カナダ –山火事が経済成長を下押し

2016年5月26日
カナダ
–山火事が経済成長を下押し–
<政策金利の推移>
<政策金利を据え置き>
5月25日、カナダ中央銀行は政策金利を0.50%に据
え置くことを決定しました。
声明文では「カナダの第2四半期のGDP成長率は、
アルバータ州の大規模な山火事の影響で石油生産が
停止し約1.25%程度下押しされる見通しであるが、
第3四半期には石油生産の再開や復興作業の開始に
伴い、経済は持ち直す」との見通しを示しました。
インフレ動向をめぐるリスクについては中央銀行の
予想通り概ね均衡しているとしています。
(%)
2.0
(2010/1/4~2016/5/25)
1.5
カナダ政策金利
1.0
0.5
0.0
10年
11年
12年
13年
14年
15年
16年
<カナダドルは上昇>
声明文の内容がそれほどハト派的ではなかったこと
から、カナダドルは対米ドル、対円ともに上昇しま
した。
5月25日の海外終値は、1米ドル=1.3020カナダド
ル、1カナダドル=84.63円となっています。
<今後の見通し>
山火事の影響で経済成長率が下押しされる見通しで
あるものの、その後は回復が見込まれることや、物
価動向も落ち着いていることから、中央銀行はしば
らく政策金利を据え置くと予想されます。
カナダ経済は、これまでのカナダドル安による非資
源セクターの輸出拡大や最大の貿易相手国である米
国経済の回復、経済対策を含む新年度予算による国
内景気のサポートなどにより、緩やかな回復基調を
辿ると予想されます。原油価格は一時の低水準から
回復しており、資源関連企業の業績回復も期待され
ます。
年初からリスクオフの動きが続いていましたが、原
油価格が持ち直すなど市場は徐々に落ち着きを取り
戻してきていることから、今後も経済の回復基調を
反映してカナダの通貨や株式は上昇基調を保つと予
想しています。
<カナダドルの推移>
(2013/1/1~2016/5/25)
(円)
110
(加ドル)
0.9
加ドル/円(左軸)
米ドル/加ドル(右軸)
1.0
100
1.1
90
1.2
1.3
(加ドル高)
80
1.4
(加ドル安)
70
1.5
13年
14年
15年
16年
<消費者物価指数>
5
(%)
(2013/1~2016/4)
カナダCPI(前年比)
4
カナダコアCPI(前年比)
3
2
1
0
13年
14年
15年
16年
※網掛けは中央銀行の政策目標
出所:Bloomberg
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