生理機能検査室で行っている検査の紹介 臨床検査技師

編集・発行/信楽園病院検査科
第
15
号
2007年11月発行
生理機能検査室で行っている検査の紹介
臨床検査技師
稲波
浩
信楽園病院生理機能検査室で行われている主な生理検査について紹介いたします。
検査の分類には当検査室独自のものもあるため、他の施設で検査を受ける方には参考にならないものも
あるかもしれませんがご了承ください。
① 心電図:主に不整脈や虚血性の変化(狭心症など)の有無を調べます。
検査用電極を付けるために、左足首・両手首を10cm程度と胸がしっかり出るように準備してもら
います。検査は1分程度で終わります。
② 呼吸機能:肺、気管支の状態を簡易的に調べます。
鼻を押さえた状態で口から息をいっぱい吸い、勢いよく吐いて頂きます。
③ 聴力:低音から高音までの数種類の音を聴いて頂き、どの程度の小さい音量まで聴こえるか調べます。
④ ホルター心電図:通常の心電図は短時間記録であるため、症状に一致する変化を見つけることができ
ない場合などに行います。
最高24時間まで記録可能です。そのため検査機器装着後はお風呂に入れません。また翌日には、機
器の取り外しのために来院してもらいます。
⑤ 携帯血圧計:1日の血圧変動を調べます。それによって適切なお薬の処方ができます。
ホルター心電図と同様に、入浴できません。翌日には、機器の取り外しのために来院してもらいます。
⑥ サーモグラフィ:循環不全や炎症などに伴う、体表面の温度を計測します。
測定室の室温に体表温度を慣らすため15分程度安静にして頂きます。
⑦ 脳波:CT 検査などで評価できない脳機能を波形として描出し解析します。
19個の電極を頭に装着しますが、頭に電気を流す検査ではありませんので痛みはありません。
⑧ 大脳誘発電位:手足、耳、目などから脳に伝わる神経の変性などを調べます。
⑨ 神経伝導側速度:神経の伝わる速さを調べます。
自分の意思とは関係なく、電気を流して筋肉などを興奮させるため、多少の痛みを伴います。
⑩ 誘発筋電図:神経線維や神経筋接合部の機能不全を調べます。
神経伝導速度と同様に多少の痛みを伴います。
⑪ トレッドミル運動負荷心電図:虚血性心疾患(狭心症)や治療を要する不整脈かどうかを調べます。
ベルトコンベアーの上を、各々の年齢に応じた時間を走って頂きます。
⑫ ペースメーカチェック:ペースメーカを植込まれた方の電池の残量と作動などを確認します。
⑬ 血圧脈波:動脈硬化の程度を調べます。
手足の4ヵ所に血圧計などを装着します。検査は15分程度要します。動脈硬化は全身の循環動態に
影響を及ぼしますので、気になる方は主治医にご相談ください。
⑭ 超音波(エコー):魚群探知機と同様に音の跳ね返りを映像化したものです。
検査部位によって以下のような検査を行っています。
とうこつ
心エコー(心臓)、腹部エコー(お腹)、橈骨動脈エコー(手首の動脈)、頸動脈エコー(首の動脈)
、
下肢動脈エコー(股~足までの動脈)、下肢静脈エコー(股~足までの静脈)、甲状腺エコー(甲状腺)、
副甲状腺エコー(副甲状腺)、乳房エコー(乳房エコー検査は外科医師のみ行っています)