人事労務管理の 仕組みと体系 2016年5月17日 人事労務管理論A (第4回目) 1022教室 これまでのあらすじ そもそも管理とは何? 思い通りにならないものをうまく扱うこと 「思い」とは何か 管理の目的 → 企業目的 人事労務管理の目的は? 利潤追求のためにヒトを管理する 対象であるヒトは経営者の思い通りにならない 2 人事労務管理を解読すれば 対象であるヒトはロボットではない 他者の思いとおりにはならない意志と感情 経営者はこの意志と感情に働きかけねばならない 3 ところが! 「労働力の商品化」とは 雇用契約の締結の際に 労働者が売り、経営者が買ったのは⇒ 従って 労働力の 契約時間内で 採用後も、 契約時間外は 4 人と仕事の「出会い」 雇用、採用、賃金の決め方、 配置、教育訓練のあり方 ア メ リ カ 型 人 仕事 日 本 型 5 人の側の特徴 仕事の側の特徴 年齢、性、学歴 民族、文化etc 技術、市場、 産業構造etc 雇用とそのあり方(英米の場合) まず企業が「仕事」 job を設定する。 職務分析 職務設計 職務評価 仕事の値段 人 6 仕事基準の採用 仕事基準の賃金 仕事基準の処遇 仕事基準の解雇 雇用とそのあり方(日本の場合) 企業はまず人を採用する 春期学卒一括採用 就職活動 長期雇用 人 (人物評価) ヒト基準の採用 ヒト基準の賃金 ヒト基準の処遇 ヒト基準の解雇 仕事 7 それ故に、「働かせる」ということは 労働力の「所有権」vs「使用権」 買った側(経営者)は自由に使う権利がある 目一杯使いたい → 無駄なく能率よく使う → 売った側(労働者)は身体を守る権利 働かされすぎへの抵抗 → 仕事が原因の怪我・病気 → 8 二つの役割と二つの体系 労働力の効率的使用(利用) 労働力の「使用権」と「所有権」の対立の克服 ・労使対立の緩和・克服 ・愛社精神の育成 ・労働意欲の向上 9 人事労務管理の体系と内容 10 人事管理① 労働力の効率的使用 安価で良質な労働力の購入 労働能力の最大限利用 労働力の「保守」・「点検」:安全・衛生と教育 不要な労働力の廃棄 11 人事管理② 人事管理の仕組み ①雇用管理 ②作業管理 ③時間管理 ④賃金管理 ⑤教育訓練 ⑥安全衛生管理 人事労務管理の技法 12 人事管理③ 人事管理の概念図 適性検査 職務分析 労働力A→ 職務評価 教育訓練 人事考課 賃金管理 労働力B→ 労働力C→ 選考 採用 配置 労働力D→ 退職・レイオフ 定年・解雇 労働力E→ 時間管理 作業管理 13 労使関係管理 労働組合との関係 労働組合と企業(会社)との関係 ⇒ 従業員との関係 従業員一人ひとりと企業(会社)の関係 ⇒ 14 集団的労使関係について 労働組合とその運動 労働力の価格(賃金)、 働かせ方(人事)をめぐる労使の攻防 人事労務管理と労働組合の発展 Pigors & Myers の主張 「人事管理の発展は、ある点においては、労働組 合の発展と並行している」 労使関係は人々の「働き方」に大きな影響を与えるので、 それに見合った「働かせ方」をさせる対策が必要となる。 15 集団的労使関係と人事労務 労働組合は労働力の効率的利用に影響 労働組合のあり方の制御が必要となる ・組合つぶし ・組合抱き込み ・組合を承認の上での制御 現代社会の基本的な考え方は 敵対的な労使関係を友好的なものへ育成する 16 パイの理論とは何か 労使関係の二元性 第1次関係---経営vs組合= 労使関係 第2次関係---経営vs従業員= パイ=成果(利潤) 17 具体的には 生産(友好・協力関係) 第2次関係(経営vs従業員)を重視 友好・協力関係を確立する 生産協力のための制度 → 分配(対立関係) 第1次関係(経営vs組合)を穏便に 分配のための制度 → 労使協議制と団体交渉の違いは? 18 個別的労使関係と人事労務 従業員一人ひとりと企業(会社)の関係 組合がないところでの従業員の不満 組合があっても職場の末端での不満 会社への忠誠心 上司と部下の意思疎通 労働意欲 19 個別的労使関係と人事労務 個別的労使紛争への対応 何よりもまず就業規則の遵守 企業内福利厚生 法定福利費 社内コミュニケーション 20
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