FRONTIERSCIENCES RNA配列情報解析

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情報生命科学専攻
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,
浅井 潔教授
情報科学的な視点で生命現象をとらえる研究を通して、次世
代の生命科学の基盤となる情報技術、
計測技術を開発します。
またそうした融合研究を担える人材を育成します。
情報生命科学専攻
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RNA 配列情報解析
∼分子間相互作用の予測に向けて∼
細
胞内には、
様々な生体高分子があり
RNA分子(ヒトの
ますが、
その多くは他の分子と相互作
場 合、少なくとも10
用することによって機能を発揮しています。 万種 類)
のすべて
生体高分子の機能を予測するには、
その
の組み合わせ(50
生体高分子が他の分子とどのような相互
億通り)
に対して相
作用をするかを予測することが重要になり
互作用の有無を予
ます。
測することは、
計算
我々は、RNA分子の相互作用を予測し
量の面でも困難な
ようと試みています。RNA分子としては、
ゲ
課題です。我々は、
ノムDNAにコードされている遺伝子からタ
機 能 性RNAプロ
ンパク質へと翻訳される鋳型であるmRNA
ジェクト
(NEDO)
が古くから知られていましたが、
今まで意味
などで培ってきた
がないと思われていたタンパク質をコードし
RNA2次構造予測
ていないDNAが実際には機能性RNAとし
技 術 やRNA相 互
て多数転写され、
重要な役割を果たしてい
作用予測技術と、
産総研で開発された超
ることが明らかになってきました。機能性
高速な配列情報解析技術を組み合わせ、 密な計算(RactIP:http://rna.naist.jp/
RNAの多くは機能が未知なので、
その機能
超高速計算機も活用してRNA分子の網
ractip)
を行い、
さらに候補を絞り込みます。
を予測したいのです。我々は、
機能性RNA
羅的な相互作用予測に取り組んでいます。
これらの処理には膨大な計算量が必要と
の機能をバイオインフォマティクスの立場か
相互作用する可能性のあるRNA分子
されるため、京コンピュータ
(http://www.
ら明らかにするための基盤として、
高精度
の組を、
膨大な組み合わせの中から見つけ
aics.riken.jp)
を使っています。絞り込んだ
RNA2次構造予測
(CentroidFold)
をはじ
るために、
まず、
一定以上の長さの相補塩
候補に対しては、
立体構造を考慮した分子
めとする数多くのソフトウェアと機能性RNA
基列を持つRNA分子の組を網羅的に探
シミュレーションを試みています。
データベース
(f RNAdb)を開発しました
します。相互作用するRNA分子同士は連
機能性RNAの多くは、
タンパク質分子と
続した相補塩基対を形成する場合が多
も相互作用し、
その複合体が機能を発揮
機能性のRNAの多くが共通に持ってい
いからです。この作業には、
塩基長の合計
します。snoRNA、miRNAでは、RNA
る特色は、塩基配列の相補性を利用して
に対してほぼ線形な計算時間で済む、
超
が標的RNAの認識を担当し、
標的RNAの
他のRNA分子を特異性高く認識すること
高速な配列情報解析技術が活躍します
修飾・切断などの機能はタンパク質が担っ
です。RNA分子内で相補塩基対
(水素結 (LAST:http://last.cbrc.jpというソフト
ています。したがって、
機能未知のRNAが
合によるA-U、G-Cなどのペア)
を構成する
ウェアを使っています)
。分子内の2次構造
形成する複合体の機能を知るには、
相互
2次構造と言われる構造と同様に、
機能性
で強い塩基対を形成すると予測される
(エ
作用するタンパク質が何であるかを知るこ
RNAは他のRNAと連続した相補塩基対
ネルギーモデルに基づいた塩基対確率が
とが重要であり、RNA同士の相互作用は
を作り、
結合することによって相手を識別す
高い)
部分は、
他のRNA分子と相互作用し
標的RNA予測に役立つわけです。そのよ
るのです。
にくいと考えられるので、
そのような部分は
うなわけで、
我々はRNA分子間の相互作
特定の2個のRNA分子の相互作用を予
あらかじめ検索範囲から除いておきます
用だけでなく、
タンパク質立体構造の専門
。得
測すること自体も容易ではありませんが、
潜 (Raccess:http://www.ncrna.org)
家と共同で、RNA−タンパク質の相互作
(http://www.ncrna.org)
。
在的に転写される可能性のある多数の
図:RNA 間相互作用予測パイプラインの概念図
られたRNA分子の組に対して、
分子内の
塩基対と分子間の塩基対に関するより精
用予測にも取り組んでいます。
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