Title Author(s) Citation Issue Date URL 日本語言語材料の研究( Abstract_要旨 ) 今栄, 国晴 Kyoto University (京都大学) 1965-09-28 http://hdl.handle.net/2433/211644 Right Type Textversion Thesis or Dissertation none Kyoto University 晴 国 栄 舶士 学 育 印博 え 学 位 の 種 類 令 ?敬 氏 1 学 位 記 番 号 教 学位授与の 日付 昭 和 40 年 9 月 28 日 学位授与の要件 学 位 規 則 第 5 条 第 1 項 該 当 研 究 科 ・専 攻 教 育 学 研 究 科 教 育 万 法 学 専攻 学位論文題目 日本語 言語 材料 の研究 論 文 調 査 委員 教 授 佐 藤 幸 治 (主 博 第 号 査) 論 文 内 教 授 下 程 勇 吉 容 の 要 教 授 倉 石 精 一 旨 本論文は, 教育心理学 の重要 な領域を しめ る学習の研究 において, 研究遂行上不可欠 な言語材料を とり あげ, その諸特性 を総合的体系的に分析 した ものである。 論文 は下記 のよ うな 3 編 よ り構成 されてい る。 第 1編 日本語 2 字 音節の研究 ここでは 日本語 2 字 音節の中か ら200 個を抽 出 し, これ について下記のよ うな11の特性を求 めた。 1. 出現頻度 5. 有意味度 9. 発音性 2. 語頭頻度 3. 語 乗数 4. 無連想価 6. 7. 学習難易度 8. 1 字連想 10. 熟知度 評定有意味度 11. 感情性 これ ら11の特性 についての測定値 について, さらに因子分析 を行 な った結果, 2 因子が抽出された。 第 1 因子 は学習難易度, 評定有意味度, 無連想価, 有意味度 な どに負荷が高 か ったので, 「意味性因子」 と 名づ け られ た。 第 2 因子 は, 出現頻度, 語 頭頻度, 語乗数, 1 字連想, 熟 知度 に高 い負荷が あ ったので 「頻度因子」 と名づ け られた。 さ らに両 因子が実験場面 において も有効 に働 らくか どうかをみ るため に, 対連合学習の反応 語 に お い て, 意味性 (無連想価 で代表) と頻度 ( 出現頻度) を変数 として実験を行 ない, それぞれ有効 な実験変数 であることをた しかめた。 第2編 日本語 1 字 音節の研究 1 字 音節 について は, まず可読閥を実験 的に調べ, さらに読 み易い文字 で構成 された 2 字音節 は, 読み 難い文字のそれ よ りも認知閥が低い ことを見 出 した。 また ここで も 2 字音節 と同様 に特性を分析 し, 13特性 (有意味度, 出現頻度, 反応種類数, 1 宇 目 2 字 音節総連想価, 1 宇 目語 頭部分頻度, 2 宇 目M 連想比, 2 宇 目N 連想比, 2 宇 目 2 字音節総連想価, 2 宇 目 2 字音節総有意味度, 2 宇 目語頭部分頻度, 語 頭率, 首位率) について因子分析を した結果, - 21 - 「 1宇 目 因子」 と 第3編 「2 宇 目因子」 が抽出された。 日本語近似系列の研究 ここでは, 情報理論 的な測度で ある近似度を操作 して 6 実験を行 ない, 文章や系列の段階では, 近似度 が 1 つの重要 な変数であることを見 出 した。 また 日本語 の平均情報 量 と冗長度 も測定・されてい る。 以上のよ うな, 2 字 音節, 1 字 音節, 系列 (文章) の 3 層 にわた って分析 された。 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 本論文 は, 言語学習の基礎研究をめ ざ した ものであ って, 言語 学習の心理学的研 究 に常用 され る言語材 料の諸性質を, 日本語 について体 系的に測定 し, これを規定す る変数を明確 に し, 今後 の心理学的研究 に 対 して, 材料面 での条件設定をよ り確実, よ り容易な らしめん とした ものである。 本研究 は, 単語 のモデル として 日本語 2 字音節 を とり, その諸性質 の測定を中心 としてい るが, さらに 単音節 として清音 1 字 音節, 及 び文章のモデル として近似系列 によ る文章材料 についての測定及 び実験的 研究を加えて, 日本語言語材料 の総合 的な研究を意図 してい る。 本論文の意義は, 従来散発的部分的に測定 されていた言語材料 の性質を, 11個の測度 によ り評定 し, 相 互 の関係を明 らかに し, 複雑 な諸特性 の整理を行 な った点 にある。 11個の測度の中には, 本研究者の創案 によ る語頭頻度 とい う測定値 も含 まれてい るが, これ ら11個の特性 の因子分析を行 ない, それぞれ意味性 因子, 頻度因子 と名づ ける 2 個 の因子を抽出 した。 言語材料の諸特性 が このよ うな 2 因子 に整理 された こ とは, この論文を もって最初 とす る。 さらに本論文 は この 2 因子を学習実験 の変数 として, 実際 に使用 した場合 の妥当性 を検討 しその実用性 を証明 してい る。 なお 1 字音節 については, 学習心理学的研究が まだ進め られていなか ったが, この研究 によ ってその性 質 についての新知見が提供 された。 本研究 は, 言語学習の基礎研究 として, 今後 の教育心理学的研究 の発展 に套す ること多大 な ものがある と考 え られ る。 よ って, 本論文 は教育学博士の学位論文 として じゅうぶん価値 あ るもの と認め られ る。 - 22 -
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