竹本千重博士(2016年6月10日)

RNA 生物学分野セミナー(第1回)
リボソームの構造と機能
理化学研究所
ライフサイエンス技術基盤研究センター
構造・合成生物学部門
竹本
タンパク質機能・構造研究チーム
千重
博士
リボソームは全ての生物が保持している、直径およそ 300Å程度、分子量は 3MDa
を超える細胞内顆粒である。1950 年代に電子顕微鏡でその姿が捉えられた後、
タンパク質とRNAで構成されていることや、タンパク質を合成する装置であるこ
となどが明らかにされた。分子生物学の幕開けと共に、鋳型であるmRNAやアミ
ノ酸の運び手としてのtRNA、翻訳因子など様々なリガンドが発見され、それら
の結合位置が着々と同定された。2000 年には、原子分解能でリボソームのX線結
晶構造解析が報告され、2009 年のノーベル化学賞の受賞対象となった。2012 年
以降は、クライオ電子顕微鏡による高分解能解析が盛んになり、構造と機能に
関する知見が加速度的に集積しつつある。
本講演では、リボソーム上で起こるいくつかの反応について、rRNAとリガン
ドとの分子間相互作用を解説し、反応メカニズムについて議論したい。
2016 年 6 月 10 日(金)13:00 - 14:45 生命棟
連絡先:メディカル情報生命専攻
[email protected]
地下
セミナー室
RNA 生物学分野 富田耕造
内線 63611