[ 8 ]生理機能検査

けんさの豆知識
2000 年 11 月発行
[8]生理機能検査
2010 年 12 月改訂
生理機能検査には大きく分けて心電図、呼吸機能、超音波、脳波があります。
●生理機能検査受付
医師が出した検査のオーダーを確認
して受付します。
受付した方からまたは予約順に
検査にお呼びします。
●心電図
⇒[不整脈][心肥大][狭心症、心筋梗塞
などの虚血性心疾患][電解質異常]
等の診断に役立てます。
心電図を受ける時は、ベッドに仰向け
に寝てリラックスし、話したり体を動
かしたりしないようにします。
両手両足首と胸部6か所に電極が付
けられ、心電図が記録されます。
心電図検査に苦痛はありません。
心電図には、その他に運動負荷心電図
ホルター心電図があります。
【運動負荷心電図】
⇒運動をして心臓に負担をかけた時の心電図の変化をみます。
安静時に心電図で疑った心筋虚血をより的確に診断
したり、安静時にみられなかった潜在性心疾患を発見
するのに役立ちます。
(1)階段昇降法
安静時の心電図をとった後、凸型の階段(左写真)を
年齢・性別・体重によって定められた速さで昇降しま
す。時間は患者さんにみあった量を1分半(シングル),
3分(ダブル),4分半(トリプル)と医師がオーダーしま
す。運動後に再び心電図をとり安静時のものと比較し
ます。
(2)トレッドミル
左写真のように、速度と傾斜が変化
するベルト上を歩行し、その際同時に
心電図と血圧を測定します。
患者さんの状態をみながら3分毎に
スピードと傾斜を上げていきます。
【ホルター心電図】⇒24時間の心電図を記録します
ホルター心電図は、胸(5 ヶ所)に電極をつ
け小型の装置を首から掛けて24時間の
心電図を記録します。仕事中や睡眠中、
運動中などの日常生活中の心電図をみる
ことができます。
装置をつけた後は普通に生活していた
だきます。ただし、入浴、シャワー等は
できません。
翌日の同時刻に来院していただき取りは
ずします。
●呼吸機能⇒肺活量や1秒量(最大努力で一秒間に呼出される量)から呼吸機能を評価
します。
肺活量と1秒量(最大努力で1秒間に
呼出される量)を測定します。
肺活量の予測値は性別・年齢・身長・
体重から決定されます。
肺活量が予測値の80%以下だと拘
束性障害(肺線維症、胸膜疾患、間質
性肺疾患等)、1秒量が70%以下だ
と閉塞性障害(肺気腫、気管支喘息、
慢性気管支炎等)が疑われます。
他に更に詳しく調べる全肺機能検査(残気量,最大換気量)・拡散能検査もあります。
●超音波⇒超音波を体内に発信し、反射波(エコー)を電気信号にして臓器の状態をモ
ニタ画面に表示します。
超音波検査には、腹部、心臓、表在領
域(乳腺、甲状腺)、血管、泌尿器があ
ります。
腹部の検査では、検査前の食事を中止
してもらいます。食事によって胆のう
が収縮してしまったり、胃に空気が入
ると超音波の透過の妨げになる為です。
●脳波⇒てんかん、頭部外傷、脳腫瘍、脳血管障害などの診断に役立てます。
脳波検査では、頭皮上に皿電極をクリームで接
着させ大脳皮質の表層に生ずる電位変動を記録し
ます。
睡眠時の脳波も記録する場合は、患者さんには睡
眠不足の状態で来院していただくことがあります。