「学級づくり」も「授業」を通してやると良いというのが私の主張で

算数授業で学級づくり〜1年
3口の足し算〜
京都教育大学附属桃山小学校
樋口万太郎
学校で過ごす大半の時間が「授業」です。だから、
「学級づくり」も「授業」を通してやると良いというのが私の主張で
す。
学級づくりをしてから授業で子供達に力をつけるというの
ではなく、学級を作りながら子どもたちに力をつけるとい
った同時進行といった感じです。基礎・基本の力と思考
力・判断力・表現力を同時に育てるということと似ていま
す。具体的な手立てや実際の授業実践などは、東洋館出版
社より発売している「算数授業で学級づくり〜つながる学
習でクラスが変わる!〜」(右写真参照)をご覧くださ
い。今回は、1年生で相手の考えや気持ちについて考える活動を意図的に取り
入れた実践について紹介します。
【授業展開】
(1)問題を把握する。
T「今日はこの問題(右の問題)について考えます。」
7+□+8
T「答えはどうなりますか?」
C「わからないよー」
C「このままではだせないよー」
T「どうして答えをだせないのかな?」
C「だって、□が何の数かわからないから。」
T「ということは□に入る数がわかったら、答えが出るんだね。
じゃあ、□にどんな数をいれたらみんなは嬉しい?ノートに書いてごら
ん。」
(2)ノートに□にいれたい数とその理由を書く。
(3)どんな数をいれたのかを交流する。
T「□にどんな数をいれましたか?」
※ 私が授業をしたときには、「0」「1」「2」「3」「5」「85」といった数
がでてきました。数を発表させて終わりではなく、
T「どうして◯◯くんは、この数をいれたと思う?」
と全体に問い返し、考えさせました。
・「2」や「3」をいれることで、「10」ができるため、計算しやすい。
・「5」は「7+8=15」と出した上で、20にするために。
・「85」は100にするために。
といった友達の考えを理解させた。基本的にはどのような数でも認めていた
が、「1」については子どもたちの中でも意見がわかれた。