総 務 委 員 会

総 務 委 員 会
開 会 午後3時15分
進費について質問いたします。
――――――――――――――
●北村光一郎委員長
今回、情報化推進費として総額2億800万円が
ただいまから、総務委員
会を開会いたします。
計上されており、情報セキュリティー対策を行う
ものと聞いております。セキュリティー対策は、
報告事項は、特にございません。
常に変化する脅威に対応するため、新たな技術や
それでは、議事に入ります。
対応策を検討することが必要と考えます。昨年の
最初に、議案第45号 札幌市火災予防条例の一
決算特別委員会では、マイナンバー法施行に伴う
部を改正する条例案を議題といたします。
セキュリティー対策について質問し、セキュリ
質疑を行います。
ティポリシーに基づく体制確立と、原則、イン
質疑はございませんか。
ターネット環境でマイナンバーを利用しないなど
(「なし」と呼ぶ者あり)
の運用ルールの徹底と、インターネット環境への
●北村光一郎委員長
なければ、質疑を終了い
たします。
脅威に対する取り組みを行っていくということに
ついて確認させていただきました。情報漏えい事
次に、討論を行います。
故の多くが人的な要因であり、ミスは起こり得る
討論はございませんか。
ものとして、物理的にミスの起こりづらい環境整
(「なし」と呼ぶ者あり)
備についても求めてきた経過があります。
●北村光一郎委員長
なければ、討論を終了い
たします。
そこで、質問ですが、札幌市が今後進めていこ
うとしているセキュリティー対策と、今回の補正
それでは、採決を行います。
予算のセキュリティー強化対策は、どのような位
議案第45号を可決すべきものと決定することに
置づけにあるのか、伺います。
ご異議ございませんか。
●鈴木情報化推進部長
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
●北村光一郎委員長
札幌市には、市民の個
人情報など極めて重要性の高い情報資産が大量に
異議なしと認め、議案第
45号は、可決すべきものと決定いたしました。
ありますことから、この情報資産を漏えいさせな
いことを最優先の課題として、さらなるセキュリ
ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩
いたします。
ティー対策の強化が必要と考えているところでご
ざいます。
――――――――――――――
その強化策として、平成28年度当初予算に、業
休 憩 午後3時16分
務用ネットワークでありますイントラネットとイ
再 開 午後3時18分
ンターネットの分離に係る予算を計上したところ
――――――――――――――
でございます。また、今回、総務省から地方自治
●北村光一郎委員長
委員会を再開いたしま
す。
体のセキュリティー強化対策の具体的な方向が示
され、以前から本市で検討しておりました情報資
次に、議案第51号 平成27年度札幌市一般会計
産持ち出しの不可設定などの対策が平成27年度の
補正予算(第5号)中関係分を議題といたしま
国の補助事業となりましたことから、このたび、
す。
補正予算として計上し、実施しようとするもので
質疑を行います。
●松原淳二委員
ございます。
私からは、議案第51号 平成
27年度札幌市一般会計補正予算における情報化推
●松原淳二委員
今のお話では、情報セキュリ
ティー強化対策として、端末の情報資産の持ち出
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総 務 委 員 会
し不可設定を実施するということでございます
成27年度のシステム構築費のみでございまして、
が、具体的にどのような対策を行うのか、改めて
運用費と今後の更新費用につきましては札幌市の
伺います。
予算で賄う必要がございます。
●鈴木情報化推進部長
札幌市におきまして
●松原淳二委員
今のお話では、1万7,000台
は、個人情報を取り扱う可能性があり、対策の必
という多くの端末台数分のライセンス費用が必要
要なパソコンが約1万7,000台ございます。今
になってしまうということで、高額にならざるを
回、これらの端末に対して管理ソフトを導入し、
得ないといったことについては理解させていただ
USBメモリーなどの外部記憶媒体を用いて端末
きたいと思います。また、国からの補助について
から個人情報を取り出せないように対策いたしま
も、今の構築費のみで、今後の運用費については
す。ただし、業務上、情報資産の取り出しが必要
札幌市の予算で運用していくこともわかりまし
となる場合もあるため、操作者や端末を限定し、
た。
特定の記憶媒体のみ使用を認めるなどの制限を行
具体的な製品設定についてはこれからでござい
います。また、管理ソフトの種類によっては、情
ますが、ソフト選定に当たっては、更新費が高額
報資産の持ち出し不可設定以外に、操作ログの追
であったり、また、更新のサイクルが短かったり
跡、あるいは、端末のOSやソフトウェアの管理
してランニングコストにも大きく影響する項目が
などができるものがございます。そのため、現
あります。札幌市として、どの製品がベストなの
在、札幌市に合ったソフトウェアの選定及び運用
か十分検討していただき、長期的な視点で、ラン
方法について検討しているところでございます。
ニングコストも十分踏まえた上で製品の設定に当
●松原淳二委員
今お話しいただいたように、
たっていただきたいと思います。引き続き、脅威
端末の情報資産の持ち出し不可設定のほか、さま
に対して適切なセキュリティー対策をとっていた
ざまな対策を行うように検討していると伺いまし
だくことをお願いして、私からの質問を終わらせ
た。
ていただきます。
最初のお話でございますけれども、単に情報資
●太田秀子委員
私は、議案第51号、第3条の
産の持ち出し不可設定をするだけならば、もっと
第3表債務負担行為補正のうち、社会保障・税番
安価な方法でできる対策もあるのではないかと考
号制度対応システム改修について質問いたしま
えます。2億円の予算がどのように使われるの
す。
か、また、今回の構築費で国の補助を受けるとい
国のマイナンバー制度導入により、番号制度の
う説明がありましたが、次年度以降の運用費など
基幹インフラシステムの構築に2015年2月時点で
にどこまで反映できるのか、どのような措置とな
国は3,000億円以上の税金を使い、本市では、シ
るのか、あわせて伺います。
ステム開発関連だけで今年度10億円以上の税金を
●鈴木情報化推進部長
予算につきましては、
使う見込みです。しかし、これは、国が言ってい
情報資産持ち出し不可設定や管理を行うシステム
ますように、まだまだ費用の途中で、これからも
として、管理ソフト、サーバー等の機器、その他
お金はかかり続けます。
システム構築に要する費用を計上しております。
議案では、社会保障・税番号制度対応システム
このうち、管理ソフトは1万7,000台の全ての端
改修として約7億3,000万円が計上されていま
末に対してライセンス費用が必要となりまして、
す。これは、今までのシステム構築で、本市が社
これらを合わせて総額2億800万円となるもので
会保障と税、そして災害に関する個人情報をそれ
ございます。また、国の補助対象となるのは、平
ぞれシステム化し、保管していますが、2017年7
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総 務 委 員 会
月からは、その情報を、他団体、つまり国や都道
●鈴木情報化推進部長
府県、全国の自治体、社会保険事務所などから照
しては、他の団体と共同利用しているものでござ
会を受けた際、情報を提供するためのシステム改
いまして、このハードウェアは共有しますけれど
修費と、照会、提供がちゃんとできるかを確認す
も、個人情報につきましては各団体ごとに区分し
るためのテスト費用だということであります。今
て管理されているものでございます。
回、債務負担とした7億円は、4月からの契約に
●太田秀子委員
間に合わせる必要があるという一部分ですから、
には全国の自治体の個人情報が共同化され、集約
まだ3億円以上が平成28年度当初予算にのってお
されていくということで間違いはないですか。
り、総額約10億円にもなります。
●鈴木情報化推進部長
国のサーバーにつきま
それでは、国の中間サーバー
国の中間サーバーのソ
そこで、質問いたしますが、来年7月、このシ
フトウェア、ハードウェアにつきましては、地方
ステムがスタートし、他団体が、例えば本市に住
公共団体情報システム機構が管理運営するもので
むAさんの情報を照会した場合、本市の中間サー
ございますけれども、個人情報は各団体ごとに区
バーにアクセスしてくるのでしょうか。
分して管理されておりまして、共同化、集約化さ
●鈴木情報化推進部長
れるということではございません。
ただいま、他団体から
本市のAさんという方の情報を照会してきた場合
●太田秀子委員
に、市の中間サーバーに直接アクセスするのかと
体の情報が入るということだと思うのですが、例
いうことでございますけれども、本市の中間サー
えば、どこかの自治体でトラブルが起こったら全
バーを通ることはなくて、地方公共団体情報シス
て使えないことになるのではないかと、それらも
テム機構、通称J-LISというところがござい
想定してバックアップセンターなどもつくるので
ますが、ここがサービスを提供しますので、国の
しょうけれども、国の中間サーバーに何かあった
中間サーバーから情報提供されるものでございま
ら大変なことだ、集約されればされるほど大変
して、直接、外から中間サーバーにアクセスする
だ、そのように思います。セキュリティーに逆行
ものではございません。
するのではないかと思いました。これは、情報流
●太田秀子委員
出の危険性がとても大きくなります。
それでは、確認いたしますけ
同じソフトの中に全国の自治
れども、札幌にある、札幌が管理している個人情
この間、我が党の質問に答弁いただいてきたよ
報と、国の中間サーバーにある情報は同じものだ
うに、今まで、本市が住民税、国保、介護など項
ということでいいでしょうか、お答えください。
目ごとに個人情報をシステム化してきたという過
●鈴木情報化推進部長
国の中間サーバーにあ
程では、どこか一つの機関にマイナンバーにひも
るデータにつきましては、番号制度によって他団
づけられている個人情報が常時集められ、管理さ
体との情報連携が認められた情報のみが中間サー
れるわけではないので、単発的なサイバー攻撃が
バーのほうに蓄積されるということでございまし
起こったとしても、あらゆる個人情報が一気に漏
て、必ずしも本市が持っている情報と同一という
れ出すことはない、そういう仕組みになっていま
ことではございません。
した。ところが、今やろうとしていることは、情
●太田秀子委員
報を役所間などでやりとりする途中にある国の中
同じものもあるが、ないもの
もあるということですね。
間サーバーには、照会を受けたら提供できるよう
続いて、質問いたしますけれども、国のサー
に、常時、個人情報の副本、つまりコピーが保存
バーというところには本市の情報だけが入るので
されます。国の中間サーバーとは、本市も含め
しょうか、教えてください。
て、全国の自治体の個人情報をためておく場所と
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総 務 委 員 会
いうことです。
こで何かあったら大変だということを今お話しし
ここで、質問いたしますけれども、この中間
てきましたが、自分の情報が抜き取られていても
サーバーがサイバー攻撃を受けたとき、大量の情
気がつかないということも起こるでしょう。政府
報がまとまって一斉に漏れる、そういう懸念をお
は、心配ならマイナポータルで確認できますよと
持ちかどうか、伺います。
言います。これは、ICカードとパスワードがあ
●鈴木情報化推進部長
国のサーバーにつきま
れば個人のパソコンで自分のマイナンバー情報を
しては、確かにハードウェアとして共同化されて
見ることができるものです。政府は自治体にセ
同じものに入りますけれども、中のほうはそれぞ
キュリティー対策をしっかりやれと言いますけれ
れの公共団体ごとにサーバーが分かれております
ども、このマイナポータルで、どこで情報が流出
ので、サイバー攻撃等があった場合に、それがま
するかわからないという事態が起こってくるので
とまって一斉に漏れていく、そういうことはない
はないでしょうか。
ものと考えております。
●太田秀子委員
ここで、最後の質問をいたしますけれども、マ
政府のシステム担当者も、同
イナンバー制度そのものを中止、断念することが
じようなことを言っておりました。その方は、不
一番のリスク回避策だと思いますがいかがか、伺
正アクセスをブロックする仕組みがあるのだ、そ
います。
う説明しています。内容は、例えば、本市のAさ
●鈴木情報化推進部長
んの情報が他団体に行くとき、もし漏れても、パ
きましては、個人情報の適正な取り扱いを確保す
ソコンで言う文字化けのような符号や数字の羅列
るため、必要な対策が講じられているものと考え
であり、どこの誰の何の情報かわからないものな
ております。本制度は、公平・公正な社会を実現
のだ、そう言っています。
するとともに、行政事務の効率化につながる重要
我が党は再三言ってきましたけれども、情報を
マイナンバー制度にお
な社会基盤となるものでございまして、必要な制
盗もうとする人とセキュリティー対策はイタチ
度だと考えているところでございます。
ごっこなのです。
●太田秀子委員
昨年、通知カードが配達され
重ねて伺いますけれども、政府の言うこの仕組
たときに、不在で受け取れなかった人がカードを
みでサイバー攻撃が起こらない、また、起こって
受け取るために郵便局に殺到しました。2月に
も大丈夫だなどと言い切れるとお考えか、伺いま
は、100以上の自治体で、個人カードを申し込ん
す。
だ人が役所に受け取りに来たけれども、端末の不
●鈴木情報化推進部長
これまで申し上げまし
備で受け取れないという問題が起こりました。本
たとおり、各サーバーのほうは、各団体ごとに情
市でも起こっています。このような場合、国のス
報が区分されて管理されておりまして、情報連携
ケジュールに問題があっても、システム障害だっ
におきましては、ただいまお話がありましたとお
たとしても、対応の矢面に立たされるのは郵便局
り、個人番号ではなく、符号でやりとりされ、情
の職員や自治体職員なのです。マイナンバー制度
報は暗号化されているほか、ネットワークのセ
で、業務の効率化どころか、負担は大きくなるば
キュリティーも強化されておりますことから、現
かりです。
在考えられる必要な対策はとられているものと考
本市としても、スケジュールありきで進めるの
えているところでございます。
ではなく、国に実施中止を求めることと同時に、
●太田秀子委員
各団体ごとに分かれていて
莫大な費用や労力をかけて市民の個人情報を危険
も、一つのところに固まって入っているので、そ
にさらす共通番号の導入ではなくて、現在使って
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総 務 委 員 会
いるシステムを活用しながら業務の効率化や市民
は、情報を取り扱う人、場所がふえ、不正利用や
サービスを高める知恵と工夫こそ大切だと申し上
情報漏えいの危険が高まる、民間で普及した制度
げて、質問を終わります。
は問題が生じてもすぐに中止や見直すことが困難
●北村光一郎委員長
だとして、共通番号の利用を見直しています。こ
ほかに質疑はございませ
んか。
こを教訓にしないばかりか、全員強制、生涯不
(「なし」と呼ぶ者あり)
●北村光一郎委員長
変、官民共通利用、こういう番号制度導入は世界
なければ、質疑を終了い
中で日本だけです。
たします。
情報は集約し、整理されればされるほど、流
次に、討論を行います。
●太田秀子委員
出、悪用される危険が大きくなります。マイナン
私は、日本共産党を代表し
バー制度が実施されなくても市民生活への不都合
て、議案第51号中、債務負担行為補正のうち、社
は生じません。さらに、社会保障・税の分野を初
会保障・税番号制度対応システム改修について反
め、市民の個人情報、多くの行政手続に関連し、
対の立場で、討論いたします。
地方自治体の根幹にかかわる問題であり、本市
このたびの補正は、マイナンバー制度によるも
は、国が行う国民監視制度実施の最前線に立たさ
ので、本市に保管されている社会保障と税、そし
れるのではなく、国に実施中止を求めるべきであ
て災害に関する個人情報を、2017年7月から、他
ります。
団体から照会を受けた際、情報を提供するための
よって、本議案には反対いたします。
システム改修と、それに伴うテスト費用でありま
●北村光一郎委員長
す。
んか。
2013年、マイナンバー法が成立したとき、当時
ほかに討論はございませ
(「なし」と呼ぶ者あり)
の甘利担当相は、アメリカのように成り済まし被
●北村光一郎委員長
害が発生しないように、個人番号の利用範囲を法
たします。
なければ、討論を終了い
律に限定的に規定する、アメリカ以上の防止策を
それでは、採決を行います。
講じるから大丈夫だ、こう言っていました。
議案第51号中関係分を可決すべきものと決定す
しかし、利用範囲を限定するどころか、利用範
ることに賛成の委員の挙手を求めます。
囲は拡大し、2015年9月に改正されたマイナン
(賛成者挙手)
バー法では、預金口座や特定健康診査にも拡大し
●北村光一郎委員長
ました。安倍政権は、成長戦略や骨太の方針に位
置づけ、法律の検討規定を前倒しして利用範囲の
よって、議案第51号中関係分は、可決すべきも
のと決定いたしました。
さらなる拡大に向けた方針を打ち出し、具体化に
乗り出しています。マイナンバー法を成立させた
賛成多数であります。
ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩
いたします。
当時、甘利担当相は、マイナンバー制度はデジタ
――――――――――――――
ル社会、IT社会の中での重要なインフラ、大い
休 憩 午後3時38分
に民間でも活用してもらいたいと言っており、最
再 開 午後3時39分
初から官民で使う計画です。
――――――――――――――
情報管理システムは、既に導入している国もあ
りますけれども、アメリカや韓国は、政府機関や
●北村光一郎委員長
委員会を再開いたしま
す。
大企業でも情報漏えいを防げていない、官民利用
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次に、議案第53号 平成27年度札幌市駐車場会
総 務 委 員 会
計補正予算(第2号)を議題といたします。
た、この計画案につきましては、広く市民などか
質疑を行います。
ら意見を募集するため、1月8日から2月7日ま
質疑はございませんか。
での31日間、パブリックコメントを行ったところ
(「なし」と呼ぶ者あり)
であり、延べ6人の方から将来予測に基づく目標
●北村光一郎委員長
なければ、質疑を終了い
たします。
値や廃棄物の区分等について意見が寄せられたと
ころであります。今後は、いただいた意見等も踏
次に、討論を行います。
まえ、3月中には計画内容を決定し、公表したい
討論はございませんか。
と考えております。
(「なし」と呼ぶ者あり)
●北村光一郎委員長
それでは、以降の説明につきましては、A3判
なければ、討論を終了い
の概要版に沿って説明させていただきます。
たします。
まず、資料の左側上段の札幌市産業廃棄物処理
それでは、採決を行います。
指導計画についてであります。
議案第53号を可決すべきものと決定することに
ご異議ございませんか。
業廃棄物の発生抑制、リサイクル、適正処理等を
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
●北村光一郎委員長
この計画の位置づけですが、市内で発生する産
推進するため、札幌市が排出事業者などに対して
異議なしと認め、議案第
53号は、可決すべきものと決定いたしました。
行う指導の方向性を定め、施策を体系化したもの
で、廃棄物の処理及び清掃に関する法律により策
ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩
いたします。
定が義務づけられている計画となります。また、
札幌市まちづくり戦略ビジョンに定める循環型社
――――――――――――――
会の構築や、札幌市環境基本計画の重点施策であ
休 憩 午後3時40分
る廃棄物の少ない都市の実現に向けた産業廃棄物
再 開 午後3時41分
についての処理計画になります。
――――――――――――――
●北村光一郎委員長
次に、その下の囲みの計画の理念ですが、持続
委員会を再開いたしま
す。
可能な環境保全型のまちづくりを目指し、市民・
事業者・行政が協働して循環型社会形成の推進に
次に、第4次札幌市産業廃棄物処理指導計画
取り組むこととしており、計画期間については、
(案)の報告についてを議題とし、資料に基づ
その右側にありますとおり、平成28年度から32年
き、理事者から説明を受けます。
度までの5年間としております。
●新津清掃事業担当部長
第4次札幌市産業廃
棄物処理指導計画(案)につきまして、お手元に
次に、資料の中段の札幌市の産業廃棄物処理の
現状と課題についてであります。
はA3判の概要版、計画案の本書、第3次計画の
冊子、以上3点を配付しております。
札幌市の産業廃棄物の処理状況は、左の棒グラ
フで示したとおり、排出量全体と、緑色で示した
この計画の策定に当たりましては、広く関係者
最終処分量はともに減少を続け、推移してきまし
の意見を反映させることが重要であることから、
た。一方、青色で示した再生利用量は頭打ちの状
学識経験者や業界団体関係者、住民代表などで構
況にあり、依然として再生利用の余地がある産業
成する札幌市廃棄物処理施設設置等評価委員会で
廃棄物が最終処分されている現状にございます。
ご審議をいただき、その結果を、今回、第4次計
このことから、市域内の処理設備や既存施設の有
画案としてお示しさせていただいております。ま
効活用を進め、最終処分の抑制に取り組む必要が
- 92 -
総 務 委 員 会
あります。
ります。
次に、資料の右側上段の計画目標についてであ
ります。
次に、方針の二つ目は、産業廃棄物の市域内処
理の推進についてであります。
ここでは、大きく分けて四つの目標を掲げてお
ります。
ここでは、二つの重点施策を定めており、札幌
市が発注する公共工事等から排出される産業廃棄
計画目標の一つ目は、排出抑制の推進でありま
物の抑制と市内での再資源化を推進するととも
す。平成25年度に289万トンであった排出量は、
に、最終処分量の低減に向けたリサイクルを進め
平成32年度には293万トンになるものと推計され
ることで、市域外へ流出する最終処分量を抑えて
ます。これを、第4次計画の推進によりまして現
いく内容となっております。
状と同程度の290万トン以下に維持することを目
標としております。
最後に、方針の三つ目は、未活用資源の有効活
用の推進についてであります。
また、二つ目の最終処分量の減量については、
ここでは、二つの重点施策を定めております
平成25年度10万1,000トンであったものを32年度
が、廃石こうボードなど、直接、最終処分率が高
には9万トン以下に減量すること、三つ目の再生
い産業廃棄物の資源としての活用や、小規模排出
利用の推進につきましては、平成25年度に再生利
現場での適正分別を通じた未活用資源の活用を推
用率が73.7%であったものを32年度には75%以上
進していくこととしております。
に引き上げることを目標としております。
●北村光一郎委員長
四つ目の目標の市域内処理の推進については、
それでは、質疑を行いま
す。
市域内中間処理率と市域外最終処分量の二つの計
●よこやま峰子委員
画目標を設定しており、市域内での中間処理率に
出された産業廃棄物の適正処理並びにリサイクル
ついては、平成25年度に86.1%であったものを
に向けた課題についてお伺いしたいと思います。
88%以上にすること、また、市外において埋め立
ただいま資料等でお伺いした札幌市における産
てされる最終処分量については、25年度の5万
業廃棄物の処理状況によりますと、排出量、最終
6,000トンから5万トン以下にすることを目標と
処分量ともに減少しているとのことであります
しております。
が、札幌市の建築物の多くは、昭和47年の冬季オ
私は、解体工事により排
引き続き、計画目標の下の欄にある計画の基本
リンピック、政令指定都市への移行を契機に、市
方針と札幌市の重点施策について説明させていた
役所本庁舎や清掃工場等のインフラ整備、民間資
だきます。
本の建設ラッシュなどによって建てられたものが
先ほどの計画目標の達成に向け、第4次計画で
多いです。このときの建築物が老朽化によって更
は、三つの方針のもと、七つの重点施策を策定し
新の必要に迫られていて、一部は長寿命化で対応
ております。
できると思われるものの、今後、解体工事が大幅
初めに、方針の一つ目は、産業廃棄物の排出抑
にふえてくることが予想されております。
制及び適正処理の推進についてであります。
そこでまず、質問ですが、今後、解体工事に伴
ここでは、三つの重点施策を定めております。
う産業廃棄物が増加すると予想される中で、それ
内容としましては、排出事業者や処理事業者への
らの産業廃棄物について、札幌市はその適正処理
指導、啓発を推進するとともに、優良産業廃棄物
やリサイクルに向けてどのような課題があるとお
処理事業者の育成や、非常災害に備えた処理体制
考えになっておられるか、お伺いいたします。
の整備にも継続して取り組んでいくこととしてお
●新津清掃事業担当部長
- 93 -
解体工事に伴って発
総 務 委 員 会
生する産業廃棄物の適正処理、リサイクルに向け
てはどのように廃石こうボードのリサイクルを推
た課題についてお答えいたします。
進しようとなさっているのか、伺います。
今後、解体工事に伴う産業廃棄物の発生量が増
●新津清掃事業担当部長
廃石こうボードのリ
加すると見込まれますが、これらの廃棄物の最終
サイクルの現状と今後の推進についてお答えいた
処分量を抑えることが課題であると認識してお
します。
り、最終処分量抑制のためには再生利用や資源化
1点目の廃石こうボードのリサイクルの現状に
を推進する必要があると考えております。解体工
ついてでありますが、石こうボードは、一般的
事に伴う産業廃棄物としては、主に瓦れき類や建
に、石こうが95%、それを挟み込む紙が5%で構
設汚泥、廃プラスチック、廃石こうボードなどが
成されております。紙は段ボールの芯材等として
ありますが、このうち瓦れき類や建設汚泥につい
再利用されますが、廃石こうについては、石こう
ては、解体工事で発生する量が多いものの、再生
ボードの原料としては性状や品質の関係で製品原
利用率も8割以上と高く、また、廃プラスチック
料の1割程度の利用にとどまっております。その
については焼却等により減量化されております。
ほか、廃石こうは、土壌改良材や、学校のグラウ
したがいまして、今後これらの廃棄物の発生量が
ンドなどで使用するライン引き用の白い粉などと
増加したとしても、最終処分量に与える影響は小
して利用されておりますが、需要は少なく、リサ
さいところではありますが、引き続き再生利用率
イクルが進んでいないのが現状であります。ま
の向上を図っていく必要があると考えておりま
た、市内の中間処理施設の設置状況を見ますと、
す。また、廃石こうボードについては、解体工事
解体工事などで発生する廃石こうボードの処理施
で発生する廃棄物の中では、発生量は少ないもの
設はなく、新築工事現場などで発生する新品の石
の、そのほとんどがリサイクルされることなく最
こうボードの破砕を処理し、ライン引き用の粉な
終処分されており、最終処分量全体の約2割を占
どにリサイクルする民間施設が1施設のみあると
めていることから、廃石こうボードのリサイクル
いう現状になっております。
を推進することも課題であると考えております。
●よこやま峰子委員
今のご答弁から、今後ふ
次に、2点目の今後の推進についてお答えいた
します。
えていく解体工事による産業廃棄物に対して、再
今後、解体工事に伴う廃石こうボードの発生量
生利用や減量化を推進し、最終処分量をいかに増
増が見込まれることから、これら解体系の廃石こ
加させないかが課題であること、また、その中で
うボードのリサイクル施設を札幌市内に設置する
も、特に直接最終処分率が非常に高い廃石こう
ことが必要であると考えております。このような
ボードのリサイクルを推進することが重要な課題
ことから、昨年3月には、解体系の廃石こうボー
であることがわかりました。
ドのリサイクルについて計画する事業者を、東区
そこで、2点質問いたします。
中沼にある札幌市リサイクル団地に参入させるこ
最初に、廃石こうボードのリサイクルの現状が
ととしたところでございます。今後は、これらの
どのようになっているのか、伺います。
廃石こうボードリサイクル施設が十分機能を果た
二つ目は、石膏ボード工業会の資料によります
すことで、廃石こうボードのリサイクルの推進が
と、廃石こうボードの排出量は今後も増加傾向に
図られるものと考えてございます。
あり、2050年ごろがピークになるとのことであり
●よこやま峰子委員
ます。
体工事から排出される廃石こうボードのリサイク
そこで、このような現状を踏まえ、札幌市とし
私も、札幌市において解
ル施設がリサイクル団地にできるということは、
- 94 -
総 務 委 員 会
非常に時宜を得たことであって、最終処分量の低
イクルに至らないということにもなりかねませ
減にも非常に有効であると考えます。
ん。
しかし、廃石こうボードのリサイクルについて
そこで、質問ですけれども、今回の廃石こう
は、再製品化する際に原料の1割程度の利用にと
ボードリサイクル施設の事業化に当たり、最新技
どまっているなど、廃石こうの需要が少ないこと
術の導入を促進するため、札幌市としても、事業
が課題であるとのことでもありました。需要の少
者に対する経済的支援はもちろんのこと、市有の
ない理由の一つは、お聞きしますと、原料となる
埋立地において廃石こうボードの受け入れを中止
石こう結晶が小さいため、石こうボードの強度が
するなどの適切な対応を講ずるべきではないかと
不足するということであります。今回計画されて
私は思うのですがいかがか、お伺いいたします。
いる廃石こうボードのリサイクル事業が成功する
●新津清掃事業担当部長
鍵は、いかにリサイクルした廃石こうの需要を高
イクル施設の事業化に対する支援等についてお答
めるかということと同時に、そこからさらに進ん
えいたします。
廃石こうボードリサ
で、廃石こうボードの廃棄から廃石こうの処理、
札幌市では、今回の廃石こうボードリサイクル
そして、石こうボードなどへの再製品化といった
事業者に対する支援として、廃棄物処理施設の都
資源の循環リサイクルの構築にあると考えます。
市計画決定が既になされ、下水道などのインフラ
これまでは、形状や品質の問題で1割程度しか
も整備されているリサイクル団地内の用地を貸与
石こうボードの原料となり得ないこともあり、な
することとしております。また、北海道の循環資
かなか需要が伸びなかった廃石こうボードであり
源利用促進施設設備整備費補助金などの補助制度
ますが、お聞きしますと、最近は石こうボードの
もあることから、これら既存の補助制度を十分活
原料としてほとんど利用できるように結晶を大型
用できるよう、事業者への情報提供や関係機関と
化した石こうを製造する技術が開発され、実用化
の調整を行ってまいりたいと考えております。
され始めているということであります。これによ
さらに、市有埋立地における廃石こうボードの
りますと、これまで1割程度だったものが、かな
受け入れについては、廃石こうボードのリサイク
り多くの部分を利用できるようになり、そうなれ
ル推進に向け、今後、そのあり方について検討し
ば需要量も大幅にふえるのではないかと期待する
てまいりたいと考えてございます。
ところであります。このように、最新技術を導入
●よこやま峰子委員
することによって廃石こうの需要を高めることが
後、建築物の更新ラッシュを迎える中で、直接最
期待できるということです。
終処分率が高い産業廃棄物のリサイクルをいかに
要望ですが、私は、今
しかし一方で、この新技術導入に当たっては、
進めていくかが重要であると考えます。今の段々
導入のための多大なイニシャルコストとランニン
のやりとりの中でも、札幌市としても、その認識
グコストを要するなどの課題があり、事業者とし
は同じであることがわかりましたし、第4次産業
て費用対効果の面で慎重にならざるを得ない、な
廃棄物処理指導計画においても産業廃棄物の最終
かなか踏み出せないというのが事業化が進まない
処分の抑制がうたわれております。そして、この
理由と聞いております。また、せっかく廃石こう
たび、その具体的な方法として、廃石こうボード
ボードのリサイクル施設ができても、リサイクル
の再製品化に向けてリサイクル団地にその施設が
するよりも埋め立てたほうが処理費用は安いと
導入されましたが、ただいまの質疑応答でもわか
なってしまっては、解体工事などで発生した廃石
りますように、課題も多くて実用化はなかなか道
こうボードは安価な埋立地へ流れてしまい、リサ
が遠いというのが私の感想でありますけれども、
- 95 -
総 務 委 員 会
北海道においては事業者への補助制度を設けてい
利用などによって最終処分量が抑制される流れが
るともお聞きしました。
見てとれます。しかしながら、排出量という観点
私は、札幌市としても、費用対効果によって足
からすると、このフローは排出量からスタートし
踏み状態の事業者に対する経済的な支援をするべ
ておりますので、排出量の抑制という手だてにつ
きと考えます。また、経済的補助ももちろん大事
いてはこのフローでは見られないと感じました。
ですが、先ほど申しましたように、市有の埋立地
そこで、質問ですが、排出量の目標達成に向け
への廃石こうボードの受け入れはしないなど、事
てどのような取り組みを進めていくのか、伺いま
業者に対して適切な指導をして、官民一体となっ
す。
たいわば札幌方式のリサイクルをしてほしいと思
●新津清掃事業担当部長
うのであります。これは、最終処分の抑制のみな
向けた取り組みについてお答えいたします。
らず、他都市のモデルにもなる事例になるのでは
ないかと考えます。
排出量の目標達成に
市内における産業廃棄物の排出量は、平成25年
度で約289万トンとなっておりますが、そのうち
札幌市におかれましては、長期的な視点に立
約7割を占める上下水道などからの汚泥は、市民
ち、第4次計画における産業廃棄物のリサイクル
生活に伴って発生するもので、その抑制は難しい
計画が、計画だけに終わらず、実効性の伴ったも
ところであります。したがいまして、排出量の約
のとなるように、事業者に対しても具体的な支援
3割を占める瓦れき類や廃プラスチック類など、
をご検討いただきますよう提言いたしまして、私
その他の産業廃棄物について排出抑制に取り組む
の質問を終わります。
ことが重要となります。これらの産業廃棄物につ
●松原淳二委員
私からは、排出量の抑制の目
いては、オフィス等から排出されるプラスチック
標達成に向けた取り組みについて質問させていた
製品など、日常的に業務で使用、消費され、不要
だきます。
となった産業廃棄物と、食品工場から排出される
今回提案されております第4次札幌市産業廃棄
調理くずなど製造工程で生じる産業廃棄物があり
物処理指導計画(案)でございますが、本来、産
ますが、産業廃棄物の排出抑制に向けては、これ
業廃棄物の処理については、産業廃棄物処理法な
ら両者の排出状況に応じた取り組みを進めていく
どの関連法令に従いまして事業者が適切に処理す
ことが効果的であると考えております。
ることになっておりますけれども、札幌市が産業
これまでも、札幌市では、日常業務での使用、
廃棄物の排出事業者及び処理事業者に対して行う
消費に伴う産業廃棄物の排出抑制に向け、オフィ
指導の方向性を定める本計画については、大変重
ス等の排出事業所への立ち入りや、マニフェスト
要な意味を持つものと認識しております。
交付等状況報告書の提出時において、排出抑制を
先ほどご説明いただいたA3判カラーの概要版
図るための自主的な取り組みが促進されるよう意
の右上にございますが、計画目標ということで排
識啓発等を行ってきたところであります。今後
出量、そして最終処分量、再生利用率、市域内処
は、これに加え、市内の製造業者等に対し、製造
理の4項目、五つの数値目標をクリアすることを
工程で生じる産業廃棄物の排出抑制に係る優良事
目指しております。また、A4判の計画案本書の
例や先進技術等の情報提供を積極的に行うなど、
7ページ目の処理フローを見ますと、産業廃棄物
広く排出事業者に対して普及啓発を行い、排出量
が排出されてから最終処分に至るまでのフローが
の目標を達成していきたいと考えております。
載っておりまして、それぞれの工程の中で、先ほ
●松原淳二委員
どの4項目、五つの数値目標である減量化、再生
ち、その7割が汚泥ですが、汚泥に関しては中間
- 96 -
平成25年度で289万トンのう
総 務 委 員 会
処理で大方は処分できることから、残り3割の瓦
に生じさせる公共事業分野においては、これま
れきなどが問題だということでした。そして、こ
で、札幌市は、札幌市グリーン購入ガイドライン
れまでの取り組みということで、排出抑制の普及
で再生骨材や再生処理土などの資材を品目に指定
啓発を行っていきながら、オフィスや工場の排出
して産業廃棄物の循環的利用の推進を図ってきた
状況に応じて働きかけていくということですけれ
ところです。しかし、今後は、従来型のリサイク
ども、ぜひ、理解促進し、そして普及啓発を行っ
ル品の利用だけにとどまらず、先ほど申した長寿
ていただきたいと思います。
命化や耐久性などにも配慮した資材を品目に加え
加えて、産業廃棄物の排出量を抑制するために
は、産業廃棄物が発生してから対応するのではな
るなど、具体的な行動が求められていると考えま
す。
く、将来的な排出抑制も踏まえて、産業廃棄物の
そこで、質問ですけれども、札幌市の発注工事
発生しにくい製品の使用へ切りかえたり、長寿命
において将来的な産業廃棄物の排出抑制に向けて
化、かつ分別、再使用が容易な資材や工法の採用
率先的な取り組みが進むよう、関係部局に対して
など、設計・施工の初期の段階から取り組んでい
しっかりと働きかけていくべきと考えますがいか
くことも重要だと考えます。これにより、将来的
がか、伺います。
な排出量の抑制にもつながっていくものと考えま
●新津清掃事業担当部長
す。
る率先的な取り組みについてでありますが、札幌
本市発注工事におけ
そこで、質問ですけれども、設計・施工時など
市の発注工事において将来的な排出抑制に向けた
の初期の段階から将来的な排出を抑制するという
取り組みを率先的に行うことは、大変重要である
視点も取り入れるべきと考えますがいかがか、伺
と考えております。今後におきましては、工事発
います。
注部局との庁内会議などを通じて、将来的な排出
●新津清掃事業担当部長
将来的な排出を抑制
を抑制していくという意識を関係部局間で共有す
するという視点についてでありますが、産業廃棄
るとともに、具体的な取り組みが進むよう働きか
物の排出抑制に向けては、ご指摘のとおり、中長
けてまいりたいと考えております。
期的視点に立ち、将来的な排出抑制について配慮
●松原淳二委員
することも重要であると認識しております。
が大事だと思っております。排出量の計画目標を
まずは、認識を共有すること
したがいまして、札幌市としましては、現時点
達成するためには、産業廃棄物の排出時のみなら
での排出をいかに抑制するかというこれまでの視
ず、将来的な排出抑制を見据えて、製品の購入時
点に加え、将来的な排出を抑制するという視点を
や建築物の設計・施工の段階において排出事業者
第4次計画の中に取り入れることとし、製品の購
みずから配慮することが重要になってくると考え
入時や建築物の設計・施工時の段階から将来的な
ます。そのため、第4次指導計画においても将来
排出抑制について配慮がなされるよう、排出事業
的な排出抑制の観点からの施策を盛り込むという
者に対する普及啓発等をさらに充実してまいりた
ことですので、ぜひ、実効性ある取り組みを遂行
いと考えております。
していただきたい、また、関係部局との認識共有
●松原淳二委員
ぜひ、広く働きかけを行って
もしっかり行っていただいて、札幌市としても率
いただきたいと思います。とても重要なことだと
先実行に努めていくようお願い申し上げて、私か
考えております。
らの質問を終わらせていただきます。
その上で、まず、札幌市としても率先して行う
べきと考えております。特に、産業廃棄物を大量
●北村光一郎委員長
んか。
- 97 -
ほかに質疑はございませ
総 務 委 員 会
(「なし」と呼ぶ者あり)
●北村光一郎委員長
以上が駒岡清掃工場の更新計画の概要でござい
なければ、質疑を終了い
ます。
たします。
それでは、お手元の資料1をごらんください。
最後に、駒岡清掃工場更新事業についてを議題
とし、資料に基づき、理事者から説明を受けま
更新事業の進捗状況についてご説明させていた
だきます。
す。
●日當施設担当部長
まず最初に、平成26年度に実施した事業内容で
それでは、駒岡清掃工場
ございます。
更新事業につきまして、現在までの進捗状況につ
いてご説明させていただきます。
一つ目は、地域住民の皆様へ更新計画について
のご説明をさせていただいたことでございます。
まずは、お手元の資料の確認でございます。
芸術の森地区連合会の皆様を対象に、更新計画の
本日付の駒岡清掃工場更新事業についてと題し
概要をご説明させていただきました。さらに、駒
たA4判1枚物の資料1、それから、駒岡清掃工
岡清掃工場に接する町内会の皆様へ、随時、ご説
場更新事業構想段階評価書(要約書)と題したA
明させていただき、また、ご意見を賜ってきたと
3判2枚物の資料2の2種類をお配りしてござい
ころでございまして、その中で工場更新に対する
ます。
ご理解をいただいているものと考えているところ
まず、資料の説明に入る前に、若干、駒岡清掃
でございます。
工場の更新計画の概要につきましてご説明させて
いただきます。
二つ目は、環境影響評価、いわゆる環境アセス
メントに関する手続でございます。環境影響評価
駒岡清掃工場は、昭和60年11月の運転開始以
は、事業者が、事業の実施に当たり、あらかじ
来、現在、稼働年数が30年を超え、市内の清掃工
め、その事業がその周辺にどのような影響を及ぼ
場の中では最も古くなっております。一般的に清
すかについて調査、予測、評価を行い、その事業
掃工場の耐用年数は25年から30年とされているた
を、環境保全上、より望ましいものにしていく制
め、早急な対応が求められているところでござい
度であり、平成26年度は計画段階環境配慮書の作
ます。
成までを行いました。配慮書は、事業の検討段階
また、平成22年度に篠路清掃工場が廃止とな
において、環境保全のために配慮すべき事項を選
り、現在の札幌市のごみ焼却体制は駒岡、発寒、
び出し、これを公表して早期の段階から市民や有
白石の3清掃工場により成り立っております。3
識者の皆様からのご意見を取り入れる手続でござ
清掃工場の位置は、市内全域から効率的にごみを
います。
収集するという目的から見て、バランスのとれた
配置となっているところでございます。このこと
続きまして、平成27年度の事業内容でございま
す。
から、3工場の配置を維持しつつ、老朽化した施
一つ目は、先ほどご説明させていただきました
設を更新するために、駒岡清掃工場を現工場周辺
計画段階環境配慮書につきまして、市内4カ所で
に建てかえることといたしました。
縦覧、意見募集を実施し、市ホームページでの公
施設規模は、現工場と同じく1日600トンの処
開、さらに説明会を実施しております。縦覧及び
理能力とする予定であり、建設予定地につきまし
説明会では、清掃工場周辺住民の一人一人にしっ
ては、現工場の南側隣接地を計画しております。
かり理解していただくための十分な説明を行うこ
新工場の運転開始は、平成36年度を目標としてお
とといったご意見とか、あるいは、環境影響に関
ります。
し、騒音、振動の測定場所に配慮することなどの
- 98 -
総 務 委 員 会
ご意見をいただいております。また、札幌市環境
います。今後、土地鑑定評価の結果を受けまし
影響評価審議会でご審議していただき、その結果
て、土地取得に向けた手続を進めてまいります。
を踏まえた市長意見をいただいております。市長
四つ目は、地元町内会の皆様に清掃工場へのご
意見につきましては、ホームページでも公開して
理解を深めていただくために、札幌市で最も新し
いるところでございます。これらの意見を踏まえ
い清掃工場でございます白石清掃工場を見学して
ながら、今後もアセスメントの手続を進めてまい
いただきました。
ります。
五つ目は、駒岡清掃工場更新基本構想検討委員
二つ目は、構想段階手続における都市計画審議
会への説明でございます。
会の開催でございます。更新計画を進めるに当た
り、市の方針等をまとめた基本構想案に対しまし
お手元の資料2をごらんください。
て、有識者や地域の方からのご意見をいただくた
これは、都市計画審議会へ提出した構想段階評
め、検討委員会を設置いたしました。委員会は、
価書の要約書でございます。
北大の大沼准教授を委員長に、地元町内会、連合
駒岡清掃工場は、都市計画法に定める都市施設
町内会の皆様、行政機関の方、廃棄物に関する活
として都市計画決定されており、更新に当たって
動団体の方を含めて10名の委員で構成されており
は都市計画の変更を行う必要がございます。
ます。このうち5名の委員を地元町内会関係の方
構想段階評価とは、市民ニーズの多様化や市民
にお願いしており、貴重なご意見を賜っていると
のまちづくりへの参加意識の高まりなどを背景
ころでございます。いただいたご意見を参考とさ
に、より早い段階から市民の合意を得ながら計画
せていただきまして基本構想を策定し、その後の
の熟度を高めていくことを目的とした手続でござ
基本計画に生かしていきたいと考えているところ
います。構想段階手続を実施する事業は、環境影
でございます。
響評価の対象事業のうち、都市計画に定める必要
以上が駒岡清掃工場更新事業の進捗状況でござ
がある事業となっております。駒岡清掃工場の更
いまして、当初予定のスケジュールに沿って事務
新事業はこの対象事業に該当し、都市計画の概略
を進めているところでございます。
案の立案段階におきまして、都市計画上の見地か
●北村光一郎委員長
ら総合的な評価を行うものでございます。
す。
構想段階評価書には、事業の概要とともに五つ
の評価分野を上げ、それぞれの分野ごとに評価項
●松原淳二委員
それでは、質疑を行いま
私からは、新駒岡清掃工場建
設にかかわる地元への対応について伺います。
目と評価結果を記載しております。評価分野とい
ただいま、改めて更新計画の概要を伺いました
たしましては、都市計画の一体性、総合性といっ
が、清掃工場は市民生活に欠かすことのできない
たものとか、あるいは、自然環境の整備または保
重要な都市機能を担うものと認識しております。
全など、環境影響評価で行った周辺環境への配慮
これまでも、家庭ごみの有料化や分別などの新ご
事項に加えまして、都市計画マスタープラン等の
みルールの実施など、市民一丸となった取り組み
上位計画との整合性や都市計画上の観点から設定
によって大幅な減量を達成し、平成22年度末にお
いたしました。
いては4カ所あった清掃工場を3カ所に減らすこ
なお、新工場建設に向けた都市計画変更は、平
とができました。しかし、札幌市における適正処
成30年度までに行う予定でございます。
理体制の継続という観点からは、現在の3清掃工
それでは、また資料1に戻ります。
場体制の維持が必要であり、そのための計画的な
三つ目は、事業予定地の確定測量の実施でござ
更新が必要であると理解するところです。その上
- 99 -
総 務 委 員 会
で、新駒岡清掃工場は、老朽化した現工場の南側
れている最中だということでございます。地域の
に移転し、その機能を継続することになっており
中ではさまざまな意見があろうかと思いますが、
ます。環境影響評価とあわせて、国が定める都市
そうした中で、地域の声にしっかりと応えていた
計画運用指針などを参考に、五つの評価分野を設
だくことが重要だと考えております。
定し、それぞれについて都市計画上の見地からも
評価を実施しているということでございました。
一方、こうした大規模な工場の存続に当たって
は、近隣の地域の理解と協力の上で成り立つもの
改めて、伺いますが、今後、地域からの声にど
のように応えていくのか、お聞かせください。
●日當施設担当部長
地域からの声にどう応え
ていくかについての質問でございます。
であり、現在の駒岡清掃工場は、昭和60年に竣工
廃棄物処理施設は、収集車両等の往来を伴う施
してから、約30年間、運転を続けてこられたの
設でございまして、地域の皆様の懸念の声もござ
も、地元の理解と協力といった大きな支えがあっ
いますことから、道路などの周辺環境の整備が重
たものと理解しております。新工場の建設計画を
要であると認識しているところでございます。こ
進めるに当たっては、さまざまな機会を通じて事
れまでも、昭和60年の現駒岡清掃工場や、平成10
業の説明と意見交換を実施してきたということで
年の資源選別センター建設時におきまして、地元
ございます。また、先月より開催している駒岡清
からお話を伺い、道路整備等の周辺環境整備に努
掃工場更新基本構想検討委員会においても、先ほ
めてまいりました。今後、地元町内会から集約し
どお話がありましたように、委員として参加する
た意見をいただく予定でございますが、具体的な
5名の地域の方々との意見交換も行っているとい
内容につきましては、改めて地元町内会と意見交
う説明でした。多くの方に受け入れていただくた
換を密に行いまして、また、関係部局とも連携を
めにも、地域の声を十分に聞きながら事業を進め
とりながら丁寧な対応を心がけていく考えでござ
ていくことはとても重要だと考えております。
います。
そこで、質問ですが、これまで地域への説明会
や意見交換を実施してきた中で、地域からはどの
●松原淳二委員
だきたいと思います。
ような意見があったのか、伺います。
●日當施設担当部長
ぜひ、丁寧な対応をしていた
今ほど、事業計画等の説明会の中で道路整備に
地元からの意見について
の質問でございます。
関する意見や要望が出されているということでし
た。この道路整備ですが、駒岡清掃工場周辺にお
これまで、地域の皆様には、事業内容について
いては、ごみ収集車両も事故に遭遇していると聞
の説明会や意見交換を重ねて実施しており、事業
いております。ごみ収集車両はもちろんですが、
に対する理解は得られているところでございま
建設工事が進むことで、さらに工事車両を含む大
す。意見交換の中では、住民の方から、工場移転
型車両の往来がふえる以上、注意喚起だけでは事
に伴い、収集車両等の走行ルートが変更となるた
故を防ぐことは難しいと考えます。周辺環境整備
め、事故防止や安全確保の観点から懸念する声も
と安全の確保という視点に立って、周辺道路整備
いただいているところでございます。こうした声
についても地域の意見、要望と整合性を図った上
を含めまして、現在、地元町内会において意見や
で、関係部局ともよく連携しながら対応していた
要望を集約しているところとお伺いしております
だくことをお願いして、私からの質問を終わらせ
ので、今後、より具体的なご意見が寄せられるも
ていただきます。
のと考えているところでございます。
●わたなべ泰行委員
●松原淳二委員
という観点で質問させていただきます。
今、地域の中で取りまとめら
- 100 -
私からは、地域への貢献
総 務 委 員 会
先ほど来お話がありましたように、現駒岡清掃
めるよう示しているところでございます。これら
工場は、昭和60年に建設されて30年がたちます。
も踏まえまして、更新する駒岡清掃工場は、施設
また、その後、平成10年に資源選別センターが建
を強靱化することにより災害時の防災拠点として
設されており、これだけの長い歴史ということ
の機能を充実すること、あるいは、資源の有効利
は、地域の住民にとっても長いつき合いの施設で
用等を通じて環境教育機能の強化を図ることなど
あります。この二つの処理施設が建設されて運転
について検討し、これまで住民説明会の中でも説
を続けてこられたということは、地域の皆様の協
明させていただいているところでございます。ま
力、そして支えがあったからだと思います。ま
ずは、地域の皆様のご意見をよく聞かせていただ
た、先ほど来お話が出ておりましたが、駒岡清掃
きまして、これらの機能が地域の皆様に貢献して
工場更新基本構想検討委員会も、10名中5名が地
いくよう具体的な計画を進めてまいりたいと考え
域の方の参加という説明でございました。地域の
てございます。
声を聞いて、やはり地域に貢献するという視点を
●わたなべ泰行委員
持って事業を進めることも重要だと思います。
だいて、私の質問を終了させていただきます。
最後に、要望させていた
そこで、質問ですが、新しい施設は地域に貢献
今お話があったように、環境教育や防災拠点と
すべきと考えますが、このことについてどのよう
いう機能が今後検討され、どう生かしていくのか
な認識を持っているのか。伺います。
というのは、これからも地域の住民の声を聞いて
●日當施設担当部長
検討する時間が必要だということはよくわかりま
地域への対応ということ
でございます。
した。
ごみ処理を行う清掃工場につきましては、札幌
私が地元の地域の方々にこの更新事業について
市民の生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図る
伺ったところ、せっかく新しい施設になるのだか
という重要な役割を担っているところでございま
ら、親しみやすさのある施設だといいねというご
す。さらに、新しい清掃工場は、地域の皆様に貢
意見がありました。東京の北清掃工場では清掃工
献するという役割を担うことも必要であるという
場フェアの開催や、多摩川清掃工場では苗木の提
ふうに認識しているところでございます。地域貢
供、また板橋の清掃工場では緑地の開放など、地
献という役割につきましては、地域の皆様のご意
域住民との交流、また貢献を行っております。ぜ
見を伺いながら、他都市の状況も調査いたしまし
ひ、新駒岡清掃工場でも、地域との交流イベント
て、今後の基本計画を策定する中で十分検討して
の検討をお願いいたします。また、今後も、地域
まいりたいと考えているところでございます。
の方との意見交換をさらに重ねて、多くの方の意
●わたなべ泰行委員
見を聞いていただいて、この更新事業が地域の期
ただいま、地域への貢献
について認識を伺いました。
待に応えていくよう要望して、私の質問を終わり
それでは、改めて質問いたしますが、地域への
ます。
貢献として具体的にはどのようなことを考えてい
●北村光一郎委員長
るのか、お伺いいたします。
んか。
●日當施設担当部長
地域貢献の考え方につい
てということでございます。
(「なし」と呼ぶ者あり)
●北村光一郎委員長
国は、全国の自治体が建設する清掃工場がどう
ほかに質疑はございませ
なければ、質疑を終了い
たします。
あるべきか、その方向性を廃棄物処理施設整備計
画にまとめ、この中で地域からの協力の確保に努
- 101 -
以上で、委員会を閉会いたします。
――――――――――――――
総 務 委 員 会
閉 会 午後4時31分
- 102 -