DIニュース2016.5 - 熊本総合病院 薬剤部

2016 May.vol.25 No.5
電子カルテ版は天然色!
DI NEWS
熊本総合病院 医薬品情報誌
担当 藤井・市川
CONTENTS
地震で気付いた事
医薬品医療機器安全性情報332
DSU248
薬事委員会報告
1頁
2~3頁
3頁
4頁
平成28年熊本地震で被災しました。
私の実家は「大津町」でありまして、いわゆ
る「本震」、4月16日、午前1時25分ごろという
やつに、寝ている間に遭遇しました。
正直、こんなに揺れが長いのも経験はあり
ませんし、あんなに家の中がグチャグチャに
なったり、頭にモノが当たったり、やられっぱ
なしでしたが、揺すられるだけで動けません
し、ひどいものでした。
家の下に地割れが走ったようで、壁が割れ
たり、瓦が落ちたり、天井が壊れたり。直せ
るところはすぐに直しましたが(翌日が雨の
予報のため)日曜大工が得意で良かった。
気付いたこと、いろいろ
苦労話ばかりしても役に立たないので、被災して気付いたことをいくつか。
【地震保険】
損害の認定基準は以下の通り。以下は「家財」の場合
・全損:損害の額が家財全体の時価額の80%以上となった場合
・半損:損害の額が家財全体の時価額の30%以上80%未満となった場合
・一部損:損害の額が家財全体の時価額の10%以上30%未満となった場合
で、その場合の保険金支払額です。
・全損:家財の地震保険金額(*)の100%(時価額が限度)
・半損:家財の地震保険金額(*)の50%(時価額の50%が限度)
・一部損:家財の地震保険金額(*)の5%(時価額の5%が限度)
現実は厳しい。30万以上の物品は対象外など規定いろいろ。詳しくは各社のHPで。
【TV報道と現実】
TVには、避難所などを映して「あれがない、これがない」の映像を取りたがりますが、
私のような田舎町にはマスコミも来ないので完全放置です。ただ、車で最大1時間も走
れば「普通の町」にたどり着くので(私も出勤して、飯も食ってる)、違和感はあります。
普通に営業しているコンビニの横でおにぎり配るというか、再建した医療機関の隣で災
害処方箋が出されているというか。本当に必要な場所へ向かう力が分散してないか?
【家具やら机やらモノやら】
• 上の写真はウチの子供部屋のベットに覆いかぶさる箪笥2竿。娘は無事ですけど、家
具に殺される恐れがあります。家具の固定具も壁や天井が抜ければ…
•いつも置いてある場所の把握は大事。ですが、あちこち飛散します。ただし、揺れる方
向性があるので、何か見つかったら、いつもの場所との関係性を考え、法則がわかると、
次々見つかります。
•机の下は空間になる場合もありますが、ウチの場合は足が二本折れて、逆に下のモノ
を押しつぶしてました。机の強度も考えないと…
•ブルーシートの掛け方とか、土嚢とか、この際見ておきましょうね。難しいですよ。
1
•手軽な補修具ほど先に売り切れます。セメントなどはある。平時に一度試してみては。
ニボルマブ(遺伝子組換え)製剤使用時の劇症1型糖尿病に関する周知について
1.はじめに
ニボルマブ(遺伝子組換え)製剤(以下,「本剤」という。)は,販売名オプジーボ点滴静注20mg,
同点滴静注100mgとして,平成26年7月に「根治切除不能な悪性黒色腫」を効能・効果として製造
販売の承認を取得し,同年9月に発売となりました。
本剤による1型糖尿病については,劇症1型糖尿病を含む1型糖尿病関連の国内症例が集積
したことから,平成27年11月に添付文書を改訂し注意喚起を行ったところです。
また,平成27年12月に「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」の効能・効果が追加承認され,
平成28年2月から包括医療費支払制度の対象外となり,使用患者数の増加が見込まれることか
ら,平成28年1月28日付けにて,「ニボルマブ(遺伝子組換え)製剤使用時の劇症1型糖尿病に関
する周知について」により改めて注意喚起を行いましたので,その内容と症例の概要についてご
紹介します。
2.劇症1型糖尿病について
1型糖尿病のうち,特に劇症1型糖尿病は,糖尿病症状発現後1週間前後以内にケトアシドー
シスに陥るなど,急激に重篤化し,適切な処置をしなければ死亡に至るリスクも想定されるため,
早期発見や適切な治療を速やかに行うことが重要です。
そのため,本剤の使用中に急激な血糖値の上昇,もしくは口渇・多飲・多尿・体重減少・全身倦
怠感・意識障害などの糖尿病症状の出現を見た際には,劇症1型糖尿病の可能性を考慮し,糖
尿病専門医との緊密な連携の下,早急な対処が必要です。また,患者に対しても,劇症1型糖尿
病の可能性や,注意すべき症状についてあらかじめ十分に周知しておくことが求められます。
3.1型糖尿病(劇症1型糖尿病を含む)の発現状況等について
本剤の企業による推定使用患者数は承認から平成28年2月末までにおいて,3,483人で,平成
27年12月に「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」の効能・効果が追加承認されたこと,平成
28年2月から包括医療費支払制度の対象外となったこと,「根治切除不能な悪性黒色腫」に関す
る用法・用量の追加承認及び化学療法未治療患者への対象拡大などから,更に使用患者数の
増加が見込まれます。
承認から平成27年11月の添付文書改訂までに1型糖尿病関連の副作用は,因果関係が不明
なものも含め5例報告され,うち因果関係が否定できない症例は4例でした。その後,使用者数の
増加から発生頻度として増加している状況ではないものの,平成28年2月末までに4例(情報不
足等により因果関係が不明な症例も含む)報告され,合計9例(うち死亡例は無し)報告されてい
ます。
4.使用上の注意の改訂(平成27年11月24日改訂)
[副作用]の「重大な副作用」の項に
「1型糖尿病:
1型糖尿病(劇症1型糖尿病を含む)があらわれ,糖尿病性ケトアシドーシスに至ることがあるの
で,口渇,悪心,嘔吐等の症状の発現や血糖値の上昇に十分注意すること。1型糖尿病が疑わ
れた場合には投与を中止し,インスリン製剤の投与等の適切な処置を行うこと。」
を追記する。
5.関連学会からの周知
平成28年1月21日には公益社団法人日本臨床腫瘍学会より,抗PD-1抗体,ニボルマブ(遺伝
子組換え)製剤について,今後の1型糖尿病を含む種々の副作用発現の拡大を防止するため,
適正使用に関するステートメントが発出され,平成28年1月29日に,公益社団法人日本臨床腫瘍
学会,一般社団法人日本糖尿病学会両理事長の連名にて,免疫チェックポイント阻害薬に関連し
た劇症1型糖尿病の発症について注意喚起の声明が発表されております。
2
「医薬品・医療機器等安全性情報報告制度」の報告様式の変更について
1.制度の概要
医療機関,薬局等からの医薬品,医療機器又は再生医療等製品についての副作用,感染症
又は不具合の情報の報告については,医薬品・医療機器等安全性情報報告制度(以下「安全性
情報報告制度」という。)として,医薬関係者の皆様に御協力いただいております。これは,医薬
品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号。以
下「医薬品医療機器法」という。)第68条の10第2項の規定に基づく制度です。
報告された情報は,専門的観点から分析,評価され,必要な安全対策を講じる際の根拠となり,
広く医薬関係者に情報提供されるなど,医薬品,医療機器及び再生医療等製品の市販後安全対
策の確保に活用されています。
2.報告書様式の変更内容
以下、略。様式は薬剤部で把握しております。ご連絡を。
ロキソプロフェン
(先発:ロキソニン)
114 解熱鎮痛消炎剤
改訂箇所
改訂内容
[副作用]の「重
大な副作用」
追記
「小腸・大腸の狭窄・閉塞:
小腸・大腸の潰瘍に伴い、狭窄・閉塞があらわれることがあるので、観察を十分に行い、
悪心・嘔吐、腹痛、腹部膨満等の症状が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切
な処置を行うこと。」
フロセミド
(先発:ラシックス)
213 利尿剤
改訂箇所
改訂内容
[副作用]の「重
大な副作用」
追記
「間質性肺炎:
間質性肺炎があらわれることがあるので、咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常(捻髪音)
等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT等の検査を実施すること。間質性
肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を
行うこと。」
ベタニス錠
ミラベグロン
259 その他の泌尿生殖器官及び肛門用薬
改訂箇所
改訂内容
[重要な基本的
注意] 追記
「血圧の上昇があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に血圧
測定を行うこと。」
「高血圧:
血圧の上昇があらわれることがあり、収縮期血圧180mmHg以上又は拡張期血圧
110mmHg以上に至った例も報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた
場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。」
[副作用]の「重
大な副作用」
追記
3
平成28年度 第1回 薬事委員会(4/26火曜)報告ダイジェスト
【新規仮採用薬】
ジェブタナ点滴静注60mg(カバジタキセル:サノフィ)
【効】前立腺がん
モーラスパップXR120mg(ケトプロフェン:久光)
【効】○下記疾患並びに症状の鎮痛・消炎
腰痛症(筋・筋膜性腰痛症、変形性脊椎症、椎間板症、腰椎捻挫)、変形性関節症、
肩関節周囲炎、腱・腱鞘炎、腱周囲炎、上腕骨上顆炎(テニス肘等)、筋肉痛、外傷
後の腫脹・疼痛
○関節リウマチにおける関節局所の鎮痛
ホストイン静注750mg(ホスフェニトイン:エーザイ)
【効】1.てんかん重積状態 2.脳外科手術又は意識障害(頭部外傷等)時のてんかん発
作の発現抑制 3.フェニトインを経口投与している患者における一時的な代替
イーケプラ点滴静注500mg(レベチラセタム:大塚)
【効】一時的に経口投与ができない患者における、下記の治療に対するレベチラセタム経
口製剤の代替療法
○てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む) ○他の抗てんかん薬で
十分な効果が認められない強直間代発作に対する抗てんかん薬との併用療法
注射用水500mLソフトバック(光製薬)
人工呼吸器の加湿チャンバーの通気不良による空だきの防止用
【臨時的購入薬】
アドシルカ20mg錠(タダラフィル:リリー)
【効】肺動脈性肺高血圧症
レンビマカプセル4mg、10mg(レンバチニブ:エーザイ)
【効】根治切除不能な甲状腺癌。
【新規院外採用】
フロリードゲル経口用2%5g(ミコナゾール:持田)
【効】カンジダ属による次の感染症:口腔カンジダ症、食道カンジダ症
【院外から院内採用への変更】
ミカムロAP(テルミサルタン40mg、アムロジピン5mg:アステラス)
【効】高血圧症(ARBミカルディス40mgとCaBアムロジン5mgの合剤)
【用】1回1錠
レザルタスHD(オルメサルタン20mg、アゼルニジピン16mg:第一三共)
【効】高血圧症(ARBオルメテック20mgとCaBカルブロック16mgの合剤)
【用】1回1錠
エックスフォージ配合OD錠(バルサルタン80mg アムロジピン5mg:ノバルティス)
【効】高血圧症(ARBディオバン80mgとCaBアムロジン5mgの合剤)
【用】1回1錠
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【削除】
キロサイド400mg、200mg(他に1000mg、20mgがあり、使用しないため)
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