」という冊子が配られ り、防止するということですから、いじめが起 ると聞いておりますが、これが各教員のデスクに こったときの対応ではなくて、本当に防止してい ただ配られておしまいということではなく、どう くような実践的なものになっていただきたいと思 やってこの方針を学校全体の認識にしていくの います。先ほどもお話がありましたが、先生が、 か、学校内で話し合う、ディスカッションしてい 自分のクラスでトラブルが起きたときに、周りに くことが重要だと思います。 相談できない、ひとりで抱え込むのが一番危ない そういう会議や話し合う機会を設けていくの ことだと思います。先生と学校の間ですぐに話し か、また、設けていくのであれば、非常勤のカウ 合える体制づくりが必要ですし、中身のあるもの ンセラーなども参加できるように促していくの にしていただきたいと思います。 - 69 - 文 教 委 員 会 私が小学生のころにいじめに遭ったときには、 が、形容詞が大変多い文章だなと。しっかりや 家族には心配をかけたくないので言いたくない、 る、これは当たり前のことですね。しっかりとい 担任の先生に話を聞いてほしいと思いました。た うのは、具体的に言えばどうやるのがしっかりな だ、相談したくてもできない児童もたくさんいる のですかと、これをずっと読んでいて感じます。 と思います。いじめられたときに相談する相手の そういう形容詞が非常に多い。 質問項目で、誰にも相談しないと答えた児童生徒 いじめの問題というのは、今始まったばかりの が小・中・高で平均約15%に上っていることは大 ものではありません。ずっと問題になってきてい きな課題だと思います。いじめられていることを る。それが、いろいろな大きな問題というか、マ 一人で抱え込んでしまわないような環境、相談体 スコミなんかも報道して、これは大変重大な問題 制がすぐにでも必要です。やはり、大切なのは先 だというものが出てきています。実際には、前に 生が生徒と向き合える時間や環境をつくることで も出てきているのですね。それが連続して起こる すので、抜本的な施策として、教職員の労働環境 ようになった、また、マスコミに流れる機会が多 の改善や、生徒一人一人に目が行き届く少人数学 くなった、こういう中で、国のほうも、手をこま 級などの実施が一番のいじめ防止につながると申 ねいているわけにはいかず、各教育委員会に、ま し上げて、私の質問を終わります。 た各学校に基本方針をつくらせなさいということ ●堀川素人委員 今の質問とかかわる部分もあ になりました。しかし、正直言って、余り目新し りますが、4ページに、いじめられたときに相談 いものはなくて、今までと違うものをつくろうと する相手として小学生の56.3%が学校の先生に相 して形容詞が加わってくる、こんな感じなのです 談するということです。ところが、中学生になり ね。 ますと急に30.6%になります。それから、高校生 一番初めの問題に戻りますが、小学生が多いと になると20.2%と、中学、高校になれば先生に相 言っても56.3%です。もう少し先生方に相談が 談することが少なくなりますが、これはなぜなの あってもよかろうなと思います。特に小学生なん でしょうか。 かでは、これがまだ高くなる。中学校になったら ●松田児童生徒担当部長 学校の先生への相談 いろいろな先生に接触できると言っても、学校の する割合が下がっていることについて、詳しく調 先生であれば学校の先生に相談するということに 査しているところではありませんが、小学校にお なるわけで、それが急に半分ぐらいになってしま いては、学級担任制で、担任と学ぶ時間が非常に う。この辺をきちんと分析しなければだめではな 多く、担任との信頼関係が生まれる時間が多くあ いかと思います。 るというふうに考えております。中学校において それから、全体を読む中で、先ほど言っていま は、専科制ですので、毎時間、先生がかわりま したが、これを見ただけでも先生が負担する割合 す。担任だけではなく、さまざまな先生方との関 というのは非常に大きくなるだろうと思います。 係がつくれますし、スクールカウンセラーの配置 先生方にもいろいろな役職があって、いじめの問 時間があって、さまざまな方に相談するという形 題ばかりではなく、既にたくさんの役割を持って ができているのかと思います。そういう意味でこ いる人間がまたこれに加わって解決をしなければ の割合が下がっていると私は捉えていますが、詳 ならない。 しく分析したことがないので、それについてはま いじめの問題というのは、学校での授業が終 た調べたいと思います。 わったら、それで終わったということではないの ●堀川素人委員 です。問題は、学校ばかりではなくて、帰ってか この本をちょっと見ました - 70 - 文 教 委 員 会 らのこともあります。いじめられるということは とで、そうしたら先生も再確認みたいな形はでき 非常に嫌なことですよ。恐怖もあるでしょうし、 るでしょうと。ないよりはいいかもわからない、 悔しさもあるだろうし、子どもにとっては大変つ でも、本当は、そういう屈辱や恐怖からどう解放 らい話です。そしてまた、自分はいじめられてい してあげるかです。この具体的な方策がなけれ ると言うこと自体がつらいことなのですよ。その ば、国民の税金、市民の税金を使ってこういうも 恐怖だとか屈辱だとか、それにどうやって対処す のをわざわざつくって、これだけの人が集まって るのかというのは、いただいたものの全体の中か 話し合う意味はないのではないかなというのが読 ら具体的に見えてこない。 んだ感想であります。 その恐怖というのは、多分、先生や親、地域の 答えは要りません。 人と言っても限界がありますよ。通報したりする ●小竹ともこ委員長 ことはできたとしても、地域の人が、24時間、連 んか。 携しながらその恐怖から救ってあげるということ (「なし」と呼ぶ者あり) はなかなかできません。先生に頼んだ、親に頼ん ●小竹ともこ委員長 だ、また警察とか、連携をする人はいろいろいま たします。 すが、その恐怖をとってやるためにどうするのか ということがなければ、いじめている人間は、周 ほかに質疑はございませ なければ、質疑を終了い ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩 いたします。 りの目が離れた瞬間がチャンスだと思うわけです ―――――――――――――― よ。いじめというのは、いじめられている人間が 休 憩 午後3時48分 いじめられているという感覚を持たなければ、い 再 開 午後3時49分 じめている意味がないのです。そういうものから ―――――――――――――― しっかり守るために、先生に相談した、親に相談 ●小竹ともこ委員長 した、警察も含めて相談した、そういうとき、あ す。 委員会を再開いたしま なたの命は我々大人が24時間守ってやるのだよ 最後に、札幌市学校施設維持更新基本計画 と。そういう中でいじめられている恐怖心を取り (案)についてを議題とし、資料に基づき、理事 除いてやらなければ、目を離したら、なお怖い目 者から説明を受けます。 に遭うみたいな形で引っ張り込まれてしまうわけ ●本居学校施設担当部長 です。つまり、離れることに怖がっている、怖 施設維持更新基本計画(案)について、お手元の がって、いじめられているところにわざわざまた 3枚物の概要版資料に沿ってご説明いたします。 行ってしまう、こういうことがいじめの中で構造 まず、計画の背景と目的ですが、300を超える 的にあるのです。この基本方針は、そういうこと 学校施設のうち、約7割が築30年を経過して老朽 に対してどこをどうやって救ってあげられるの 化し、維持・更新のために多額の費用が必要な状 か。 況になっております。 私から、札幌市学校 僕は、これを読んでいて、これであれば、今ま この計画は、学校施設の維持管理に係る中長期 でのものと何も変わらなくて、再確認しようやと 的なトータルコストの縮減や、予算の平準化を図 いうことだけです。僕は、先生に負担を一層かけ りつつ学校施設に求められる機能や性能を確保 るけれども、同じようなことの繰り返しであった し、児童生徒が安心して充実した学校生活を送る らだめだと思います。この中にあるのは、せいぜ ことができる環境づくりを目的としております。 い各学校でそういう方針をつくりなさいというこ 計画期間は30年間、計画対象は幼稚園と分校を - 71 - 文 教 委 員 会 除く311施設としております。 準化するため、緊急整備は当初7カ年で実施、リ 次に、学校施設整備の現状と課題です。 ニューアル改修は2017年度から年5校から7校の まず、学校施設の老朽化の現状ですが、近年 ペースで10年程度で実施、改築は、中段の下の図 は、改修対象校の増加と厳しい財政状況が相まっ にありますように、リニューアル改修が完了する て、ふぐあいが起きてから改修をする事後保全の 2026年度までは年3校ペース、以後、年4校ペー 割合が増加しています。その結果、老朽化が進ん スで実施、予防保全は緊急整備完了後の2023年度 でいる部分の改修に必要な費用は約400億円に及 から実施いたします。これにより、各年度の事業 んでおります。 量は、上段のグラフにありますように、160億円 次に、課題と方向性です。 から180億円程度で推移いたします。 学校施設整備には、老朽化への対応と改築需要 の本格化という二つの大きな課題がございます。 最後に、付帯施設等の老朽化対策でございま す。 図にありますとおり、学校施設の多くは、1970年 校舎と屋内運動場以外の附帯施設等である格技 ごろから80年代にかけての児童生徒急増期に建設 場、プール、給食室、トイレなどは、整備年度や され、多い年で年20校もの学校が建設されるな 設置数も異なりますので、それぞれ整備計画をま ど、大きな山を形成しております。現在の目標耐 とめております。これら附帯施設も含めた学校施 用年数60年で改築しますと、約15年後の2030年代 設の維持・更新に係る総費用は、下段のグラフの には改築を要する学校が急増いたします。 とおり、毎年度200億円程度で推移いたします。 このため、学校の施設整備の方向性としまして 以上が計画案の概要です。 は、一つ目の課題である老朽化に対しては待った 今後のスケジュールですが、3月23日までパブ なしの状況ですので、計画の当初で重点的に取り リックコメントを実施して市民から意見をいただ 組み、その後、適切な管理を行うため、事後保全 き、年度内の策定を目指しております。 から予防保全への転換を行います。二つ目の課題 ●小竹ともこ委員長 である本格化する改築需要に対応するためには、 す。 適切な使用年数の設定を行い、この山を前後に崩 ●村山拓司委員 して平準化を図る必要があると考えております。 おける具体的な整備例についてお伺いいたしま 続きまして、2ページ目に移ります。 それでは、質疑を行いま 私から、リニューアル改修に す。 老朽化対策は、四つの手法、改築、緊急整備、 学校施設維持更新基本計画(案)を読ませてい 施設の寿命を60年から80年に延ばすリニューアル ただきましたが、この案の中には、昨年の決算特 改修、そして予防保全を組み合わせ、学校施設を 別委員会において、私から学校施設の長寿命化に 大きくA、B、C、Dの四つのグループに分類し ついてというタイトルで質問させていただいた学 て最適化の検証を行いました。事業費の試算結果 校施設のリニューアル改修が盛り込まれておりま のグラフにありますように、リニューアル改修を す。本書の18ページから、その改修内容につい 積極的に導入して改築事業量の平準化を図ること て、施設の長寿命化のために耐久性向上と機能性 がトータルコストの抑制につながるという結果に 向上をあわせて実施すると書かれておりますが、 なりました。 その中に、機能性向上として、学習の多様化への そこで、3ページ目でございますが、今後の学 校施設の維持更新の考え方です。 対応という項目がありますけれども、これは、子 どもたちの教育環境に大きくかかわる改修だと考 2ページで試算した各年度の事業量をさらに平 えております。 - 72 - 文 教 委 員 会 そこで、質問ですが、学習の多様化への対応に しっかりと取り組んでいただきたいと思います。 関する具体的な整備例をお伺いいたします。 また、一番大切な学校や地域の声を積極的に取り ●本居学校施設担当部長 入れていただくよう要望して、質問を終わりま リニューアル改修の 具体的整備例についてお答えいたします。 す。 リニューアル改修は、軀体そのものの耐久性向 ●平岡大介委員 私からは、計画案中の小規模 上を図るとともに、今日の学校に求められている 校改築費用を見込まないという点で幾つか質問を 機能を確保するものです。学習の多様化への対応 行います。 の具体的な整備例としましては、少人数指導に対 施設更新の計画は、子どもの安全のためにも必 応するため、可動間仕切りなどで分割することが 要なことですし、地元業者に改築業務を回せば地 可能な多目的教室を整備いたします。図書室につ 元経済の活性化につながるという点からも大切だ きましては、余裕教室を活用して面積を広げるほ と考えております。 か、可能な場合、地域への開放を考慮し、1階に しかし、本書の9ページ目に、小規模校となる 配置いたします。このほか、保健室や事務室を職 見込みの学校、小学校55校、中学校3校は改築費 員室と同じ階に配置するなど、子どもたちの教育 用を見込まないとあり、更新計画の対象とせずに 環境の向上を図るとともに、学校運営の効率化に 統廃合を前提としていることは問題だと思います も努めてまいりたいと考えております。 が、いかがか。 ●村山拓司委員 学校運営の効率化につながる また、計画を見直すべきと考えますがいかが 整備を行うほか、地域開放を考慮した図書室の再 か、まずは伺いたいと思います。 配置などの整備例とのことでありました。 ●本居学校施設担当部長 小規模校の改築費を 個々の学校の改修内容について設計の中で検討 なぜ見込まないかというご質問ですが、小規模校 していくに当たり、学校現場の声を聞くことは大 になることが見込まれる学校につきましては、現 切だと考えます。特に、図書室の地域開放につい 時点で改築となるかどうか判断できないため、そ ては、学校現場のみならず、地域やPTAとのか の改築については、今後、個別に判断することと かわりが深いと思います。 し、事業費を試算する上で、一旦、改築費用を見 そこで、質問ですが、個々の学校についてリ 込んでいないところでございます。 ニューアル改修の設計を進めるに当たり、学校や ●平岡大介委員 地域の意向を反映すべきだと考えますけれどもい す。 かがか、お伺いいたします。 ●本居学校施設担当部長 そうです。判断できないので 例えば、小規模であっても、統廃合の対象から 学校や地域の意向の 反映についてお答えいたします。 外れるということは実際にあります。学校規模適 正化に関する地域選定プランでは、2017年度の推 リニューアル改修の設計を進める際は、学校現 計で、小規模校となる見込みとして小学校40校、 場の意見を聞くのはもとより、地域やPTAの意 中学校1校を上げておりましたが、通学手段に課 向も確認しながら具体的な改修内容を検討し、設 題がある、いましばらく児童数の推移を見守る必 計に反映してまいります。 要があるなどの理由から、小学校9校を検討校に ●村山拓司委員 リニューアル改修を行うに当 し、残る32校は選定から外しております。ほかに たっては、耐久性向上のための対策に取り組んで も、例えば北区の北九条小学校は、廃校がささや いただくとともに、子どもに対しても、教育環境 かれておりましたが、児童がふえて立派に改築さ の質向上のために機能性向上に向けた整備にも れております。 - 73 - 文 教 委 員 会 そこで、質問ですが、今回の更新計画から外さ その点はいかがか、伺います。 れた小規模見込み校であっても、場合によっては ●本居学校施設担当部長 改築更新する可能性があると思いますが、いかが た学校規模適正化の取り組みにつきましては、子 か。 どもたちの良好な学習環境確保のために進めてい 今、お話がありまし あわせて、今回、更新、改築の計画に入ってい るものでございます。一方、本計画案につきまし ないのですが、例えば、壁に穴があいたとか、和 ては、学校施設の老朽化が進む中で、これまでの 式のトイレを洋式化してほしいということで、必 事業の進め方では適正な施設の維持・更新が困難 要性に応じて修繕や整備を行っていくのか、この になることから、中長期的にトータルコストの縮 2点を伺いたいと思います。 減、予算の平準化を図りながら、学校施設を健全 ●本居学校施設担当部長 ただいまのご質問の に保つために更新のあり方、方向性を示すことを 小規模校の改築の見込みにつきましては、今後も 目的としており、両計画は矛盾するものではござ 児童の減少等の情勢の変化があるかと思いますの いません。 で、それぞれ個別に判断したいと考えておりま ●平岡大介委員 す。 した。それぞれの計画の言い分はあるのですけれ そういうふうに言うと思いま また、小規模校にふぐあい等が生じた場合の修 ども、やはり、一般的に見たら矛盾しているとい 繕費等でございますが、そういった保全費用はこ うふうに私は思いますよ。これを矛盾しないと考 の計画で見込んでおります。 えているのが縦割り行政ということだと思うので ●平岡大介委員 す。 教育委員会は、統廃合につい て、次のような考えを学校規模の適正化に関する そして、小規模校は今回の更新計画にのせませ 基本方針で示しておりますので、説明いたしま んというのは、先ほどの質疑ではないですが、こ す。 れこそいじめなのですよ。お金をかけないで潰し 1、小規模校検討地域ごとに小規模校検討委員 ていこうというふうに聞こえますし、実際にこう 会を設置し、通学の安全や学校と地域との連携な した小規模校の統廃合の議論になったときに、更 ど、学校規模の適正化を進めるための諸課題につ 新計画に予算を見込んでいないし、もう統廃合し いて、学校、地域、行政が協力しながら具体的な てしまいましょうという話になっていくのではな 方針を検討していきます。2、地理的条件、通学 いかと危惧しています。大体、教育委員会が予算 の利便性や安全性などを十分に考慮した上で小規 面でこういうふうに制限してしまっているのがお 模校検討地域を設定します。3、検討に当たって かしいと思います。アクションプランでも、各区 は、子どもたちの視点や意見を考慮して進めてい の実態に合ったまちづくりをしていく方針です きます。4、既存の学校施設を可能な限り有効活 し、全ての可能性を考慮して、全ての学校を更新 用するとしております。 していくつもりで計画をつくっていくべきです。 要は、片一方では、統廃合というのは話し合い それこそ先ほどのいじめの質疑にもかかわりま で決めていくのだという計画があって、もう片一 すが、子どもの教育環境をよくしていく、子ども 方の計画では小規模校の更新の予算は見込まない が気持ちよく通える学校というのはいじめを防止 ということになっております。これは、一般的に する一つの要因だと考えますし、それは小規模校 見たら矛盾しているのではないかと思うのです。 であっても同じことです。 学校規模の適正化の考え方、進め方、手法等、 学校規模適正化については、この間、長岡教育 今回の計画は矛盾すると考えるのですけれども、 長とも議論を行ってきましたが、集団学習ができ - 74 - 文 教 委 員 会 ないことや子どもたちの社会性や協調性を育むた めに統廃合は必要なのだと教育面のことをずっと 強調していましたけれども、結局は維持したくな い、建てかえをしたくない、お金をかけたくない という考えが見え隠れしています。 今回、報告された計画案は、学校規模適正化の 計画の考え方、検討手法と整合性がなく、小規模 校を計画にのせず、統廃合を前提としているた め、見直し、改めるべきと求めて、質問を終わり ます。 ●小竹ともこ委員長 ほかに質疑はございませ んか。 (「なし」と呼ぶ者あり) ●小竹ともこ委員長 なければ、質疑を終了い たします。 以上で、委員会を閉会いたします。 ―――――――――――――― 閉 会 午後4時6分 - 75 -
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