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別紙
「エシカル消費」について
1
背景・目的
「エシカル消費(思いやり消費、倫理的消費)」は、近年、注目され始めた考え方で国内でも
関心が高まる中、昨年度、消費者庁において「倫理的消費」調査研究会が設置され、エシカル消
費に関する調査・研究が行われています。
鳥取県でも、このような動きに連動し、県民へのエシカル消費の重要性及び必要性について理
解の促進を図ることが重要であると考え、平成28年3月に策定した「鳥取県消費者教育推進計
画」にも明記し、様々な場面において一体的に啓発を行うことにより、この消費行動を県民に浸
透させていきたいと考えています。
2
エシカル消費の定義
○
エシカルとは、ethic「道徳、倫理」の形容詞で、「道徳的な、倫理的な」という意味で
す。また、エシカル消費とは、人や社会、環境への配慮など、広範な社会問題や社会責任に
配慮した消費行動を指し示す言葉として機能しています。
○エシカル消費の第一人者である東京大学名誉教授の山本良一氏は、エシカル消費を下表のと
おり分類しています。
配慮分野
具体例
環境への配慮
地域への配慮
・グリーン購入
・障害者の作った製品
・地産地消
・自然エネルギー利用
・製品の製造段階・流通段階
・地元商店街での買い物
・エコマーク付き商品
で児童労働などの社会問題や
・有機農産物
環境問題を引き起こしていな
・国産材使用
い製品
・車のレンタル・シェア
など
○
社会への配慮
・応援消費
など
・フェアトレード製品
など
従来の「エコ」や「グリーン」などの言葉は、環境への配慮を示すことができましたが、
社会問題全体を扱うことはできませんでした。
また、健康と持続可能性を重視するライフスタイルである「ロハス」の場合も、社会問題
全般を扱うにはやや範囲が狭いものでした。
一方で「エシカル」は、これらの言葉がカバーできなかった「広範な社会問題や社会責任」
を一言で表せるものです。
3
エシカル消費の可能性
○
消費者は単に自己の利益だけではなく、国内のみならず国境を越えた他国の人々や、時間
を越えた子孫のことまでも考慮した商品選択を行うことが求められています。つまり、製品
の生産者である企業のみならず消費者にも環境配慮、社会配慮の社会的責任があると言えま
す。
○
製品やサービスを選択するその瞬間こそが、消費者が世界を変える瞬間であり、エシカル
な消費を心がけることにより、従来より、環境、社会、地域に配慮した製品が市場で競争力
を持つようになり、社会を持続可能な方向に動かすことができるものと考えます。
(
参
考
)
■倫理的消費調査研究会
○
平成 27 年5月、消費者庁において設置。山本 良一 氏(東京大学名誉教授)を座長に 27
名の委員で構成。鳥取県から、平井伸治知事が委員として参加。
○
倫理的消費の必要性とその効果、倫理的消費の実態調査、倫理的消費の度合い(エシカル
度)を計る基準・指標、倫理的消費を広く普及させていく上での課題と対応などについて把
握・検討を行い、併せて啓発行動の具体化を図るとされている。
○
2か月に1回程度開催され、平成 28 年度末までに報告書としてとりまとめられる予定。
■平成 27 年度に鳥取県が実施したエシカル消費に関係した啓発事業
・倫理的消費(エシカル消費)地区別研修会(H27.9.29、30)
・21 世紀型の新しい消費のあり方を考えるシンポジウム(H27.10.30)
・エシカル消費に関するメディアミックス広報(H28.3.16~25)