cerumo inging 2016SF第1戦鈴鹿決勝

2016
SUPER FORM ULA
P.MU/CERUMO・INGING Race
第1戦
◆4 月 24 日 (日)
< 決
Report
鈴鹿サーキット
勝 > 天候:晴れ | コース状況:ドライ
#1 石浦 宏明 11位 / #2 国本 雄資 2位
決勝日の朝に設けられているフリー走行は、前日の夜
半に降った雨がコース上にところどころ残った状態でス
タートした。気温は 19℃、路面温度は 21℃。まさに雨上
がりの朝といった、ひんやりとした空気の中、決勝に向
けたチェックのためにスーパーフォーミュラのマシンがコ
ースへと入っていく。予選後にチームが予想していた通
り、このフリー走行ではロングランのチェックを行うチー
ムが大半を占めた。P.MU/CERUMO・INGING の 2 台も
セッション開始早々にコースイン。周回を重ねていき、ベ
ストタイムは石浦が 13 番手タイム、国本も 16 番手タイ
ムだったが、それぞれ 10 周以上のロングラップでマシン
やタイヤの状態を確認し、決勝へと臨んだ。
鈴鹿 2&4 レースというタイトル通り、4 輪と 2 輪のビッグレースが併催で開幕するイベントとあって、決勝日には約
32,000 人の観客がサーキットに詰めかけた。ピットウォークの時間は日差しも強まり汗ばむほどの陽気だったが、2 輪
の決勝レースを挟んでスーパーフォーミュラの決勝レースが始まるころには雲が広がり、いくらか温度も下がってきて
いた。8 分間のウォームアップ走行、そしてスタート進行を経て、いよいよ決勝レースがスタートした。
フロントロースタートの国本は好スタートを決めてポジションキープ。15 番手スタートの石浦も一つポジションを上げて
オープニングラップを終えた。タイヤの変化が未知数のレースで、序盤は各車が様子をうかがっているのかあまり動き
のないままに周回数が重ねられていく。国本はトップの山本尚貴に少しずつ差を広げられはするものの、安定したペ
ースでレースを進めていった。石浦は 19 周目にポジションを 2 つ上げているが、これは他車がピットインした関係で自
動的に上がった形。単独では上位とそん色のないタイムを出せるものの、前方のマシンにふさがれ苦しい展開が続い
ていた。
周回数が半分を過ぎたあたりからピット作業に入るマシンが現れ、レースにも動きが出始める。前のマシンにふさがれ
ペースを上げられなかった石浦も、23 周目に前が開けると一気にペースアップ。31 周目にピットインすると、給油のみ
の作業でコースに復帰した。ただ、石浦よりも前にピットに入っていたジョアオ・パオロ・デ・オリベイラにアンダーカット
される形となり、レースの終盤戦はこのオリベイラとの攻防が展開された。オーバーテイクシステムも駆使しながら、い
たるところで接近戦を仕掛けたが、扉をこじ開けることができず。11 位フィニッシュと予選からのポジションアップには
成功したが、悔しい結果となった。
2 番手をキープしたまま周回を重ねていた国本は、石浦
がピットインした翌周の 32 周目にピットイン。こちらもタイ
ヤを替えずにコースに復帰した。ほぼ同じタイミングでピ
ット作業を済ませたトップの山本、3 番手のストフェル・バ
ンドーンも国本と同じタイヤ無交換作戦。3 台の順位はピ
ット作業後も変わらず、国本は 2 位でゴール。目指す優勝
には手が届かなかったものの、F1 デビューも果たしたル
ーキードライバーを抑えきっての久々の表彰台獲得に、「やりきりました」と充実した表情を見せた。
2 台の結果は分かれることになったが、それぞれのパフォーマンスの高さは十分に優勝争いに加われることも証明で
きた。次戦、石浦が初優勝を遂げた岡山で、2 台揃っての上位フィニッシュを目指す。
ドライバー/#1 石浦 宏明
「戦略や、スタート、レース中もいろいろとトライしてみま
したが、やはりあの位置からのスタートでは大きなポジ
ションアップは難しかったですね。一瞬ではありましたが、
前にクルマがいなくなったときにいいタイムを出すことが
できたので、この週末、それだけのパフォーマンスがあ
ることが実感できました。だから、余計に悔しくもなりま
したね。何事もなければ勝てるようなレースだったと思う
し、それだけの仕上がりにはなっていました。(ポイント
を)獲れるときに獲りたかった。ノーポイントは痛いです
ね。自分のミスで後方スタートになったのなら仕方がないのですが、そういうわけでもないのでなかなか納得するの
は難しい。次の岡山は初優勝の地なので、気持ちを切り替えて頑張りたいと思います」
ドライバー/#2 国本 雄資
「なんとか 2 位のままで表彰台に上がれたことがすごく嬉しいです。山本選手のペースが良く差を広げられていく中
で、後ろからバンドーン選手が迫ってくるのも感じなが
ら、ミスなくペースをコントロールするのは大変でした。
(バンドーン選手は)同じぐらいのタイムで走っていたの
で大きなミスがなければ抜かれはしないと思いながらも、
お互い限界のところで走っていたので、本当にギリギリ
の戦いだったんです。チームも 2 位に入れるクルマを用
意してくれて、すごく感謝しています。ヨコハマタイヤも
未知数でしたが、タイヤのグリップ、パフォーマンス、レ
ース距離を走ってみてどうか、などいろいろ分かりまし
た。今後も問題なく行けそうです。次の岡山も同じよう
に強い気持ちで挑みたいと思います」
監督/立川 祐路
「国本は、予選だけでなく決勝でもペースは悪くなかった
ですね。今年はこのままいいリズムに乗ってくれたらと
思います。石浦も、前のマシンがいなくなったときにはト
ップよりもいいペースで走っていたので、予選から前に
出ていれば勝てた可能性もありましたね。2 人とも上位
で戦える状態だったので、次は 2 人そろって上に行きた
いですね。僕自身の理想は、2 台で優勝争いをすること。
国本はこの勢いを維持して、石浦は仕切りなおして岡
山に向かいたいと思います」
総監督/浜島裕英
「朝のフリー走行で分かったことは、今回はたれが少なく無交換が可能なタイヤだったということでしたね。これはきっ
とどのチームも分かったことだと思います。実際のレース
でも、全体的になかなかタイムが落ちてこなかったので、
できるだけピットインを送らせてポジションをキープした方
が有利だろうと判断しました。もちろん石浦選手に関しては、
エンジニアは早めに入れて追い上げる作戦も考えていまし
たが、なかなか前のマシンを抜けなかったのが誤算でした。
ただ、クルマの良さは確認できましたし、国本選手もバンド
ーン選手を抑えて久々に表彰台に上がれたことは自信に
なったと思います。次は 2 人そろって前に進みたいですね