産業アウトルック２０１６年１～３月期６．電子部品・半導体栗原誠トピック: 半導体市場は 2015年6月から前年割れが継続主力のPC･スマートフォン向けの需要低迷やメモリ価格の軟調等で、半導体市場は2015年6月から足元にかけて前年割れが継続しています。こうしたなか、海外有力メーカーによる大型M&Aなど再編の動きが活発化しています。電子部品市場動向：自動車向け等が堅調でプラス成長維持も、スマートフォンの需要減速などから市場成長は鈍化傾向電子部品市場をみれば、主力のスマートフォン向けでは高機能化に向けて1台当たりの部品搭載点数が増加傾向にあるほか、電装化による自動車向けの需要拡大もありプラス成長を維持しています。今後も自動車の更なる電装化進展や IoT普及(注)による電子部品需要の増加が期待されますが、中国経済の減速等の影響からスマートフォン自体の台数成長は頭打ちになりつつあるうえ、需要の新興国シフトや最終製品メーカー間の競合激化に伴う一段の価格低下もあり市場成長ペースは鈍化傾向にあります。(注) Internet of Thingsの略称で、生産設備や自動車など様々なモノをインターネットにつなぎ、生産･物流効率化等の付加価値を創出する動き。通信用電子部品や、センサー、マイコンなど幅広い電子部品・半導体の需要増が期待されている。半導体市場は、主力用途のPC･スマートフォン向けの需要低迷やメモリ価格の軟調等で2015年6月以降前年割れとなっています。今後は自動車やIoT向け等への用途拡大により市場は成長局面に向かうとの見方が大勢ですが、需要分散化並びに低価格化に伴い成長ペースは従来比緩やかに留まるとの指摘は少なくなく、海外有力メーカーは高成長持続に向けて大型M&Aに舵を切っています。一方、半導体の機能向上やコスト競争力強化に向けた開発･投資負担の増加も続いており、不採算分野からの撤退･売却等の動きも相次いでいます。半導体市場動向： PC･スマートフォン向けの需要低迷やメモリ価格の軟調等でマイナス成長国内メーカーの業績は全体としては前年同期比増収増益ながら、主要販売先の国内メーカー業績： 2015年度上期は全体で動向や成長分野への取組の巧拙等から各社ごとに二極化傾向にあります。こうは増収増益したなか、IoTなど新たな収益機会の確保に向け、IT事業者等との業種･国境を業種･国境をまたいだまたいだ提携や、クロスボーダーM&Aの事例が多くみられます。提携が活発化電子部品市場動向(月次) 半導体市場動向(月次) (億円) 4,000 (億ドル) 出荷額実績(世界､左軸) +60% 前年同期比(右軸) 出荷額実績(世界､左軸) 350 +60% 前年同月比(右軸) 300 3,000 +40% +40% 250 2,000 200 +20% +20% 150 1,000 100 0% 0% 50 0 -20% 11/10 12/10 13/10 14/10 0 15/10 -20% 11/11 （年/月） (出所)JEITA「電子部品グローバル出荷統計」より弊行作成 13/11 14/11 15/11 （年/月） (出所)WSTSより弊行作成メモリ市況の推移(週次) 主要企業の合算業績推移 (ドル) 5 12/11 (兆円) DRAM(2Gb<スポット>) 10 NAND(32Gb<大口>) 4 3 2 1 （年/月） (出所)Bloombergより弊行作成全体営業利益率(右軸) 13% 9 11% 8 9% 7 7% 6 5% 5 3% 4 1% 3 -1% 2 -3% 1 -5% 0 0 売上高(左軸) -7% 08/3 09/3 10/3 11/3 12/3 13/3 14/3 15/3 16/3 15/3 16/3 (期) 計画上期上期 (出所)各社の有価証券報告書､決算短信より弊行作成 (注)上場電子部品･半導体企業上位17社の合算数値(一部弊行推定含む) 本資料は、情報提供を目的に作成されたものであり、何らかの取引を誘引することを目的としたものではありません。本資料は、作成日時点で弊行が一般に信頼できると思われる資料に基づいて作成されたものですが、情報の正確性・完全性を弊行で保証する性格のものではありません。また、本資料の情報の内容は、経済情勢等の変化により変更されることがありますので、ご了承ください。ご利用に際しては、お客さまご自身の判断にてお取扱いくださいますようお願い致します。本資料の一部または全部を、電子的または機械的な手段を問わず、無断での複製または転送等することを禁じております。 -9- Copyright © 2016 Sumitomo Mitsui Banking Corporation. All Rights Reserved.