産業アウトルック２０１５年１～３月期１３．陸運倉庫永井悠紀トピック：大手陸運各社では、値上げの浸透に加え、軽油価格下落が業績面の追い風となっている大手陸運各社は、営業用貨物自動車輸送量の減少が見込まれるなか、輸送コストの増加を受けて値上げを進め、これが浸透してきていることに加え、足元の急速な軽油価格下落による燃油費抑制が追い風となっており、2014年度経常利益は計画を上回って増益となる公算が高まっています。国内荷動き量：消費増税による反動減等から前年割れとなる見通し 2014年度の営業用貨物自動車輸送量は、消費増税の影響による個人消費の落ち込みや民間住宅建設需要の低迷等を受け、前年度比弱含みで推移しているとみられ、通期でも前年割れとなる見通しです。こうした荷動きの悪化から倉庫需要も低水準となっており、貨物回転率が低下している上、前年度の駆け込み需要に備えて積み増した在庫も生産量の落ち込み等により減少傾向にあります。陸運･倉庫会社業績：海外部門の拡大を主因として何れも増収増益となる見通し 2014年度第2四半期の国内陸運大手4社合算売上高は、円安の恩恵もあって海外部門が堅調に推移した他、国内でも輸送量減少を値上げで補って増収となりました。一方損益面では、上期は国内事業で燃料費増加の他、ドライバー不足による人件費や外注費の上昇等によりほぼ横這いに止まりました。ただし通期では、値上げ効果の浸透等から増益を計画しており、足元の軽油価格下落を踏まえれば上振れする可能性も出てきています。国内大手倉庫5社の合算業績は、国内荷動き量の減少はあったものの、海外部門が堅調に拡大して推移した他、輸出入貨物取扱量の増加で港湾運送部門が伸長したこと等から、増収増益となりました。通期では、引き続き荷動き量は低水準が見込まれる上、荷主が在庫水準を圧縮させる等の懸念材料はありますが、堅調に拡大を続ける海外部門に支えられ、増収増益が計画されています。大手陸運会社4社(注)合算の連結業績推移営業用自動車貨物輸送量･前年度比推移(注) (億トン) (兆円) 4.5 営業用自動車貨物輸送量(左軸) 40 15% 1, 600 10% 30 3.0 5% 20 1, 200 0% 前年度比(右軸) 06 07 08 400 -10% 0 05 09 10 11 12 13 0 -15% 14 (年度) 05 (出所)国土交通省｢自動車輸送統計｣より弊行作成 (注)14年度は日通総研推定値 (百万トン) 55% 4 50% 3 45% 貨物回転率(右軸) 1 0 8,000 13/9 13/9 14/1 09 10 11 12 13 14/3 14/5 14 13 14 0 (年度) (予) 2Q 2Q (億円) 400 7,000 350 6,000 300 5,000 250 4,000 200 経常利益(右軸) 40% 3,000 35% 2,000 100 1,000 50 30% 13/4 13 13/5 (年度) 08 不動産・その他事業売上高(左軸) 物流事業売上高(左軸) (億円) 60% 5 09 07 大手倉庫会社5社(注)合算の連結業績推移平均月末保管残高(左軸) 05 06 (出所)各社決算短信、補足資料より弊行作成 (注)日本通運、ヤマトHD、セイノーHD、福山通運倉庫平均月末保管残高･貨物回転率(注)推移 2 800 経常利益(右軸) 1.5 -5% 10 6 (億円) 2, 000 売上高(左軸) 150 0 14/9 (年/月) 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 13 0 14 (年度) (予) 2Q 2Q (出所)各社決算短信、補足資料より弊行作成 (注)三菱倉庫、三井倉庫、住友倉庫、澁澤倉庫、日本トランスシティ (出所)国土交通省｢営業普通倉庫の実績(主要21社)について｣より弊行作成 (注)貨物回転率＝(入庫高+出庫高)/(前月末保管残高+当月末保管残高)×100 本資料は、情報提供を目的に作成されたものであり、何らかの取引を誘引することを目的としたものではありません。本資料は、作成日時点で弊行が一般に信頼できると思われる資料に基づいて作成されたものですが、情報の正確性・完全性を弊行で保証する性格のものではありません。また、本資料の情報の内容は、経済情勢等の変化により変更されることがありますので、ご了承ください。ご利用に際しては、お客さまご自身の判断にてお取扱いくださいますようお願い致します。本資料の一部または全部を、電子的または機械的な手段を問わず、無断での複製または転送等することを禁じております。 -16- Copyright © 2015 Sumitomo Mitsui Banking Corporation. All Rights Reserved.