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ノバルティス ファーマ株式会社
〒105-6333
東京都港区虎ノ門1丁目23番1号
虎ノ門ヒルズ森タワー
http://www.novartis.co.jp
MEDIA RELEASE • COMMUNIQUE AUX MEDIA • MEDIENMITTEILUNG
2016年5月31日
報道関係各位
ノバルティス ファーマ株式会社
抗悪性腫瘍剤
「タフィンラー®カプセル」および「メキニスト®錠」を新発売
ノバルティス ファーマ株式会社(代表取締役社長:ダーク・コッシャ)は、BRAF遺伝子
変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫の治療薬として、本年3月28日に製造販売承認を
取得した「タフィンラー®カプセル50mg・75mg」(一般名:ダブラフェニブメシル酸塩、
以下「タフィンラー」)および「メキニスト®錠 0.5mg・2mg」(一般名:トラメチニブ
ジメチルスルホキシド付加物、以下「メキニスト」)の2剤の販売を6月1日より開始いた
しますのでお知らせします。
皮膚がんの一種である悪性黒色腫(メラノーマ)の日本国内の患者数は約4,000人1と推定
され、日本人にとってはまれながんです。一方で、2012年の日本における皮膚がんによる
死亡者数1,556人のうち約42%(652人)が悪性黒色腫によるもので2、皮膚がんの中で最
も悪性度が高いがんと言われています。悪性黒色腫の患者さんのうち、約30%に腫瘍増殖
に関与するBRAF遺伝子の変異が認められ3、遺伝子検査により、腫瘍にBRAF遺伝子変異
があるかどうかを判定し、その結果が予後診断や適切な治療法の決定において重要な役割
を果たします4。
BRAF阻害剤である「タフィンラー」は、ATP結合部位に競合的に結合することで、BRAF
キナーゼ活性を阻害します。アロステリックMEK阻害剤である「メキニスト」は、BRAF
によるMEK1/MEK2の活性化とそのキナーゼ活性双方を選択的に阻害し、がん細胞の増殖
を抑制します。この2剤を併用することで、BRAFキナーゼ活性とMEK1/MEK2活性を同時
に阻害することができ、より強い抗腫瘍効果を発揮することが期待されています。
ノバルティス ファーマ株式会社 代表取締役社長 ダーク・コッシャは次のように述べてい
ます。「『タフィンラー』と『メキニスト』の発売により、BRAF遺伝子変異を有する悪
性黒色腫患者さんに、新たな治療の選択肢を提供できることを嬉しく思います。私たちは
今後も希少疾患に対する治療薬の開発に積極的に取り組むとともに、患者さんのアンメッ
トニーズに応えてまいります」
BRAF V600遺伝子変異陽性で切除不能または転移性の悪性黒色腫の患者さんを対象に行
った海外第III相臨床試験BREAK-3試験において、タフィンラー単剤療法が既存の化学療法
に比べて優れた有効性をもつことが検証されていました5。その後、COMBI-v試験および
COMBI-d試験では、
「タフィンラー」単剤療法またはベムラフェニブ単剤療法と比較して、
「タフィンラー」と「メキニスト」併用療法での全生存期間(OS)におけるベネフィット
が実証され5,6、さらに日本人を対象とした国内第I/II相臨床試験(MEK116885試験)にお
いて、併用療法は国内の患者さんでも海外の患者さんと同様の有効性が期待できる結果が
示されました。
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「タフィンラー」単独投与による主な副作用は、脱毛症、発熱、関節痛です。「メキニス
ト」単剤投与による主な副作用は、発疹、AST(GOT)増加、下痢です。また、「タフィ
ンラー」と「メキニスト」の併用では、発熱、AST(GOT)増加、末梢性浮腫が主な副作
用として報告されています。
ノバルティス ファーマは、患者さんの安全性の確保と適正使用の推進を最優先に、新たな
治療選択肢となる「タフィンラー」および「メキニスト」をご提供し、BRAF遺伝子変異
を有する根治切除不能な悪性黒色腫の患者さんの治療に貢献していきたいと考えています。
「タフィンラー®」について
「タフィンラー」の単剤療法は、BRAF V600遺伝子変異を有する悪性黒色腫の治療薬とし
て、2013年5月に米国で最初の承認を取得し、欧州でも2013年8月に承認されました。2016
年2月現在、米国、欧州のほかにオーストラリア、カナダ等、55以上の国・地域で承認さ
れています。日本では、2015年4月22日に厚生労働省より希少疾病用医薬品(オーファン
ドラッグ)として指定され、2016年3月28日に製造販売承認を取得しました。
「メキニスト®」について
「メキニスト」の単剤療法は、BRAF V600遺伝子変異を有する悪性黒色腫の治療薬として
2013年5月に米国で初めて承認され、欧州でも2014年6月に承認されました。2016年2月現
在、米国、欧州のほかにオーストラリア、カナダ等、35カ国で承認されています。日本で
は、2015年4月22日に厚生労働省より希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)として指
定され、2016年3月28日に製造販売承認を取得し、タフィンラーとの併用においての使用
が認められました。
「メキニスト」は、日本たばこ産業株式会社(JT)と京都府立医科大学 酒井敏行教授が
共同で見出し、その後グラクソ・スミスクライン社によって開発されました。2015年、ノ
バルティスは、グラクソ・スミスクライン社のオンコロジー事業買収の一環として、全世
界において「メキニスト」を開発、製造、販売する独占的な権利をJTより取得しました。
JTは日本におけるコ・プロモーションのオプション権を保有しています。
併用療法について
「タフィンラー」と「メキニスト」の併用療法は、米国では2014年1月の迅速承認を経て、
2015年11月に正式に承認され、欧州でも2015年8月に承認を取得しました。2016年3月現
在、「タフィンラー」と「メキニスト」の併用療法は、米国のほか、オーストラリア、カ
ナダなど、35以上の国と地域で承認されています。
ノバルティス ファーマ株式会社について
ノバルティス ファーマ株式会社は、スイス・バーゼル市に本拠を置くヘルスケアにおける
世界的リーダー、ノバルティスの医薬品部門の日本法人です。ノバルティス グループ全体
の2015年の売上高は494億米ドル、研究開発費は89億米ドル(減損・償却費用を除くと87
億米ドル)でした。ノバルティスは約118,000人の社員を擁しており、世界180カ国以上で
製品が使われています。詳細はホームページをご覧ください。http://www.novartis.co.jp
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参考文献
1.
2.
3.
4.
独立行政法人統計センター 2015年
「がんの統計'13」公益財団法人がん研究振興財団
Ashida A, et al: J Dermatol Sci, 2012; 66: 240-242. Uhara H, et al: Int J Clin Oncol, 2014; 19: 544-548.
Melanoma Skin Cancer. American Cancer Society. Available at:
http://www.cancer.org/acs/groups/cid/documents/webcontent/003120-pdf.pdf. Accessed June 8, 2015.
5. Hauschild A, Grob JJ, Demidov LV, et al. Dabrafenib in BRAF-mutated metastatic melanoma: a ticentre,
open-label, phase 3 randomised controlled trial. Lancet. 2012;380:358-65.
6. Long GV, Stroyakovskiy D, Gogas H, et al. Dabrafenib and trametinib versus dabrafenib and placebo for
Val600 BRAF-mutant melanoma: a multicentre, double-blind, phase 3 randomised controlled trial [published
online May 30, 2015]. Lancet. 2015.
以上
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<参考資料>
1.「タフィンラー®カプセル」の製品概要
製品名:
「タフィンラー®カプセル50mg」(Tafinlar® Capsules 50mg)
「タフィンラー®カプセル75mg」(Tafinlar® Capsules 75mg)
一般名:
ダブラフェニブ メシル酸塩(Dabrafenib Mesilate)
効能又は効果:
BRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫
用法及び用量:
通常、成人にはダブラフェニブとして1回150mgを1日2回、空腹時に経口投与する。
なお、患者の状態により適宜減量する。
承認取得日:
2016年3月28日
薬価基準収載日:
2016年5月25日
薬価:
タフィンラー®カプセル50mg 4,860.60円
タフィンラー®カプセル75mg 7,156.50円
発売日:
2016年6月1日
製造販売:
ノバルティス ファーマ株式会社
*効能又は効果に関連する使用上の注意並びに用法及び用量に関連する使用上の注意は、
添付文書をご覧下さい。
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2.「メキニスト®錠」の製品概要
製品名:
「メキニスト®錠0.5mg」(Mekinist® Tablets 0.5mg)
「メキニスト®錠2mg」(Mekinist® Tablets 2mg)
一般名:
トラメチニブ ジメチルスルホキシド付加物(Trametinib Dimethyl Sulfoxide)
効能又は効果:
BRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫
用法及び用量:
ダブラフェニブとの併用において、通常、成人にはトラメチニブとして2mgを1日1回、空
腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
承認取得日:
2016年3月28日
薬価基準収載日:
2016年5月25日
薬価:
メキニスト®錠0.5mg 7,731.70円
メキニスト®錠2mg 29,021.00円
発売日:
2016年6月1日
製造販売:
ノバルティス ファーマ株式会社
*効能又は効果に関連する使用上の注意並びに用法及び用量に関連する使用上の注意は、
添付文書をご覧下さい。
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