原子力学会 2016春の大会

燃料デブリ回収工法
アイス工法
福島事故対策検討会 森重晴雄
京都大学 山敷庸亮
Content
1.背景
2.工法の説明
3.工法の成立性検証
4. 現検討案との比較
5.まとめ
福島第一原子力発電所
1号機から3号機の現況概略
• PCVにキレツ
• RPV底部に穴
• 燃料デブリ約100t
発熱約100kw
• 汚染水約100t/D
背景
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汚染水が流出し、海洋汚染が深刻
早期に燃料デブリを回収が必要
現検討案の課題が多い。成立性未定
原子炉基礎の耐震上の安全確保未確定
具体的手順、対策費が未定
既存技術で信頼性の高い工法を立案
建設時の格納容器IRID資料より
PCVを気密
①PCV内空冷
-30℃からー10℃
PCV表面結露
②PCV内排気
③キレツ部から外気侵入
④キレツに結露水集積
⑤凍結
⑥封鎖
RPV 密封&遮蔽
①空冷
ー30℃の空気を
CRDM交換ルート
RPV底部に送風
②流出水凍結
汚染水のRPVからの流出を断つ
③RPV内貯水
④遮蔽 カメラ稼働
東電 常温空冷案東電資料より
燃料デブリ回収装置
• 燃料デブリを凍結固定
• 回収装置よりプラズマ噴射
により燃料デブリ粉砕
• 粉砕された燃料デブリを
水蒸気で保管容器に圧送
燃料デブリ回収時イメージ
燃料デブリ回収前後の撤去作業
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コンクリートプラグ
PCV上蓋
RPV上蓋、RPV
生体遮蔽壁
気水分離機
シュラウド
ペデスタル など
低被ばくで達成した
炉心交換の工法を踏襲
伊方1・2号機
玄海1号機 実績
PCV上蓋搬出
原子炉の搬出イメージ
NDF 技術要件9項目
1.
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3.
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7.
8.
9.
格納容器(PCV)・建屋の構造健全性の確保
臨界管理
冷却機能の維持
閉じ込め機能の構築
作業時の被ばく低減
燃料デブリ取出し機器・装置の開発
燃料デブリへのアクセスルートの構築
系統設備,エリアの構築
労働安全の確保
1.格納容器(PCV)・建屋の
構造健全性の確保
既存案
水中案 スロッシングより
地震力が増大する
トップヘビー不安定
気中横案 自足を切る。
根切り対策要
気中上案 トップヘビー不安定
1.格納容器(PCV)・建屋の
構造健全性の確保
• PCV、RPV のキレツ部とペデス
タル入り口部をアイスで塞ぐ。
軽量化
• 構造健全性の確保
現状以下の荷重条件となり、
耐震裕度確認範囲内で工事を
進捗可能
2.臨界管理
1ホウ酸注入
2中性子計測
3.各カメラの監視
TVカメラ,
ガンマ-カメラ、
赤外線カメラ
4.回収中の施工
燃料デブリを微粉とし
臨界密度以下にする。
3.冷却機能の維持
約 100KW 発熱の燃料デブリ
冠水(100t以上の水に
冷熱を蓄え動的安定)
-30℃の冷却空気
(250KW )で冷却
4.閉じ込め機能の維持
水中工法
4.閉じ込め機能の維持
気中工法
4.閉じ込め機能の構築
三重の閉じ込め
• 燃料デブリを水で満たし、その
周囲をアイスで閉じ込める。
• キレツをアイスが塞ぐ
⇒PCV 及び RPV を封鎖する。
さらに
• 回収装置を燃料デブリに凍結、
固定し閉じ込められた空間の中
で粉砕し、真空引きをする。
5.作業時の被ばく低減
• 燃料デブリに 5m以上
水遮蔽(10-10)
• 超高真空(10-10 Pa)
BG並みにダストを浄化
国の基準
代表例
プルトニウム(α線核種)
7×10-7Bq/cm3以内を
満たす。
6.燃料デブリ取出し機器・
装置の開発
• 燃料デブリにプラズマを噴射し、微粉末となった
燃料テデブリを真空装置に圧送し保管容器に送る。
• 既存装置の組み合わせ。
プラズマ溶断装置
Heクライオポンプ(真空装置)
大きな開発要素なし
7.燃料デブリへのアクセスルート
の構築
1
アクセスを 3 ルート構築
1.重量物搬送ルート
屋外クレーン⇔オペフロ
2.手荷物搬送ルート
建屋内ルート⇔オペフロ
⇔燃料デブリ
2
3
3.冷却ルート
CRDM メンテルートと既存配管システム
8.系統設備,エリアの構築
既存空調設備に追加
・PCV 冷却システム
・RPV 冷却システム
(凍土壁用冷凍設備1基分)
9.労働安全の確保
• モックアップによる作業訓練
• 低放射線下の作業
• 作業の単純化
工法比較
工法の成立性評価
アイス工法がNDF技術要件9項目をすべ
て満たすこと確認した。
工法の成立性評価確認
ご清聴ありがとうございます