Page 1 JAEE 原子力発電所の地震安全に関する 地震工学分野の研究

!
刎号証
原子力発電所の地震安全に関する
地震工学分野の研究ロードマップ
2011年3月(第1部)
2011年10月(第Ⅲ部)
一般社団法人日本地震工学会
原子力発電所の地震安全問題に関する調査委員会
■ ■ ■ ■ , 一 ■ - - - - - ‐
’
愉代l陣
可
「
−
三審
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面
原子力発寵所の地震安全に関する地溌工学分野の研究ロードマップ,2011¥
3.2.3設棚(櫛造.動的磯器).…・・・・・……
(1)機器・配管系に内在する裕度…...……
(2)応答・挙動の解析法..…..….…..….
(3)裕度評価指標…...….…....……,
目次
3.2.4地雛.…....…...…...………..….
(1)地溌工学的意義.....….....….…….
I子...........‘......,.….......・・・・・・・‘.・・・‘・・・・..・・・・
i−l
原子力発電所の地震安全に関する地渡工学研究ロードマツプ表
i−3
1.総説.….、……....……….….…..….….….…….………・・…
1.1R本地震工学会「原子力発勉所の地震安全問題に関する調査委員会」設立の経緯
■11111H1同
1.2委員会における討議の要点.….…….……..…….......……...…
1.3委員会活動の経緯.….….……..….….……….…..….…...….、
1.4その他の委員会関連活動..….…...….....…….....………….…
1.5本報告書の構成.….......……・.….………・..…..…..….
恩H1
(1)建屋..…..、..…....………….…
(2)設側..…….....…..…・…..……
(3)地盤……..…………..………、
3.3ハザードの理解………...………・…・…
3.3.1地震動評価手法の高度化.…・・・…・・・….
3.3.3対象地溌・地震動の決定プロセス......、酬
(1)地震工学的意蕊….....、…....…..咄
(2)原子力施設における位置づけ...….…軸
(3)研究の現状..……....….……...…‘
(4)牒題(破るべき壁)…...…..........
4.研究ロードマツプ各論
4.1リスク評価法
4.1.1リスク熊のもとでの基準地震動Ssの決定法.
4.1.2性能設計の中でのSdの再構築・・・・..……酬
4.1.3観測記録によるサイト特性への反映...……’
I
﹄■■BDP■IトB,,■■
』
3.2.7破壊のメカニズム.....……・・・…・・・・.
(1)地震勤評価手法の現状….….….……‘
(2)水平勤/上下勤…..….…….…….
(3)パルスの扱い方...……….………伽
3.3.2地腰ハザード評価の高度化….……・…,
(1)地震活動評価…..…...……...、、
(2)地震助評価.….....…….........、曲
I
(1)応答評価に関する課題....、.…..…….…….…….....…
(2)耐力評価に関する課題....…..........…….…….…..….
!
4.1.4性能規定に基づく設計....……………・‘
4.1.5再起肋の評価遮準...…...….……..….
4
.
1
.
6
耐
溌
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決
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【
郡
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i-7
76
927
478
0
6
− 一7
一 一7
一一
IIIIII
3.2.2建屋...….………....….、.........…..….........….
(4)その他課題…..………..…..….…
3.2.6経年プラントの耐震安全性評価…..……
(1)現在の状況分析...…...…..……...
(2)経年プラントの耐震安全性評価の研究課題
(3)産学官の役割分担とロードマツプの策定
(4)技術課題とロードマップ…...、.…...、
11
1
沖
(1)原子力発電所の要求性能.…..……….………..….……
(2)不確定下の工学的意思決定...….…..…...………………
(3)設計用地震荷重の設定......…......……...…......….、
3.1.2システム評価….....……….…....………….…
(1)地震PSAの適用性向上.….、….…….….……..、.….
(2)深層防謹を反映した機能防謹システムの評価.…...………....
(3)不確定性の同定・低減................、.…….、........…
3.1.3楕報基雛(ナレッジのデータベースの整備)….….……..….
(1)地震リスクに関す・るIW報離職盤備の意義..…………….…...
(2)整備すべきナレッジのデータベース….…....….….….....
(3)ナレッジのデータベース盤備の課題...…….............…..、
3.2耐震裕度.……...….….…...….........….……...…...、
3.2.1耐震裕度評価の意義……..….…….………..…….......
(1)耐震裕度評価の地震工学的意義,地霞PSAとの関連…………..
(2)耐震裕度評価に関する研究・開発の経緯..……………….…
(3)耐震裕度評価の研究課題…….…..、.......……...….、
(2)解析手法に関する課題…...…・…..
(3)耐力評価に関する課題.…......、……
■宮口1111Ⅱ1.0■I
3.1.1耐震設計…...…….…….……….…….…….……
2222338825888900012335
乱訓証哉乱証訓乱老毯老老塾毛令弔令名令母罰名
IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII
3.1地震リスク..….…….....….…..….…...…….・..….
8
9
−8
一一
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タグ
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3.原子力発電所の地震安全に関する地震工学分野の研究ロードマツプの基本事項
(1)屋外重要土木構造物の位置づけと評価の現状
1
5一
6
−1
一2
一3
一一
IIIIII
rrIILI︲IItl4Ⅱ44441411■BP■■P■■■・11411411・︲l︲111
(3)研究の現状.....、...….……・・・
(4)牒題.…...…….….….….….、
3.2.5屋外重要土木構造物....…・…・・・・・・・・.
第1部研究ロードマップの検討結果
2.原子力発電所の地震安全に関する地震工学分野の研究ロードマツプ
2.1ロードマップ体系の基本柵造.…......…...、、….…
2.2ロードマップヘの反映蔀項一覧(ロードマップ課題表)...
勺
(2)原子力施般における位置づけ..、….….
73
73
73
83
93
93
94
04
04
14
14
24
34
44
44
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64
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95
25
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45
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96
06
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36
36
36
36
5
3
−I
一I
一I
一I
一I
一I
一I
一I
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一I
一I
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一I
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一I
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一I
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I一
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I一
I一
I一
I一
I一
I一
I一
I一
I一
I一
I一
I一
I一
I
原子力発電所の地震安全に関する地震工学分野の研究ロードマツプ
(日本地震エ学会原子力発砺所の地震安全問題に関する調査委員会報告書)
一
−
原子力発電所の地震安全に関する地震工学分野の研究ロードマップ,2011年
1−87
4.2.6既設発電所の耐震性能照査.…..…….、…….….…....…..、
4.3建物・構築物
砂■■吾。11
1−108
1−110
'−113
1−115
I−u9
I−124
I-127
I−132
I−142
4.8ハザード
L,iI
1-174
4.9.4人材育成..….……….…..….、........….、………....…
1-175
4.9.5国際リーダーシップ....…..........….…....…...…...…...
1-179
i
8
I
1-167
4.9.1原子力発電所の耐震における安全と安心の乖離の解消に向けて.、….
4.9.2安全に関する技術説明学の分野.....、,..・.….、..........、
4.9.3地震防災…...……..…....…......…......….….…..
1-172
(4)交通施股の被害…..….……..……
(5)供給・処理ライフラインの被害、….…
(6)地雛災害
3.被災地内の原子力発電所の挙動概要.
(1)被災状況全般…..…………
(2)福島第一原子力発電所……….
(3)福島第二原子力発電所.…....
(4)女川原子力発篭所.…..........
(5)東海第二発趣所.……....‘
(6)各発砿所の状況の違いを生じた要因
4.原子力発寵所の挙勤から学ぶべき事項…..……..、.…
(1)リスク諜題に関する事項.……….....…....…..
↑)詳細な収束シナリオ・事故シナリオ…...…….、
2)津波に対する残余のリスク概念の導入の必要性...…,
(2)耐震・耐津波緋度に関する事項….、..…...…….
1)安定と辨故を分けた要因..…・.......、….….軸
2)耐津波性能に関する「クリフエッジ」の解消.….…,
(3)木震後の地賎工学的事項..、......…....….….“
1)3.11東北地方太平洋沖地渡における余膿,誘発地震,地 殻変勤の現状
2)巨大な余籏による地震動の櫛造物への影秘.…..….‘
3)余溌(続発地震)に対する津波対策….……..….’
4)地殻変動の問題.…..…….….....…………..
(4)新しい概念の必要性...…・.....…..…….....、
1)低頻度巨大災害に関する概念…...…………….
2)セーフテイー・バースト概念の重要性...….….….
5,原子力発砿所にI側する地藤工学的研究ロードマップ(第1部)の検脈..….....
(1)リスク概念,地雁・泳波PSAの徹底….…..….…......、.....
(2)リスク輪・地震工学・津波工学・システムエ学の連携による統合的津波対策評価
(3)防潮堤逮般の工学的要点….……,..….….…….…....、…
(
4
)
プ
ラ
ン
ト
の
水
糖
化
の
た
め
の
「
耐
津
波
工
学
」
の
体
系
化
(
防
水
,
耐
水
,
避
水
に
よ
る
)
(5)巨大な余鱗のハザード評価技術…...…………...….….………
(6)ハザード評価における観測資料と計算擬科学の協働・・.…...…….…
㈱
東
日
本
大
艇
災
を
踏
ま
え
た
今
後
の
技
術
的
課
題
に
つ
い
て
.
.
…
…
…
.
.
.
…
…
.
.
.
.
i-9
46
497
267
98
18
3
6
− 一6
一 一7
一一一
一
ⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡ
4.9社会技術的課題
2.東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の発生
(1)地露とそれにより生じた地震勘,津波の特性
(2)津波による被害..、…………….…
(3)人的被害と建物の被害….……...….
11
4.8.8パルスの動特性と衝撃的破壊の関連…….…...….......……
4.8.9シミュレーション技法としてのパルス予測(ソースの間魑,サイトの問題)
1−147
13
5
55
57
59
51
63
65
6
1
1
1
−1
一1
一1
一1
一1
一一
一
IIIII111
4
PけP計bト肥固レトーjlIIILいりIllPhIllIトーIILIPl0トーfLB
4.8.1渡源調査におけるユーザー側とプロバイダー側の関係と
それに基づく調査手法の体系化(ハザードの調査の問題)..…...…
4.8.2不確定性を踏まえた意思決定プロセスの体系化
(断層・地震動の評価における工学の責任)...….…….....、
4.8.3リスク評価における地震橡の明確化.…....、…….….......…
4.8.4断層∼距離減衰式(スペシフイックとオーバーオール,盤合性の考え方)
4.8.5活断層の評価...………..….….......….….……….
4.8.6津波波源モテゥルと震源モデルの統合的理解..…、.…,.…....、
4.8.7正確な上下動のシミュレーション(ハザード側の問題)………….
Ⅱ−1
73
774
034
325
445
555
55
95
96
2
3
−一3
一一4
一一5
一一5
一一5
Ⅱ
ⅡⅡ
ⅡⅡ
ⅡⅡ
ⅡⅡ
Ⅱ一
Ⅱ一
Ⅱ一
Ⅱ一
Ⅱ一
Ⅱ
l−l37
1.総論
03
003
233
43
4
3
−一3
一一3
一一一
ⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡ
4.3.1地儀応篠解析法のモデル化..…….………−....…....……
4.3.2FEMに韮づく応答解析と解価体系の確立.……..........….….、
4.4機器・配管
4.4.1機器の地震時の実挙動の解明(観測)......….,……………
4.4.2篭気品..、...・.…....….…....、.………...、….
4.5地盤・斜面
4.5.1斜面安定の耐震犠度評価法...…….…...………..….…..…
4.5.2地盤の調査方法と試験方法….……...........、.….......…
4.5.3地盤一基礎相互作用系の応答解析法のモデル化..…..、・.、.…
4.5.4力の釣り合いと変形を包括できる安定・変形解析法...…….…….
4.6屋外遁要土木構造物
4.6.1屋外重要土木構造物...….......…........……......…
4.7制震・免震
4.7.1制籏・免震..、.....、.…........、.....…..….、....….
第Ⅱ部東日本大震災の発生をふまえた捕避
4
−4
一8
一1
14
17
15
2
ⅡⅡⅡ睡眠匪昨
4.2.4減衰(機器・配管系の適切な減衰値)………….....….…....‘
4.2.5機器系で重要となる振励数域まで取り込む動的解析の体系(10∼50IIz)│
[−83
9
39
59
70
00
6
8
9
−1
一1
一1
−一
1一
1
1
II
4.1.7多数韮を対象とした地震リスク評価....….......….………….、
4.1.8津波PSA..・…...…..……....….…..….……...….
4.2力学モデルに関する共通眺題
4.2.1耐震裕度…..……......、,.、・・……….……...….、
4.2.2破壊力学と構造・地雛をつなぐ破壊シミュレーション............、..
4.2.3大型振動台による裕度評価・実現象の究明..…....…....、...….
−
6.原子力発愈所の地震安全に関する地震工学分野の研究ロードマツプ(拡充版)
Ⅱ−86
本報告欝の活用に向けて
ii−1
むすび……..……
ii−2
1
−3
一8
一
付付付
付録
付録1 委員会名簿….….….、
付 録 2 委員会開催及び関連活動記録
付録3 難事録……………….
111
i-lO
三
■■■■
−
原
子
力
発
髄
所
の
地
震
安
全
に
関
す
る
地
震
工
学
分
野
の
研
究
ロ
ー
ド
マ
ツ
プ
’
2
0
1
1
を
1
4.8.2不確定性を踏まえた意思決定プロセスの体系化
(断層・地歴勤の評価における工学の責任)
1.地匪ェ学的意義
地
渡
ハ
ザ
ー
ド
は
自
然
豪
境
に
よ
り
与
え
ら
れ
た
も
の
で
あ
り
,
基
本
的
に
人
柵
が
変
え
る
こ
と
が
で
き
な
い
も
の
で
あ
る
。
地
震
安
全
問
題
に
お
け
る
地
震
ハ
ザ
ー
ド
分
野
の
課
題
は
,
地
震
現
象
に
関
す
る
現
在
の
認
識
レ
ベ
ル
を
踏
ま
え
て
,
不
確
定
性
を
含
め
た
評
価
を
適
切
に
行
う
こ
と
と
考
え
ら
れ
る
。
こ
の
課
題
を
系
統
的
に
行
う
の
が
確
率
論
的
地
震
ハ
ザ
ー
ド
解
祈
で
あ
り
,
ロ
ジ
ッ
ク
ツ
リ
ー
手
法
に
よ
り
ハ
ザ
ー
ド
曲
線
を
,
不
確
定
性
を
含
め
て
,
評
価
す
る
こ
と
が
で
き
る
。
入
力
地
霞
励
に
つ
い
て
は
,
ハ
ザ
ー
ド
曲
線
が
か
な
り
大
き
な
地
震
動
レ
ベ
ル
ま
で
迩
統
し
て
い
る
と
い
う
認
蹴
に
立
つ
と
,
自
然
科
学
的
な
観
点
だ
け
で
決
定
す
る
こ
と
に
は
無
理
が
あり,別の錐準(損傷確率など)が必要と考えられる。
基
獺
地
腰
動
S
s
を
設
定
す
る
問
題
は
,
不
硫
定
性
を
踏
ま
え
て
ど
の
よ
う
に
意
思
決
定
を
す
る
か
と
い
う
問
題
で
あ
り
,
こ
の
意
思
決
定
プ
ロ
セ
ス
を
体
系
化
し
,
第
3
者
に
よ
る
検
証
を
容
易
に
す
る
こ
と
は
重
要
な
淑
題
で
あり,工学がイニシアチブを取るべき問題と考えられる。
2.評価の現状
応
答
ス
ペ
ク
ト
ル
に
基
づ
く
地
溌
動
評
価
と
断
層
モ
デ
ル
を
用
い
た
手
法
に
よ
る
地
震
動
評
価
の
双
方
を
用
い
た
避
綱
也
溌
動
S
s
の
策
定
に
つ
い
て
は
,
策
定
過
程
に
伴
う
不
確
か
さ
(
ば
ら
つ
き
)
に
つ
い
て
適
切
な
手
法
を
用
い
て
考
慮
する
こ
と
が
要
求
さ
れ
て
い
る
。
こ
の
牒
題
に
関
し
て
は
,
原
子
力
安
全
・
保
安
院
の
通
知
の
中
の
「
検
肘
用
地
震
に
よ
る
地
震
動
の
評
価
に
お
け
る
藤
源
モ
デ
ル
の
不
確
か
さ
の
考
噛
に
つ
い
て
」
に
お
い
て
よ
り
具
体
化
さ
れ
て
お
り
,
「
基
本
震
源
モ
デ
ル
」
を
設
定
し
て
地
震
動
を
評
価
す
る
こ
と
,
不
確
か
さ
を
考
慮
す
る
パ
ラ
メ
ー
タ
を
選
択
す
る
こ
と
,
パ
ラ
メ
ー
タ
の
遡
択
に
つ
い
て
,
選
択
し
な
か
っ
た
も
の
を
含
め
そ
の
根
拠
を
明
確
に
す
る
こ
と
,
不
確
か
さ
の
範
囲
と
程
度
を
想
定
す
る
と
と
も
に
そ
の
根
拠
を
明
確
に
す
る
こ
と
,
そ
れ
ぞ
れ
の
不
碓
か
さ
に
つ
い
て
敷
地
に
与
え
る
影
馨
を
検
討
し
,
そ
の
不
確
か
さ
の
穆
度
を
踏
ま
え
て
,
検
討
用
地
震
動
に
つ
い
て
余
裕
を
み
た
震
源
モ
デ
ル
を
設
定
し
,
地
震
動
を
評
価
す
る
こ
と
,
基
準
地
震
動
を
超
え
る
よ
う
な
地
震鋤の発生確率(超過確率)を参照することが要求されている。
検
肘
対
象
と
す
る
地
震
の
モ
デ
ル
化
は
,
発
生
碓
率
を
除
け
ば
,
硫
定
瞼
的
ハ
ザ
ー
ド
評
価
で
も
確
率
論
的
ハ
ザ
ー
ド
評
価
で
も
基
本
的
に
違
い
は
な
い
。
地
膜
の
モ
デ
ル
化
で
は
,
活
断
層
榊
で
発
生
す
る
地
震
や
過
去
に
プ
レ
ー
ト
境
界
の
同
じ
領
域
で
繰
り
返
し
発
生
し
て
き
た
大
地
震
(
海
瀧
型
地
震
)
の
よ
う
に
脅
威
と
な
る
地
震
の
位
腫
(
断
刷
而
)
が
ほ
ぼ
特
定
で
き
る
場
合
(
特
定
震
源
)
と
,
あ
る
程
度
の
範
囲
で
発
生
す
る
こ
と
が
予
測
で
き
て
も
予
め
位
世
を
明
確
に
特
定
す
る
こ
と
が
困
難
な
場
合
(
領
域
震
源
)
を
区
別
す
る
こ
と
が
一
般
的
で
あ
る
。
前
者
が
職
地
ご
と
に
震
源
を
特
定
し
て
策
定
す
る
地
震
動
」
の
対
象
地
鰹
,
後
者
中
の
地
点
近
傍
地
殻
内
地
鰹
領
域
が
「
筬
源
を
特
定
せ
ず
簸
定
す
る
地
麓
動
」
の
対
象
地
震
で
あ
る
。
地
嬢
の
モ
デ
ル
化
に
関
し
て
,
現
状
で
は
鰡
識
論
的
不
確
定
性
の
存
在
は
不
可
避
的
で
あ
る
。
認
識
論
的
不
確
定
性
を
系
統
的
に
処
理
す
る
方
法
と
し
て
ロジックツリーは非常に有効と考えられる。
雛
率
瞼
的
に
は
,
複
数
セ
グ
メ
ン
1
,
か
ら
樅
成
さ
れ
る
活
断
層
や
海
淵
型
地
藤
(
南
海
ト
ラ
フ
沿
い
の
地
艘
な
ど
)
の
遮
励
に
関
す
る
モ
デ
ル
を
改
良
し
,
適
切
な
ロ
ジ
ッ
ク
ツ
リ
ー
の
分
岐
を
彼
定
す
る
こ
と
は
重
要
な
課
題
で
あ
る
。
ま
た
,
確
定
論
的
に
は
,
そ
う
し
た
判
断
の
わ
か
れ
る
項
目
に
関
し
て
,
ど
の
範
囲
ま
で
を
考
慰
す
る
か
の
判
断
が
重
要
で
あ
る
。
複
数
セ
グ
メ
ン
ト
か
ら
柵
成
さ
れ
る
よ
う
に
見
え
る
活
断
層
に
関
し
て
は
,
一
般
に
,
(
i
)
セ
グ
メ
ン
ト
毎
に
し
か
破
壊
し
な
い
(
連
動
し
な
い
)
,
(
i
i
)
全
体
が
術
に
同
時
に
破
壊
す
る
(
セ
グ
メ
下
ー
第1部研究ロードマップの検討結果
生頻度の評価,短期的な各組み合わせの発生硫率の評価(例えば,各セグメントの平均破壊間隔
とばらつき,鍛新活動時期から求められる各セグメントの破壊確率をセグメン1,の組み合わせ(地
震)毎の発生伽率に「変換jする方法)が必要になる。
地溌動岬価に用いられるモデルとして,各想定地腰に対し基本震源モデルと不碓かさを考慮し
たモデルが股定されており,それぞれのモデルに雑づいて地籏動が評価されている。不硫かさと
しては,破壊開始点,断層上端深さ,短周期レベル(1.5倍),傾斜角,断層長さ,アスベリテイ
位置,アスペリティの面積,アスペリティの応力降下盆などが考慮されている。距離減衰式の場
合も断層モデルを用いた手法の場合も推定娯差(ばらつき)については特に考厳されていない。
基準地震動Ssの策定においては不確かさを考慮することが求められているが,検討用地震によ
皿
q一
る地震動自体の不確かさの定危的評価は現状では行われていない。不確かさの定愈的評価を行う
1つの方法は,対象とする地震が発生することを前提として,ロジックツリー手法を適用し,地
震動強さの砿率分布をフラクタイル的に評価することと考えられる。その評価結果が得られれば,
確率の非超過レベルとフラクタイルレベルの2つを指定すれば,地震動強さを求めることができ
る。当面の課魍として,Ssとして設定した地藤勵が,地震動強さの確率分布のどこに位慨してい
るかを岬価することが考えられる。
各サイトでPSHAが行われ,基準地震動Ssの超過確率が参照されており,多くの場合,10罰よ
り小さい値が報告されている。ロジックツリー手法が用いられているため,結果はフラクタイル
ハザード曲線の形で得られる。超過碓率の参照に用いられているのは算術平均ハザードである。
3.課題
不確定性を踏まえた意思決定プロセスを体系化するためには,最終的な地震肋(応答スペクト
ル)自体の不砿定性評価一確定論的には想定地震が発生するという条件下での地鰻肋分布の評価,
確率論的には地渡動ハザードの評価一を行うプロセスの整備と得られた結果から避準地震動Ssを
設
定するプロセスの整愉が必要と考えられる。それらを進めるための課題として下記のような項
目が考えられる。
l)活断層の範囲の認定や複数セグメントの迦動の可能性など専門家の判断がわかれた項目を
ロジックツリー形式で表現し,重みを股定し,砿定胎的評価や確率論的評価に活用する。(短
期的課題)
2)断層モデルを用いた手法による地震動群価においても,平均とばらつき(分布)を評価でき
る枠組みを盤術する。(短期的課題)
3)検討用地震による地震動自体の不碓かさの定獣的僻価を行い,Ssとして設定した地震動が,
地震動強さの砿率分布のどこに位侭しているかを参照する。(短期的諜題)
4)不確定性を系統的に評価する手法としてのロジックツリー手法の実用化(分岐の設定方法,
重みの設定方法)を図る。(短期的課題)
5)想定地震が発生するという条件下での地震動分布の評価及び地震動ハザードの評価結果か
ら基地地震勤Ssを設定する基準を整備する。(中期的課題)
(安中正)
ン
ト
に
分
か
れ
な
い
)
,
(
i
n
)
各
種
の
セ
グ
メ
ン
ト
の
組
み
合
わ
せ
で
破
壊
(
地
渡
)
が
発
生
す
る
,
と
い
う
3
つ
の
可
能
性
が
考
え
ら
れ
る
。
こ
の
中
の
(
倣
)
が
連
動
の
場
合
で
あ
り
,
長
期
的
な
各
組
み
合
わ
せ
の
平
均
発
1−151
司一
上
I−I52
’
目
鼻
一
−
| ■
1
第1部研究ロードマツプの検討結果
原
子
力
発
芯
所
の
地
股
安
全
に
関
す
る
地
震
工
学
分
野
の
研
究
ロ
ー
ド
マ
ツ
プ
,
2
0
1
1
年
3.研究の現状
4.8.3リスク評価における地霞像の明確化
原子力施設の地鍵リスク評価の実務においては,フラジリテイ評価のための入力地震動として
は,一様ハザードスペクトルに適合する地震勤波形や,設計用基準地溌動(ss)を振幅調整した
地
艘
動
波
形
が
用
い
ら
れ
る
こ
と
が
あ
る
。
S
s
は
,
海
瀧
型
地
溌
や
内
陸
型
地
震
を
想
定
し
て
設
定
さ
れ
る
が
,
サイト周辺の多くの腱源から予測される地震動のスペクトル振幅を包絡するように殻定される。
また’これらの波形の位相には’ランダムなものが用いられることが多い。したがって,用いる
地嬢勤波形は必ずしも’想定する個々の地溌による現実的な地震動波形を表すわけではない。ま
1.地腰工学的意毅
日
本
列
縄
周
辺
で
発
生
す
る
地
渡
は
い
く
つ
か
の
タ
イ
プ
に
分
け
ら
れ
,
そ
れ
ら
の
発
生
硫
率
や
’
生
じ
る
地
震
動
の
特
性
は
異
な
る
。
サ
イ
ト
の
地
震
環
境
に
応
じ
て
想
定
す
る
地
髄
像
を
明
碓
に
し
,
そ
の
地
震
動
特
性
を
考
感
す
る
こ
と
は
,
合
理
的
な
耐
溌
設
計
や
澗
綱
皮
な
地
溌
リ
ス
ク
評
価
に
つ
な
が
る
も
の
と
考
え
ら
れ
る
。
図
1
1
に
は
例
と
し
て
,
日
本
海
側
と
太
平
洋
側
の
2
地
点
(
金
沢
市
,
静
岡
市
)
に
お
け
る
地
浪
ハ
ザ
ー
ド
カ
ー
ブ
を
示
す
。
ま
た
,
図
1
2
は
同
じ
2
地
点
に
お
け
る
震
庇
と
影
響
度
の
関
係
を
示
す
。
影
響
度
は
ハ
ザ
ー
ド
カ
ー
プ
の
超
過
硴
率
に
対
し
て
,
個
別
の
地
鰹
あ
る
い
は
地
震
群
ご
と
の
相
対
的
な
影
櫻
の
大
き
さ
を
表
し
た
も
の
で
あ
る
。
サ
イ
ト
ご
と
に
影
響
度
が
大
き
い
地
震
タ
イ
プ
が
異
な
る
こ
と
,
ま
た
地
践
動
の
大
き
さ
に
よ
り
,
影
縛
度
が
変
化
す
る
こ
と
が
分
か
る
。
つ
ま
り
,
金
沢
市
で
は
震
度
5
弱
以
下
で
は
,
南
海
ト
ラ
フ
巨
大
地
溌
の
影
響
度
が
大
き
い
が
,
震
度
5
強
以
上
で
は
,
主
要
活
断
層
補
'
)
に
よ
る
地
震
や
陸
域
の
賎
源
不
特
定
地
溌
の
影
鞠
度
が
大
き
い
。
そ
れ
に
対
し
,
静
岡
市
で
は
,
鰻
度
に
よ
ら
ず
南
海
ト
ラ
フ
巨
大
地
膜
の
影
響
度
が
大
き
い
こ
た,その地麓動波形の生起確率も必ずしも明確でない。
サイト周辺の様々な震源に対して,断層モデルなどにより地震動評価を行い,これらを構造物
への入力地波動とするような方法も研究されているが適用例はあまり多くない。また,このよう
0
。
噸
0岬
0帥
0
宝典活断扇輔
による地震
1
船陣廻
碍顛慣到
固陣田
南海トラフ
巨大地霞
陸域浅部敏灘
一一
副
漣
、
そ
逵
竺
4.課題
地
震
ハ
ザ
ー
ド
ヘ
の
影
響
を
考
慮
し
た
地
震
像
の
明
確
化
の
た
め
に
は
,
ま
ず
,
地
震
ハ
ザ
ー
ド
評
価
の
高
糖
度
化
が
重
要
で
あ
る
。
中
で
も
,
距
離
減
衰
式
の
ば
ら
つ
き
の
与
え
方
が
,
低
頻
度
の
地
震
動
レ
ベ
ル
に
影
響
す
るため,ばらつきの分類と低減が則麺と考えられる。
一 一 一
南海トラフ
南海トラフ
次
に
,
地
震
動
波
形
の
継
続
時
間
や
位
相
の
適
切
な
評
価
手
法
に
関
す
る
研
究
が
必
要
と
な
る
。
建
屋
が
免
震
化
さ
れ
た
場
合
に
は
,
機
器
の
固
有
周
期
で
あ
る
短
周
期
成
分
が
大
き
く
低
減
さ
れ
,
耐
震
建
屋
と
比
較
し
て
,
地鰹リスクが大きく低減する可能性がある。一方で,やや長周期地震動との共振や,免震層のハ
ードニングによる建屋と機器への影響が考えられる。また,原子炉建屋とタービン建屋との渡り
配管において,変位や繰返し載荷による疲労破壊の問題もある。これらの評価のためには,対象
となる地震動波形の周期特性と位相特性のリアリテイが重要となる。断層モデルに基づく半経験
的
波
形
合
成
法
で
は
’
そ
れ
ら
を
考
感
す
る
こ
と
が
可
能
と
な
る
。
し
か
し
,
そ
の
と
き
の
各
パ
ラ
メ
ー
タ
の
設
定
方
法
や
不
確
実
性
の
与
え
方
の
方
法
飴
に
は
,
オ
ー
ソ
ラ
イ
ズ
さ
れ
た
基
準
が
な
く
,
こ
の
分
野
の
研
究
を
進
める必要がある。
海沸型地震と内陸型地震では,平均的な再現期間の違いのみならず,地震規模や震源距離,さ
巨大地度
巨大地底
=
ー -
叩
ロ唖!
4 0 4 5 ” 5 56“0
“8 5 7 0 4 0 “ 且 ロ
窟区
図1−1地溌ハザードカーブの例
■
な方法を原子力施設の地震リスク評価に適用した例は現状では少ない。
1
1
(b)静岡市
(0)金沢市
、…
■
08叩“。
I
o8叩“。2
00
とがわかる。
■
s,.0c5-7b-4。4'80g.6。・s'0
■底
■虞
図1-2溌度と影響度の関係の例
らに震源位侭の特定が可能か否かなど,地震ハザードヘの影響が異なる。また,サイトに生じる
地震動波形の特性が異なると考えられる。このため,対象サイl、の地震環境に応じて,確率論的
に影馨が大きい地涯像を明確にし,それによる地践動の特性を考感することは,合理的な耐震設
計
や
高
精
度
な
地
震
リ
ス
ク
評
価
に
つ
な
が
る
も
の
と
考
え
ら
れ
,
こ
の
分
野
の
研
究
を
進
め
る
必
要
が
あ
る
。
2.原子力施設における位置づけ
参考文献
原
子
力
発
露
所
の
確
率
輪
的
安
全
評
価
(
地
震
P
S
A
)
に
お
い
て
は
,
地
震
ハ
ザ
ー
ド
カ
ー
ブ
だ
け
で
な
く
,
建
屋
や
磯
器
の
フ
ラ
ジ
リ
テ
イ
カ
ー
ブ
(
損
侮
鹿
曲
線
)
が
評
価
さ
れ
る
。
地
震
タ
イ
プ
ご
と
に
’
地
腰
発
生
碓
率
や
地
震
規
模
,
そ
し
て
周
期
栫
性
や
継
統
時
間
な
ど
の
地
震
動
特
性
が
異
な
る
た
め
,
フ
ラ
ジ
リ
テ
イ
カ
ー
ブ
の
評
価
に
お
い
て
は
,
地
震
動
の
大
き
さ
に
応
じ
て
地
藤
像
を
明
硴
化
し
,
そ
の
地
溌
動
特
性
を
考
懲
す
る
こ
と
l
)
地
震
鯛
査
研
究
推
進
本
部
:
全
国
地
震
動
予
測
地
図
2
0
1
0
年
版
,
h
t
m
:
"
w
w
w
j
i
s
h
i
n
.
g
o
j
p
ノ
m
a
i
n
t
h
o
u
s
a
/
l
q
y
o
S
o
k
u
c
h
i
z
I
M
i
n
d
e
x
.
h
t
m
2)原子力安全委員会;発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針,2006.
が
重
要
と
考
え
ら
れ
る
。
特
に
,
構
造
物
が
強
非
線
形
化
す
る
強
震
動
時
に
は
’
地
鮭
動
振
幅
の
み
な
ら
ず
周
期
特性や位相傭報を適切に考感することが重要となる。
ま
た
,
残
余
の
リ
ス
ク
2
)
だ
け
で
な
く
,
発
電
施
散
の
継
続
運
転
に
影
審
す
る
よ
う
な
中
小
の
地
渡
勤
に
対
す
る
リ
ス
ク
評
価
も
重
要
で
あ
る
。
こ
の
よ
う
な
地
震
動
は
,
残
余
の
リ
ス
ク
に
影
靭
す
る
大
き
な
地
震
動
と
比
較
し
て
,
地
震
像
と
地
撲
動
特
性
が
異
な
る
場
合
が
あ
る
と
考
え
ら
れ
る
。
地
濃
ハ
ザ
ー
ド
に
含
ま
れ
る
地
震
タ
イ
(藤川智)
プや個別の地震像を明碓にし,その特徴を取り入れることが重要と考えられる。
1−154
1−153
P可
一
雨
』
■■■■
▼
1
ー-.-モ・ー.
第1部研究ロードマップの検討結果
原
子
力
発
篭
所
の
地
鯉
安
全
に
関
す
る
地
濃
工
学
分
Ⅲ
f
の
研
究
ロ
ー
ド
マ
ッ
プ
,
2
0
1
1
年
方法では,平行成臓椛造を仮定した例が多い。
地
藤
勤
評
価
に
用
い
ら
れ
る
モ
デ
ル
と
し
て
,
各
想
定
地
震
に
対
し
基
本
鰻
源
モ
デ
ル
と
不
碓
か
さ
を
考
愈
し
た
モ
デ
ル
が
設
定
さ
れ
て
お
り
,
そ
れ
ぞ
れ
の
モ
デ
ル
に
基
づ
い
て
地
鰻
勤
が
評
価
さ
れ
て
い
る
。
不
確
か
さ
と
し
て
は
’
破
壊
開
始
点
,
断
廟
上
端
深
さ
,
短
j
刷
り
j
レ
ベ
ル
(
1
.
5
倍
)
,
慨
斜
角
,
断
砺
長
さ
,
ア
ス
ペ
リ
テ
イ
位
慨
’
ア
ス
ペ
リ
テ
イ
の
而
馴
,
ア
ス
ペ
リ
テ
ィ
の
応
力
降
下
戯
な
ど
が
考
肱
さ
れ
て
い
る
。
距
離
減
衰
式
の
場
合
も
断
履
モ
デ
ル
を
用
い
た
手
法
の
場
合
も
推
定
誤
差
(
ば
ら
つ
き
)
に
つ
い
て
は
特
に
考
職
さ
れ
て
い
な
い
。
姓
終
的
な
雑
誠
地
震
鋤
S
s
の
策
定
に
つ
い
て
は
,
各
想
定
地
艇
に
対
し
評
価
さ
れ
た
応
答
ス
ペ
ク
ト
ル
を
包
絡
す
る
ス
ペ
ク
ト
ル
を
般
定
し
’
そ
れ
に
適
合
す
る
棋
擬
地
腰
勤
を
作
成
し
た
ケ
ー
ス
,
断
層
モ
デ
ル
を
用
い
た
手
法
に
よ
る
地
震
勤
鮮
価
を
そ
の
ま
ま
用
い
た
ケ
ー
ス
,
「
溌
源
を
特
定
せ
ず
策
定
す
る
地
震
鋤
」
の
応
答
ス
ペ
ク
ト
ル
に
適
合
す
る
模
擬
地
腰
動
を
作
成
し
た
ケ
ー
ス
な
ど
が
あ
る
。
時
刻
歴
へ
の
変
換
に
は
応
答
ス
ペ
ク
ト
ル
適
合
模
地
股
動
を
作
成
す
る
方
法
が
般
的
で
あ
り
,
振
幅
包
絡
線
の
経
時
変
化
を
与
え
,
位
相
角
を
一
様
乱
数
で
与擬
える
方
法
が
用
い
ら
れ
て
い
る
。一
4
.
8
.
4
断
層
∼
距
離
減
衰
式
(
ス
ペ
シ
フ
イ
ッ
ク
と
オ
ー
バ
ー
オ
ー
ル
,
整
合
性
の
考
え
方
)
1.地震工学的意義
2
0
0
6
年
に
改
訂
さ
れ
た
『
発
髄
用
原
子
炉
施
殺
に
関
す
る
耐
潅
識
計
蒋
盃
指
針
」
で
は
,
「
救
地
ご
と
に
溌
源
を
特
定
し
て
策
定
す
る
地
震
動
」
に
つ
い
て
,
応
答
ス
ペ
ク
ト
ル
に
盤
づ
く
地
膜
勤
群
価
と
断
層
モ
デ
ル
を
用
い
た
手
法
に
よ
る
地
震
動
評
価
の
双
方
を
実
施
し
,
そ
れ
ぞ
れ
に
よ
る
基
馳
地
艘
勁
S
s
を
策
定
す
る
こ
と
と
し
て
い
る
。
応
答
ス
ペ
ク
ト
ル
に
基
づ
く
地
震
動
群
価
は
,
応
答
ス
ペ
ク
ト
ル
の
距
離
減
褒
式
を
州
い
た
解
価
で
あ
り
,
断
層
モ
デ
ル
を
用
い
た
手
法
に
よ
る
地
震
伽
評
価
は
,
断
層
而
上
で
の
破
壊
過
稀
(
ア
ス
ペ
リ
テ
ィ
の
分
布
,
破
壊
開
始
点
な
ど
)
を
考
慮
し
た
半
経
験
的
あ
る
い
は
理
論
的
方
法
に
よ
る
評
価
で
あ
る
。
な
お
,
溌
源
が
近
く
,
そ
の
破
壊
過
程
が
地
震
動
評
価
に
大
き
な
影
軽
を
与
え
る
と
考
え
ら
れ
る
地
震
に
つ
い
て
は
,
断
届
モ
デ
ル
を
用
いた手法を重視すべきであることが『指針」の解説の中で指摘されている。
2
つ
の
方
法
を
併
用
し
て
い
く
こ
と
は
現
実
的
で
あ
り
合
理
的
と
考
え
ら
れ
る
が
,
応
答
ス
ペ
ク
ト
ル
に
錐
づ
く
地
鍍
動
評
価
で
は
,
デ
ー
タ
の
回
帰
式
で
あ
る
こ
と
か
ら
.
平
均
値
と
ば
ら
つ
き
(
対
数
標
池
偏
麓
)
が
明
示
的
に
得
ら
れ
る
の
に
対
し
,
断
隔
モ
デ
ル
を
用
い
た
手
法
に
よ
る
地
震
励
群
価
で
は
,
不
砿
か
さ
を
考
雌
し
た
複
数
の
溌
源
モ
デ
ル
に
対
す
る
時
刻
歴
と
応
答
ス
ペ
ク
ト
ル
の
組
み
が
得
ら
れ
る
と
い
う
違
い
が
あ
る
。
性
絡
の
遮
っ
た
2
つ
の
方
法
の
整
合
性
に
つ
い
て
ど
の
よ
う
に
考
え
る
の
か
,
両
者
の
結
果
を
ど
の
よ
う
に
併
用
し
て
い
く
応
答
ス
ペ
ク
ト
ル
に
蕊
づ
く
地
震
勤
評
価
で
得
ら
れ
る
結
果
は
,
平
均
と
ば
ら
つ
き
で
あ
る
。
通
常
,
ば
ら
つ
き
に
関
し
て
は
’
エ
ル
ゴ
ー
ド
性
が
仮
定
さ
れ
て
お
り
,
空
間
的
に
広
が
っ
て
い
る
多
数
の
点
の
ば
ら
つ
き
分
布
が
,
同
一
地
震
が
繰
り
返
し
発
生
し
た
場
合
の
特
定
地
点
に
曇
け
る
ば
ら
つ
き
分
布
に
等
し
い
と
仮
定
さ
れ
て
い
る
。
し
か
し
,
同
一
地
震
(
固
有
地
震
)
が
織
り
返
し
発
生
し
た
場
合
の
特
定
地
点
の
ば
ら
つ
き
は
,
多
数
の
点
の
ば
ら
つ
き
と
は
性
質
が
違
う
可
能
性
が
あ
り
,
本
来
は
そ
う
し
た
場
合
の
分
布
を
解
価
す
る
必
要
が
あ
る
。
一
方
,
断
廟
モ
デ
ル
を
用
い
た
手
法
に
よ
る
地
溌
勤
評
価
で
得
ら
れ
る
結
果
は
,
特
定
の
破
壊
過
程
を
も
つ
地
震
に
対
す
る
結
果
で
あ
り
,
推
定
娯
差
を
含
ん
で
い
る
。
各
想
定
地
鰹
で
生
じ
う
る
破
壊
過
程
の
パ
ラ
メ
ー
タ
の
範
囲
を
限
定
す
る
こ
と
が
で
き
れ
ば
’
そ
の
純
囲
の
破
壊
過
程
に
対
す
る
計
算
結
果
と
推
定
譲
差
を
合
わ
せ
る
こ
と
に
よ
り
,
各
想
定
地
震
に
よ
る
地
震
動
分
布
を
推
定
す
る
こ
と
が
可
能
に
な
る
と
考
え
ら
れ
る
。
2
つ
の
方
法
に
つ
い
て
,
上
記
の
よ
う
な
分
布
を
評
価
し
て
,
比
較
す
る
こ
と
に
よ
り
,
2
つ
の
方
法
の
整
合
性
を
検
討
で
き
る
と
考
え
ら
れ
る
。
そ
の
た
め
の
諜
題
と
し
て
,
下
記
の
よ
う
な
項
目
が
考
え
ら
れ
る
。
】
)
同
一
地
震
(
固
有
地
震
)
が
総
り
返
し
発
生
し
た
場
合
の
特
定
地
点
の
ば
ら
つ
き
に
つ
い
て
,
既
往
の
繰
り
返し地震のデータに基づき検肘する。(短期的燦題)
2
)
断
層
モ
デ
ル
を
用
い
た
手
法
に
よ
る
地
震
動
評
価
の
推
定
談
差
を
,
既
往
の
地
震
の
観
測
記
録
を
用
い
て
,
定般的に評側する。(短期的課題)
3
)
プ
レ
ー
ト
間
地
展
,
ス
ラ
ブ
内
地
麓
,
内
陸
地
殻
内
地
震
な
ど
に
地
震
を
分
類
し
,
各
地
震
分
類
に
対
し
,
破壊過程のパラメータの変動範囲を評価する。(短期的諜題)
4
)
間
有
地
震
が
繰
り
返
し
発
生
す
る
場
合
の
破
壊
過
程
の
パ
ラ
メ
ー
タ
の
変
勤
範
囲
に
関
し
て
,
既
往
の
繰
り
返
し
地
震
の
デ
ー
タ
や
破
壊
過
程
に
関
す
る
理
論
的
モ
デ
ル
な
ど
に
基
づ
い
て
検
討
す
る
。
変
動
範
囲
は
,
‐
股
的
な
地
麓
の
変
動
範
囲
に
比
べ
小
さ
く
な
る
と
考
え
ら
れ
る
。
(
中
期
的
課
題
)
5
)
以
上
の
検
討
結
果
か
ら
,
断
層
モ
デ
ル
を
用
い
た
手
法
に
よ
る
地
震
勘
評
価
に
お
い
て
,
平
均
と
ば
ら
つ
き
(分布)を評価する方法を検肘する。(中期的課題)
6
)
以
上
の
結
果
に
,
最
終
的
な
基
地
地
震
動
S
s
を
策
定
す
る
ル
ー
ル
(
包
絡
の
ル
ー
ル
な
ど
)
を
よ
り
側
確
に
す
る錐
。づ
(い
中て
期的
課
題
)
一
2.評価の現状
l
■■■■q■101ⅡⅡⅡ00IIlI11III1IIl
■qU
応
答
ス
ペ
ク
ト
ル
に
選
づ
く
地
溌
励
評
価
で
は
,
観
測
記
録
の
飛
鮒
的
増
加
に
伴
い
,
各
種
の
影
蒋
(
断
層
タ
イ
プ
,
断
扇
上
盤
効
果
な
ど
)
の
取
り
込
み
が
図
ら
れ
て
い
る
。
ま
た
,
ば
ら
つ
き
の
憐
衝
(
距
離
依
存
性
な
ど
)
が
検
討
さ
れ
て
い
る
。
断
層
モ
デ
ル
を
用
い
た
手
法
に
よ
る
地
濯
動
評
価
で
は
,
特
性
化
震
源
モ
デ
ル
に
韮
づ
く
「
レ
シ
ピ
」
(
震
源
断
層
を
特
定
し
た
地
震
の
強
溌
励
予
測
手
法
(
「
レ
シ
ピ
」
)
と
し
て
ま
と
め
ら
れ
,
修
正
・
改
訂が図られている。原子力発遁所における評価の現状は下記のようである。
応
答
ス
ペ
ク
ト
ル
に
基
づ
く
地
震
勘
評
価
で
は
,
耐
専
式
(
等
価
渡
源
距
離
を
用
い
た
距
離
減
衰
式
)
が
基
本
的
に
用
い
ら
れ
て
い
る
。
た
だ
し
,
サ
イ
ト
の
地
灌
観
測
記
録
を
用
い
た
補
正
倍
率
を
州
い
る
例
が
多
く
な
っ
て
お
り
,
距
離
減
衰
式
の
絶
対
値
に
は
あ
ま
り
依
存
し
な
く
な
っ
て
い
る
。
補
正
倍
率
の
推
定
に
お
い
て
は
,
解
放
基
盤
相
当
位
置
で
の
解
放
基
盤
波
(
は
ぎ
と
り
波
)
を
推
定
し
,
そ
の
応
答
ス
ペ
ク
ト
ル
と
距
離
減
褒
式
に
よ
る
応
答
ス
ペ
ク
ト
ル
を
比
較
す
る
こ
と
に
よ
り
求
め
ら
れ
て
い
る
。
補
正
倍
率
は
,
プ
レ
ー
ト
間
地
震
,
ス
ラ
ブ
内
地
震
,
内
陸
地
殻
内
地
震
な
ど
に
地
震
を
分
類
し
,
そ
れ
ぞ
れ
毎
に
評
価
し
て
い
る
例
が
多
い
。
問
題
は
,
分
類
毎
の
補
正
倍
率
に
か
な
り
大
き
な
遠
い
が
見
ら
れ
る
こ
と
で
あ
り
,
そ
の
た
め
内
陸
地
殻
内
地
渡
に
対
す
る
観
測
記
録
が
得
ら
れ
て
い
な
い
場
合
に
は
,
地
震
観
測
記
録
に
基
づ
く
補
正
傭
率
が
適
用
で
き
な
く
な
っ
て
い
る
。
本
来
は
,
補
正
倍
率
が
地
震
の
分
類
に
あ
ま
り
依
存
し
な
い
よ
う
な
距
離
減
衰
式
が
望
ま
し
い
と
考
え
ら
れ
る
。
そ
の
た
め
に
は
,
地
鰹
動
強
さ
に
対
す
る
各
種
要
因
の
影
響
を
よ
り
明
確
に
す
る
必
要
が
あ
る
と
考
え
ら
れ
る
。
な
お
,
距
離
減
衰
式
と
し
て
,
耐
専
式
以
外
に
,
般
近
の
国
内
の
式
や
米
国
の
次
世
代
型
距
離
減
衰
式
(
N
G
A
)
"
ロジェクトの式が用いられている場合がある。
断
層
モ
デ
ル
を
用
い
た
手
法
に
よ
る
地
震
勤
評
価
で
は
,
統
計
的
グ
リ
ー
ン
関
数
法
(
短
周
期
)
と
理
輪
的
方
法
(
長
周
期
)
を
組
み
合
わ
せ
た
ハ
イ
ブ
リ
ッ
ド
合
成
法
や
経
験
的
グ
リ
ー
ン
関
数
法
(
短
周
期
)
と
理
騰
的
方
法
(
長
周
期
)
を
組
み
合
わ
せ
た
ハ
イ
ブ
リ
ッ
ド
合
成
法
を
用
い
ら
れ
て
い
る
。
統
計
的
グ
リ
ー
ン
関
数
法
で
は
,
B
o
o
鯉
の
方
法
に
基
づ
き
要
素
地
震
波
が
作
成
さ
れ
て
お
り
,
周
波
数
に
応
じ
た
ラ
デ
イ
エ
ー
シ
ョ
ン
バ
タ
ー
ン
が
考
愈
さ
れ
て
い
る
。
地
溌
基
盤
か
ら
解
放
基
盤
面
ま
で
の
地
盤
増
幅
特
性
は
,
斜
め
入
射
を
仮
定
し
た
S
H
波
と
S
V
波
の
増
幅
時
性
と
し
て
評
価
さ
れ
て
い
る
。
合
成
に
は
入
倉
の
方
法
な
ど
が
用
い
ら
れ
て
い
る
。
理
総
的
’
(安中正)
1-156
1−155
−百
’
3.課題
かは,基準地震動Ssの策定において瞳要な諜題と考えられる。
『
’
人
I
口
’
’
原子力発電所の地震安全に関する地震工学分野の研究ロードマ ツプ
2011年10月
編集
一般社団法人日本地震工学会
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