資料2 市立川崎病院医療機能再編整備基本構想策定支援業務委託仕様書 1 委託業務の名称 市立川崎病院医療機能再編整備基本構想策定支援業務委託 2 履行期間 契約締結の日から平成29年3月31日まで 3 業務の目的 川崎市立川崎病院(以下、 「川崎病院」という。 )では、市内における人口増加と高齢 化の更なる進展に伴い、今後増加が見込まれる救急医療やがん診療などの医療需要に適 切に対応していくため、医療機能の強化・拡充が必要となっている。 しかし、現在の建物整備後に救命救急センターや地域周産期母子医療センター等を整 備してきたことなどから、施設内が狭隘化しており、更なる拡充を行うだけの余裕がな いため、増築及び改修の検討を行うこととした。 また、既存施設の建築後17年が経過しており、今後の経年劣化による病院機能の低 下を回避するとともに、省エネ化や災害拠点病院としてのエネルギーセキュリティの強 化に取り組むべく、平成27年3月に「市立川崎病院におけるスマート化の基本方針」 (以 下、「スマート化基本方針」という。 )を策定し、医療機能再編整備と一体的に推進して いくこととしている。 本業務はそうした視点を踏まえて、市の基幹病院としての今後の医療機能の在り方や 方向性とともに、建物等の整備内容や増築・改修方法を検討し、 「市立川崎病院医療機能 再編整備基本構想」 (以下、 「構想」という。 )を策定することを目的とする。 4 業務内容 「スマート化基本方針」、「川崎市立病院中期経営計画 2016-2020」(平成28年3月) (以下、 「中期経営計画」という。 )及び中期経営計画の策定に当たり平成27年度に実 施した外部環境調査や院内ヒアリングを含む内部環境調査の結果等を踏まえ、以下の業 務を行う。 なお、以下の(1)から(3)に記載する各業務は、作業の手順を指定するものでは ない。具体的に業務を進める上での手順については、契約締結後に作成する業務計画書 の中で受託者が提案するものとする。 (1)川崎病院の現状及び病院を取り巻く課題の整理分析 ア 今後の医療制度及び地域医療体制の見通し 現在、国が進めている医療制度の改革について整理を行い、今後の地域における 医療の在り方について取りまとめを行う。 1/6 イ 地域の医療需給の将来推計と課題の整理分析 地域の医療需給の将来予測を行い、地域が抱える課題について整理する。 ウ 川崎病院の現状と課題の整理分析 現行施設開院後の医療機能の推移について整理するとともに、川崎病院の強みや、 抱えている課題について、過去に行われた調査結果等を元に抽出、整理を行う。 ※ 上記アからウについては、 「中期経営計画」の作成に伴い平成27年度中に調査済 みの部分も相当程度あることから、本委託業務においては、それらの成果物を十分 に活用し、時点更新をはじめとした不足分の調査(情報収集や部門ヒアリングなど) を行うものとする。 エ 現施設調査(建築・構造・電気・設備など) 川崎病院の施設・設備について調査を行い、制約条件や病院が抱える施設・設備 面の問題・課題について整理を行う。 (ア) 法的な制約条件(建ぺい率、容積率、日影など) (イ) 物理的な制約条件(構造的制約、建築的制約:空きスペース、改修可能スペー スなど、設備的制約:動力電源を含む電源全体の容量や熱源容量など) (ウ) 「スマート化基本方針」に掲げるエネルギーセキュリティ確保、省エネ化、施 設・設備の中長期保全等を推進する上での課題 など ※(ウ)については、平成27年度に実施したエネルギー診断調査、ESCO事業 導入可能性調査、施設・設備の劣化診断調査の調査結果や、中長期保全計画(い ずれも受託者への貸与可能)を踏まえて課題整理を行うものとする。 オ 先行事例・類似事例調査 本件再編整備の検討を行うに当たり参考となる他病院の事例について調査する。 (2)病院将来像の企画立案 ア 川崎病院の在るべき姿の整理 (1)の調査を踏まえて、川崎病院が進むべき方向性や在るべき姿等について整 理を行う。 イ 川崎病院に求められる機能・規模(運営・施設)の整理 川崎病院が在るべき姿を達成するに当たって必要とされる機能・規模について整 理を行う。 機能の検討に当たっては、 「スマート化基本方針」、 「中期経営計画」 、院内ヒアリ ング結果のほか、地域医療計画や地域医療構想、地域包括ケアシステムにおいて果 たすべき役割を考慮するとともに、現在保有する未利用病床(66床)の活用策に ついても併せて検討する。 ウ 改修・増築後の診療体制検討 改修・増築を行った後の川崎病院で提供する主要な診療機能、診療体制について 検討・整理する。 2/6 エ 地域の医療機関等との連携方針の整理 改修・増築を行った後の川崎病院と地域の医療機関等の関係と紹介・逆紹介をは じめとした医療連携の在り方について整理する。 (3)改修・増築構想の検討・策定支援 ア 改修・増築方針立案 改修・増築の必要性を再確認するとともに、 (1)で整理した課題への対応策を盛 り込んだ形で、改修・増築方針を取りまとめ、整備手法について検討を行う。 また、「スマート化基本方針」に掲げるエネルギーセキュリティ向上、省エネ化、 施設・設備の中長期保全等を推進する上での対策も併せて検討する。 (ア) 災害拠点病院としての防災機能強化策、エネルギー確保策(浸水対策) (イ) 省エネ設備の導入及びESCO事業導入との切り分け・整合性確保 (ウ) 改修・増築コストの抑制手法 (エ) 中長期保全に係るコストの圧縮(一部修繕・更新の一括発注の検討) など イ 改修・増築の規模・内容等の比較検討 改修・増築の規模・内容、工期、部門のローリング計画等について比較検討する。 (ア) 拡充・移設する機能、部門別想定面積 (イ) 部門配置計画、動線計画 (ウ) 整備後の患者数、収益見込み、必要職員数 (エ) 増築する場合の建物概要(規模、構造、電気、設備など) (オ) 整備方法、工事発注手法、工期、概算工事費 (カ) ローリング計画、仮設計画 (キ) 立体駐車場の必要性 ウ など 概算事業費等の算出 上記イにおける検討結果に対し、事業費全体の概算を算出し、起債償還のシミュ レーションなど、財務諸表への影響を整理する。また、工事費以外にも委託料や手 数料など、いつどのような費用が発生するかも概算で算出する。 エ 収支予測の算出 機能拡充による収益増や、人件費・減価償却費等の費用増を勘案し、収支予測を 作成する。 オ 整備事業スケジュールの作成 「構想」策定から増築・改修の工事完了までの間に、工期から逆算していつまで に何を検討・決定し、作成する必要があるかや、必要となる手続き等を落とし込ん だ整備事業スケジュールを作成する。 また、ESCO事業導入についても併せて検討する。 (再編整備を前提としない導 入可能性調査は実施済みであることから、再編整備と整合性が取れる導入スケジュ ールを検討する。 ) 3/6 カ 基本計画図の作成 構想段階での配置図、平面図、立面図、日影図、パース等を作成する。 (4) 「構想」素案の作成 上記(1)から(3)までの調査・検討結果を踏まえ、12月中旬までに「構想」 素案を取りまとめる。なお、 「構想」素案作成後も庁内意思決定やパブリックコメント 等の策定手続きの中で、必要に応じて情報収集、調整、助言等のコンサルティングを 行うものとする。 (5)基本計画に向けた準備 平成29年度には「構想」に引き続き、基本計画の作成を予定していることから、 「構 想」素案とりまとめ後は、配置やローリング計画など構想内容の具体化に着手し、基 本計画策定のための課題整理等を行う。 5 構想策定スケジュール 契約締結から12月中旬まで: 「構想」素案の作成(中間成果物) 1月: 「構想」案の策定(庁内意思決定) 2月:市民意見募集(パブリックコメント) 3月: 「構想」の策定(庁内意思決定) ・公表・成果物納品 6 業務の実施条件等 (1)業務の遂行に当たっては、川崎市(以下「市」という。 )と十分な連絡を保ち、処理 方針については、市の指示及び承諾を受けるものとする。 (2)月1回程度の院内検討委員会のほか、必要に応じて関連するその他の会議・打合せ 等に出席し、説明・協議又はヒアリング等を行う。また、院内検討委員会以外の会議・ 打合せ等に出席した場合は、その摘録を作成し提出すること。 (3)業務の遂行に当たっては、関係法令等を遵守しなければならない。 (4)業務の遂行には、医療行政、病院整備及び運営に関し、高度な情報収集力、分析力 を要するため、受託者は相当な知識、経験、技術を有するスタッフを配置しなければ ならない。なお、本業務を担当するチームには、一級建築士を1名以上配置するもの とする。 (5)受託者は、市の保健・医療・福祉全般についての十分な理解のもとに業務を遂行し なければならない。 (6)本仕様書に記載がない事項であっても、受託者の専門的見地から「構想」に相応し いと考える項目がある場合には、市に対し提案するものとする。 (7)市は、受託者に対して情報の提供等、業務の円滑な遂行に協力するものとする。 (8)本業務の遂行によって生じる権利は、市に帰属するものとする。 (9)受託者は、業務により知り得た事項について、秘密を守り、他に漏らしてはならな 4/6 い。また、契約終了後においても同様とする。 (10)受託者は、業務の一部を第三者に再委託する場合には、事前に市の承認を得るもの とする。 (11)業務の遂行に当たり市が貸与する資料は、毀損又は滅失しないよう丁寧に扱い、契 約期間満了までに返却しなければならない。 7 成果物 本業務の成果物は、次のとおりとする。印刷物の書式、成果品の提出方法等について は、市と協議の上、決定する。 (1)業務委託報告書 本業務において実施した業務の内容をまとめたもの(作成した各種資料、議事録、 成果物等をまとめたもの) ア 紙媒体(A4版) 3部 イ 電子媒体(Microsoft office 形式 (図は PDF 及び JPG 形式)) 3部 (2) 「構想」本体 ア 紙媒体(A4版) 150部 イ 電子媒体(Microsoft office 形式 (図は PDF 及び JPG 形式)) 3部 (3) 「構想」概要版 ア 紙媒体(A4版) 150部 イ 電子媒体(Microsoft office 形式 (図は PDF 及び JPG 形式)) 3部 8 業務計画書の提出 (1)受託者は、契約締結後速やかに業務計画書を提出し、市の承諾を受けるものとする。 (2)業務計画書には、実施工程表や実施体制表(担当チームの構成、スタッフの役割分 担・本業務の関連資格など)を含めることとする。ただし、実施体制表は提案書に記 載した内容を下回ってはならない。 (3)業務計画書と併せて、担当チームに配置する一級建築士に係る一級建築士免許証の 写しを提出すること。その他の関連資格についても、市の求めがあれば証明書の写し を提出すること。 (4)作業工程が変更となる場合は、逐次、市と協議・調整を行った上で修正を加え、工 程管理を適切に行う。 9 その他 (1)成果物については、その全部または一部を広く市民に公表することとなるため、平 易な表現で、適宜、図表、写真、イラストを挿入するなど視覚的にわかりやすいもの とすること。 5/6 (2)本仕様書に定める事項について疑義が生じた場合及び受託業務の細目については、 市と受託者で協議の上決定するものとする。 6/6
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