Title 研究課題(異文化間教育での取り組み 家庭科部会)( fulltext ) Author(s) Citation Issue Date URL Publisher Rights 研究紀要/東京学芸大学附属大泉小学校, 25(1): 78-79 2014-01-00 http://hdl.handle.net/2309/145056 東京学芸大学附属大泉小学校 [家庭科部会] 回研究課題 1 めざす児童像 家庭科は,生活している場が学習の場であるが,家族構成,ライフスタイルの多様化により,児 童によって生活経験や技能の差が大きく,学習の中で多くの実践的・体験的活動をさせることが大 切であると考える。 そこで,家庭科部会では,本校の目指す児童像を次のように掲げた。 ○生活経験の違いに目を向け,自分たちでよりよい生活を創っていこうとする子 ○さまざまな生活経験の中から,問題を解決するための見通しをもち,解決へ向けて実践して いこうとする子 ○他者と関わることで自分とは異なった多様な見方や考え方を知り,自らの考えを主体的に表 現し,話し合おうとする子 2.家庭科で行う異文化間教育 (1)3つの力を育む授業 家庭科の学習においては,技能の習得をめざした活動が多く, 「できなかったことができるよう になった。」というように自分の成長を自覚する場面を多く設定できる。学習指導要領でも2学年 間の家庭科の学習内容の見通しをもつためのガイダンスを扱う項目が設けられ,なりたい自分を想 像し,目標を立て,その目標に向けて学習を進めるという学習の流れも,自分の変容に気付くこと になる。 また,学んだことを実生活や現実社会に生かしていくという点も家庭科では重視している。自分 の生活や家庭生活の中から得た課題を学習の中で解決し,見いだした解決法や他者や異文化と関わ る中で発見した改善方法を用いて、自分や家族の生活をよりよいものにしていく。このような学習 のサイクルを繰り返し経験させることで,自ら進んでより豊かな生活を目指した行動をとれるよう になっていくと考える。 このように,他者や異文化と関わる中で自己を磨く児童の姿を常に意識しながら,家庭科の指導 を進めていく。 【家庭科の異文化間教育の学習過程における「グローバル社会に生きる力」の位置づけ】 1−−−−− ロh−−ロロ−−−−−−−−− ny−コ−−ロ−ロ−− −−−− ’ロ ロ ロ ロロ−−−■’■−−−−−−コ−−の−−ロ−−− ロロ− 1 家庭生活の中における新たな出会い 1 1_一__一一“●一一一一一一一一一■一一_一一一“.一__一一_____一__________一_________一猶=エ答■mロ鼻賃“胤万垣硯■一一一______1 「互言声燕王天凝三二蹴;噸翫唖三「③ 1 1_一___垣一一一一一一一一一一一一一一一一一_一_一・.■_______一______一万燈.・“.““.一一____一一一________一____一一“...隅向.穴.● 一78一 他者や異文化と関わりながら生きる毎日の生活の中で,当たり前のことに目を向け,子どもたち から生まれる疑問を問う。子どもたちが疑問を感じ,動き出した時に問題意識が生まれる。何気な く行ってきた自分や家族の行動が実感を伴って理解できたとき,子どもたちは生活の中に昔から受 け継がれてきた知恵や工夫の合理1生に気づき,自らの生活の中で活用できないかと考えていく。そ のような学習を積み重ねる中で,視野を広げる力を育成していく。 ②対話力 自分の予想や実験・実習の結果にっいて自信をもって発表するとともに,他者の考えを共感的 に受け入れながら、課題解決に向けて話し合う力である。 自分の意見と他者の意見のどちらも大切な意見・考えであることを理解し,共感的に話し合い を進めることのできる児童の育成をしていく。 ③解決力・実践力 自分も家族の一員であると自覚し,家庭生活の中での疑問や不便な点について,自分の力で解 決できることがあるのではないかと考え,実践していこうとする力を育成していく。 「家庭の中で,家族の一員として自分にもできる仕事はないだろうか。」というように家庭生 活の中で生まれた思いをもとに学習を進める児童の姿。また、「手縫いやミシンでの直線縫いが できるようになった。この力を家庭生活の中で生かせる場はないだろうか。」というように学習 で身に付けた知識及び実践力について,活動内容によって異なるが,学習した時だけ一時的に実 践するのではなく,「毎日,風呂掃除をする。」「週末には,自分で上履きを洗う。」「窓の汚れが 目立ってきたら,必ずぼくが掃除する。」というように自分ごととして考えられるような授業づ くりをしていく。 (2)異文化間に立ち,生き方を広げる授業(ステップ1・2・3を構成する授業) ①ステップ3を設定するのに適した内容・単元 家庭科は,生活をよりよくしようとする能力と実践的な態度の育成が求められている。その中 で,ステップへっながると考えられるのは,より実生活に即した場面から自分事として考えが及 ぶ授業だと考える。「身近な消費生活と環境」の単元では,豊かな生活の中で物や金銭の使い方 と買い物について自分の暮らしを振り返ることができ,また,便利な生活の中で環境に配慮した 工夫についても考えることができ,ステップ3をねらうことも可能だと考える。 ②ステップ3を達成するための手立て ステップ1 自分事となる学習課題 実生活の中で,新しい考えや文化の違いについて,新たに出会ったとき,当たり前に行ってい た自分や家族の行動に目を向け,「なぜ,そのようにするのか?」という問いから問題意識を引 き出す。 ステップ2 対立・葛藤,乗り越える場面の設定 今までの自分や自分の知識と,他者や過去,多文化におけるメリット・デメリットを比較する ことで,さらに視野を広げ,どの状況でどの選択が最良なのかを多角的に話し合う。 ステップ3 自分の変容の振り返り 話し合いから導かれた,新たな見方や考え方について,自分の中で振り返り,今までの自分か らみて,どれだけ考えが広がったかについて,気づくことのできる時間とする。 一79一
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