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第 章
6 高齢者の生活環境
1
高齢化の状況
○高齢者の約 8 割は現在の住居に満足している
・60 歳以上の高齢者に現在の住宅の満足度について聞いてみると、
「満足」又は「ある程度満足」
している人は総数で 76.3%、持家で 79.1%、賃貸住宅で 56.6%となっている(図 1 − 2 − 32)
。
図 1 − 2 − 32 現在の住居に関する満足度
0
10
総数
20
30
40
50
31.9
持家
60
70
80
44.4
34.6
90
100(%)
15.0
44.5
4.8 1.3 2.6
14.2
3.7
2.2
22.6
44.1
12.9
4.8
3.0
節 高齢者の姿と取り巻く環境の現状と動向
12.5
賃貸住宅
第
0.9
2
ある程度満足している
満足している
やや不満である
わからない
不満である
無回答
資料:内閣府「高齢者の日常生活に関する意識調査」
(平成 26 年)
(注)対象は、全国 60 歳以上の男女
○交通事故死者数に占める高齢者の割合は 5 割を超える
・65 歳以上の高齢者の交通事故死者数は、平成 27(2015)年は 2,247 人で前年より微増、交通事故
死者数全体に占める割合は 54.6%となった(図 1 − 2 − 33)
。
図 1 − 2 − 33 年齢層別交通事故死者数の推移
交通事故死者(人)
9,000
(人口10万人あたり死者数)
14
12.9
12.4
8,000
12
11.5
7,768
10.7
7,436
7,000
10.0
6,937
10
8.9
6,415
6,000
8.6
8.4
4,979
4,948
5,796
5,000
7.8
5,209
4,691
4,000
3,000
3,140
(40.4)
3,077
(41.4)
2,955
(42.6)
2,000
2,840
(44.3)
2,749
(47.4)
7.4
7.2
4,438
4,388
8
6.6
6.6
4,113
4,117
4
2,523
(48.4)
2,483
(49.9)
2,489
(50.3)
2,309
(49.2)
2,279
(51.4)
2,309
(52.6)
2,193
(53.3)
1,000
0
15
16
17
18
19
6
20
21
22
23
24
25
26
2,247
(54.6)
2
0
27(年)
総数
65歳以上
高齢者(65歳以上)人口10万人に対する交通事故死者数(右軸)
資料:警察庁統計、総務省「人口推計」より内閣府作成
(注)( )内は、交通事故死者数全体に占める 65 歳以上人口の割合。
29
○高齢者の犯罪者率は減少傾向、被害に遭う割合は増加傾向
・平成 26(2014)年の 65 歳以上の高齢者の刑法犯の検挙人員は、16(2004)年と比較すると、約
1.3 倍となっているが、犯罪者率は 19(2007)年にピークを迎えて以降は低下傾向となっている
(図 1 − 2 − 34)
。
・また、26 年における高齢者の刑法犯検挙人員の包括罪種別構成比をみると、窃盗犯が 73.1%と 7
割を超えている。
図 1 − 2 − 34
高齢者による犯罪(高齢者の包括罪種別検挙人員と犯罪者率)
(人)
90,000
(人)
250
窃盗犯
粗暴犯
知能犯
凶悪犯
風俗犯
その他
犯罪者率(人口10万人当たりの検挙人員)
(右軸)
80,000
200
70,000
175.3
176.9
172.9
165.8
60,000
162.8
163.4
48,145
48,621
157.7
157
147.5
50,000
46,637
48,597
48,786
48,102
144.9
143.1
46,226
47,214
48,544
150
42,108
40,000
36,696
100
30,000
20,000
10,000
24,204
27,333
31,573
33,276
33,055
34,355
35,429
35,659
29,953
34,060
18
19
20
21
22
23
24
25
34,518
0
50
0
16
17
26(年)
資料:警察庁統計より内閣府作成
・犯罪による 65 歳以上の高齢者の被害の状況について、刑法犯被害認知件数でみると、平成 14
(2002)年にピークを迎えて以降、近年は減少傾向にあるが、高齢者が占める割合は 26(2014)
年は 13.4%と、増加傾向にある(図 1 − 2 − 35)
。
30
第 章
図 1 − 2 − 35 高齢者の刑法犯被害認知件数
1
(件)
4,000,000
3,500,000
12.9
13.4
高齢化の状況
(%)
16
14
11.8
11.4
3,000,000
10.4
2,486,055
2,405,710
9.3
9.3
9.2
9.1
8.6
8.4
2,407,4572,190,179
1,919,609
2,000,000 2,141,037
2,500,000
9.5
9.9
10.3
12
10.7
10
8
1,716,254
1,581,526
1,500,475
1,404,846
1,303,397
1,214,506
1,132,5431,061,851
1,500,000
1,000,000
6
974,013
500,000
4
第
2
184,638 202,662 225,095 223,720 201,168 178,881 163,325 156,271 156,280 145,224 139,652 137,905 133,779 137,138 130,305
平成12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
節 高齢者の姿と取り巻く環境の現状と動向
0
2
0
26(年)
全被害認知件数(人が被害を受けたもの)
高齢者被害認知件数(65歳以上)
全被害認知件数に占める高齢者被害認知件数の割合
資料:警察庁の統計より内閣府作成。
○日常情報の情報源は「テレビ」が最も多く、ICT を利用している人は 3 割未満
・65 歳以上の高齢者が日常生活に関する情報をどこから得ているかについて、「テレビ」が 79.0%
と最も多く、次いで「新聞」が 63.8%となっている(図 1 − 2 − 36)
。
・インターネットやスマートフォンなどの情報端末(ICT)を普段の生活で利用しているかについ
て、「利用している」(
「積極的に利用している」と「たまに利用している」の合計)とする人は
26.0%となっている(図 1 − 2 − 37)。
・「利用していない」
(「全く利用していない」と「あまり利用していない」の合計)とする人の
ICT の利用の意向についてみると、約 2 割(18.2%)が「利用したい」
(「積極的に利用したい」
と「たまに利用したい」の合計)としている。
31
図 1 − 2 − 36
日常生活情報の情報源(3 つまでの複数回答)
0
10
20
30
40
50
60
70
(%)
90
80
38.2
家族
34.1
42.0
28.9
友人、近所の人
21.5
35.8
79.0
80.1
78.0
テレビ
14.2
16.3
12.3
ラジオ
15.8
インターネット、
携帯電話
22.7
9.3
63.8
新聞(タウン誌を含む)
68.5
59.4
6.2
6.5
5.9
雑誌
19.1
17.3
20.8
チラシ、折り込み、
ダイレクトメールなど
4.6
5.1
4.1
職場
その他
0.8
0.8
0.8
特にどこからも
得ていない
0.8
0.6
0.9
総数
男性
女性
資料:内閣府「高齢者の日常生活に関する意識調査」
(平成 26 年)
(注)対象者は 60 歳以上の男女
図 1 − 2 − 37
ICT の活用について
無回答 3.3
分からない 3.4
積極的に利用
している
9.7
たまに利用
している
利用
している 16.4
(計)26.0
利用していない
(計)67.2
資料:内閣府「高齢者の日常生活に関する意識」
(平成 26 年)
(注)対象者は 60 歳以上の男女
利用したいと思わない 無回答 0.6
たまに あまり利用したい 全く利用したいと わから
利用しない
利用したい とは思わない
は思わない
ない
(計)
16.1
32.5
33.2
15.4
あまり利用
していない
12.6
全く利用していない
54.6
32
利用したい
積極的に利用したい 2.1
0
20
40
60
80
100(%)
第 章
○頼れる人がいない一人暮らしの男性が多い
1
・65 歳以上の一人暮らしの高齢者が、病気などの時に看護や世話を頼みたいと考える相手につい
高齢化の状況
て、「あてはまる人はいない」とする人は、子供のいない男性で 35%と最も多くなっている(図
1 − 2 − 38)。
図 1 − 2 − 38 頼りたい人(看護や世話)
1.6
男性
子あり
41.0
男性
子なし
18.1
5.4
9.6
6.8
3.4
10.6
5.6
6.7
3.5
2.9
13.1
21.5
22.6
35.0
第
1.5
58.2
女性
子なし
9.3
35.4
0
10
13.3
20
30
0.5
40
10.3
50
7.3
4.1
4.1
60
9.5
4.4 2.1
16.4
70
9.3
節 高齢者の姿と取り巻く環境の現状と動向
女性
子あり
2
11.7
21.5
80
90
100(%)
子(息子・娘)
兄弟姉妹・親戚
友人
ヘルパーなどの介護サービスの人
子の配偶者(婿、嫁)
近所の人
親
その他の人
そのことでは頼りたいと思わない
あてはまる人はいない
資料:内閣府「一人暮らし高齢者の意識に関する調査」
(平成 26 年)
(注)対象は 65 歳以上の一人暮らしの男女
○単身世帯の高齢者の 4 割以上が孤立死を身近な問題だと感じている
・誰にも看取られることなく、亡くなった後に発見されるような孤立死(孤独死)を身近な問題だ
と感じる(「とても感じる」と「まあ感じる」の合計)人の割合は、60 歳以上の高齢者全体では
2 割に満たないが単身世帯では 4 割を超えている(図 1 − 2 − 39)
。
・死因不明の急性死や事故で亡くなった人の検案、解剖を行っている東京都監察医務院が公表して
いるデータによると、東京 23 区内における一人暮らしで 65 歳以上の人の自宅での死亡者数は、
平成 26(2014)年に 2,891 人となっている(図 1 − 2 − 40)
。
・独立行政法人 都市再生機構が運営管理する賃貸住宅約 75 万戸において、単身の居住者で死亡
から相当期間経過後(1 週間を超えて)に発見された件数(自殺や他殺などを除く)は、平成 26
(2014)年度に 186 件、65 歳以上に限ると 140 件となっている。(図 1 − 2 − 41)
。
33
図 1 − 2 − 39
孤独死*を身近な問題と感じるものの割合
0
総数
20
4.2
単身世帯
13.1
それ以外 2.4
60
80
35.6
14.6
夫婦二人世帯 3.3
40
30.8
11.3
44.5
27.8
まあ感じる
4.0
44.6
35.2
とても感じる
2.6
22.7
38.4
10.0
100
(%)
2.5
49.9
あまり感じない
2.4
まったく感じない
わからない
資料:内閣府「高齢者の健康に関する意識調査」
(平成 24 年)
(注)対象は、全国 60 歳以上の男女
*本調査における「孤独死」の定義は「誰にも看取られることなく亡くなったあとに発見される死」
図 1 − 2 − 40
東京 23 区内で自宅で死
亡した 65 歳以上一人暮
らしの者
(件)
250
(人)
3,500
3,000
図 1 − 2 − 41 単身居住者で死亡から相
当期間経過後に発見され
た件数
2,869
2,891
2,733
2,618
2,913
2,361
2,211
2,194
1,892
1,860
2,000
1,669
1,451
2,500
200
150
220
200
184
194
186
65
46
129
140
25
26
(年度)
63
52
69
132
131
平成22
23
100
50
157
1,500
0
1,000
65歳以上
500
0
平成15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26(年)
資料:東京都福祉保健局東京都監察医務院「東京都 23 区内にお
ける一人暮らしの者の死亡者数の推移」
(注)平成 26 年は速報値
34
24
65歳未満
※(独)都市再生機構が運営管理する賃貸住宅で、
「団地内で
発生した死亡事故のうち、病死又は変死の一態様で、死亡
時に単身居住している賃借人が、誰にも看取られることな
く賃貸住宅内で死亡し、かつ相当期間(1 週間を超えて)発
見されなかった事故(ただし、家族や知人等による見守り
が日常的になされていたことが明らかな場合、自殺の場合
及び他殺の場合は除く。)」を集計したもの。
第 章
○東日本大震災における高齢者の被害状況
1
・岩手県、宮城県、福島県の 3 県で収容された死亡者は、平成 23(2011)年 3 月 11 日から 28(2016)
高齢化の状況
年 3 月 11 日までに 15,824 人にのぼり、検視等を終えて年齢が判明している 15,749 人のうち 60 歳
以上の高齢者は 10,404 人と 66.1%を占めている(図 1 − 2 − 42)
。
図 1 − 2 − 42 年齢階級別死亡者数
(人)
12,000
10,404
10,000
8,000
第
節 高齢者の姿と取り巻く環境の現状と動向
6,000
2
3,900
4,000
3,485
3,019
1,932
2,000
468
425
520
0 ∼ 9歳
10 ∼ 19
20 ∼ 29
861
1,139
0
30 ∼ 39
40 ∼ 49
50 ∼ 59
60 ∼ 69
70 ∼ 79
80歳以上
60歳以上
(再掲)
資料:警察庁「東北地方太平洋沖地震における検視等実施・身元確認状況等について【23.3.11∼28.3.11】」より
※検視等を終えて年齢が判明している者を集計
35