2016年6月6日 投資情報室 オーストラリアレポート オーストラリア経済とリート市場の動向について 豪ドル為替相場の動向と今後の見通し 足元の豪ドル為替相場動向 図1:豪ドル為替クロスレートの推移 【①豪ドル米ドルレート】 【豪ドル円レート】(=①×②) 88 (円) 0.80 豪ドル高 円安 86 【②米ドル円レート】 (米ドル) 豪ドル高 米ドル安 0.78 118 4/27 インフレ率 予想外の鈍化 5/3 RBA 予想外の利下げ 0.76 84 豪ドル安 円高 78 0.70 3/16 3/31 4/15 4/30 5/15 5/30 (月/日) 110.73 (5/31) 0.723 110 (5/31) 豪ドル安 米ドル高 米ドル安 円高 108 106 0.68 3/1 4/28 日銀 金融政策の 現状維持 発表 112 80.09 0.72 (5/31) 76 116 × 0.74 80 米ドル高 円安 114 = 82 (円) 3/1 3/16 3/31 4/15 4/30 5/15 5/30 (月/日) 3/1 3/16 3/31 4/15 4/30 5/15 5/30 (月/日) (出所)ブルームバーグ、2016年3月1日~2016年5月31日 (注)上記は、クロスレ-トの考え方を単純に示したイメ-ジ図であり、各為替の値については必ずしも一致するものではありません。 足元の豪ドル為替相場の動向 豪ドルの対円為替相場は、基軸通貨の米ドルを軸に「①豪ドル米ドルレート」と「②米ドル円レート」の掛け算によって決まります (図表1)。足元の豪ドル円レート相場は、以下の要因から「豪ドル安円高」の相場展開となっています。 ①豪ドル米ドルレート: 豪利下げ、米追加利上げ観測から反落 年初来、内需を中心とした経済の底堅さを背景に、豪ドルは対米ドルで緩やかな上昇を続けていました。しかし、4月27日に 基調インフレ率(2016年1-3月期)が前年比+1.6%と大きく低下し、インフレ見通しの後退が示唆されたことに加え、5月3日に RBA(豪州準備銀行)が1年ぶりに政策金利を引き下げたこと(※)(図表2)、イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長 発言等で米追加利上げ観測が再燃したことから、一転して豪ドル安米ドル高が進みました。 (※)物価見通しの下方修正が利下げの主因 5.0 4.5 (%) 図2:豪政策金利とインフレ率 スティーブンスRBA総裁は5月3日の利下げについて、声明 4.0 文で「予想以上のインフレ圧力(物価上昇圧力)低下」を主 3.5 因として指摘しました(右図)。声明文では政策金利について 3.0 のガイダンス(方針)は示されませんでした。当面は利下げの 効果やインフレ動向を注視しながら金融政策の様子見姿勢 2.5 が続くものとみられます。尚、7月後半に公表される4~6月期 2.0 インフレ目標 1.5 の消費者物価指数の結果によっては、もう一段の利下げの レンジ(2~3%) 1.0 可能性もありますが、堅調な経済状況等から判断して利下 09 10 11 12 げは最終局面に入りつつあるとみています。 (出所)豪州準備銀行(RBA)、豪州政府統計局(ABS) 豪州準備銀行の政策金利 (キャッシュ・レート) 1.75% 基調インフレ率 (前年比) 13 14 1.6% 15 16 (年) (期間)基調インフレ率:2009年1-3月期~2016年1-3月期、政策金利:2009年1月1日~2016年5月13日 ●当資料は、市場環境に関する情報の提供を目的として、レッグ・メイソン・アセット・マネジメントの情報を基に、ニッセイアセット マネジメントが作成したものであり、特定の有価証券等の勧誘を目的とするものではありません。 ●当資料は、信頼できると考 えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。●当資料のグラフ・数値 等はあくまでも過去の実績であり、将来の投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。また税金・手数料等を考慮し ておりませんので、実質的な投資成果を示すものではありません。●当資料のいかなる内容も将来の市場環境の変動等を保 証するものではありません。 1/4 (審査確認番号H28-TB51) オーストラリアレポート ②米ドル円レート: 日銀への失望感から円高米ドル安が進む 年初来の米ドルの対円相場は、日銀のマイナス金利政策の効果への不透明感に加えて、米国景気の先行き懸念などの 影響から米ドル安円高傾向となりました。 市場で追加緩和への期待が高まる中、4月28日の日銀の金融政策決定会合で金融政策の現状維持が決定されると、 失望から米ドル安円高がさらに進行しました。 オーストラリア経済は引き続き堅調 インフレ見通しの後退とは対照的に、経済は引き続き拡大基調を続けているようです。5月31日に発表された4月の住 宅着工許可件数は、減少するとの事前予想に反し前月比3.0%増となりました(図表3)。また、6月1日発表の2016年 1-3月期の実質国内総生産(GDP)は前期比1.1%増、前年比では3.1%増となり、事前予想を上回りました。前年比 の伸びは2012年7-9月期以来の高水準です(図表4)。 RBAは経済見通し(2016年5月6日発表ベース)で、2016年(通年)の実質GDP成長率の予想を2.5~3.5%へ上方 修正しており(従来予想は2.0~3.0%)、2018年半ばまでに成長率は3~4%に拡大すると予想しています(図表5)。 RBAの低金利政策や人口増加(図表6)等が安定した経済成長の原動力となっているものと思われ、今後も安定し た内需の成長が期待されます。 図3:住宅建築許可件数(全戸/前月比)の推移 10 (%) 1.5 図4:GDP成長率(前期比)の推移 (%) 6.8 6.9 5 2.9 0.6 1.1 3.0 -0.1 1.0 0.9 1.0 0.8 0 0.8 0.7 0.7 0.5 -5 0.5 0.5 0.4 0.5 0.3 -10 0.2 -13.6 -15 2015/10 2015/11 2015/12 2016/1 2016/2 (出所)ブルームバーグ (データ期間)2015年10月~2016年4月(月次) 2016/3 2016/4 (年/月) 0.0 2013/3 2013/12 2014/9 2015/6 2016/3 (年/月) (出所)ブルームバーグ (データ期間)2012年1-3月期~2016年1-3月期(四半期) 図5:RBA(豪州準備銀行)の経済見通し 図6:予想人口増減率(2015年~2050年) (実質GDP成長率:2016年5月6日発表) 50 (%) 39.7 2016年 2017年 2018年 40 30.1 4-6月 10-12月 4-6月 10-12月 4-6月 30 20.9 20 従来予想 14.6 2.0-3.0% 2.5-3.5% 2.5-3.5% 2.5-3.5% 3.0-4.0% 10 -15.1 今回予想 2.5-3.5% 従来通り 従来通り 従来通り 従来通り -10.4 -7.7 -2.0 日本 ロシア ドイツ (出所)国際連合人口部 中国 0 -10 ※見通しを上方修正 -20 (出所)RBA、2016年5月6日時点 (注)単位:前年比 ●当資料は、市場環境に関する情報の提供を目的として、レッグ・メイソン・アセット・マネジメントの情報を基に、ニッセイア セットマネジメントが作成したものであり、特定の有価証券等の勧誘を目的とするものではありません。 ●当資料は、信頼 できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。●当資料 のグラフ・数値等はあくまでも過去の実績であり、将来の投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。また税 金・手数料等を考慮しておりませんので、実質的な投資成果を示すものではありません。●当資料のいかなる内容も将来 の市場環境の変動等を保証するものではありません。 ブラジル 米国 インド オーストラ オーストラリア リア 2/4 利下げ(史上最低金利)による内需拡大期待 と 豪ドル相場見通し 今後は、利下げによる景気刺激効果が、消費を中心とした内需の更なる拡大につながることが期待されます。足元 では低金利による消費の活発化に加え、豪ドル安(対米ドル)が進んだことによる観光客増加などの恩恵も消費に広 がりつつあります。 また、オーストラリアではGDPに占める鉱業(資源セクター)の割合は1割以下です。GDPの7割以上を占めるサービス 業を中心とした内需型産業が、「人口増加」と「史上最低金利」を背景に拡大しており、経済成長の原動力となって います。 当面はRBAによる政策金利の据え置きが続くものとみられますが、豪ドルの対米ドル相場は堅調な内需の拡大を背 景に底堅い動きとなると考えられます。米ドル円相場については、今後は日米の金融政策の方向性の違いが注目材 料となると考えられます。レッグ・メイソン傘下のウエスタン・アセットのオーストラリア拠点では、今後の豪ドル円レート相 場は、中長期的には足元で進んだ米ドル安円高が修正されることにより、底堅い展開になると見ています(図表9)。 図8:日米豪の小売売上高の推移 図7:オーストラリアGDPの産業別構成 200 鉱業 9% 農林水産 2% 180 オーストラリア 160 建設 8% その他 30% 米国 140 製造 7% 120 金融・保険 9% 日本 教育・訓練 5% 100 小売 5% 運輸・郵便・ 倉庫 5% 医療・ 社会扶助 専門・科学・ 7% 技術サービス 6% 行政・ 国防 6% 80 ※2002年1月を100として指数化 2002/1 (出所)オーストラリア統計局、2015年6月時点 2004/1 2006/1 2008/1 2010/1 2012/1 2014/1 2016/1 (年/月) (出所)ファクトセット、名目値を使用、2002年1月~2016年3月 図9:豪ドル相場(対円、対米ドル) 105 0.85 (円) (米ドル) 豪ドル/円(左軸) 豪ドル/米ドル(右軸) 100 95 0.82 0.79 豪ドル高 円安・米ドル安 90 85 0.76 0.73 豪ドル安 円高・米ドル高 80 75 2015/1 0.70 0.67 2015/4 2015/7 2015/10 (出所)ブルームバーグ、2015年1月1日~2016年5月31日 2016/1 2016/4 (年/月) ●当資料は、市場環境に関する情報の提供を目的として、レッグ・メイソン・アセット・マネジメントの情報を基に、ニッセイア セットマネジメントが作成したものであり、特定の有価証券等の勧誘を目的とするものではありません。 ●当資料は、信頼 できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。●当資料 のグラフ・数値等はあくまでも過去の実績であり、将来の投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。また税 金・手数料等を考慮しておりませんので、実質的な投資成果を示すものではありません。●当資料のいかなる内容も将来 の市場環境の変動等を保証するものではありません。 3/4 【ご投資にあたっての留意点】 • 当資料は、ファンドに関連する情報および運用状況等についてお伝えすることを目的として、ニッセイアセットマネジメントが作成 したものです。金融商品取引法等に基づく開示資料ではありません。 【投資信託に関する留意点】 • • • • • 投資信託はリスクを含む商品です。運用実績は市場環境等により変動し、運用成果(損益)はすべて投資家の皆様のものと なります。元本および利回りが保証された商品ではありません。 ファンドは値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替変動リスクもあります)に投資しますので基準価額は変動し、投資 元本を割り込むことがあります。ファンドは投資元本の保証や一定の成果は約束されておりません。ファンドの基準価額に影響 を与える主なリスクは投資信託説明書(交付目論見書)の「投資リスク」をご覧ください。 分配金額は、収益分配方針に基づいて委託会社が決定しますので、あらかじめ一定の額の分配をお約束するものではありま せん。運用状況によっては、分配金をお支払いできない場合もあります。また、分配金は投資信託財産からお支払いしますの で、基準価額が下がる要因となります。 投資信託は保険契約や金融機関の預金と異なり、保険契約者保護機構、預金保険の対象となりません。証券会社以外 の金融機関で購入された投資信託は、投資者保護基金の支払い対象にはなりません。 ご購入の際には必ず取扱販売会社より投資信託説明書(交付目論見書)をお受け取りになり、内容をご確認の上ご自身で ご判断ください。 【手数料等】 [ご投資頂くお客様には以下の費用をご負担いただきます。] ■申込手数料 お申込み日またはお申込み日の翌営業日の基準価額に3.78%(税込)を上限として、取扱販売会社が独自に定める率をかけ て得た額とします。 ■信託報酬 各投資信託の純資産総額に年2.916%(税込)の率をかけて得た額を上限とします。 ■信託財産留保額 1万口につき購入申込受付日の基準価額に0.04%の率、換金申込受付日または翌営業日の基準価額に0.5%の率を かけて得た額を上限とします。 ■その他費用 上記以外に保有期間等に応じてご負担頂く費用があります。目論見書等でご確認下さい。 《ご注意》 上記に記載しているリスクや費用項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率につきましては、 ニッセイアセットマネジメントが運用するすべての投資信託のうち、徴収するそれぞれの費用における最高の料率を記載しております。 投資信託に係るリスクや費用は、それぞれの投資信託により異なりますので、ご投資をされる際には、事前によく目論見書を ご覧下さい。 【当資料に関する留意点】 • • • 当資料は、信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが 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