平成28年熊本地震によせて 陸上自衛隊最先任上級曹長に上番して、初の海外出張中に熊本地震を知った。場所はア メリカ(テキサスエルパソ)、日時は日本時間のマイナス約15時間、13日0700頃で あった。地元が熊本のため家族の安否だけは直に確認して16日夕に帰国、その後会議等 で地震の被害状況を詳しく知ることとなった。 陸幕長より、現況把握のため熊本へ行くよう命ぜられ19日1650西方総監部へ到着。 JTFCSM木村准尉より、被害状況・部隊配置・活動内容・隊員士気等の報告を受け、 改めて生まれ育った熊本の被災した詳細を再確認した。翌20日から益城町~南阿蘇、2 1日八代市~宇城市、22日大矢野演習場~北熊本駐屯地~黒石演習場を実視した。 現況把握の中では、自身も被災しているにも関わらず生活支援を行う隊員、北方・東北 方・東方・中方からの長距離移動直後に現地との調整・地形偵察・宿営準備等を行なう隊 員、演習場整備実施中の現場から直接人命救助を行なっている部隊、また、熊本の各駐屯 地・演習場では他部隊を受け入れる隊員等、それぞれが自分の任務に実直に当たっていた。 そして自分達の辛さを出すことなく、被災者等へ対して笑顔を見せて全力で任務を行なっ ている隊員の姿に感動を受けた。さらに、現場の隊員だけではなく縁の下の力となってい る各駐屯地で警護任務等、その他の勤務を行なっている様々な隊員により被災地が復旧復 興できるのだと大きな視野を持つことができた。勿論、陸上自衛隊ばかりではなく、海空 自衛隊を含め、全ての自衛隊隊員の活躍が震災だけではなく日本を守っていると感じた現 況把握となった。 今回の熊本震災で得た教訓は、その場で出来たことと出来なかったことがある。今後の 上級曹長制度の中で、若しくは会同等で必ず活かし事後の指揮官補佐・准曹士教訓として 進化させて行きたい。 最後に、まだ余震の続く被災地の一日も早い復旧と隊員家族の安全を祈念する。 陸上自衛隊最先任上級曹長 川畑博盛
© Copyright 2024 ExpyDoc