DNW-14027 の概要 - 国立研究開発法人日本医療研究開発機構

DNW-14027 の概要
課題番号 :DNW-14027
課題名
:多剤耐性菌に対する新規クラスの抗菌剤の探索
主任研究者(Principal Investigator):
平松 啓一(順天堂大学大学院 医学研究科)
課 題 番 号 DNW-14027 に つ い て 、 MRSA (methicillin-resistant Staphylococcus (S)
aureus), VRSA (vancomycin-resistant S. aureus), VISA (vancomycin-intermediate S.
aureus),
VRE
(vancomycin-resistant
Enterococci),
PRSP
(penicillin-resistant
Streptococcus pneumoniae) による感染症を治療できる新たな抗菌剤の創出に取り組んで
いる。

細菌の type-II topoisomerase の一種である DNA gyrase を作用点とし、従来のキ
ノロン薬とは交差性を示さず、キノロン薬耐性菌に対し強い抗菌力を有する新規
骨格の合成抗菌剤。

新規化合物群が DNA gyrase と結合するポケットは従来のキノロン薬と同じであ
るが、相互作用エネルギー獲得に利用するアミノ酸が異なる。そのため、従来のキ
ノロン薬耐性菌にも有効である。

新規化合物群は、多剤耐性 MRSA, VRSA, VRE, PRSP 臨床分離株に対して、強い
増殖阻止活性を示した。グラム陰性菌に対する抗菌活性は比較的弱い。


耐性菌出現頻度は既存のキノロン系抗菌剤の 1/100~1/1000 程度である。
S. aureus 由来 Gyrase – DNA – 現有化合物の X 線構造解析が複数の化合物に
おいて成功した。さらに、VRE 由来 gyrase – DNA-現有化合物の X 線構造解析
を行い、得られた情報を基に VRE により強い抗菌剤を得るためのドラッグデザイ
ン、合成展開を計画中。

今後、リード最適化の結果得られた複数の新規化合物に対して薬物動態、安全性検
討を実施予定である。
テーマに関するお問い合わせは下記までお寄せください。
Principal investigator へのお問い合わせはご遠慮くださるようお願いいたします。
(問合せ先)
国立研究開発法人日本医療研究開発機構 創薬支援戦略部
E-mail:[email protected]