仕様書(PDF:335KB)

「近畿地域の次世代型バイオマス利活用技術に関する大学等知財活用調査」要求仕様書
1.適 用
本要求仕様書は、近畿経済産業局資源エネルギー環境部環境・リサイクル課が実施す
る「近畿地域の次世代型バイオマス利活用技術に関する大学等知財活用調査」に適用す
る。
2.目 的
近畿経済産業局(以下、
「当局」という。
)では、近畿にポテンシャルを有する環境・
エネルギー・資源リサイクル分野におけるイノベーション・新産業創出を図る取組みを
展開しているところである。今後も我が国が持続的な発展を遂げる上で、資源制約は重
要課題として対応が必要であり、化石燃料依存度を低減し、環境保全と経済成長が両立
した新たな社会システムを構築することが重要である。
本事業では、化石燃料以外の動植物由来の有機性資源(以下、「バイオマス資源」と
いう。)を効果的に利用するための技術(以下、「バイオマス利活用技術」という。)に
着目する。バイオマス資源は国内に豊富に存在し、エネルギーとしての利用のみならず、
バイオプラスチックなど、その用途の可能性は広がりを見せている。しかし、一方で各
自治体では活用しきれずコストをかけ処理しているもの・放置されているものも多い。
バイオマス利活用技術に関する特許技術は多数存在するが、対象となるバイオマスの
種類および利用目的が混在し、その手法も有機化学や微生物など多岐にわたり、研究者
も幅広い分野に在籍しているため、一般企業や自治体が有効な技術を見いだすことは困
難である。
そこで近畿地域を中心とした地域の大学・高専・公設試等(以下、「地域の大学等」
という。
)が保有する先進的な特許・実用新案・技術シーズ等(以下、
「知的財産等」と
いう。)から、企業や自治体による活用が見込まれる知的財産等を発掘するとともに、
自治体がバイオマス資源を活用した地方創生の企画立案をする際の参考となるよう整
理し情報提供をする。
これらの情報提供により、バイオマス利活用技術を活かした新事業創出・地域の大学
等から企業への知的財産等の移転および事業化を促進し、バイオマス資源の利活用促進、
循環型社会形成に寄与することを目的とする。
3.事業の内容
バイオマス利活用技術について、8テーマを設定し、特許マップ等を用いてテーマ毎
にわかりやすく図示・解説する。
また地域の大学等が保有する知的財産等よりバイオマス利活用技術を一覧化する。中
でも特に事業化が有望な知的財産等について、12 種のPRシートおよび調査報告書を
作成する。
また、有望な知的財産等を管内自治体・企業に紹介し、管内自治体と企業が連携し事
業化を目指すためのセミナーを開催する。
具体的には以下の作業を行う。
(1)バイオマス利活用技術の特許マップ作成
バイオマス利活用技術について以下のカテゴリから、バイオマス資源の種類別
に5テーマ、バイオマス利用目的別に3テーマの合計8テーマを選択、設定する。
有識者等の助言により調査の対象を一部変更することも可能とする。
特許情報プラットフォーム等を用い、企業・大学・公設試等の特許情報をもと
に①技術の全体概要、②引用の多い代表的な特許、③平成 18 年以降の技術トレ
ンドについて、特許マップ(ツリー・グラフ・図)等を作成し、解説する。
解説は1テーマあたりA4版4頁前後、合計32頁以上とする。
抽出するバイオマス資源の種類別の計5テーマ
① 竹
② 汚泥
③ 藻類
④ 自治体が処理に困っているバイオマス資源(間伐材、農作物残渣、食品系廃棄
物、家畜排泄物、その他)から任意の2種
バイオマスの利用目的別の以下カテゴリから選択した計3テーマ
バイオ燃料(ガス、液体燃料、固体燃料)、バイオプラスチック、肥料・飼料、
バイオ炭、その他有識者の推薦する技術のうち任意の3種
(2)地域の大学等が有する知的財産等の洗い出し、一覧表作成
バイオマス利活用技術を含む知的財産等であって、地域の大学等が保有するも
のを、特許情報プラットフォームの検索等により洗い出し一覧表に整理する。た
だしバイオマス資源を直接燃焼して利用する技術は基本的に調査の対象から除
く。
【一覧表の項目例】
バイオマス資源の種類、利用目的、特許番号・タイトル、技術の概要(100
字程度)
、大学名、発明者、共願/専願の別 等
(3)有望な知的財産等のピックアップ
事業化が有望と考えられる知的財産等を 12 件選定する。
選定にあたってはバイオマス分野に関連する有識者を委員として委嘱し、選定
のための会議を2回以上開催する。
【会議の議題例】
第一回:
(2)で作成した一覧からヒアリング先を絞り込む
第二回:
(4)の大学ヒアリング結果を共有し 12 件の最終選定を行う。
なお選定する 12 件について、知的財産等を保有する地域の大学等は偏りを避け
1大学あたり2件までとする。
委嘱する委員は3名とし、当局と協議して決定する。うち1名は当局が指名する。
会議の開催場所は当局以外の会議室とし、会議の開催に必要な会場費、委員3名
の交通費および謝金は請負事業者が支払う。なお、会議資料については環境・リサ
イクル課担当官と協議の上、作成すること。
選定会議の開催にあたっては当局職員が同席する。
(4)PRシート 12 テーマの作成
(3)でピックアップした有望な知的財産等の詳細について、当該知的財産等の研
究者等に訪問予約のうえヒアリングを実施しPRシートを 12 テーマ分作成する。
有識者の助言等により、ヒアリングが12件以上となる可能性がある。
PRシートについては、産業利用や応用イメージがつかみやすい内容とすること
に主眼を置きながら、1テーマあたりA3版1枚で作成すること。
PRシート作成にあたっては、大学等産学連携部門および研究者等の知的財産等
担当者との調整を行い、本事業について理解を得るとともに、共同研究受け入れの
可否に関する研究者の意向など、個別の情報を収集する。
地域の大学等へのヒアリングには当局職員が同行することがある。
(5)企業・自治体向けセミナーの開催
(1)~(4)でピックアップした有望な知的財産等を管内自治体と企業に紹介
し、管内自治体と企業が連携し事業化等を目指すためのセミナーを1回開催する。
セミナー開催場所は近畿管内の地方都市とする(なお、開催場所については、局と
協議の上、決定するものとする)。
開催業務
① セミナー講師への就任手続きおよび謝金交通費の支払い
② セミナー会場借用に係る契約等業務
③ セミナーの周知と参加者募集業務
④ 当日配布資料の準備
⑤ セミナー運営業務
⑥ アンケートの集計および開催報告書(A4 4 頁以上)の作成
(6) その他事業全般
・知財活用について理解がありPRシート等原稿が書ける人員を社内に有すること。
・事業の実施体制に知的財産管理技能士2級以上を有する者を含むことが望ましい。
・過去に環境・リサイクル分野で調査事業の実績を有していることが望ましい。
・作業進捗は月1回以上当局担当官あてメール等により報告すること。
4.提案書に記載する必須提案項目
1)3.(3)で協力依頼する委員候補2名 の氏名・略歴
2)3.(1)で作成する特許マップ等のイメージ図一案
3)3.(5)で開催するセミナー開催地候補・プログラム案・セミナー講師候補者
4)作業スケジュールその他提案項目については、提案書雛形を参照のこと。
5.請負契約期間
請負契約締結日~平成29年2月28日(火)
6.調査報告書
調査報告書に以下項目を含むこと。
1)3.(1)で作成した特許マップ8テーマ A4版合計 32 頁以上
2)3.(2)で作成した地域の大学等が有する知的財産等の一覧表
3)3.(4)で作成したPRシート 12 テーマ 合計A3版 12 枚以上
事業終了後、近畿経済産業局ホームページで公表する予定である。
7.納入物、納期、納入場所
納入物:調査報告書および企業・自治体向けセミナーの開催報告書の電子媒体 1 部
※電子媒体を納入する際は、MS ワード、エクセル、パワーポイントによる
ファイル形式に加え、PDF ファイルに変換した電子媒体も併せて納入の
こと。
納 期:平成29年2月28日(火)
納入場所:近畿経済産業局 資源エネルギー環境部 環境・リサイクル課
8.その他
業務の遂行において疑義が生じた場合には、環境・リサイクル課担当官と協議し、その
指示に従うものとする。