復習 (確率) 確率変数 加法性白色ガウ ス雑音通信路 情報通信と 符号化 韓 承鎬 電気通信大学 第四回目 1 / 24 復習 (確率) 確率変数 加法性白色ガウ ス雑音通信路 標本空間と 事象 確率 標本空間 試行: 結果がラ ン ダム に 起き る よ う な 実験 標本点: 試行の結果生じ う る 個々 の結果 標本空間( Ω): 標本点の全体の空間 事象と 演算 標本空間 Ω での2 つの事象 E, F に 対し て 1 和事象: E ∪ F 2 積事象: E ∩ F 3 補事象: Ē 4 差事象: E/F 5 ∪ と ∩ に 対し て 、 結合律と 分配律が成り 立つ 2 / 24 復習 (確率) 確率変数 加法性白色ガウ ス雑音通信路 標本空間と 事象 確率 確率 Pr{E}: 事象 E の起こ り やすさ を 計る 尺度 Definition 次の公理( コ ルモゴロ フ の公理) を 満たす Pr{ } を 確率と いう . 1 任意の事象 E に 対し て ,0 ≤ Pr{E} ≤ 1 2 全事象 Ω に 対し て ,Pr{Ω} = 1 3 共通の標本な い事象 E,F に 対し て , Pr{E ∪ F} = Pr{E} + Pr{F} 3 / 24 復習 (確率) 確率変数 加法性白色ガウ ス雑音通信路 標本空間と 事象 確率 性質 任意の事象 E に 対し て ,Pr{E} + Pr{Ē} = 1 任意の事象 E, F に 対し て ,Pr{E} = Pr{E ∩ F} + Pr{E ∩ F̄} E ⊂ F のと き ,Pr{E} ≤ Pr{F} 任意の事象 E, F に 対し て , Pr{E ∪ F} = Pr{E} + Pr{F} − Pr{E ∩ F} 4 / 24 復習 (確率) 確率変数 加法性白色ガウ ス雑音通信路 標本空間と 事象 確率 条件付き 確率 Definition 条件付確率事象 E, F に 対し て ,Pr{F} = 6 0 のと き Pr{E|F} = Pr{E ∩ F} Pr{F} で定義さ れる Pr{E|F} を 事象 F が起き る 条件下での事象 E の条件 付確率と いう . Definition 確率の積の公式 Pr{E ∩ F} = Pr{E|F} Pr{F} = Pr{F|E} Pr{E} 5 / 24 復習 (確率) 確率変数 加法性白色ガウ ス雑音通信路 標本空間と 事象 確率 独立性 Definition 独立事象事象 F に 事象 E に 関数する 情報が含ま れて な いと き , つ まり Pr{E|F} = Pr{E} のと き , 事象 E と F は独立である と いう . 互いに 独立な 事象 E, F に 対し て Pr{E ∩ F} = Pr{E} Pr{F} 6 / 24 復習 (確率) 確率変数 加法性白色ガウ ス雑音通信路 標本空間と 事象 確率 ベイ ズ定理 Theorem 事象 E と F に対し て , 事象 F が起き る 前の事象 E の確率 Pr{E} を 事前確率と いい, 事象 F が起き たあ後での事象 E の確率 Pr{E|F} を 事後確率と よ ぶ. ベイ ズ定理に よ れば, 事象 F の事後確率は Pr{F|E} = Pr{E|F} Pr{F} Pr{E} で計算さ れる . 7 / 24 復習 (確率) 確率変数 加法性白色ガウ ス雑音通信路 定義 Definition 標本空間 Ω で定義さ れた実数値関数 X (ω) を 確率変数と いう . 試 行の結果 ω が確定する と , 確率変数 X は一つの値 X (ω i ) に 定ま る が, こ の値を X (ω) の実現値と いう . 任意の一次元区間 I = (a, b] に おいて , 事象 E = {ω|X (ω) ∈ I}ω ∈Ω が生じ る 確率 Pr{E} を 確率変数 X (ω)(記述の便宜上 X と 記する ) の確率分布 と いい, I = (−∞, x] のと き の確率関数 FX (x) := Pr {X (ω) ∈ (−∞, x]} を X の分布関数と よ ぶ. 8 / 24 復習 (確率) 確率変数 加法性白色ガウ ス雑音通信路 離散的な 場合 確率変数 X のと り 得る 値が x1 , x2 , · · · と 番号付け ら れる と き , X の確率分布は PX (xi ) := Pr{X = xi } であり , 任意の区間 I に 対し Pr{X ∈ I} = X PX (xi ) i∈I と なる . 9 / 24 復習 (確率) 確率変数 加法性白色ガウ ス雑音通信路 連続の場合 任意の一次元区間 I = (a, b] に 対し て Pr{a ≤ X ≤ b} = Z b fX (t)dt ≤ 1 a と な る 関数 f (t) を 連続的な 確率変数 X の確率密度関数と いう . こ のと き , 分布関数は Z x FX (x) = Pr{−∞ < X ≤ x} = fX (t)dt −∞ で与え ら れる . 10 / 24 復習 (確率) 確率変数 加法性白色ガウ ス雑音通信路 多変数の場合 N 個の連続確率変数 X1 , X2 , · · · , XN と 対応する 一次元区間 I1 , I2 , · · · , IN に 対し て Pr{X ∈ I2 , · · · , XN ∈ IN } 1Z∈ I1 , X2 Z Z = ··· fX1 ,X2 ,··· ,XN (t1 , t2 , · · · , tN )dt1 dt2 · · · dtN t1 ∈I1 t2 ∈I2 tN ∈IN と な る 関数を 変数 X1 , X2 , · · · , XN の同時確率密度関数と いい, 同 時確率分布関数は F 2 ,··· ,XN (x1 Z, xx2N, · · · , xN ) ZXx11,XZ x2 fX1 ,X2 ,··· ,XN (t1 , t2 , · · · , tN )dt1 dt2 · · · dtN ··· = −∞ −∞ −∞ で与え ら れる . 11 / 24 復習 (確率) 確率変数 加法性白色ガウ ス雑音通信路 確率変数の独立性 離散確率変数 X , Y に おいて , すべて の i, j に 対し て PX ,Y (xi , yj ) = PX (xi )PY (yj ) が成り 立つと き X と Y は独立である と いい, 連続な 場合に はす べて の x, y に 対し て pX ,Y (x, y ) = pX (x)pY (y ) が成り 立つこ と を いう . 12 / 24 復習 (確率) 確率変数 加法性白色ガウ ス雑音通信路 条件付分布 離散確率変数 X , Y に 対し て , PY (y ) 6= 0 のと き PX |Y (x|y ) := Pr{X = x|Y = y } = PX ,Y (x, y ) PY (y ) を Y = y が生じ る 条件のも と での X の条件付分布と いう . 連続 確率変数の場合は, 区間 Pr{Y ∈ (y , y + dy ]} = 6 0 のと き 、 条件付 確率は, 密度関数を 用いて Pr{X ∈ (x, x + dx]|Y ∈ (y , y + dy ]} = fX ,Y (x, y )dxdy fX ,Y (x, y )dx = fY (y )dy fY (y ) で計算さ れる . 13 / 24 復習 (確率) 確率変数 加法性白色ガウ ス雑音通信路 期待値と 分散 離散確率変数 X の確率分布 {PX (Xi )} が与え ら れた時, 期待値と 分散はそ れぞれ ∞ X xi PX (xi ) E {X } := i=1 V {X } := E {(X − E {X })} = ∞ X (xi − E {X })2 PX (xi ) i=1 で与え ら れる . 連続の場合は E {X } := Z ∞ xfX (x)dx −∞ V {X } := E (X − E {X }) と なる . 2 = Z ∞ (x − E {X })2 fX (x)dx −∞ 14 / 24 通信路の影響 波形モデル ベク ト ルモデル 確率モデル 復習 (確率) 確率変数 加法性白色ガウ ス雑音通信路 加法性雑音の影響 受信機の熱雑音が発生源のため、 すべて の通信路に おいて 存在し , 多く の場合通信誤り を 引き 起こ す主な 原因 2 1 1 0.5 0 0 -0.5 -1 -1 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 変調 -2 0 4 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 復調 + 0.4 0.2 0 -0.2 -0.4 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 15 / 24 通信路の影響 波形モデル ベク ト ルモデル 確率モデル 復習 (確率) 確率変数 加法性白色ガウ ス雑音通信路 加法性通信路の波形モデル 送信データ : m ∈ M, M := {m}M−1 m=0 変調信号: sm (t) 受信信号: r (t) 雑音: n(t) sm (t) + r(t) n(t) r (t) = sm (t) + n(t) 16 / 24 通信路の影響 波形モデル ベク ト ルモデル 確率モデル 復習 (確率) 確率変数 加法性白色ガウ ス雑音通信路 加法性通信路のベク ト ルモデル 異な る 変調方式で雑音の影響を 統一的に表現する ために、 sm (t) に 対し て 完備な N 次元直交基底 {αn (t)}N−1 n=0 での写像を 用いて 表現! sm,n = Z ∞ sm (t)αn (t)dt, 0 ≤ n < N 0 と する と 、 s m = (sm,n )N−1 n=0 は信号 sm (t) = N−1 X sm,n αn (t) n=0 に 一意的に 対応する . 17 / 24 通信路の影響 波形モデル ベク ト ルモデル 確率モデル 復習 (確率) 確率変数 加法性白色ガウ ス雑音通信路 MASK 信号のベク ト ル表現例 1 0.5 0 -0.5 -1 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 α0,0 (t) : α1,0 (t) : α2,0 (t) : α3,0 (t) : s0 = 0 s1 = 1 3 s2 = 2 3 s3 = 1 18 / 24 復習 (確率) 確率変数 加法性白色ガウ ス雑音通信路 通信路の影響 波形モデル ベク ト ルモデル 確率モデル MFSK 信号のベク ト ル表現例 1 0.5 0 -0.5 -1 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 α1,0 (t) : α1,1 (t) : α1,2 (t) : α1,3 (t) : s0 = (1, 0, 0, 0) s2 = (0, 0, 1, 0) s1 = (0, 1, 0, 0) s3 = (0, 0, 0, 1) 19 / 24 復習 (確率) 確率変数 加法性白色ガウ ス雑音通信路 通信路の影響 波形モデル ベク ト ルモデル 確率モデル 加法性通信路のベク ト ルモデル 雑音 n(t) に 対し て も , ベク ト ル n = (ni )N−1 i=0 Z ∞ n(t)αi (t)dt, 0 ≤ i < N ni = 0 を 導入する と 、 加法性通信路を ベク ト ルの加算 r = sm + n で表現でき る 。 20 / 24 復習 (確率) 確率変数 加法性白色ガウ ス雑音通信路 通信路の影響 波形モデル ベク ト ルモデル 確率モデル 加法性通信路のベク ト ルモデル 入力シンボル ベクトル 変調 復調 + 出力シンボル ベクトル 雑音 モデル化 sm + n r 21 / 24 復習 (確率) 確率変数 加法性白色ガウ ス雑音通信路 通信路の影響 波形モデル ベク ト ルモデル 確率モデル 加法性通信路の確率モデル データ 0, 1 に 応じ て 振幅 s = 1, −1 の余弦波を 送信 雑音 N Pr{N = n} 0 ±0.5 ±1 ±1.5 ±2 5 25 4 25 3 25 2 25 1 25 s = 1 が送信さ れた場合 r Pr{r } −1 −0.5 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 1 25 2 25 3 25 4 25 5 25 4 25 3 25 2 25 1 25 s = −1 が送信さ れた場合 r Pr{r } −3 −2.5 −2 −1.5 −1 −0.5 0 0.5 1 1 25 2 25 3 25 4 25 5 25 4 25 3 25 2 25 1 25 22 / 24 復習 (確率) 確率変数 加法性白色ガウ ス雑音通信路 通信路の影響 波形モデル ベク ト ルモデル 確率モデル 加法性通信路の確率モデル 雑音 確定的な 入力 s m に 対し て 、 不確定的な 信号 r を 出力する も の m ∈ M が送信さ れる 確率を Pm と する と , 送信機は同じ 確 率 Pm で s m を 送信 送信機が s m を 送信し た場合, 受信機が r ∈ RN を 受信する 同 時確率密度 p(r , s m ) = p(r |s m )Pm sm p(r|sm ) r 23 / 24 復習 (確率) 確率変数 加法性白色ガウ ス雑音通信路 通信路の影響 波形モデル ベク ト ルモデル 確率モデル 加法性通信路の確率モデル 特徴 入出力間の確率密度関数を 用いて 雑音を 表すので、 入力は 一つ 雑音がな い時の通信路の確率モデル 1; r = s m p(r |s m ) = 0; otherwise r − s m = n ⇒ p((r − s m )|s m ) = p(n) な ので, p(n) から 通信 路の確率密度関数を 求めら れる . 雑音と 送信信号の具体的な 算術演算の指定がな いので, すべ て の通信路を 確率モデルで表現でき る . 24 / 24
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