カナダ –政策金利据え置き、必要なら利下げ検討

2017年1月19日
カナダ
–政策金利据え置き、必要なら利下げ検討–
<政策金利の推移>
<政策金利を据え置き>
1月18日、カナダ中央銀行は政策金利を0.50%に据
え置くことを決定しました。ポロズ総裁は会見で
「米次期政権の政策などによってカナダ経済の下方
リスクが現実のものとなった場合は利下げを検討す
る」と述べました。
声明文では「カナダ経済は、設備過剰の状態にある
うえ、労働市場では弱さが見られる」と指摘してい
ます。また、個人消費は堅調に推移するものの、住
宅ローンのルール変更や市場金利の上昇により住宅
投資が冷え込むと予想しています。
(%)
2.0
1.5
カナダ政策金利
1.0
0.5
0.0
10年 11年 12年 13年 14年 15年 16年 17年
同時に発表された経済見通しでは、原油価格の上昇
や政府支出の押し上げ効果を見込み、2017年度の
成長率を前回の2.0%から2.1%へ引き上げました。
<カナダドルは下落>
政策金利の据え置きは市場予想通りでしたが、ポロ
ズ総裁の記者会見での発言を受け、カナダドルは対
米ドルで下落しました。
1月18日の海外終値は、1米ドル=1.3269カナダド
ル、1カナダドル=86.40円となっています。
<カナダドルの推移>
(2013/1/1~2017/1/18)
(円)
110
カナダ経済は、2016年7月に開始した子供手当支給
による消費の喚起やインフラプロジェクトによる設
備投資の押し上げ効果、原油価格上昇による関連産
業の回復などから、引き続き緩やかながらも回復の
方向に向かう見込みです。
トランプ次期米大統領はNAFTA(北米自由貿易協
定)の見直しを掲げており、カナダ経済にとっての
リスク要因となります。ただ、同氏が掲げる米国経
済の成長重視の政策は、隣国カナダの経済にとって
もプラスの影響をもたらすとの見方もあります。
カナダ経済の回復が見込まれることやOPECの減産
合意により原油価格が高値圏で推移していることな
どから、カナダドルは底堅く推移すると予想されま
す。
加ドル/円(左軸)
米ドル/加ドル(右軸)
(加ドル)
0.9
1.0
100
1.1
90
1.2
1.3
(加ドル高)
80
<今後の見通し>
(2010/1/4~2017/1/18)
1.4
(加ドル安)
70
1.5
13年
14年
15年
16年
17年
<消費者物価指数>
5
4
(%)
(2013/1~2016/11)
カナダCPI(前年比)
カナダコアCPI(前年比)
3
2
1
0
13年
14年
15年
※網掛けは中央銀行の政策目標
16年
出所:Bloomberg
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