審 査 結 果 の 要 旨

審
査 結 果 の
要 旨
論文題目 「Microangiography Using Monochromatic Synchrotron Radiation
and Inverse-Compton Scattering X-ray.」
(放射光及び逆コンプトン散乱 X 線を用いた微小血管造影に関する検討)
学位申請者
藤井 敏晴
本論文は、放射光を用いた微小血管機能解析を主体とする論文および放射光よりも簡便な逆コンプト
ン散乱 X 線を用いた微小血管造影に関する検討論文の 2 論文を一体とした学位論文である。
申請者は冠動脈疾患の動脈硬化と血栓性閉塞を病態とする心筋梗塞の症例を多くみる経験の蓄積とと
もに、冠動脈に動脈硬化が出現する前に微小血管の動脈硬化を捉えることにより早期介入、予防の可能
性を見出すべく本研究を施行した。
本論文に対して、各審査委員から次のような質疑がなされた。
1)本研究にて対象とした直径 100 µ 程度の血管の刺激応答と冠動脈直径数 mm の血管の刺激応答の
類似と差異。
2)直径 100 µ の血管反応の臨床的意義
3)放射光と逆コンプトン散乱光を用いた実験の類似と差異
4)これらの光の種類と性質に関する基本的理解
5)実用化に対する将来展望
これらの質問に対して申請者は、自身の研究から得られた知見と文献的な考察、さらには本人のこれ
までの臨床経験によって育まれた知識とを駆使して充分な議論を行い、自身の研究の限界と今後の研究
の必要性も充分に理解した上で、的確かつ詳細な答弁を行った。また質疑応答を通じて、光工学の医学
応用ならびに関連医学領域に関する幅広い知識と考察力が備わっていることが伺え、今後の研究の発展
に大きな期待が寄せられた。
以上の結果、本論文は学位論文として十分な内容を有するものと審査委員全員の一致で判定された。
したがって、申請者 藤井 敏晴 は東海大学博士(医学)の学位を授与されるに値すると判断した。
論文審査委員
主査 博士(医学) 後藤
信哉 医学部教授 (医学研究科先端医科学専攻)
委員 医学博士
英三 医学部教授 (医学研究科先端医科学専攻)
盛
委員 博士(医学) 橋本
順 医学部教授 (医学研究科先端医科学専攻)
委員 博士(医学) 長谷部 光泉 医学部教授 (医学研究科先端医科学専攻)
委員 博士(医学) 吉岡 公一郎 医学部准教授(医学研究科先端医科学専攻)