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月刊FOOD STYLE21 創刊20周年記念セミナー
機能性食品研究の進展と予防医学
~サプリメント市場の新展開~
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開催のお知らせ ●
人間はもともと治す力を備えており、食べ物からの栄養によるコントロールで健康は維持できる。薬に頼らず
毎日の食事や運動で健康を目指すことがいま求められている。食品の機能と健康を考える科学情報誌「FOOD
STYLE 21」は1997年6月号の創刊から本年の5月号で20周年を迎える。皆様への感謝の心を込めて、
「機能
性食品研究の進展と予防医学 ~サプリメント市場の新展開~」をテーマに記念セミナーを企画した。午前の部で
は、食の健康機能に関する分野で世界の研究をリードしてきた大澤俊彦&清水誠両先生に登壇願い、最新の話題
を講演していただく。午後の部は、予防医学からみたサプリメントの有効性について、進行すると重病に関わる
メタボリックシンドロームの予防、実際に治療として食品素材を応用されている例、葉酸などサプリメントの有
効な利用、生活習慣病が進行すると罹患する慢性腎臓病、食理学の視点からみたサプリントの有効性など5人の
先生にご講演いただく。詳細は以下の通り。
■ 会 期:2016年 5月19日㈭ 10:00~17:00
■ 会 場:東京ビックサイト 会議棟 102号室
■ 聴 講 料:事前申し込み 6,000円( 5月6日㈮まで) 当日申し込み 8,000円
■ お問い合わせ:TEL 03−3238−7818 FAX 03−3238−7898 E-mail:[email protected]
■ お申込み方法:公式サイトからもお申込みいただけます http://www.if iajapan.com
午前の部
健康機能性食品研究最前線
【10:00~11:00】
抗酸化・抗炎症を指標とした食品の生体内機能評価
~酸化ストレスと健康・疾病の関わりから食品機能研究の最新動向、生体内機能性評価バイオマーカーの話まで~
愛知学院大学心身科学部・健康栄養学科 大澤
俊彦 氏
ウイルスや病原菌からわれわれを守ることで生体防御に重要な役割を果たす免疫担当細胞も、過剰な反
応の結果タンパク質の酸化傷害が誘導されることが注目を集めてきている。過剰発現の条件では、酸化ス
トレスの結果生じた活性酸素が生体内脂質過酸化反応を誘導し、生じた脂質ヒドロペルオキシド類は、タ
ンパク質やリン脂質、DNAなどに対して酸化修飾物を生成し、生活習慣病の発症に大きく関連していると
推定されている。最近、われわれは、これらの酸化修飾物に特異的なモノクローナル抗体を搭載した抗体
チップを作製し、抗酸化バイオマーカーとしての応用に成功している。さらに、最近では㈱浜松ホトニク
ス研究所の數村公子専任部員らとの共同研究により、多くの生活習慣病や認知症の発症に関わる炎症反応に重要な役割を果た
す好中球免疫過剰応答で生じる酸化ストレスを測定するプロジェクトがスタートした。抗酸化食品を摂取前後で採取された微
量の末梢血を用い、蛍光・化学発光同時測定装置で測定することで、抗酸化食品の生体内抗酸化機能を評価しようとするもの
である。このプロジェクトは、平成26年度「戦略的イノベーション創造プログラム」
(次世代農林水産業創造プログラム)に採
択されているので、ヒト臨床系における抗酸化食品の評価研究が一層進展するものと期待されている。以下、
「抗酸化フード
ファクター」の開発、抗酸化食品のヒト臨床試験への応用など、酸化ストレスと健康・疾病の関わりから食品機能研究の最新
動向、生体内機能性評価バイオマーカーの話まで最近の応用事例を交えて紹介する。
【11:00~12:00】
腸内環境と機能性食品研究開発の展望
東京農業大学 清水 誠 氏
日本の機能性食品の代表と言える特定保健用食品(トクホ)は、許可品目数がすでに1,200を超え、その存在は社会にも広く
浸透している。現在許可されているトクホ製品が標榜している保健の機能は、①血糖値、血中中性脂質値、血中コレステロー
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ル値、血圧のような指標の改善を目指す、②歯や骨の健康増進を目指す、③腸内環境を整備して便秘や下痢
を予防する、といったもので、一般的には糖尿病、肥満、骨粗しょう症などのいわゆる生活習慣病を予防す
る食品としてのイメージが強い。しかし、上記①~③の目的を達成するために開発されたこれらのトクホが
作用している場所を考えてみると、実に現行トクホ製品の3分の2以上は腸内環境で働いていることに気付
く。腸内細菌叢に影響を及ぼす上記③のトクホだけでなく、腸管における栄養素の吸収性に影響を及ぼすこ
とによって①や②を実現するトクホが多数開発されているからである。経口摂取した食品中の成分はすべて
腸管内に入っていくことを考えると、腸管内でのイベントを制御する機能性食品が最も開発しやすく、効能も期待しやすいの
は予想されることである。しかも、腸管内での食品の作用の仕方は、これまでのトクホの機能に止まらない多様性があること
が近年明らかになってきている。整腸機能の新展開、腸管上皮機能研究の新展開を柱に機能性食品開発の可能性を探る。
午後の部
予防医学からみたサプリメントの有効性
【13:00~13:40】
メタボリックシンドロームの診断基準と問題点など
医療法人社団エミリオ森口芝浦スリーワンクリニック 板倉
弘重 氏
生活習慣病の有病者・予備群の減少を目指して導入された特定健康診査(特定健診)はメタボリックシン
ドローム(※内臓脂肪症候群)の要因である生活習慣を改善して、高血圧や脂質異常症、糖尿病などの有病
者・予備群を減少させることを目的に平成20年4月から40歳から74歳までの被保険者を対象に始まった。
メタボリックシンドロームは、肥満の状態にある人が脂質異常症、高血糖、高血圧など複数の症状をあわせ
持つ状態で、内臓脂肪型肥満の状態が長く続くと、脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こすリスクが高くなるこ
とがわかっている。海外ではメタボリックシンドロームの診断基準は、1998年にWHO(世界保健機関)から、
2001年にNCEP(全米コレステロール教育プログラム)から、心血管疾患発症に対する複合リスクとして発表されたが、欧米の
メタボリックシンドロームの概念は、様々な危険因子が重なると動脈硬化症のリスクが高くなることを中心に考えられている。
海外では日本のように内臓脂肪の量はそれほど重視せず、欧米はむしろ太っている人が多い。それに対し日本の糖尿病患者は
痩せていても罹患する人が多い。さらに日本の肥満の基準は、海外と異なるのでBMIの基準も異なる。海外ではBMI30以上
が肥満、日本は25以上が肥満とされ、
「肥満」の考え方も基準も異なる。メタボリックシンドロームは、複数の動脈硬化危険因
子の重なりで高リスクであるという、動脈硬化性疾患の予防という側面と、内臓脂肪の過剰による慢性炎症による糖尿病の進
行やがん、認知症、その他の健康長寿に障害となる生活習慣病の予防という側面も含まれている多様な病態であり、個別の症
例で適切な対応が求められるが、食事、運動、睡眠などのあり方を検討する必要がある。人間はもともと治す力を備え、食べ
物からの栄養によってコントロールし健康を維持できる。薬に頼らず毎日の食事や運動で健康を目指したいものである。
【13:00~13:40】
乳酸菌を取り入れたオーダーメイド治療の実践と疾病の予防
医療法人社団藍風会 江の島弁天クリニック 理事長・院長 松村
浩道 氏
近年、次世代シーケンサーなどの登場によって腸内細菌叢の解析が飛躍的に進歩し、腸内環境を整え
ることが生活習慣病の改善や免疫力の向上に繋がることが明らかになりつつあり、同時に、SIBO(Small
intestinal bacterial overgrowth)やLGS(Leaky gut syndrome)などの腸内環境の問題と、様々な疾病と
の関連が注目されるようになってきた。乳酸菌は、こうした問題を是正しうるプロバイオティクスとして
期待されているが、腸内環境は個々人にとって異なるため、最適な乳酸菌の選定には個別化が必要である。
当院で採用している手法は、600種類から6種類まで厳選した乳酸菌と、各々の血液を共培養したのち、イ
ムノアッセイ(ELISPOT)によりIFN -γ/IL - 10比を最も増加させる1種を選び出すというものであり、このようにして選出
した乳酸菌は、がん細胞に対するcytotoxicityを有意に増加させることがわかっている。また、SIBOに代表されるような劣
悪な腸内環境のまま、いかに優れた乳酸菌を用いたとしても、期待するような効果が得られないことが多い。本講演では、こ
れらを踏まえた当院での包括的なアプローチを紹介する。
【14:35~15:15】
神経管閉鎖障害は葉酸の予防と葉酸の有用性 熱田リハビリテーション病院 近藤
厚生 氏
神経管閉鎖障害は二分脊椎、脳瘤、無脳症など先天性奇形の総称である。脳瘤と無脳症の胎児は妊娠中に流産するか出生し
ても数日で死亡するが、二分脊椎の患児は医療技術の進歩により、健常人と同じくらいの寿命を保つことができる。二分脊
椎患者の過半数は水頭症、脊椎側弯症、下肢の変形と運動・知覚麻痺、臀部と足底の褥瘡、尿失禁、大便失禁、男性不妊症
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などに罹患し、多くの手術と生涯にわたる身体のリハビリテーションを必要とする。葉酸は1940年代にホ
ウレン草から発見された水溶性ビタミンB9(プテロイルポリグルタミン酸)で、体内では合成できない。天
然の葉酸(プテロイルポリグルタミン酸)は緑黄色野菜、果物、レバーなどに含まれるが、その生体利用効
率は50%とやや低い。一方、化学合成される葉酸はプテロイルモノグルタミン酸と呼ばれ、生体利用効率
が85%と高い。葉酸はDNAの合成、貧血の治療、組織の新生、神経管閉鎖障害の予防、流産と胎盤早期剥
離の防止、脳卒中の防止などの重要な機能を担っているので、
「赤ちゃんのビタミン」とも呼称される。本
邦における神経管閉鎖障害の発生率は、二分脊椎と脳瘤+無脳症では対照的な推移を示している。その理由は1980年代に超音
波検査法が産婦人科医の間で急速に普及したためであり、脳瘤または無脳症と診断された胎児の90%は妊娠中絶を受けて急
激に減少した。しかし二分脊椎の胎児は妊娠中絶を受ける割合が30 - 40%と低いため、最近では年間500 - 550名の患児が出生
している(5.5例/分娩10,000例)。我々は症例対照研究を行い、本邦における二分脊椎のリスク因子を初めて同定し4つのリ
スク因子を見出した。昨年12月には日本ビタミン学会・タスクフォース委員会のメンバーと共に、加藤勝信内閣府特命担当
大臣(一億総活躍担当、女性活躍担当)と面談し、葉酸摂取の実態と有用性、穀類への葉酸添加政策の必要性などを陳情した。
我が国の神経管閉鎖障害児の死亡率を低下させ、重篤なハンディキャップを背負った患者を予防し、妊婦の安全を確保し、高
騰中の医療費抑制を目指した取り組みについても紹介する。
【15:20~16:00】
メイラード反応研究と慢性腎疾患予防
東京大学大学院医学系研究科CKD病態生理学講座 稲城
玲子 氏
生活習慣病(糖尿病、脂質異常症)は糖や脂質由来のメイラード反応(糖化反応)最終産物の形成を亢進し、
疾患の原因となることはよく知られている。しかしさらに重要なことに、超高齢社会では ①加齢と共に腎
機能が低下するため糖化反応産物が生体に蓄積し(最終糖化産物やその前駆体の一部は尿毒素)、それが糖
化ストレスを高めること、②その過剰な糖化ストレスは腎臓老化の加速、つまり腎臓細胞における老化シ
グナルの亢進や長寿遺伝子の発現低下(老化調節機能の破綻)を招くことなどがわかってきた。つまり腎臓
老化と糖化ストレスの悪循環を断ち切ることは、腎臓の機能恒常性維持や腎老化調節機構を保持し、将来
的に健康長寿社会の実現に繋がると考えられる。
慢性腎臓病(Chronic kidney disease, CKD)は成人8人に1人が患う現代国民病である。CKDは早期老化の病理所見を呈
し、腎臓老化を加速させる腎臓病である。さらに重要なことにCKDは加齢性疾患(認知症、心血管病、脳梗塞)の危険因子
である。そこで我々は、CKDの病因論(糖化ストレス、小胞体ストレスなど)、それらストレスシグナルと腎臓老化関連遺伝
子との関連性などについて研究を進めてきた。そのなかで、腎臓の糖化ストレス消去機構(Glyoxalase経路)は加齢と共に低
下し、それによって亢進した加齢性糖化ストレスが尿細管間質の老化の加速要因となること、腎糸球体において長寿遺伝子
(SIRT1)は糸球体足細胞の機能恒常性維持に働き、糖化ストレスなどによるSIRT1機能破綻は糸球体老化促進(濾過機能低
下と糸球体硬化)に繋がることなどを明らかにしてきた。
【16:00~16:40】
食理学的研究を通しての期待できるサプリメントとは?
横浜薬科大学総合健康メディカルセンター・主任教授・センター長 渡邉
泰雄 氏
「薬理学」は、医薬品や候補物質の生理効果発現メカニズムを生理機能学的に研究して、細胞単位、さら
には、細胞内情報伝達系にまで及んで解明する学問である。しかし、
「機能性食品」の多くが医薬品の様に
「生理機能」を発現すると期待されているにも関わらず、起因物質が複雑であり、しかも、
「機能性」に関し
ては「伝承性」が定着していて、主要な機能か否か不明な点である。
「食の機能」から見れば、食品が機能性
を有する事は当然の事である。しかし、特に最近では、
「予防医学」として「食の三次機能」が大きく取り上
げられる事で、益々、
「食理学」を考慮した研究の必要性は高められている。実際に、食素材や海外の民間
療法で用いられたと称する素材が、機能性の評価をされる事無く、製品化され、サプリメントとして販売され、安全性に問題
の生じている場合が多くなっている。この様な問題が生じる事は、確かな「機能性」を期待でき得るサプリメントにまで悪影
響を及ぼしかねない。そこで、可能な限り「食理学」を基盤として「確かな機能性」を見出すことで、予防医学に貢献できるサ
プリメントの開発は重要である。最近、我々の食理学研究から、幾つかの「期待できるサプリメント」へ応用可能な素材が見
つかった。食理学的研究に、従来、我が国や欧米諸国では低カロリー甘味料として使用されていた「ステビア」や、抗肥満効
果が主体であった「ブラックジンジャー」、さらには、植物性セラミドの「パイナップルセラミド」のルーツや特性に関して紹
介する。今後サプリメントは、幅広い年齢層への「安全で、確かな機能性を有するサプリメント」として販路を拡大すると思
われる。そして、これらの「食理学」的に実証されたサプリメントは、医療現場で働く、医療専門家達に認められる「予防医学
としてのサプリメント」として使用される事を考慮して、更なる実証を続けて行かなければ成らないと考える。
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ifia/HFE JAPAN 2016 会議棟セミナー
M:月刊 FOOD STYLE 21 創刊20周年記念セミナー
申込書
機能性食品研究の進展と予防医学
∼サプリメント市場の新展開∼
下記にご記入の上、
(株)食品化学新聞社までFAXにてお送りください。
お申込み受付後、請求書と受講証を送付いたします。
FAX 03 - 3238 - 7898
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※セミナー受講の方は、ifia/HFE JAPAN 2016展示会場に無料でご入場いただけます。
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