心理と言語A 第3回 -第二言語学習のプロセス(2)- 廣森 友人 [email protected] Logo (テキスト: 第2章) 授業の目的 第二言語習得研究の大まかな流れを理解する。 - 対照分析 - 誤答分析 - 中間言語分析 第二言語習得(学習)とはどのような現象なのか, そのプロセスを理解する。 2 第二言語習得のモデル 第二言語習得の認知プロセス (Gass, 1997, 2013) インプット(input) ??? アウトプット(output) 3 4 5 6 第二言語習得のモデル 第二言語習得の認知プロセス (Gass, 1997) - Gass(1997)を宿題として読んでくる - 授業の初めに,グループで分担して内容報告 ↓ - 4人1グループになる - 役割分担して,自分の担当部分の報告 (ページ裏の1.1.1, 1.1.2, 1.1.3 & 1.1.4, 1.1.5) - 他の学生は疑問点,不明点を尋ねる 7 第二言語習得のモデル 第二言語習得の認知プロセス (Gass, 1997) インプット(input) 気づき(noticing) 第二言語習得の最初のプロセス 目や耳から入ってくる情報に気づくこと (例:単語,文法,音など) 気づくということ(apperception) =注意を向けること アウトプット(output) 8 第二言語習得のモデル 「気づき」の実際 - 消費税が8%,ますます活躍する1円玉 - 注意を向けないと,気づかない (例:「スピードラーニング」) 9 第二言語習得のモデル 第二言語習得の認知プロセス (Gass, 1997) インプット(input) 気づき(noticing) 第二言語習得の最初のプロセス 目や耳から入ってくる情報に気づくこと (例:単語,文法,音など) 気づくということ(apperception) =注意を向けること 情報を短期記憶に保持する アウトプット(output) 10 第二言語習得のモデル 第二言語習得の認知プロセス (Gass, 1997) インプット(input) 気づき(noticing) 理解(comprehension) 2つのレベルの「理解」 ①情報の意味を理解 ②情報の構造(形式/機能)を理解 *どんな形式でどんな機能を果たすのか 言語形式の意味と機能の結びつきを把握 =仮説形成(hypothesis formulation) アウトプット(output) 11 第二言語習得のモデル 第二言語習得の認知プロセス (Gass, 1997) インプット(input) 気づき(noticing) 理解(comprehension) 内在化(intake) アウトプット(output) 気づき,理解したインプットを学習者の内部 (中間言語)へ取り込むこと 12 第二言語習得のモデル 「内在化」の実際 - 以下の各文を書いてある通りに読んでください。 1) Can you read this? 2) You are not reading this. 3) vo e con eg e ler ist? 4) What are you reading? →インプットを処理するときには,すでに内在化された 中間言語に依存している。 (過去の記憶や経験から情報を引っ張り出してくる) 13 第二言語習得のモデル 第二言語習得の認知プロセス (Gass, 1997) インプット(input) 気づき(noticing) (仮説修正,仮説棄却) 理解(comprehension) 内在化(intake) 気づき,理解したインプットを学習者の内部 (中間言語)へ取り込むこと インプットと中間言語を比較 =仮説検証(hypothesis testing) アウトプット(output) 14 第二言語習得のモデル 第二言語習得の認知プロセス (Gass, 1997) インプット(input) 気づき(noticing) 理解(comprehension) 内在化(intake) 統合(integration) アウトプット(output) 情報を長期記憶に保持する (=中間言語の再構築) 自動的・瞬間的に利用可(自動化) 15 第二言語習得のモデル ここまでのまとめ - 結局のところ,第二言語(英語)に習熟するというの は,頭の中の認知プロセス(グラデーションの部分) をいかにスムーズに行うか,あるいはあまり注意を 払わずにできるようになるか,ということ。 - 効果的な第二言語学習・指導というのは,いかにこ の認知プロセスを促進するようなインプット,あるい はアウトプットの機会を得る(与える)かにかかってくる。 - では,どんなインプット,インタラクション,アウトプッ トが必要になるのか? 16 授業の資料 「廣森研究室」(http://hiromori-lab.com/)内の 「担当講義」(http://hiromori-lab.com/lectures.html) 17
© Copyright 2024 ExpyDoc