Title 高齢者における褥瘡予防の観点からみたマットレスにつ いての研究 : 体圧,血圧,血流,腰部皮膚温湿度,寝床内温湿 度,寝心地官能検査より Author(s) 高田, 喜代子; 阿曽, 洋子; 田中, 結華; 板倉, 勲子; 古賀, 輝 美; 木村, 静; 伊部, 亜希; 玉川, 由理子 Citation Issue Date 大阪大学看護学雑誌. 6(1) P.5-P.12 2000-03 Text Version publisher URL http://hdl.handle.net/11094/56660 DOI Rights Osaka University 大 阪大 学 看 護 学 雑 誌Vbl.6No.1(2000) 高 齢 者 に お け る 褥 瘡 予 防 の 観 点 か らみ た マ ッ トレス に つ い て の研 究 一 体 圧 ,血 圧,血 流,腰 部 皮膚 温 湿 度,寝 床 内温 湿 度,寝 心地 官 能検 査 よ り一 高 田 喜 代 子*・ 阿 曽 洋 子*・ 木 村 静***・ 田 中 結 華**・ 伊 部 亜 希****・ 要 板 倉 勲 子***・ 古 賀 輝 美*** 玉 井 由 理 子***** 旨 本 研 究 で は、褥 瘡 予 防 マ ッ トレス が普 通 の マ ッ トレス よ り褥 瘡 予 防 に適 して い るか ど うか を体 圧 、血 圧 、血流 、腰 部 皮 膚 温 ・湿 度 、寝 床 内 温 ・湿 度 、寝 心 地 官能 検 査 の8項 目か ら比 較 検 証 し、褥 瘡 ケ ア と して適 切 な マ ッ トレス に っ いて 検 討 す る こ と を 目的 と した 。被 験 者 は70歳 前 後 の健 康 な 女 性10名 と した。 結 果 は体 圧 分 散 や 血 流 量 の 安 定 とい う点 か らは有 意 に褥 瘡 予 防 マ ッ トレス が 褥 瘡 予 防 に適 して い る こ とが わ か っ た 。しか し褥 瘡 予 防 マ ッ トレス は 湿 度 の 発 散 性や マ ッ トレ ス の硬 さ と い う寝 心 地 か らは 問 題 が 残 っ た 。褥 瘡 ケ ア と して 褥 瘡 予 防 マ ッ トレス を用 い る 際 は 、利 点 ・欠 点 を 熟知 し看 護 者 の工 夫 を加 えて 使 用 す る こ とが 重 要 で あ る と示 唆 さ れ た 。 キ ー ワ ー ド:褥 瘡 、 マ ッ トレ ス 、 高 齢 者 、 体 圧 は じめ に また 患 者 や在 宅 の要 介 護 高 齢 者 に とって の主 な 生 活 の 場 近 年 、 平 均 寿 命 の 伸 び ・少 子 化 に 伴 い 、 高 齢 化 が急 速 は 寝 床 で あ り、 食事 、更 衣 、 睡 眠 、洗 面 、入 浴 、 排 泄 な か つ 著 し く進 行 して い る。 また 厚 生 省 の 患 者調 査 に お い ど の多 くが寝 床 で お こな わ れ て い る。 これ らの こ とか ら て も入 院 ・外 来 あわ せ て70歳 以 上 の患 者 数 の割 合 は、平 考 えて 、 寝床 が いか に多 機 能 を備 え持 たな い と い けな い 成2年 に24.1%だ っ た の が 平成8年 で は295%と 年々増加 か が 自ず と理解 で き る。 前 述 した 褥 瘡 発 生 と の関 わ りに よ り介 護 保 険 が 導 入 され る こ と っ いて も寝床 が大 い に 関係 して い る。寝 床 につ い て は 、多 で 、 今 後 療 養 の場 は病 院 か ら施 設 ・在 宅 へ と拡 大 され る 種 の褥 瘡 予 防 マ ッ トレス が 開発 さ れて お り、 ま たマ ッ ト ことが 予 測 され る。 こ の よ うな 社 会 的 背 景 の 中で 、 病 院 レス と体 圧,血 圧,血 流,皮 膚 温 ・湿度,寝 床 内温 ・湿 にお いて も在 宅 にお いて も患 者 の高 齢 化 が 進 む と、 身 体 度 な ど と の 関係 に つ いて は 多 く の先 行 研 究 が み られ る 。 可動 性 の低 下 な どに よ り臥床 状 態 の遷 延 が お こ り褥 瘡 発 しか し、先 行 破 究 にお い て は 寝床 との 関係 を 上記 の観 点 生率 が 増 加 す る こ とが 推 測 され る。 す べ てか ら総 合 的 にみ て い る 研究 は少 な く、 同 じ被 験 者 して お りi)、2000年4月 褥 瘡 は寝 かせ き りが 原 因 とな って 同 一 部位 の長 時 間 の に 対 し同一 条 件 の も とで 実 験 が行 わ れ て い る 研究 は み ら 圧 迫 に よ り皮 膚 組織 が 虚血 状 態 とな っ て発 症 す る。 好 発 れ な か っ た。 そ こで 本 研 究 で は同 じ被 験 者 に対 し同 一条 部 位 は仙 骨 をは じめ とす る 骨突 出部 で あ り、皮 下 組 織 が 件 の も とで 上 記 項 目の 測 定 を 行 い 、 褥 瘡 予 防 に適 した 薄 く毛細 血 管 か らの酸 素 及 び 栄養 補 給 も不 十 分 に な りや マ ッ トレス につ いて 検 討 す る こ と と した 。 す い た め 、 一 旦 形 成 す る と治癒 し に くい 。 した が って 褥 瘡 の 予 防 は重 要 で あ る 。 在 宅 で は専 門知 識 の 欠 如や 予 防 研究 目的 的 対応 が 不 十 分 な た め 、 病 院 以 上 に褥 瘡 形成 の 危 険性 が 高 くな る と いわ れ て お り、 医 療 者 の み な らず 介護 者す べ 褥 瘡 予 防 マ ッ トレス と して 販 売 され て い るマ ッ トレス て が 褥 瘡 に対 す る知 識 を深 め、 褥 瘡 予 防 ケ アや 予 防 用 具 が 、 病 院 で よ く使 用 され て い るマ ッ トレス よ り褥 瘡 予 防 を適 切 に 使 用 して い く ことが 早急 の課 題 で あ る と考 え る 。 に適 して い るか どうか を、体 圧 や 循 環 動態,腰 部皮 膚温 ・ *大 阪大学医学部保健学科 基礎看護 学講座**大 阪市立大学看護短期大学部 ***大 阪大学大学院医学系研究科保健学専攻 ****福 井医科大学附属病院*****市 立豊中病 院 一5一 大 阪 大学 看 護 学 雑 誌VbL6No.1(2000) 湿度,寝 床 内 温 ・ 湿 度 か らみ た 客 観 的 な 側 面 と寝 心地 の主 る 。 こ の測 定 器 で は全 身 の体 圧 を測 定 す る こと が で きる 観 的 な側 面 か ら検 証 し、 褥 瘡 予 防 ケ ア と して の マ ッ トレ が 、本 研究 で は褥 瘡 の好 発 部 位 で あ る殿 部 ・踵 部 を と りあ ス につ い て検 討 す る こ と を 目的 と し た。 げ る こ と に した 。 (2)血 圧,血 流 お よ び 腰 部皮 膚 温 ・湿 度,寝 床 内温 ・湿度 研究方法 測 定:血 圧 計 は プ ロパ ッ ク(NEC製)、 血 流 計 は レー ザ ー 血 流 計 オ メ ガ フ ロー(ユ ニ ー ク メデ ィカ ル社 製)、 温 湿度 1.実 験 対 象 計 は 温 湿 度 セ ンサ ー(神 栄 社 製)を 用 いた 。血圧 は 左 上腕 実 験 に用 い た マ ッ トレス はユ ー ロ フ レッ ク ス マ ッ トレ 部 で 、 臥 床 開始 よ り10分 毎 に測 定 し た。 血 流 は 褥瘡 の好 ス(イ エル ベ ン社 製:以 下 ユ ー ロ)と パ ラケ ア マ ッ トレス 発 部 位 で ある 仙 骨 部 に厚 さ1mmの セ ンサ ー を貼 り、1秒 (パラ マ ウ ン ト社 製:以 下 パ ラケ ア)で あ る 。ユ ー ロ は褥 間 に2デ ー タ 取 り込 む設 定 で10分 毎 に60秒 間測 定 し平均 瘡 予 防 を販 売 時 の 商 品特 徴 と して い る柔 らか い タ イ プ の 値 を求 め た 。 また 腰 部 皮 膚 温 ・湿 度 は腰 部 に厚 さ5mmの マ ッ トレス で あ る。 材 質 は2cmの セ ンサ ー を貼 り、1秒 間 に1デ ー タ 取 り込 む 設 定 で ユ0分毎 ス ー パ ー ソ フ トフ ォ ー ム、4cmの 圧 力 除去 フ ォー ム 、6cmの ウ ォー タ ー リ リー の に60秒 間 測 定 し平 均 値 を求 め た 。寝 床 内温 ・湿 度 は 厚 さ 3層 構 造 にな って お り、サ イ ズ は190×83×12cmで 5㎜ の セ ンサ ー を大 腿 部 側 方 の躰 ある 。 か ら10cm離 した 場所 パ ラ ケア は一 般 に病 院 で よ く用 い られ て い る硬 い タ イ プ に置 き 、1秒 間 に1デ ー タ取 り込 む設 定 で10分 毎 に60秒 のマ ッ トレス で あ る 。 材 質 はポ リ エ ス テ ル を 主体 と して 間 測 定 し平 均 値 を求 め た 。ま た測 定 中 は化 学 綿 の布 団1枚 お り、波 形 の構 造 にな って い る。サ イ ズ は191×91×8.5cm (3.4kg)を 掛 け物 と して 用 い た。測 定 時 間 を1時 間 と した で あ る。今 回 この マ ッ トレス を選 択 した 理 由 は 、褥 瘡 予 防 の は、対 象 が 高 齢 者 で あ り排 泄 等 を考 慮 した た めで あ る。 を 目的 と して 療養 型 病 床 群 の病 院や 老 人 病 院 等 に最 近 多 (3)寝 心 地 官 能 検 査:官 能 検 査一 対 比 較 法 に よ り、寝 心地 く普 及 され て い る現 状 が あ る た めで あ る。 に 関す る7項 目3)の各 項 目毎 に マ ッ トレス 間 で 「 差 はない」 2・実験 期 間 及 び 実験 場所 平 成10年7月28日 を 「0」と し、「 寝 心 地 が 悪 い 」と い うマ イ ナ ス の方 向 へ 「- ~7月30日 1」 「-2」 、 また逆 に 「 寝 心 地 が よ い 」 と い う プ ラス の方 向 に 、体 圧 と寝 心 地 につ い て は本 学 総 合 医療 実 習 室 で 、血圧,血 流,腰 部 皮 膚 温 ・湿 へ 「1」「2」と し、 トー タ ル5段 階 で 評 価 し、被 験 者10人 度,寝 床 内温 ・湿 度 は 人 工 気 象 室 で 実験 した 。な お 人 工 気 の平 均 得 点 で 比 較 した 。7項 目の 内容 は 「 表 面 硬 度(ベ ッ 象室 の温 度 は20℃ 、湿度 は50%に 設 定 した 。 こ のよ う に ドの硬 さ)」 「 荷 重 特 性(臥 床 時 の 安定 感)」 「 加 圧 曲 線(臥 温湿 度 を設 定 した の は 氏家2)に よ り快 適 温 度 は22度 ±2 床 時 の沈 み加 減)」「側圧 感(臥 床時 に 身体 を しめ つ け られ ℃ 、 快 適 湿度 が45~65%と る感 じ)」「 揺 動(横 ゆ れ具 合)」「 安 定 性(寝 返 りの容 易 さ)」 あ った た め で あ る 。 3,被 験 者 「 総 合(全 体 と して の 寝 心地)jで 70歳 前 後 の 治療 中 の疾 患 が な く 日常 生活 を送 って お り、 ある 。 6.分 析 方 法 健 康 と考 え られ る女 性 で 、体 格 が 標 準 的 な体 格 の人 を募 体 圧 につ いて は収 集 し たデ ー タ をデ ジ タ ル化 し、表 計算 集 条 件 と し、実 験 に対 す る承 諾 が得 られ た10名 で ある 。実 ソ フ トエ クセ ル に 入 力 し数 字 に よる 画像 表示 を行 な った 。 験時 に は全 員 同 じパ ジ ャ マ を着 用 して も らっ た。 数 字 によ る画 像 表 示 にお いて 数 宇 が表 示 され て い る セ ル 4.実 験 時 の マ ッ トレス の使 用 方 法 (1㎝ ×1㎝)を 選 択 し、そ の セ ル を 連続 した 線 で 結 び 部位 実 験 時 の マ ッ トレス の使 用 方 法 は 各 々 の仕 様 に よ り、 の愛 界線 を 明瞭 に示 した 。殿 部 と踵 部 毎 に被 験 者10人 の ユー ロ は マ ッ トレス の 上 に シー ッ を1枚 敷 き、パ ラケ アは 最 大 値,平 均 値,受 圧 セ ル 数(以 下 受 圧 面積)を 求 めた 。 マ ッ トレス の 上 に マ ッ トレス パ ッ ドとシ ー ッ を1枚 敷 いて 血圧,血 流,腰 部 皮 膚 温 ・湿 度 お よ び寝 床 内温 ・湿 度 に 用 い た。 つ い て は10分 毎 の10人 の 平均 デ ー タ を各 ベ ッ ド毎 に求 め 5.実 験 方 法 た 。 ま た10分 毎 の 各 々 のデ ー タ を、 臥床 時 の 値 を100と 実 験対 象 で あ る各 々 の マ ッ トレス で 体 圧 計 測 と寝 心 地 した相 対値(以 下 相 対 値)で 示 した。 比較 は 臥床 後 す ぐ に、ま た 血 圧,血 流,腰 部 皮 膚 温 ・湿度, 寝床 内温 ・湿 度 は被 験 者 に1時 間仰 臥位 でm臥 血 圧 につ いて は 収縮 期 血圧 の分 析 を行 った 。収 縮 期 血 圧 床 して も 値 を分 析 対 象 に した の は 心臓 の収 縮 力や 心 拍 出 量 と相 関 らい測 定 を行 っ た 。以 下 にそ の 測 定 方 法 を示 す 。 し、拡 張 期 血 圧 値 よ りも、よ り全 身 の状 態 を反 映 して い る (ユ)体 圧 測 定:各 とい う理 由 か らで あ る。 BIGMAT(ニ マ ッ ト レス の 上 に タ ク タ イ ル セ ンサ ッ タ株 式 会 社 礬)を 敷 き 、そ の 上 に被 験 者 は これ らのデ ー タ よ りマ ッ トレス 間 の比 較 を行 っ た 。な お 臥床 し2分 間経 過 後 、0.1秒 間 に1枚 の割 合 で10枚 、計1 集 計 ・分析 に は統 計解 析 パ ッ ケ ー ジSPSSを 秒 問 の体 圧 画 像 を 収集 した 。測 定 を 臥床 後2分 に 開始 す る 法 は 比 較 の た め のr検 定 を用 い た 。 のは 、一 定 の荷 重 を加 え た 場 合2分 経過 後 か ら測 定値 が安 定 す る と い う測 定 器 の ク リー プ特 性 を補 正 す る た め で あ 一6一 用 い、統 計 手 大 阪 大 学 看 護 学 雑 誌Vbl.6No.1(2000) は100(±26.7)g∠cm2で 結 果 あ り、 いず れ もユ ー ロ の方 が 体 圧 値 は 低 か っ た 。最 大 値,平 均 値 に つ い て マ ッ ト レ ス 間 の 比 較 を 行 っ た と ご ろ 、 最 大 値,平 1.被 験 者 につ いて(表1) 被 験 者10名 のBMIの (pく0.001)が 平 均 値 は22.5、 体 脂肪 率 の 平均 値 均 値 と も有 意 差 認 め られ た 。 受 圧 面 積 は ユ ー ロ で は505(±255.4)CII12、 は26.9%で あ り標 準的 な体 格 の集 団 で あ る。ま た血 液 検 査 は389(±144.0)㎝2と に よ る血 清 総 た ん ぱ く ・ア ル ブ ミ ン の結 果 も被 験 者 全 員 レス 間 に有 意 差 は 認 め られ な か った 。 が 標 準 範 囲 内で あ っ た 。 ま た 日常 用 いて い る寝 具 に つ い 踵 部 の 体 圧 値:最 パ ラケ アで ユ ー ロ の 方 が 広 か っ た が 、マ ッ ト 大 値 は ユ ー ロ が139(±71.3)g!CITIZに て は 、ベ ッ ド使 用 は1名 の みで 残 り9名 は 畳 の 上 に敷 き布 対 しパ ラ ケ ア は172(±109.9)g!cm2で 団 を敷 い て い る と答 え た 。 また そ の硬 さ につ い て は 「硬 い て も ユ ー ロ は46(±1&6)n/Cm2で め 」 と答 えた 者 が9名 で あ り、無 回答 の者 が1名 あ っ た 。 60(±33.3)g!㎝2で あ り 、平 均 値 に つ あ っ た がパ ラケ ア は あ り、い ず れ もユ ー ロ の方 が体 圧値 は 低 か っ た 。最 大 値,平 均 値 に つ い て マ ッ ト レ ス 問 の 比 較 表1被 験 者 の プ ロ フ ィ ー ル(n=10) 70,8 年齢(歳) 受 圧 面 積 は ユ ー ロ で は69(±33.8)cm2で 4.5 体 重(kg) 51.0 7,7 ア は64(±19.9)cm2と BMI 22.5 2.9 あった。 体脂肪率(%) 26.9 4.5 TP(91dり 7.4 0.4 Alb(g/dl) 4.5 0.2 3.血 圧,血 流 収 縮 期 血 圧 値(表3):ユ ー ロ、 パ ラ ケ ア と も に 臥床 直 後 の 値 が 最 も 高 く約130mmHgで あ っ た 。経 過 時 間 内 で 最 も 値 が 低 か っ た の は 、 ユ ー ロ が30分 TP:totalproteinAlb:albumin 対 値894)、 2.体 圧(表2) あ り 、パ ラ ケ 両 マ ッ トレス と も ほ ぼ 同 じ値 で BMI:bodymassindex 後 で116.3mmHg(相 パ ラ ケ ア が40分 後 で116.4mmHg(相 で あ っ た 。 そ の後 両 マ ッ ト レ ス と も60分 殿 部 の 体 圧 値:最 ユ24.0)9!㎝2で つ い て も ユ ー ロ は53(±30.5)9!㎝2で 表2マ あ り、平均 値 に 最大値 平均 値 (g/cm2) マ ッ トレス 計測値 ユ ーロ 173 (129.7) パ ラケ ア 435 (124.0)コ** 53 ユ ー ロ パ ラケア 100 受圧面積 ユー ロ 505 (cm2) パ ラケア 最 大値 ユー ロ 139 パ ラケア 172 (g/cm2) 踵部 ト レ ス 間 に有 意 差 は 認 め ら れ な か っ た 。 ッ トレス別 にみ た 部 位 別 体 圧 平 均値 お よ び受 圧 面 積 (n=10) (g/cm2) 殿部 ま で緩 や か に上 あ った が パ ラケ ア 部位 .. (SD)t検 (3° (26:1ロ (255.4) (144.0) 定 ー (71.3) (109.9) ユ ーロ 46 (18.6) パラケア 60 (33.3)コ 受圧 面積 ユ ーロ 69 (cmZ) パラケア 64 (33.8) (19.9) 平均値 (g/cm2) ・ 注)歯p<0.05**pく0.001 表3マ ッ トレス別 にみ た収 縮期血圧値 と相対値 0 経過 時間(分) ユー 口 パ ラケア 血 圧 値(mmHg) 130.1 相対値 100.0 血 圧 値(mmHg) 130.7 相対値 100.0 対 値89.1) 昇 し た 。収 縮 期 血 圧 値 ・相 対 値 と も に60分 間 を 通 して マ ッ 大 値 は ユ ー ロ が173(±129.7)g!㎝2 に 対 し パ ラ ケ ア は435(± み ら れた。 1.7 150.3 身 長(cm) を 行 っ た と こ ろ 、平 均 値 に お い て 有 意 差(pく0.05)が SD 平均 値 (n=10) 10 20 92.0 118.5 116.3 117.4 ;.. 90.2 119.4 119.9 91.4 90.7 _? 40 91.6 119.2 119.7 30 91.7 5060 118.6119.8 91.292.1 116.4 121.4123.3 :・ 92.994.3 大 阪 大学 看 護学 雑 誌Vo1.6No.1(2000) 仙 骨 部 血 流 量(表4,図1):臥 で は2.72ml/sec11009、 4.腰 部 皮 膚 温 ・湿 度 床 直 後 の血 流 量 は ユ ー ロ パ ラ ケ ア で は 真.43ml/sec/100gで 腰 部 皮 膚 温 度(表5):ユ あ ー 口で は 臥床 直 後 の温 度 は33.0 間 を 通 して常 にユ ー ℃ で あ り、 そ の 後 上 昇 し続 け60分 後 に は36.0℃ と、 臥床 ロ の 方 が 血 流 量 は 多 く 、マ ッ ト レス 間 を 比 較 す る と 、臥 床 直 後 よ り3.0℃ 上 昇 して い た。 そ して60分 後 の相 対 値 は 時 と60分 後 の 血 流 量 で 有 意 差(p<0.05)が 109.1で あ っ た 。 パ ラ ケ ア にお い て は 臥床 直 後 の温 度 は り 、ユ ー ロ の 方 が 多 か っ た 。ま た60分 対 値 の 経 時 変 化 で は 、ユ ー ロ は30分 認 め られ た 。相 後 か ら40分 32.8℃ で あ り、 ユ ー ロ 同 様 漸次 上 昇 し続 け60分 後 は35。6 以 降 にか け て 上 昇 して お り パ ラ ケ ア で は 臥 床 直 後 か ら10分 ℃ と臥床 直 後 よ り2.8℃ 上 昇 し、相 対 値 は108.5で あ っ た。 後 、20 分 後 へ か け て 上 昇 して い る 。 最 も 大 き い 相 対 値 を 示 し た 両 マ ッ トレス と も、時 間 の経過 と と もに腰 部 皮 膚 温度 は上 の は 、ユ ー ロ で は60分 昇 し、 マ ッ トレス 間 に有 意差 は認 め られ な か っ た 。 分 後 の146.9で 表4マ 後 の134.9で あ り 、パ ラ ケ ア で は50 あった。 (n=10) ッ トレス別 にみた仙 骨部血流量 と相対値 0 経過 時間(分) ユ ー 口 2.72- 血 流 量(ml/sec/100g) 1.43- 血流 量(ml/sec/100g) ... 2.64 2.65 97.1 97.4 1.82 1.61 100.0 相対値 127.3 112.6 30 20 2.58 貨 100.0 相 対 値 パラケア 10 40 2.97 109.2 2.04 142.7 1.81 126.6 5060 3.3 123.:3.67134.9 2.12.05 146.9143.4 *p<0 .05 図1マ ッ トレス別 にみ た仙骨部血流 量相対値 の経 時変化 150 130 一一◆一一 ユーロフレックス 相 対120 ~ハ≡ 鬣『~ パ ラケアマットレス 値 110 100 90 0 10 30 20 40 60 50 経過 時間(分) 表5マ ッ トレス別 にみた腰部 皮膚温度 と相対値 0 経過 時間(分) ユー 口 温 度(℃) 相対値 パ ラケ ア 33.0 100.0 温度(℃) 32.8 相対値 100.0 (n=10) 10 20 34.4 104.4 35.0 106.1 34.2 104.1 34.7 105.7 一g一 30 35.4 107.2 35.0 106.6 40 35.6 108.O 35.2 107.4 5060 35.836.0 108.5109.1 35.435.6 107.9108.5 大 阪 大 学 看 護 学 雑 誌Vol.6No.1(2000) 腰 部 皮 膚 湿 度(表6,図2):ユmで は68.0%で あ り 、10分 5.寝 床 内温 ・湿 度 は 臥 床 直 後 の湿 度 後 は70.2%、20分 後 は71.4%と 間 経 過 と と も に 上 昇 し 、60分 後 に は75.6%と60分 寝 床 内 温 度(表7):ユ 時 ー ロで は 臥 床 直 後 の温 度 は23.9℃ 、 10分 後 に は26.9℃ と10分 後 に か け て急 激 に 温度 は 上 昇 し 間 で7.6 %上 昇 し て い た 。 パ ラ ケ ア で は 臥 床 直 後 の 湿 度 は65.5% た 。パ ラ ケ アで は 臥床 直 後 は22.8℃ で あ っ た が 、10分 後 は で あ り、 そ の 後 臥 床 直 後 と 同 じ位 の 湿 度 を 保 ち 、60分 後 25.6℃ と こ ち らも10分 後 にか けて 急 激 に 上 昇 した 。 そ の は67.0%と60分 上 昇 で あ っ た 。ま た マ ッ ト レ 後 両 マ ッ トレス と も60分 まで 緩や か に上 昇 した 。60分 後 ス 間 の 相 対 値 は 、30分 後 で は ユ ー ロ は1106.2、 パ ラ ケ ア は ユ ー ロ は29.2℃ で相 対 値 は122.2、 パ ラケ ア は2&1℃ で相 100.0で あ り 、40分 後 で は ユ ー ロ は107.3、 パ ラ ケ ア は100.1 対 値 は123.4で あ っ た 。両 マ ッ トレス と も 同 じよ うな 温度 で あ り 、60分 変 化 をた ど り、比 較 した と こ ろ有 意 差 は認 め られ な か っ 聞 で1.5%の 後 で は ユ ー ロ は111.8、 パ ラ ケ ア は102.8 た。 で あ り マ ッ ト レ ス 間 を 比 較 す る と 、30分 後 、40分 後 に 有 意 差(p<0.05)が 寝床 内湿 度(表8):ユ 認 め られ た 。 ー ロ で は 臥 床 直 後 の 湿度 は60.6% ? 表6マ ユー口 68.0 湿 度(%) 100.0 相対値 パラケア 湿度(%) 65.5 相対値 *p<0 (n=10) ッ トレス別 にみた腰部 皮膚 湿度 と相対値 0 経過 時間(分) 100.0 10 20 XO.2 71.4 103.3 105.0 65.8 65.8 100.6 30 40 72.9 107.3一 ★ 100.0一 100.6 74.075.6 72.1 106.2一 65.4 5060 109.2111.8 ★ 66.267.0 65.4 100.1一 101.4102.8 .05 図2マ ッ トレス別 にみた腰部 皮膚湿度相対値 の経 時変化 112 110 108 相106 一 一◆ 一一 ユーQフ レックス 対 '-rfii-'響'パ ラケアマッ トレス 値104 *P<0 102 .05 100 98 0 10 20 30 40 60 50 経過時 間(分) 表7マ ッ トレス別 にみた寝 床内温度 と相対値 0 経過 時間(分) ユー ロ 温 度(℃) 相 対値 パ ラケ ア 温 度(℃) 相対値 表8マ 23.9 100.0 22.8 100.0 ッ トレス別 にみた寝床内湿度 と相対値 0 経過時 間(分) ユ ー口 湿 度(%) 相対値 パ ラケ ア 湿 度(%) 相対値 60.6 100.0 60.6 100.0 (n=10) 10 zo 26.9 27.9 116.7 112.6 .: 25.6 112.4 117.4 30 28.5 119.1 27.2 119.4 40 29.3 122.5 27.5 120.4 5060 29.129.2 121.9122.2 27.828.1 121.9123.4 (n=10) 10 20 30 40 50 60 59.3 58.0 57.9 58.3 56.1 97.9 95.7 95.5 96.2 92.5 91.4 61.3 58.5 56.9 .; 55.9 55.5 55.1 92.2 91.6 go.9 101.1 96.5 一g一 55.4 大 阪 大学 看 護 学 雑 誌Voi.6No.1(2000) で あ り、60分 後 まで 緩 や か に下 降 し60分 後 は55.4%で る 。ユー ロで は30分 後 、パ ラ ケ アで は40分 後 に最 低 値 と あっ た 。パ ラケ アで も臥 床 直 後 の 湿度 は60・6%で あ り、10 な り、そ の後60分 まで 上 昇す る と い うパ タ ー ンで あ っ た。 分 後 には61.3%と 一 旦 上 昇 す る が 、そ の後60分 まで 漸 次 これ は 同 一体 位 で 臥床 して い る こ とが30分 か ら40分 後 位 減 少 し55.1%と な っ た 。両 マ ッ トレス を 比 較 した と ころ有 か らス トレス や 苦 痛 とな り血圧 を上 昇 させ て い る と考 え ら 意 差 は認 め られ な か っ た。 れ る。収 縮 期血 圧 値 で は マ ッ トレス 間 に有 意 差 は認 め られ 6.寝 心地 官 能 検 査(表9) な か った た め 、本 砥 究で は マ ッ トレス の硬 さ よ り も、同 一 「表 面硬 度 」で はパ ラケ ア の方 が 寝 心地 が 良 い とい う答 体 位 を持続 す る苦 痛 の方 が 血 圧 値 を変 え た と考 え られ る。 えが 有 意 に多 か っ た(p<0・05)。 「荷重 特 性 」「加 圧 曲 線 」 次 に仙 骨 部 皮 膚 血 流 量 は60分 を 通 してパ ラケ ア よ り も 「 側 圧 感 」「揺 動 」にお いて は マ ッ トレス 間 に 有 意 差 は 認 め ユ ー ロの 方 が 多 く、血 流 量 を保 つ とい う点 で は ユ ー ロの方 られ なか っ た 。「 安 定 性 」に お い て はパ ラケ アの方 が 寝 心 が優 れ て い る とい え る。また 相対 値 か らみて もユ ー ロは パ 地 が よ い とい う者 が有 意 に 多 か った(p<0.001)。 ラ ケ アよ りも変化 が 少 な く比 較 的循 環 動 態 が安 定 して いる 「 総合 」 で は パ ラ ケ ア の 方 が 寝 心 地 が よ い とい う 者 が 有 意 に 多 と考 え られ る。 ユ ー ロ の30分 後 か ら40分 後 にか け て と、 か った(p<0.005)。 パ ラケ ア の 臥 床直 後 か ら10分 後 にか けて 相 対 値 が 上 昇 し て い た の は反 応 性 充 血 と も とれ る。反 応性 充 血 を引 き起 こ 表9マ す 原 因 は、短 時 間 の血 行 停止 後 で は血 管 内圧 の変 化 、長 時 ッ トレス別 にみ た寝 心 地 官能検 査 要 素項 目 ユー ロ 表面硬度 荷重特性 加圧曲線 側圧感 揺動 安定性 総合 パ ラ ケ アt検 定 間 の血 行 停止 後 で は血 管 拡 張性 代 謝 産物 の蓄積 で あ る と考 一1 .1 1.1 え られ て い るη。こ こで は 臥床 に よ る組 織 の圧 迫が 血 管 内 -0 .4 0.4 圧 を変 化 させ 反 応 性 充 血 を起 こして い る と考 え られ る。 -0 .7 0.7 3.腰 部 皮膚 温 ・湿度 、 寝 床 内 温 ・湿 度 -0 .2 0.2 人 間 は平 均 皮 膚 温 度 が33℃ ~36,5℃ を 快適 に感 じる と -0 .8 0.8 い われ て い る8)。本 実 験 にお いて 両 マ ッ トレス と も60分 -1 .9 1.9*** 間 を通 して32.8~36.0℃ 1.5** い る 。腰 部 皮 膚 温 度 のみ か らみ る と 、両 マ ッ トレス と も熱 -1 .5 の快 適 範 囲 内 で の変 化 を 見 せ て 放 散 能 力 は 同等 程 度 で あ る と考 え られ る。 数 字 は一2から+2ま での5段 階 評価 した も のの10人 分 の平 均値 *p<0 .05**p<0.005***p<0.001 腰部 皮 膚 湿 度 を表 す の に本 研究 で は相 対 湿 度 を用 い た 。 これ は各 温度 にお け る飽 和 水 蒸気 圧 のう ち同 時 点で 占めて い る水 蒸 気 圧 の 割 合 によ り示 され る9)。 パ ラケ ア の腰 部 皮 考 察 膚 湿 度 変 化 は 飽和 水 蒸 気 圧 曲 線 よ りみ る と、腰 部皮 膚 温 度 変 化 に伴 っ て お こる湿 度 変 化 で あ る こ とが わか る。しか し 1.体 圧 ユ ー ロ の 腰 部 皮 膚 湿 度 変 化 は 飽 和 水 蒸 気 圧 曲線 よ りみ る 褥 瘡 は 、 圧 迫 の強 さ と時 間 の積 が 一 定 の 限 界 値 を超 え と、温度 上昇 に伴 っ て お こる 湿度 上 昇 よ りも大 き く上 昇 し た とき 発 生 す る と考 え られ て い る4)。 褥 瘡 の予 防 ケア にお て い た 。本 実 験 にお いて は部 屋 の温 ・湿 度 、被 験 者 及 び そ いて 「 除 圧 」、つ ま り組 織 へ の 圧 迫 ・荷 重 を管 理 す る こ と の 着 衣 、掛 け物 を統 一 し た た め 、ユ ー ロ にお け る腰 部 皮 膚 は基 本 的 な こ とで あ る5)。こ の観 点 か ら両 マ ッ トレス の体 湿度 上 昇 に はマ ッ トレス の材質 が 関 与 して い る と考 え られ 圧 を み る と 、殿 部 につ いて は ユ ー ロ の方 が パ ラ ケ ア よ り る。パ ラケ ア は 「 湿 気 の発 散 性 に優 れ て い る 」と の販 売 時 の特 徴 説 明 に もあ る よ う に、鹽 マ ッ トレス 問 を比 較 す る と、 最 大値,平 均 値 と も に有 意 に体 圧 値 が 低 く ま た 受庄 面 積 丶も広 い こ とか ら 、 ユ ー ロ の方 が 圧 分 散 能 力が 優 れ て い る ユ ー ロに比 べパ ラケ ア は湿 度 の発 散性 が 高 い こ とがわ か っ た。 とい え る 。 また 踵 部 につ い て も受 圧 面 積 は両 マ,」トレス 間 で ほ ぼ 同 じ値 で あ っ た が 、体 圧 値 は ユ ー ロ の方 が パ ラ 次 に寝 床 内 温 度 に つ い て は 、80%以 上 の人 々が 満 足 を覚 ケ ア よ り低 く平 均 値 で は有 意 差 が 認 め られ 、 圧 分 散 能 力 え る とい う至 適 温 度 は22.2℃ か ら25.6℃ と い わ れ て いる 1°) 。ユ ー ロで は寝 床 内 温 度 が23.9℃ か ら29.3℃ 内で 変 化 し はユ ー ロ の方 が 優 れ て い る こ とが 明 らか にな っ た 。 これ よ りユ ー ロは 殿 部 と い う身 体 の44%を 占 め る大 きな 部 分 6)も、踵 部 とい う身体 の 小 部 分 に置 いて も圧 分 散 に は有 効 て お り、 パ ラ ケ アで は22.8℃ か ら28.1℃ 内 で 変 化 して い で あ り、褥 瘡 予 防 と して 適 切 で あ る とい え る 。 て いる 。寝 床 内湿 度 に つ い て は 、至 適 湿 度 は50%か る。両 マ ッ トレス と も 臥床 後10分 後 よ り至 適 温 度 を超 え ら60 2.血 圧,血 流 %と いわ れ て お り11)、両 マ ッ ト レス とも60分 を 通 して ほ 臥床 直 後 に両 マ ッ ト レス と も に 収 縮 期 血 圧 が 最 も 高 ぼ至適 湿 度 内 で変 化 して い る。至 適 温度 は超 えて い る が不 か った の は 、 ベ ッ ドへ 臥床 す る と い う動 作 の直 後 で あ る 快感 の訴 え が なか っ た の は 、湿度 が至 適 範 囲 内で あ った こ こ とや 、 開始 時 の緊 張 によ る も の で は な い か と考 え られ と も影 響 して い る と考 え られ る 。至 適 温 ・湿 度 条 件 は温 ・ 一10一 大 阪大 学 看 護学 雑 誌Vbl.6No.1(2000) 湿 度 に加 え て 、気 流,代 謝 率,年 齢,性 別 な どが 変 動 因 子 血 流 量 の変 化 が 小 さ いた め、血 流 の 安 定 と い う点 か ら と して あげ られ て お り12)、 好 み の 温 ・湿度 に は個 人 差 が あ 褥 瘡 予 防 と して 用 いる マ ッ トレス と して はユ ー ロの 方 る と い える 。至 適 温 ・湿度 を保 つ には 時 問 経 過 と と も に変 化 す る 個 々 の快 ・不 快 感 覚 を十 分 に 聞 き入 れ 、保 温 や 換 気 が 適 切 で あ る と い え る。 4.腰部皮 膚 温 度 か らはマ ッ トレス 間 に有 意 差 が認 め られ な ど変 化 に応 じた対 応 を して い く ことが 重 要 で あ る と考 え られ る。 な か っ た。 5腰 部 皮 膚 湿 度 は ユ ー ロの方 が 湿 度 上 昇 が 大 き く、パ ラ 4.寝 心 地 官能 検 査 ケ ア の方 が 発 散 性 に優 れ て いた 。腰 部皮 膚 湿度 の点 か 寝心地官能検査では 「 ベ ッ ドの硬 さ 」は パ ラケ ア の方 が よ い と い う結 果 が 出 た 。 これ は被 験 者 が 日常 使 用 して い る 寝 具 が 硬 めで あ る とい う習慣 的 な も のや 嗜好 に 関 係 し て いる と考 え られ る 。木 村 ら によ る褥 瘡 予 防寝 具 比 較 の 調 査 結 果 か ら も 「(褥瘡 予 防 寝 具 は)褥 瘡 予 防 の 目的 と し て の除 圧 効 果が あ る と考 え られ て いる が 、 寝 心 地 の 点 か ら褥 瘡 予 防 と して 用 い る マ ッ トレス はパ ラ ケア の方 が 適 切 で あ る と い える 。 6寝 床 内 温 ・湿度 か らは マ ッ トレス 間 に有 意 差 が 認 め ら れ なか った 。 7寝 心 地 官 能検 査か らは硬 い感 触 で あ る パ ラケ ア の方 が 被 験 者 に好 まれ た 。 らみ る と主 観 的 評 価 で は あ る が 、 日常 使 用 して い る 寝 具 が 最 もよ い とさ れ て い る 」13)と あ る。 ま た 「 寝 返 りの し 引用 文献 や す さ 」や 「 全 体 と して の寝 心地 」に つ い て もパ ラケ ア の 方 が よ い と され た。 これ よ り圧 分 散 能 力 の 高 い マ ッ トレ 1)厚 ス が 必 ず し も寝 心 地 が よ い と され る わ けで は な い とい う こ とが わ か る。 臨床 にお い て は ベ ッ ドの硬 さ の 嗜好 や 寝 2)氏 家 幸 子(1998>基 家 幸 子(1984).寝 よ る 研 究,日 4)矢 討,整 学 書 院, 床 の 寝 心 地 に 関 す る 一 対 比 較 法 に 5)中 村 元 信 他(1995).褥 選 択,褥 ス,昭 林 社,68-69. 6)木 瘡 の発 生機 序 に関 す る実 験 的 検 形 外 科,41,976-985. 残 った 。ま た高 齢 者 対 象 と して は 、特 に寝 心 地 の面 で 主観 瘡 発 生機 序 か らみ た 除 圧 用 具 の 瘡 予 防 ・ケ ア ガ イ ド,別 冊 エ キ ス パ ー トナ ー 村 哲 彦 他(1989).目 で み る 褥 瘡 の 予 防 と 看 護,医 褥 瘡 ケ ア と して 褥 瘡 予 防 マ ッ トレス を 用 い る 際 は 、 た だ 用 いる ので はな く用 具 の利 点 ・欠 点 を熟 知 して お く必 要 ,医 本 看 護 科 学 学 会 誌,4(2),77-78. こ とが わ か った 。 しか し湿 度 の 発 散 性 につ いて は 問題 が 的 希 望 が 満 た され て い な い こ とが わ か った 。 これ らよ り 礎 看 護 技 術1,第4版 野 英 雄 他(1990).褥 て いる マ ッ トレス よ り体 圧 や 血 流 な ど褥 瘡 発 生 因子 と し て 注 目 され て い る項 目で は有 意 に 褥 瘡 予 防 に適 して い る , 167. 3)氏 以 上 よ り褥 瘡 予 防 マ ッ トレス は 、 病 院 で よ く使用 さ れ 民 衛 生 の 動 向,第46巻9号 460. 返 りの しや す さ な ど も考 慮 に 入 れ て 寝 具 を選 ぶ べ き で あ る。 生 統 計 協 会,1999,国 学書 院,15. 7)萩 澤 さ つ え(1995).褥 瘡 の 発 生 要 因 と機 序 ・分 類,褥 瘡 が ある と考 え られ る 。例 え ば、温 湿 度 発 散 の た め に体 位 変 予 防 ・ケ ア ガ イ ド,別 冊 エ キ ス パ ー トナ ー ス,昭 林 社 換 を行 い寝 床 内 お よ び 腰 背 部 の換 気 を 行 う こ とな どで 、 4-17. 用 具 の 欠 点 をカ バ ー す る こ とが褥 瘡予 防 に と って 大 切 で 8)中 山 昭 雄 他(1990).温 熱 生 理 学,理 工 学 社,329-331. あ る と考 え られ る。 褥 瘡 好 発 患者 で は 健 康 入 よ り更 に圧 9)中 山 昭 雄 他(1990).温 熱 生 理 学,理 工 学 社 ,39-42. 迫 によ り受 け る 負 荷 が 大 き い とい わ れ て い る 。 今 回 は健 10)中 山 昭 雄 他(1990).温 熱 生 理 学 ,理 工 学 社,65-67. 康 な体 格 の高 齢 者 対 象 で あ っ た が 、 背 部 や 腰 部 の皮 下 脂 ユ1)中 山 昭 雄 他(1990).温 熱 生 理 学,理 工 学 社,560-564. 肪 が 少 な いや せ 型 の 高齢 者 や す で に褥 瘡 を も って い る 高 12)中 山 昭 雄 他(1990).温 熱 生 理 学 ,理 工 学 社,573-574. 齢 者 が 対 象 で は 、体 圧 分布 や 寝 具 の嗜 好 は どうで あ る か 13)木 村 哲 彦 他(1989).目 で み る 褥 瘡 の 予 防 と 看 護 ,医 学 を 今 後 検 討 して い く必 要 性 が あ る 。 書 院,24-2. 14)稲 垣 美 智 子 他(1988).褥 瘡 予 防 の 看 護 一褥 瘡 発 生 リ ス ク 結 論 の 高 い 患 者 の30分 仰 臥 以 後 の 仙 骨 部tcPO2回 移 一,金 沢 大 学 医 短 紀 要,12,49-53. 1.殿部 ・踵 部 の体 圧 値 の結 果 か らは 、圧 分散 能 力 の点 か , らユ ー ロの方 が 褥瘡 予 防 と して 用 い る マ ッ トレス と し て は適 切 で あ る とい え る 。 2.収縮期 血圧 の値 や変 化 はヤ ッ トレス 間 に有 意 差が 認 め られ な か っ た 。 3.仙骨 部血 流 量 はユ ー ロ の方 が 多 く♪ま た ユ ー ロの方 が 一11一 復 の推 一 大 阪大 学 看 護 学 雑誌Vol.6No.1(2000) A STUDY OF MATTRESSES IN TERMS OF PREVENTION OF PRESSURE ULCERS IN THE ELDERLY —A COMPARISON FLOW, OF BODY PRESSURE , BLOOD PRESSURE, SKIN TEMPERATURE AND HUMIDITY OF THE LOWER TEMPERATURE AND HUMIDITY OF THE BED AND SUBJECTIVE FEELINGS— Kiyoko Takada, Yoko Aso, Yuka Tanaka, Shizuka BLOOD BACK, Isako Itakura, Terumi Koga Kimura, Aki Ibe, Yuriko Tamai Abstract The purpose of this study was to detect the differences between mattress specifically designed for the prevention of pressure ulcers (prevention mattress) and general mattress (paracare mattress) in terms of body pressure, blood pressure, blood flow, skin temperature and humidity of the lower back, temperature and humidity of the bed and subjective feelings. The context of this study was nursing care for prevention of pressure ulcers. We obtained accurate measurements of eight items for ten elderly women. The findings were as follows : 1) Prevention mattress is more suitable for the prevention of pressure ulcers than paracare mattress, especially in terms of the dispersion of body pressure and the amount of blood flow. 2) Prevention mattress cannot sufficiently eliminate skin humidity. 3) Most of the subjects prefered paracare mattress to prevention mattress because they felt the former as comfortable and latter too soft. Key Words : pressure ulcers, mattress, — 12 — elderly, body pressure
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