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【神戸大学】平成28年度高大連携特別講義(公開授業)
人文科学概論
時期:平成28年8月1日(月)
場所:鶴甲第一キャンパスC501教室
8月1日(月) 1時限(10:00~11:00)
旅の現象学
講義題目
学部
文学部
講義担当者 大橋 完太郎 (おおはし かんたろう)
[ 講座の目標等 ]
学問は、根本的には「世界」についての理解を目指すものです。ここで言う「世界」とは、「社会」
でもなければ「世間」でもありません。「自己=自分」とは、このよくわからない「世界」のなかに
住んでいる存在です。旅とは、「世界」を知ることを通じて、同時に「自己」についても教えてくれ
る、人間にとっての根本的な営みのひとつではないでしょうか。自己とは何か、自己と世界はどのよ
うにして出会うのか、その出会いにどのような意味があるのか。こうした点について、ヨーロッパの
思想・文芸、芸術作品などを中心的な題材として考察します。
[ 講座の内容・計画等 ]
以下のテーマに沿って、参照されている具体的な資料を用いながら解説します。
1)成長の旅:ホメーロス『オデュッセイア』と映画『千と千尋の神隠し』
2)「世界という書物」と自己の発見:デカルト『方法序説』と
映画『モーターサイクル・ダイアリー』
3)都市の放浪者:ボードレールのパリと森村大道の新宿写真
[ テキスト・教材・参考書等 ]
特になし。必要な資料は適宜配布する。
[ 履修上の注意 ]
高校ではあまりないタイプの授業かもしれません。よく寝てくること。
[高校生へのメッセージ等]
大学に入ると、高校まで強いものであった地域的関係性から離れて、インターナショナルな交流の可
能性がいきなり広がり始めます。実際に旅をする時間がなくても、自ら「旅」について考え、かつて
旅人であった人のさまざまな思想に触れておくことは、これからみなさんが体験するであろう「異文
化」体験にとって、必ずプラスになるはずです。
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【神戸大学】平成28年度高大連携特別講義(公開授業)
人文科学概論
時期:平成28年8月1日(月)
場所:鶴甲第一キャンパスC501教室
8月1日(月) 2時限(11:10~12:10)
講義題目
記憶の不思議
学部
発達科学部
講義担当者 増本 康平 (ますもと こうへい)
[ 講座の目標等 ]
現在、人のこころを解明しようと様々なアプローチから研究がなされています。心理学だけでも、
発達心理学、認知心理学、教育心理学、社会心理学、臨床心理学などここに挙げることができないほ
ど多くの領域があります。また、脳機能や遺伝子といった生理指標と関連づけることで目に見えない
こころを捉えようとする試みがなされています。このように様々な領域と方法をもちいて研究されて
いる「こころ」ですが、それらの領域を結びつける研究対象の1つとして「記憶機能」を挙げること
ができます。この授業では、人の記憶の特徴を概観し、こころの一端を学ぶことを目標とします。
[ 講座の内容・計画等 ]
・記憶の不思議
-記憶の種類について(意識的な記憶と無意識的な記憶)
-記憶の特徴について(覚えやすい情報、覚えにくい情報)
-記憶の役割について(感情や行動に影響する記憶)
[ テキスト・教材・参考書等 ]
当日資料を配布する。
[ 履修上の注意 ]
[高校生へのメッセージ等]
「好きこそものの上手なれ」という言葉がありますが、興味を持てないことはなかなか記憶に残りま
せん。この講義では、記憶に関する不思議な現象をとおして記憶の面白さを伝えることができればと
考えています。
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【神戸大学】平成28年度高大連携特別講義(公開授業)
人文科学概論
時期:平成28年8月1日(月)
場所:鶴甲第一キャンパスC501教室
8月1日(月) 3時限(13:00~14:00)
講義題目
バナナを通して見えてくる国際関係
学部
国際文化学部
講義担当者 小澤 卓也 (おざわ たくや)
[ 講座の目標等 ]
バナナは国際的にもっとも人気のあるフルーツのひとつです。デザートとして、健康食として、ある
いはダイエットのお供として、日本でもファンの多い食品です。では、このバナナはいったいどこで
生まれ、どのように世界をめぐり、現在はどのように取引されているのでしょうか。だれが生産し、
だれが多く消費しているのでしょうか。じつはこうした情報やデータを簡単に整理するだけでも、多
様性に富んだ様々な国や地域がどのように結びついているか、俯瞰的に見通すことができます。バナ
ナをキーワードとしつつ、受講生の皆さん自身に、食によってつながれた世界の現状や問題点などに
ついて思考してもらうことを目的とします。
[ 講座の内容・計画等 ]
バナナはどのように世界を旅してきたのか、バナナの作物・商品としての特色は何か、現代のバナナ
貿易に関するデータから何が読み取れるのかなどについて順を追って学んでいきます。担当者が受講
生に直接質問することもありますので、その際は失敗を恐れず積極的に自分の意見を述べてくださ
い。
[ テキスト・教材・参考書等 ]
特に指定しません。プリントを配布して授業を行います。
[ 履修上の注意 ]
特にありません。
[高校生へのメッセージ等]
現在、国際文化学部において私は、コーヒーをキーワードにして環大西洋地域の歴史的・文化的なつ
ながりについて考察する授業も担当しています。グローバルな視点で食をめぐる問題を研究するのは
楽しいですよ。
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