倫理的ジレンマ エピソードシート - 公益社団法人神奈川県社会福祉士会

倫理的ジレンマ エピソードシート
事前課題 記入例
神奈川県社会福祉士会 倫理綱領研修
たとえば、こんなとき・・・(倫理的ジレンマだと思う状況の例を簡単に)
介護保険未申請の独居の男性。お金があると酒を買い、酔うと道路でタバコを吸いつまみを燃やす。
具体的状況
(関連しそうな事項を箇条書きで)
・ 理解力はやや低下。
ジレンマや矛盾を感じる事項
・ 金銭管理が必要だが、使えるサービスがない。
・ 本人は金銭自己管理をしたいが、全て渡すと酒やタ
・ 病歴特になし。腰痛あり。
バコを買い、道路で燃やしてしまう。
・ 一人暮らし。
・ 自己の専門能力のジレンマ。
・ 身寄りなし。
・ 地域包括職員の役割のジレンマ
・ 金銭の自己管理は困難。
(地域住民から期待される問題解決機能と専門職
・ 電話はなし。
としての権利擁護機能)
・ 現在知人がお金を管理している。
・ 度々近所の店の人に頼み知人を呼び出し買い
物を頼んでいるので困っている。
・ 近所の店員も電話代をもらえず困っている。
・ 施設に入りたいと口にされる。
・ 食事は給食サービスを週3回とっている。
・ その他の食事の状況は不明。
・ 室内は大掃除が必要な状況あり。
・ 介護保険申請は同意。
・ 民生委員や近所の住民が出火を恐れている。
関連しそうな項目
・ 何度か火を燃やした後始末を近所の人がして
・ 施設に入りたいという本心。
いる。
・ 在宅生活をどう送りたいか。
・ 後見人設定の可能性。
・ 経済的負担能力はどの程度か。
・ 自己管理能力がどれくらいあるか。
・ 出火の危険性。
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ⓒ2013 T.Kikuchi 菊池
事前課題 記入例 解説
たとえば、こんなとき・・・(倫理的ジレンマだと思う状況の例を簡単に)
在宅困難と思われるが、退院を促進しなければならない方への支援
具体的状況
ジレンマや矛盾を感じる事項
・ 生命の維持と本人の意思のジレンマ
・ 病院・病棟の役割のジレンマ
(医療資源の有効活用とご本人の意向尊重)
・ 病院ソーシャルワーカーの役割のジレンマ
(病院から期待される退院促進機能と専門職と
しての権利擁護機能)
・ 自己の専門能力のジレンマ
(現実課題解決上の専門能力と無力感)
(関連しそうな事項を箇条書きで)
・ 脳梗塞で入院
・ 現在病状安定
・ 在宅では、一人暮らしだった
・ 家族、親族はいない
・ 再発作の恐れがあり自己管理が必要
・ 軽い認知症もあり
・ 歩行は不安定ながら手すりなどにつかまれ
ば可能
・ 麻痺により経口摂取では誤嚥多発
・ 胃ロウならば受け入れ先施設がある。
・ 在宅での一人暮らしには課題が多い。
どういうことにジレンマを感じるかを箇条書きで上
げてみましょう。
倫理綱領の項目を参考にしてください。
●●と▲▲というように対立してしまう項目を具体
的にあげてみるとわかりやすくなりますよ。
・ 病院での生活は自宅よりも安心で居心地が
よいと満足している一方で退院を希望
・ 別な病院への転院や施設入所は嫌だと言っ
ている。
・ 本人は胃ロウ造設を嫌がっている。
(現時点では胃ロウ造設術は未施行)
関連しそうな項目
・ なぜ退院を強く希望しているのか(本人意思)
・ 経済的負担能力はどの程度か
・ 後見人設定の可能性
倫理的ジレンマや矛盾を考える上で、ポイン
トになりそうな項目が浮かべばあげてみま
しょう。
自分なりの発想でかまいません。
事例検討が目的ではないので、ごく簡単な概要だ
けでかまいません。
“倫理的ジレンマ・矛盾を感じた状況”に関連しそ
うな項目だけは忘れずに・・
※研修内で他の受講者と共有します。個人が特定
される情報などは一切含まないようにご配慮くだ
さい。
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この欄は、研修内の演習で記載しますので。
事前の記載は不要です。
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日ごろの実践の中で、社会福祉
士として倫理的なジレンマや
矛盾を感じるエピソードをあ
げてみましょう!
必ず、倫理綱領の項目をよくみ
て参考にしてください。